2021/05/20 - 2021/05/21
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令和3年、近畿地方が例年より約1か月早く梅雨入りした。そんな折、滋賀県米原市に滞在する機会があった。米原駅と彦根駅はJRで隣り合っている。雨が降り続く中、彦根城を訪れることにした。
彦根城に到着した直後、予期せぬ遭遇があった。
(2021.05.30作成開始)
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天守内部を見学中に雨が降り始めた。雨足はさほど強くはないものの、傘を差さざるをえない。
彦根城 名所・史跡
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写真奥が本丸の北東の角にある着見櫓(つきみやぐら)跡。かつて二層の櫓があり着見台と称していた。
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着見櫓跡から琵琶湖方面を望む。
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この後本丸を出て有料エリアをじっくり見て回ることにする。
上の写真は本丸と西の丸の間にある虎口。 -
本丸の北側に位置する西の丸側から眺めると付櫓がよく見える。
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彦根城の中心部で最も大きな郭である西の丸。本丸から見て西側にあるのが名前の由来であろう。
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西の丸の北西端に建っている三重櫓。国重要文化財。
さらに北に伸びた尾根の上にある出曲輪(出郭、でくるわ)との間に深い堀切が設けられている。
この三重櫓は西側と北側に1階の続櫓がくの字型に付設している。
一説では浅井長政の居城であった小谷城の天守を移築したとも言われるが、現存する建物の大部分は江戸後期に修理されたときのものらしい。彦根城 名所・史跡
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三重櫓の内部を見学する。
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櫓の3階(最上部)に上がることが出来る。琵琶湖の手前の内堀と中堀に囲まれた部分がよく見える。
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西の丸の北端の大堀切に架かる木橋。右側が三重櫓。
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大堀切。左側の三重櫓とその続櫓が鉄壁の防御となっている。
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堀切の方から見ると三重櫓の高い石垣が侵入を阻んでいることが分かる。
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出曲輪の北側にある緩やかな坂を下りる。内堀に囲まれた城の中心の北東部に通じている。
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坂道を下りきった後、内堀に沿った道を反時計回りに進む。少し先に山崎御門(山崎口御門)の跡が見える。
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山崎御門跡のすぐそばの石垣の上から見た内堀。
山崎御門は石垣の中に作った埋門(うずみもん)だと考えられている。 -
さらに進むと西の丸の北側の大堀切まで続く登り石垣がよく見える。なかなかの迫力である。
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水門跡。ここにもかつて埋門があったことは間違いないであろう。
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水門跡の前は細長い郭となっていて米蔵跡と呼ばれている。かつて彦根藩が幕府から預かっていた5万石の米を貯蔵する蔵が17棟建っていた。
船で運ばれてきた米は水門から城内へ運び入れられたことは間違いないだろう。 -
米蔵跡から大手門券売所の前を通り、坂道を上ってふたたび城の中心部へ向かう。天秤櫓に面した大堀切に通じている。そこからふたたび天秤櫓~太鼓門~本丸~西の丸と進む。
最初に太鼓門前の虎口に来たとき、ロケ隊と遭遇したため写真を撮れない場所があった。私が写真を撮っていると本丸の方から千田嘉浩氏とロケ隊スタッフが引き返してきた。
私の前を横切るとき、千田氏が『申し訳ありません』と大きな声をかけてきた。
西の丸から東側の井戸曲輪(写真)を通って急坂を下りる。 -
黒御門跡。内堀側に券売所がある。ここから有料ゾーンの外に出る。
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黒門橋。内堀の外側から内側を望む。
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黒門橋を渡った先の内堀の辺りに1羽の白鳥が羽を休めていた。私がすぐそばまで行って写真や動画を撮っても全く物怖じしない。観光客に慣れているのであろうか。
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内堀沿いに南へ進むと「井伊直弼生誕地」の碑が立っている。
現在保存修理中のため建物を正面から見ることはできないが、ここに建っている御殿は現在「楽々園」と呼ばれるエリアにある。
江戸時代は槻(けやき)御殿などの名前で呼ばれていた。この御殿は隠居所としても使用された。彦根藩第11代藩主・井伊直中の子としてのちに第13代藩主となる井伊直弼は、この御殿で産声をあげた。彦根城 名所・史跡
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楽々園の東隣の玄宮園は有料(私が購入した三施設セット券で入場できる)だが、楽々園の建物と庭園は無料で見学できる。
写真は玄関棟。外からの見学のみ。 -
御書院。これも外からの見学。
