2022/08/12 - 2022/08/21
691位(同エリア792件中)
RiEさん
旅行7日目。
シトシト雨から始まった朝は風があって涼しく、天気予報を確認するとこれから向かう秋田県も雨予報だった。
“田沢湖”に到着したのは正午ぴったりで相変わらず雨も降り続いていたため、瑠璃色の湖面と例えられる紫みを帯びた濃い青はお目にかかれなかったものの、岸に近い湖面は鮮やかな水色や、瑠璃色と翡翠色が混ざったような不思議な色をして神秘的だった。
“御座石神社”を参拝した後、田沢湖の象徴的な存在である美貌の乙女:辰子姫をモデルにし“たつ子像”に逢いに行くと、断続的に降り続いていた雨がカメラを構えていたら奇跡的に2-3分だけ止み、湖面の色が濃くなりブルーがかって黄金色のたつ子像が引き立つ瞬間を納めることができた。
今日の目的地の角館もやはり雨模様で、霧雨だったせいか風が吹くと真夏なのに肌寒いくらいだったけど、雨でシットリ濡れて風情漂うシダレザクラに囲まれたみちのくの小京都と呼ばれる“角館武家屋敷”を散策して“武家屋敷 小野田家”を覗いたあと、“武家屋敷 河原田家”に立ち寄って建物内部を案内してもらった。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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宿泊していた岩手県矢巾町から田沢湖方面に向かう途中、岩手県雫石町の道路に表示されていた温度は真夏らしからぬ21℃で、窓を開けてみるとヒンヤリと予想以上に肌寒くて驚いた。
断続的に降り続く雨のなか正午ぴったりに“田沢湖”に到着したものの、田沢湖に沿って走る対向車線は車を停める場所がなかなか見つからないし、鬱蒼と生い茂る木々に囲まれて湖面は見えないので… -
“御座石神社”の駐車場まで車を走らせる。
田沢湖畔に突き出ているような岩の上に建つ鳥居へ行ってみると、雨で足元がぬかるんでツルツル滑るので注意しながら田沢湖に近づいた。田沢湖 自然・景勝地
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雨雲に覆われているせいか、瑠璃色の湖面と例えられる紫みを帯びた濃い青はお目にかかれなかったけど、この雨でも透明度が高いことに驚いた。
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ふと左手側を見ると、湖面が妙に鮮やかな水色をしていて…
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更に岸に近付くにつれ、湖面が瑠璃色と翡翠色が混ざったような神秘的な美しさが広がっている。
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鳥居からまっすぐ伸びる階段をのぼっていく。
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御座石神社の歴史は古く、室町時代に熊野権現を信奉する修験者がこの場所を修業の場としたという言い伝えが残されており、以前は別の名で呼ばれていたものの、1650年に秋田藩主:佐竹義隆が田沢湖を遊覧した際に腰をかけて休んだことに由来してこの社名が定着したのだとか。
御座石神社 寺・神社・教会
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もの言いたげな表情のたつ子姫像。
足元をよく見ると、とぐろを巻いているので龍と繋がっているらしく、雨にシットリ濡れた姿は妖艶だった。
この像は美貌の乙女:辰子姫をモデルにしていて、永遠の若さと美貌を願い霊泉を飲んで竜に姿を変えた辰子姫は、田沢湖の守り神となったと伝えられている。 -
更に階段を上がっていくと、鮮やかな赤色の社殿が姿を現す。
秋田藩主:佐竹氏に関連してなのか、佐竹扇と呼ばれる五本骨扇に月丸の紋が描かれており、竜伝説があるのだから当然居るだろうと思っていた龍の姿は見当たらず意外だった。 -
車に戻ると雨脚が強まってきたので少し待ってから“たつこ像”まで移動すると、田沢湖周辺にある駐車場は土産物屋の併設だったり、HOTELの駐車場しか見当たらなかった。
観光客用の駐車場を探して田沢湖前のHOTEL裏手に車を走らせると、田沢湖から200m程離れた先にこの看板(簡略化され過ぎて地図はあてにならない)が建っている公衆トイレ前に無事停められた。
ただし、5台+障碍者用1台の小さな無料駐車場なので、観光客が少ない悪天候に救われた感がある。 -
田沢湖畔の潟尻に立つ白木造りの小さな社殿は“漢槎宮(浮木神社)”。
漢槎宮(浮木神社) 寺・神社・教会
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視線を左に移すと、黄金色に輝くたつこ像が見える。
TVや写真からイメージしていた雰囲気と異なり、たつこ像は意外と道路に近い位置に立っていて、思わず「近っ!」と声が出てしまった。
ただ、スマホで撮るにはちょっと距離がある。たつこ像 名所・史跡
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漢槎宮(浮木神社)横から湖に降りる階段があるので行ってみる。
田沢湖 自然・景勝地
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雨が降り続いているせいで湖面が上昇しており、波打つ水がどんどん乗り上げる。
