2021/04/16 - 2021/04/16
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令和3年4月岡山市に滞在した。天気はまあまあである。年願であった備中松山城訪問を果たすことが出来た。平日のため見学者が少なく密を回避できたのも幸いである。
城の麓にある城下町・備中高梁は、その昔一度だけ訪れている。しかし、今となってはその時の記憶がほとんど残っていない。
備中松山城のある山を下りてから駅へ向かって歩きながらのんびり観光をした。
(2021.04.19作成開始)
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岡山駅近くにあるホテルを午前07時45分に発つ。
08時20分発の伯備線・備中高梁行き列車に乗る。倉敷経由である。
先行の列車の遅れで備中高梁行きも遅れる。岡山駅 駅
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伯備線に入りしばらくすると左手に高梁川と山陽新幹線の鉄橋が見える。
空はやや曇っている。予報では午後2時以降の降水確率が高くなっている。 -
備中高梁の街並みが高梁川の左岸に広がっている。岡山駅から備中高梁までは普通列車で1時間弱である。
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定刻より少し遅れて09時17分に備中高梁駅に到着。
備中高梁駅 駅
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現在の備中高梁駅の改札(写真の奥右側)は2階にある。同じ高さで高梁川の側に建つビルに繋がっていてその中に高梁市の図書館が入っている。
この図書館は蔦屋書店に運営が委託されているようだ。スターバックスコーヒーも図書館と同じフロアで営業している。 -
私は前日に予約した乗り合いタクシーの集合場所である観光案内所へ向かった(写真の左奥)。
高梁市観光案内所 名所・史跡
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(備中高梁駅の二階からの眺望。信用金庫の建物の奥の山上に備中松山城が小さく見える。)
前日、JR岡山駅構内にある観光案内所で備中松山城までの平日の交通手段を確認した。
その結果、備中高梁駅から一人片道800円で利用できる「乗り合いタクシー」で松山城の本丸まで徒歩約20分の場所にある「ふいご峠駐車場」へ行けることが分かった。(平日の一般車両の乗り入れもここまでである。土日祝はふいご峠駐車場へ行くには麓の駐車場で有料のシャトルバスに乗り換えなければならない。その駐車場の近くまで行く駅からのバスの便は少ないとのこと。)
一番早い09時50分発の便を昨日のうちに電話予約しておいた。 -
電話で当日09時45分までに観光案内所に来るように指示されていた。
その時刻に乗車するタクシーの運転手さんが迎えに来てくれて、階下に停車している車まで誘導された(写真の右下)。
乗り合いタクシーと言っても、この時の乗客は私一人だけ。すぐに出発する。 -
10分ほどでふいご峠駐車場に着く。短い時間だったが途中で運転手さんが少し観光案内をしてくれた。
観光案内所のスタッフさんに言われていた通り、車を降りる時に運転手さんに料金を支払った。
駐車場にはすでに一般車両が何台か停まっている。 -
駐車場の隅に立っているプレートが歓迎してくれるかのよう。
岡山駅や備中高梁駅で備中松山城に関する各種の地図やパンフレットを事前に入手していたので不安はない。 -
それでも、決して「城マニア」ではない私はいきなり城の中心へ続く山道を登り始めたりはせず、観光案内板に記されている情報と手元の地図やパンフレットの記載を見比べたりする冷静さを有している。
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駐車場の隅に建つ案内板の右奥が城の中心部へ続く山道の入口。
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ちなみに、左側は山の麓から城の中心部へ至るかつてのルート。江戸時代まで武士たちが登り降りしていた古い道である。
観光案内所でもらった地図にもこのルートが記されている。下山はこの山道を利用する予定である。
念のため、タクシーを下りたとき駐車場にいた案内係の女性に通行可能であることを確認した。 -
10時00分ちょうどに登り始めた。山の中の道であるが整備されていて歩きやすい。
ちなみに、備中松山城が築かれている山は「臥牛山(がぎゅうざん)」と呼称され、南北に四つの峰が連なっている。最高部の標高は約480m。
備中松山城は、北から三つ目の小松山と呼ばれる峰の山頂(標高約430m)を中心に築かれた近世城郭である。
城好きの間では余りにも有名な「現存十二天守」の城の一つであり、天守の現存する山城としては国内で唯一の貴重な城なのである。 -
しばらくすると石垣が見えてきた。今日初めて目にする備中松山城中心部の石垣である。
備中松山城 名所・史跡
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石垣の手前にも休憩スペースがあり、若い女性が一人でベンチに座っている。この女性は私より一足先に自家用車でふいご峠駐車場に乗りつけ、城へ向かう道で私の少し前を歩いていた。
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この場所は「中太鼓の丸跡」と言う。
