
2025/01/14 - 2025/01/19
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chemireさん
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ボランティアガイドさんの説明を受けながら、小田原城内を巡りました。新しい知識が吸収できるし、ひとりで回るより何倍も面白かったです。
ガイドツアーを終えた後は、天守閣内の見学へ。
※鎌倉幕府執権の北条氏と区別するため「後北条氏」や「小田原北条氏」とも呼ばれますが、ここでは北条氏と表記しています。
※ガイドさんの話をスマホのメモに入力しながら見学したのですが、聞き間違い・書き間違いあるかもしれません。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
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1月15日(水)小田原城見学のつづき
二の丸跡にある観光案内所に戻って、無料ガイドツアーに参加しました。集まったのは母娘1組と私の3人だけで、ガイドさんの示す資料が間近で見られて分かりやすかったです。
14:30
ガイドさんの自己紹介の後、正規登城ルートを戻りながら説明がスタート。まずは、小田原城の歴史を振り返ります。
小田原城は、室町時代に大森氏が築いた城郭が前身とされ、1500年に伊勢宗瑞(北条早雲)が小田原に進出し勢力を拡大。西国では有名な「伊勢」も関東では認知度は低く「北条」としましたが、早雲本人は北条氏との繋がりは無く、彼を祖とする一族が北条を称したのは早雲の死後、嫡男の氏綱の代に関東の戦国大名として定着してから。生前に本人が北条早雲と名乗ったことはなく、後世において「北条早雲」の名で知られているようになったそう。
その後、5代 90年にわたり関東を支配した北条氏でしたが、天正18年(1590)の石垣山一夜城の築城をはじめとする秀吉の小田原攻めにより滅亡してしまいます。
この時、四代氏政は切腹。五代氏直は高野山へ追放。氏直は、自身が切腹することにより将兵の助命を請い、秀吉はその申出について感心し、家康の婿(妻は家康の二女督姫)であったことからも助命されたそうですが、元来の性格の良さが現れたというのが興味深いところ。 -
馬出門。
扉が城側に引くように取り付けられているのは、逆の場合だと、敵に押さえられたら開かなくなってしまうから。扉の上部に隙間があるのは、ここから敵の様子を覗いたり攻撃するため。
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全体を通して感じたことだけど、やっぱりガイドさんに案内していただいて良かったです。いろいろお城を見てきたけど、扉の開閉でさえ防御機能が考えられていたという初歩的なことすら理解していなかったので。 -
お堀の説明。
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住吉橋の下には排水口。
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銅門。銅板は、木の扉が火矢などで簡単に燃え落ちないようにするためのもの。梁は松、柱はヒノキが用いられているそうです。
小田原城 銅門 名所・史跡
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現在の銅門は、平成9年(1997)に古来の工法により復元されたもの。
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ひとりで回った時に梁を見上げたのに、説明していただくまで気付かなかった石落としの表示。
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復元された大扉の柱は石垣に合わせて削られていて、外からの光が射し込まないほど精巧に造られているのがポイント。匠の技がなせるものだと。
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この柱の足元も覚えておいてくださいと言われ、この後、二の丸跡で礎石の説明がありました。
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扉の下の隙間は、槍などで足元を攻撃するため。
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小田原城の瓦のほとんどに徳川家の三つ葉葵が刻まれていますが、幾つかの例外があって、銅門の鬼瓦には小田原城主・大久保家の家紋が見られました。他にも、小田原市章が刻まれているものもあるそうで、時間があれば探してみたかった。
それから、徳川三代までの家紋と、四代以降では形の違いがあることも学びました。ガイドさんが仰るには、先ずは茎の長さを見ると分かりやすいそうなので、これからは意識して鑑賞してみようっと。 -
二の丸跡へ。
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伝 銅門礎石。
石の側面が斜めに削られているのは、門戸横の斜めの石垣に沿ってピッタリ設置するため。 -
銅門土塀模型。
お城の塀は、竹小舞(たけこまい)と呼ばれる竹で編んだ軸を中心に、牡蠣の殻や石灰を混ぜたものを塗っては乾かしを繰り返し、工程の途中では完全に乾かさないといけないため完成までに3ヶ月はかかります。
それを考えると、秀吉が80日間で築城したという石垣山一夜城も、もっと月日を要したのではないかという説が面白かったです。 -
樹齢推定500年のイヌマキ。台風で北半分の枝が折れてしまっています。
土塁の上に立派な木があるので小田原城の築城年を考えると、ここで500年育ったわけではなく移植されたもののよう。そして、ここから説明が広がり、城内は松も多いけれど、ご用邸があったことから数多く植樹されたという話も。
城内の木を見て歴史を考えるなんて、自分では思いつかなかったです。小田原城跡のイヌマキ 名所・史跡
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常盤木門へ。