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庭園に面した広間などを眺めることが出来る。
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写真の中央が「御茶座敷(地震の間)」。頑丈な石組の上に耐震構造の建物が建てられている。藩主などが地震の時に避難する建物であったとのこと。
気になってネットで調べると他の城郭にも同じような地震の間が存在したようだが、彦根城以外には残っていないようだ。 -
楽々園の庭園。池の水が抜かれている。
写真の奥に玄宮園側の庭園が見える。 -
このあと玄宮園に入場する。
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広大な池(魚躍沼)に橋が多く架けられている。
玄宮園 公園・植物園
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庭園からの彦根城の天守を望むことができる。一種の借景なのか。
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玄宮園を出て内堀沿いに南へ。公園の中に井伊直弼の像が建っている。像は城の天守の方角を向いているようだ。
金亀公園 公園・植物園
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この後、大手門跡を見に行く。今朝最初に有料エリアへ向かうために通った馬屋と表門橋の間を通り内堀に沿って西へ。
大手門橋(上の写真)を渡って有料エリアの入口の手前まで進む。 -
写真奥が有料エリアの入口。大手門橋を渡った先は巨大な虎口になっている。
この頃から雨足が強くなった。帰りに線路の北にある井伊家ゆかりの寺に寄ることも考えていたが、諦めることに。 -
帰る途中、京橋口方面へ行く。
写真は旧西郷屋敷長屋門。裁判所の敷地内の南端で車道に面して建っている。彦根城下で現存する長屋門中最大のもので、特に正面の外観はほとんど旧形を保ち、旧武家屋敷の面影を残す貴重な遺構。市の指定文化財である。旧西郷屋敷長屋門 名所・史跡
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西郷家は遠州(現・静岡県)の出身で「34家」の1つで家老職だった。初代は徳川家康に仕えていたが、家康の命で天正10(1582)年、井伊直政の付家老となり幕末まで井伊家に仕えた。
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中堀の外側から京橋口を見る。ここも桝形虎口になっている。
京橋口は内堀と中堀に囲まれた「第二郭(重臣の屋敷があった)」と中堀の外側を結んでいる。彦根城 名所・史跡
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京橋口から真っ直ぐ延びた道の両側は「夢京橋キャッスルロード」と称して昔の佇まいを復元した街並みが整備されている。
夢京橋キャッスルロード 名所・史跡
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夢京橋キャッスルロードに面して建つ宗安寺(そうあんじ)。徳川家康を祀る寺で、江戸時代の朝鮮通信使の宿館としても利用された。
朱塗りの赤門(写真)は石田三成の居城・佐和山城から移築されたと伝えられる。宗安寺 寺・神社・教会
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本堂は元禄14(1701)年の大火で焼失後、元禄15(1702)年に長浜城の附属御殿を移築されたものと伝えられる。
屋根の最上部の中央には徳川家の家紋が嵌め込まれている。 -
墓地には大坂夏の陣で討ち死にした豊臣方の名将・木村重成公の首塚がある。
井伊家家臣の戦功を誇るというよりは、故人の武勇を讃え供養したいという気持ちから作られたのであろう。 -
駅へ戻る途中最後に立ち寄ったのが旧鈴木屋敷長屋門。市指定文化財。非公開である。
棟束に文久2(1862)年の墨書があり、幕末の建物である。彦根藩の中級武家屋敷の典型をなす長屋門として貴重であるとのこと。旧鈴木屋敷長屋門 名所・史跡
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15時00分過ぎに彦根駅に戻る。降り続く雨のため、背中に背負った鞄の中も濡れていた。
彦根駅 駅
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翌日、天気が回復した。午後、宿泊したホテルの最寄り駅である米原駅(写真は西口)周辺をぶらぶらしてみた。
米原駅 駅
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米原駅東口の真ん前にある米原湊跡の碑。
慶長8(1603)年彦根藩の命によって開削され栄えた。
米原駅の西側、現在の入江という地域にかつて入江内湖という湖があった。昭和19(1944)年から行われた干拓により消滅したが広さは300haもあり、東京ディズニーランドの6倍もの広さであった。
米原湊はその入江内湖から水路を開削してこの地に造られた。米原湊跡 名所・史跡
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西口から車道沿いに歩き大谷吉継の首塚へ。畑の中の一画に小さな石塔が建てられている。
大谷吉継は関ヶ原の戦いで西軍・石田三成方の参謀として奮戦した武将。
西軍の敗北を悟った吉継が敵に首を渡さないよう自刃し、この地に埋め隠されたと言われている。 -
悲運な最期を遂げた名将の首塚が地元の人々によって大切に守られ、供養されているとの説明にホッとする。
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駅へ戻る途中、田畑に囲まれた下多良神社があったので参詣する。
平安時代末期の武将・佐々木秀義の末裔・河合阿房守実氏が阿山郡河合村(三重県)に住まいを移し御祭神を祀ったとある。天正2(1574)年に伊賀国(三重県)から現在の下多良へ移住、子孫が多良山の頂に奉遷し祇園社と称した。
昭和40(1965)年11月に元の神社が新幹線の用地となる事になり、現在の下多良へ移転した。
御祭神は素盞嗚尊(すさのおのみこと)である。
【了】
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