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私たちはトレッキングシューズを履いているお陰で3-4cm程度なら水があっても平気だけど、完全に足元が水に浸かっている箇所もあったので、スニーカーやサンダルだと厳しいかも。
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伝説の美少女:たつこ姫のブロンズ像(1968年)は、御座石神社のたつ子姫像よりも大人びた表情をしていて、清楚な美しさが滲み出ていた。
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イチオシ
断続的に降り続く雨の中カメラを構えていたら奇跡的に2-3分だけ止み、急に湖面の色が濃くなりブルーがかって、黄金色のたつ子像が引き立つ瞬間を納めることができた。
天候や季節によって表情を変える田沢湖の自然美に魅了される。 -
13:30雨がシトシト降り続いている角館に到着したため、車だけ停めて観光しても良いか確認したところ、そのままチェックインさせてもらえたので助かった。
今回は武家屋敷まで徒歩で気軽に行けることを優先して“町家ホテル 角館”に宿泊する。
詳しい口コミは下記をご覧くださいませ。
https://4travel.jp/dm_hotel_tips/14817152町家ホテル 角館 宿・ホテル
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アメニティはフロント前に置いてあるので、歯ブラシやワンピ型パジャマ(フリーサイズ)など必要なものを持っていく。
オーナーが美術品のコレクターなのか、館内廊下の至る所に個性的な絵が幾つも飾られていた。 -
客室には玄関があるので靴を脱いでスリッパに履き替えたけど、折りたたみ傘を干す場所が無くて困ったので、観光に出掛ける時はHOTEL入口の置き傘を借りた。
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予約したのはツインで、写真で見るとベッド足元のスペースがゆとりありそうに見えるけど…
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中型スーツケースを2つ広げると足場が無くなってしまうサイズ感だった。
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サニタリーは洗面台とトイレ・一般家庭のようなユニットバス(かなり小さめ)に分かれている。
共有スペースは比較的新しい印象だけど、客室の老朽化が結構気になった。 -
HOTELすぐ裏に“食彩 町家館”があるので、ランチしようと思っていたら14:00を過ぎていたため終了の案内が出ていた。
食彩 町家館 お土産屋・直売所・特産品
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ちなみに1階は土産物屋になっている。
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ウロウロするのは得策じゃないので道路を渡った向かいにある“月の栞”を訪ねてみると、ちょうど看板を片付けようとしている最中で聞いてみたらOKだったのでランチ難民回避できた。
月の栞 グルメ・レストラン
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店内はカウンター席と4人掛けテーブル席が2つあり、壁には有名人のサインが貼ってあった。
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Menu。
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【とんぶり山の芋うどん】1000円
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【比内地鶏の親子丼】1300円
【レモンサワー】500円
大きめにカットされたプリップリの比内地鶏と、卵が濃くてふわふわな玉ねぎがたっぷり入った親子丼に舌鼓。
夜ごはん調達のため運転する夫からOKが出たので、私だけ昼飲みさせてもらった。
合計:3080円。 -
長いレンズが雨に濡れるのが嫌だったので、この旅から導入したパナライカの9mmF1.7だけを携えて出発。
霧雨のような細かい雨が降る角館は、風が吹くと一気に体の冷えを感じるような冷たい雨で、私たち以外1-2組しか観光している人は居なかった。
武家屋敷の黒板塀を乗り越えて、しっとり濡れたシダレザクラが迫り出す眺めは風情がある。武家屋敷通り 名所・史跡
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角館武家屋敷は有料公開・無料公開だけじゃなくて、表札を見ると【非公開】と書いてあるのでご注意を。
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最初に見学するのは“武家屋敷 小野田家”。
無料だけど宅内には上がれないため、庭から家の中をみせてもらう。小田野家 名所・史跡
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小野田家は、今宮氏の配下から佐竹北家の家臣となった家柄で中級武士にあたり、もともと武術によって仕えていたため、かつては門を入った右側に道場があったそう。