多聞櫓と接続しているこの門は、昭和46年(1971)に市政30周年を記念して再現(復元ではない)。原型は元禄16年(1703)の大地震で崩壊した後、宝永3年(1706)に再建されたもの。小田原城 常盤木門(SAMURAI館) 名所・史跡
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小田原城は江戸時代だけでも地震や火災で3度大きな被害を受けているため、門の傍らに植えられた松が何十年も生長することに因み、小田原城が永久不変に繁栄することを願って常盤木門と名付けられたそう。
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銅門と違って、こちらは石垣と扉の間に隙間ができてしまっています。
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門の内部から見たら、柱と石垣に隙間があって光が差し込んで来るのがはっきり分かりました。
昭和(常盤木門再建)と平成(銅門復元)で、費用の違いもあるかもしれないが、ここまで工法の差が出てしまうなんて...というのはガイドさんの弁。 -
15:42
小田原城天守は、見た目は3階建でも三重4階建。そして、屋根の鯱は鬼門にいるのがオス。最後にこんな話を聞いて、ガイドさんの説明が終了しました。
50分間の予定をオーバーしましたが、もっと聞いていたかったです。次からは、メモ帳を持って参加しようと思います。ありがとうございました。小田原城天守閣 美術館・博物館
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ガイドさんに別れを告げて、天守閣内の見学へ。
西の守りを固め徳川を威厳を示すためにも、関東の譜代大名の中では、唯一、天守があげられていました。 -
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復興天守。本来、最上階にはなかった高欄・廻り縁が付加されていますが、細かい事は気にしないで入城。
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チケットには、天守模型の写真が使われています。江戸時代に制作された小田原城三重天守の雛形で、現在の天守閣復興のさいに、基礎資料のひとつとされたものだそうです。
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パンフレット
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昭和35年(1960)天守閣復興。内部には、甲冑・絵図・古文書など小田原の歴史を伝える資料が展示されています。
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全国にある天守の高さ比べ。
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小田原城は7番目の高さで、東日本では一番の大きさ。
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1500年、伊勢宗瑞(北条早雲)が小田原に進出し、以後、北条氏が5代にわたって関東での勢力を拡大しましたが、天正18年(1590)秀吉の小田原攻めにより北条氏は滅亡。徳川家康に従って小田原攻めに参陣した大久保氏が城主となり、
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改易にあたり稲葉氏が入城。
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貞享3年(1686)に再び大久保氏が城主となり、幕末に至ります。
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徳川将軍家専用の本丸御殿が置かれ、将軍家の城としての性格も持ち合わせていました。
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東海道とその脇街道が通り、6ヶ所もの関所を管轄していたのは全国でも小田原藩が唯一。幕末に異国船が日本近海に現れるようになると、小田原藩は海防も担当することとなりました。
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ういらう。生菓子を連想するけど、中国から渡来した外郎(ういろう)氏の姓名が語源の家伝の秘薬が「薬のういろう」の始まり。
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総構
小田原城とその城下を囲って築いた総距離9Kmにも及ぶ大規模な堀と土塁による要塞。 -
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16:37
最上階廻り縁へ。東の方角から、半時計回りの一方通行です。 -
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曽我の郷。
方角全体の写真だけではなく、ピンポイントで表示があったので景色が見やすくてよかったです。 -
丹沢
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北
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小田原城 八幡山古郭
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箱根
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西
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石垣山 一夜城
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真鶴・伊豆半島
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南