江戸時代の備中松山城は城主の居館としての機能はなく、臥牛山の麓の現在県立高梁高校が建つ場所が「御根小屋」と呼ばれる城主の居館兼政務を行う庁舎であった。
その御根小屋と山頂の天守との伝達手段として太鼓が使われていた。この場所にも櫓が建てられ太鼓が設置されていた。
ちなみにふいご峠駐車場の登山道と反対側にある小さなピーク(標高310m)は前山と呼ばれ「下太鼓の丸跡」が残っているとのこと。
下山時に見に行くことを考えたが手元の地図やGoogle Mapを見ても登り口が不明なので諦めることにした。 -
中太鼓の丸跡からの眺望。
先ほどまで若い女性が座っていたベンチが下に見える。 -
城の中心部手前の石段。
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ふいご峠から山道を登り始めて約15分後、備中松山城の大手門跡が見えて来た。
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イラスト付きの詳しい解説板が立っている。上の写真は現在地と書かれた場所から撮影したもの。
かつては巨大な大手門が築かれていて、そこへ斜行する形で石段が伸びていて枡形虎口のような構造になっていることがわかる。
これでは攻め手の敵は弓と鉄砲の餌食になり、たまったものではない。
私より少し前を歩いていた先ほどの若い女性は解説板などには目もくれず、スタスタと城内へ入った。城の構造にはあまり興味がないのであろうか。 -
この写真の両サイドの石垣に架けられる構造の巨大な大手門がかつて威容を誇っていた。
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大手門跡の右側の石垣に目が釘付けになる。
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上の方に目をやると迫力満点。自然の岩盤とその上に築かれた石垣の相乗効果とでも言おうか。
これまでこのような風景は見たことがなかったように思う一方、既視感がある。 -
自然の岩盤の手前に解説板が設置されている。
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解説板の「写真①-1」「写真①-2」を見て納得した。
私も時々見ていた大河ドラマ「真田丸」のオープニングでこの石垣と岩盤の映像が使われていたのである。
私はてっきり真田氏の居城だった岩櫃城(群馬県)か真田氏が攻略した砥石城(長野県)のものではないかと思い込んでいたのである。
今日の備中松山城訪問の全体的な印象からすれば、オードブルなしにいきなりメインディッシュが出されてしまったような感じである。
この後に見学した本丸も天守も猫城主も、この石垣の迫力の前には影が薄くなる。
ふいご峠の駐車場でもらった解説の紙にはこう記されている。
「 大手門から先には多くの石垣が残っているが、一際目を引くのが大手門の右手にそびえる石垣群だ。天然の岩盤の上に石垣を築き、更に土塀を建てる。山城の魅力である天然と人工のコラボレーションがよく表れている。」 -
大手門跡の先も左に折れ曲がっている。枡形虎口の考え方を採用した防御の構造である。
ここから先が三の丸である。いよいよ備中松山城の中心部へ進んで行く。 -
左側に見えている三の平櫓東土塀は国指定重要文化財である。
土塀の一部が現存のもので、残りは復元されたもの(見た目には区別が困難)。この写真の一番手前部分が現存部分である。 -
三の丸跡。現在建物はない。上の写真の奥側が大手門跡である。
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三の丸の上部にある厩曲輪(うまやぐるわ、荷馬を繋いでいた)を右下に見ながら緩やかな階段を上がるとようやく先の方に本丸と天守が目に入る。
この写真の階段を上がった先がニの丸である。 -
ニの丸の奥へ進むと本丸が上面に見えてくる。写真中央の階段が本丸への入口である。
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本丸へはすぐ行かず、本丸の天守手前の東側の土塀とその下の石垣を眺める。
絵になる美しい眺めだと思っていたら、近くに解説板がある。この景色も大河ドラマ「真田丸」のオープニングで使用されたとのこと。 -
この後いよいよ本丸へ。階段の上から先が有料エリアである。
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本丸の南御門(復元)の先にリードに繋がれた猫がいる。
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メディアでも取り上げられている猫城主「さんじゅーろー」である。
私の直後からやってきた見学者がさんじゅーろーに接近して写真を撮り始めたので、私は密を回避するためその場を離れた。 -
目の前に天守。二層二階だが三層に見えるようにデザインされている。
ふいご峠駐車場を出てから50分が経過していた。 -
入口で履物を脱いでいよいよ天守閣に入る。
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天守一階。展示は最小限といった感じである。
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天守の修復により使われなくなった部材が展示されている。