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地を這うような木の根に注意しながら左側に進むと…
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開放された障子の奥に続き間が見えた。
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横からも覗けるようになっているけど、一部しか見えないのでUターン。
後に訪ねた他の武家屋敷を案内してもらっているときに「庭から覗いただけでは武家屋敷の本来の姿は分からないから、庭だけ公開しているところは勿体ない」と説明されたけど、確かに。 -
ここは伝統的な庭園が特徴で、特に地面が見えないくらい生い茂る笹に圧倒された。
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黒板塀がどこまでも続く町並みは趣があって美しい。
武家屋敷通り 名所・史跡
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続いては芦名氏の会津時代からの譜代の家柄で、後に佐竹北家に仕えた“武家屋敷 河原田家”へ。
河原田家 名所・史跡
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屋敷は江戸時代の武家屋敷建築様式をそのまま受け継いでおり、表座敷にはこの地方の書院造りの様式が残されている河原田家は、4年にわたる修理工事を終えて2021年4月から有料公開が始まったお陰で、建物内部が見学出来るようになった。
入場料は大人1人:300円で、見学可能な武家屋敷は最初の間で由緒をレクチャーしてもらうか、案内に従って見学していくスタイルだけど河原田家は後者。 -
河原田家は明治以降も学者や政治家を輩出し、第16代当主:河原田次重は私財で水力発電事業を手掛けるなど地域の発展に貢献した。
現在の家屋は1891年に建てられたもので、4室で構成された主屋は角館武家住宅の典型的な造りをしており、身分によって通れる玄関が異なることから3個の玄関が存在し、見学は脇玄関からスタートした。
ここから見えるのはナカノマと床の間があるザシキにあたる。 -
ちなみに掛け軸の【致道館】という書は旧庄内藩の藩校とは関係が無いそう。
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廊下には板戸があるけどすぐ庭に繋がるのではなく、間に土間通路があって面白い。
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広い庭には正面に祠があって、雨でシットリ濡れた木々や苔が艶やかな表情を魅せ、厳かな空気が漂っていた。
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視線を上げると土間の先まで、灯りとりの障子が迫出ていて、建物と庭のつながりを感じさせてくれた。
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広縁前のナンドは、家の主人の就寝所にもなっていて…
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細部を見ると釘隠しに蝶があしらわれていた。
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他の部屋の釘隠しには、縁起のいいとされる蝙蝠が採用されている。
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脇玄関前のダイドコロから広縁を眺めると、隣接したオカミ・廊下・ナンドも見渡せる。
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広縁に立つと窓から見えるのが、非公開のため正面だけ見ることが出来る文庫蔵で、建物の中に蔵がある造りをしている。
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蔵の前にはゴザと呼ばれる8畳間(立ち入れないので廊下から眺めるだけ)があり、階段を上がると2階の客間に上がれる。
客間から見える小さなバルコニーはあくまで飾りのため、実際に腰かけることは出来ないのだそう。 -
蔵の前は2階までの吹き抜けになっていて、文庫蔵と客間が向かい合うようになっている。
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靴を履き、脇玄関から続く通路を抜けて米蔵も見学。
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米蔵の中には正面に甲冑が飾られていて、歴代当主の肖像や功績や河原田家に伝わる調度品などが展示されていた。
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かつて上皇上皇后両陛下が訪れたときの写真も展示されている。
じっくり見ていたら閉館時間ギリギリになってしまったため、今日はここまで。
明日の午前中はまだ見ていない武家屋敷を散策して、午後から秋田市に移動する予定。
続きは08へ。
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