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伊豆大島
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三浦半島
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東
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16:45
これで廻り縁を一周。短い時間でしたが、冷たくて強い風にスマホを持つ手が凍えそうになりました。 -
最上階には「武士の間」が設けられ、摩利支天像が安置されていましたが、新しくきれい過ぎた空間は不自然な感じ。
閉館時間がせまってきたので、説明文は読まずに写真に収めて下階に向かいました。 -
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16:53
天守閣を退出。内部の見学に要したのは、ちょうど1時間。あと30分あれば、もっと資料を読めたかな。 -
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17:09
銅門へ戻ってきました。日が暮れていく様子も素敵だなぁ。 -
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三の丸跡にあるのは、その名も小田原市立三の丸小学校。とっても立派な校舎でした。
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17:14
どんどん辺りが暗くなっていきましたが、ガイドさんが指しながら馬出門越しにしてくれた御茶壺道中の話が面白かったので、御茶壺曲輪に向かってみました。 -
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御茶壺曲輪 御茶壺蔵跡
江戸時代、宇治から将軍へ茶を献上する際、茶を運ぶ行列「御茶壷道中」がここを通ったそうです。争いがなくなり、お茶を嗜む文化が江戸まで広がります。
現在では蔵などの建物の礎石等は残っていませんが、周囲の土塁を見ることができました。 -
ずいずいずっころ橋ごまみそずい
茶壺に追われてとっぴんしゃん
抜けたらドンドコショ
ガイドさんが突然に歌い出した時には驚きましたが、歌を聴いているうちに、茶壺は御茶壷道中を指しているんだと気付きました。
朝廷や将軍家用の高級茶を、宇治の茶師に作らせ茶壺に詰めて江戸に献上させたのが御茶壺道中のはじまり。茶壺を持った仰々しい行列が通るときには、諸国の大名行列さえ道をあけ、庶民は顔を上げられなかったそう。
不思議な歌詞だなと思ったことがありましたが、将軍様の茶壺が通る時は戸をぴっしゃと閉めて静かにして、通り過ぎたら...と、茶壺道中を風刺した歌だったんですね。 -
小田原は江戸から宇治に向かう往路に位置していて、小田原城に立ち寄る際は、空の茶壷がこの蔵に収められたと考えられているそうです。
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名残惜しくて、行ったり来たり。
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御茶壷曲輪と馬屋曲輪は堀で区切られていて、水面に映る石垣がいい感じ。
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17:28
隅櫓越しに天守を望んでからお城を離れました。 -
17:41
北条氏政(4代)・氏照(氏政の弟)の墓所へ。
小田原駅東口方面の栄町付近を歩いて、小田原城探索はおしまい。 -
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この旅行記へのコメント (3)
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- ひでじいさんさん 2025/03/26 07:41:36
- 初めまして
- 小田原城訪問有難うございます。小田原市民ですが旅行記を見ると私より歴史など細かく書かれていて、知らないことまで書かれて私は恥ずかしいです。
もう、何十回も行ってますが知識的観点はありませんでした。
70年位前にがれきから再建し、10年くらい前にリニューアルしたんですよ。
これからイベントが始まります。3月29日30日は「小田原かまぼこ桜まつり」、「4月5日6日は「おでん祭り」があります。
お邪魔しました。
- chemireさん からの返信 2025/03/26 16:19:24
- Re: 初めまして
- ひでじいさん様
コメントありがとうございます。chemireです。
学生の時、地理や歴史をもっと真面目に学んでおけばよかったと思いながら旅を続けています。旅行記は、授業をサボった事に対する反省を込めたレポートのようなものなので、長い文章にお付き合いくださった上にコメントまでいただいて恐縮しています。
イベントの情報もありがとうございます。すぐには再訪できないと思いますが、お祭りの時期に合わせて訪ねてみたいなぁと思いました。
よろしければ、イベントの様子を旅行記にアップしてください!
- ひでじいさんさん からの返信 2025/03/27 14:42:26
- Re: 初めまして へ返信
- 小田原市は天候的には台風は来ないし、雪も降らず、過ごしやすいです。
都心への通勤は新幹線があり、一時マンションの価格が上がりました。
小田原駅は新幹線、東海道本線、小田急線、伊豆箱根鉄道、箱根登山鉄道の5線が交わっていて、駅周辺のみ栄え少し離れるとシャッター通りで昔の活気が無くなってきてます。
CHEMIREさんがどこに在住か分かりませんが、今年の市内のイベントは下記で分かるかもしれません。
1、https://www.city.odawara.kanagawa.jp/kanko/event/
2、https://www.odawara-kankou.com/
興味がありそうなら再訪してください。
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