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籠城戦を想定し一階に囲炉裏が設けられている。囲炉裏が切ってあるのは天守では珍しいという。
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一階と二階を結ぶ階段は敵の侵入を困難にするため折れ曲がっている。
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二階には城の守護神を祀った御社壇(神棚)がある。
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二階の天井の木組がよく分かる。
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天守の北に建つ二重櫓(国指定重要文化財)が見える。この後、写真に写っている土の部分にも入って櫓を眺めた。
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天守を出て本丸への入口を振り返る。先ほど通った南御門を間にして左側が五の平櫓、右側が六の平櫓。いずれも平成9(1997)年に復元された。
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有料エリアを出る前に天守と同じ高さに建つ二重櫓の前まで行ってみた。
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本丸の有料ゾーンから二の丸へ戻るとき、先ほどは本丸の南御門の前にいた猫城主さんじゅーろーが階段の上にいた。
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カメラを向けるが、なかなか正面を向いた写真を撮らせてもらえない。
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天守のすぐ近くにある東御門。本丸より低い二の丸帯曲輪から見ている。
見学者が出入りする南御門は本丸の正面玄関であり、この門は裏口のようなものか。 -
二の丸帯曲輪を奥へ進むと右手に搦手門跡が見える。かつては小さな木の門が架かっていたのであろう。
搦手は麓から城の中心部(本丸と二の丸)へ至る裏ルートのゴールだと思われる。
ちなみに、見学者が辿るふいご峠からの登山道が表ルートである。 -
天守曲輪に建つ天守北側の北側へ直に通じている腕木御門。階段の右手に花崗岩の岩盤が見えている。
※備中松山城が築かれている臥牛山の山頂や尾根には花崗岩の岩盤が剥き出しになった場所が少なくない。 -
城の中心部(天守や二重櫓)がある小松山山頂の最北部にある後曲輪。
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後曲輪から見た二重櫓。北側にも出入り口があり、有事の際に天守から二重櫓を通って城の北側へ逃げるための構造であった可能性があるとのこと。
大手門跡の横の巨大な岩盤と石垣の組み合わせと比べるとスケールは劣るが、天然の岩盤の上に石垣が築かれ小さな櫓が建てられている様はこの山城の特徴をよく表している。 -
備中松山城の中心部のある小松山の標高は432mであるが、全体地図を見ると奥の尾根伝いに行くといくつかのピークがあり、最高部の臥牛山の山頂は標高480mである。
それらのピークには江戸期以前に造られた城の遺跡が残されている。
体力が許せば写真左手へ延びる登山道を伝ってそれらの遺跡へも行ってみたいところであるが、山道の上り下りを長時間続けるしんどさと、この写真を撮った時点で小松山山頂付近にも少し冷たい風が吹き始めたこともあり断念する。
今朝チェックした天気予報によると、高梁市のこの日の降水確率は午後2時台からかなり高くなる。 -
二の丸の隅に往路では気づかなかった少し変わった遺構がある。一番詳しい観光地図には「雪隠跡(抜け穴?)」と記されている。
同じ遺構が縦に並んでいることや遺構のある場所を考えると、抜け穴の入口である可能性も高いのではないか。 -
途中でまたたくさん写真を撮りながらゆっくり下る。12時15分ふいご峠の駐車場に戻る。
朝来たときよりも停まっている車は増えていた。
この後は上の写真右側の階段下へ続く登山道を麓へ下る。 -
しばらく下ると「大石内蔵助腰掛け石」の前へ出る。
播州赤穂藩と大石内蔵助は備中松山城と浅からぬ因縁で結ばれていたことは、天守内の展示で詳しい説明を見てきたところである。 -
臥牛山には野生の猿が生息しているとのこと。この日は残念ながら一頭も見かけなかった。
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12時42分登山道(遊歩道)入口に到着する。
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大きな石板に貼られた案内表示。
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登山道入口から少し先で小高下谷川に架かる小さな橋を渡ると往路で利用したタクシーが通った舗装路に合流する。
その道を川に沿ってしばらく下ると県立高梁高校がある。高梁高校の敷地一帯はかつての御根小屋跡である。
【後編へ続く】御根小屋跡 名所・史跡
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