2019/04/17 - 2019/04/20
353位(同エリア928件中)
三峯霧美さん
旅の最後は明日香村の寺社を廻ります。
聖徳太子が誕生した場所に建つ 橘寺。
日本最初の仏教寺院、飛鳥寺。
創建不明の古社、飛鳥坐神社。
残念ながら、これで今回の旅は時間切れとなりました。
もっとたくさん見たいところがあったのですが、それはまた今度にしよう。
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14:58 岡寺から橘寺へ
たんぼの中にお寺があります。
駐車場から見える景色はうららか。 -
橘寺 仏頭山 上宮皇院 橘寺
聖徳太子の誕生所とも言われます。
創建年は不明、7世紀半ばと推定されています。
聖徳太子建立七大寺の一つで、父の用明天皇の別宮を寺に改めたと伝わります。 -
本堂(太子堂)1864年再建
垂仁天皇が不老不死の霊薬を取りに田道間守を常世の国に派遣し、持ち帰った橘を植えたので橘寺という名前なんだそうです。
向かいにあった川原寺(男性の僧のお寺)に対して、尼寺であったと言われています。橘寺 寺・神社・教会
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御本尊は聖徳太子像(35歳の御姿)
8世紀は66の堂宇が並ぶ大きなお寺でしたが、室町時代に多武峰の妙楽寺によって全山焼討にあい、その後衰退していきます。
明日の4月21日は春季聖徳太子会式が行われるので、旗の設置などの作業をする方がいました。 -
不動堂(護摩堂)
不動明王が本尊 -
経堂
明日の法要でお供えする百味飯食、50種の食材が並びます。
信者さんが手渡しで本堂まで運ぶんだそうですよ。 -
50種類がついになって、100になります。
法要は一般人も参加できるんだそうです。 -
観音堂 1777年に本堂として再建され、現本堂建立のため、現在地に移動。
平安時代の如意輪観音座像が本尊 -
八重桜は満開です。
春と秋に公開される聖倉殿(収蔵庫)と往生院の天井画を拝観しました。
聖倉殿は日羅上人像と聖徳太子絵伝を見ることができます。日羅上人像は不思議な魅力を持つ像で目が離せなくなってしまいました。
往生院は現代画家によって天井に描かれた260の花がとても綺麗でした。寝っ転がって見るのが一番なんですけどね。 -
二面石 飛鳥時代の石造で 善と悪が彫られています。
こっち側は悪。
人の心の二面性を表してるんです。 -
本堂の左側にある納経所で御朱印を頂きました。
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右 聖徳殿
左 太子誕生所 -
駐車場の左近の桜はそよ風に花びらを散し、滑り止めに敷き詰められた瓦に彩を添えています。
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15:35 飛鳥寺 鳥形山安居院
588年に蘇我馬子によって造営が開始された日本で最初のお寺です。
当初は法興寺、その後元興寺、地名を取って飛鳥寺と呼ばれています。
日本に僧の居るお寺が無かったので、百済から僧と技術者を呼んで造られました。
創建時は中金堂、西金堂、東金堂の中心に塔が建ち、それを回廊が囲んだ大な寺院で、多くの渡来僧が入寺して学問仏教の先駆となり、朝廷からは官寺と同様の保護を受けます。安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会
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境内ではハンドスピーカーを使った解説を聞く団体さん。何のツアーでしょうか。
旧伽藍の塔の跡が残る場所。
お寺は平城京遷都時には奈良に移転して元興寺となりました。 -
本堂 手前に旧金堂の礎石が残ります。
11世紀ごろには火災で堂宇を焼失し衰退、室町時代以降は廃寺同然だったそうです。
御本尊の飛鳥大仏も雨ざらしになっていたこともあったそうです。
現本堂は1826年に大阪の篤志家の援助で再建されました。 -
御本尊の飛鳥大仏 釈迦如来座像
お堂の中は撮影自由で、案内係りの方から解説があります。
609年に造られた丈六仏像で、創建当時からこの場所に安置されています。
しかし、当初のものは頭の上半分とほほやアゴ、額から鼻の上部にかけてと、右手などしかなく、体の大部分は後世のものだそうです。 -
聖徳太子 16歳の像 孝養像 きょうようぞう
父の用明天皇の病気の回復を願った姿。
私には孝行したい親はいない、それがちょっと寂しいですが、介護する間もなく逝った両親には感謝しております。 -
阿弥陀如来像
優しお顔の阿弥陀様です。 -
日本最初の瓦
百済の技術者の指導によって造られた瓦です。
けまりの展示もありました。中大兄皇子と中臣鎌足がここで蹴鞠をして知り合ったと伝わります。 -
最近造られたらしい石像
右から弘法大師・観世音菩薩・不動明王
水をかけて祈願します。 -
思惟殿
本尊 聖観音菩薩
新西国霊場の札所本尊です。 -
1440年頃には飛鳥大仏は雨ざらしとなり、以降200年ほど記録もないそうです。
1632年に仮堂が建てられ、1681年に草庵が造られて安居院と号します。
18世紀になってやっと再興されて、現在まで法灯が守られてきました。 -
蘇我入鹿の首塚に行ってみましょう。
綺麗にパンジーが植えられています。
奥の山は入鹿の邸宅があったという甘樫丘。 -
蘇我入鹿首塚
入鹿は蘇我馬子の孫で、国政を掌握するほどの権力を手に入れていました。
645年、飛鳥板蓋宮の大極殿において皇極天皇の前で中大兄皇子と中臣鎌足によって暗殺されました。
入鹿の首がここに飛んで落ちたという伝説があります。 -
ここだけではなく、入鹿の首が飛んで落ちたという場所は数多くあります。
庶民にとっては入鹿はそれほど悪人ではなかったのかもしれませんね。 -
今の明日香村は田んぼの緑が綺麗なのどかな風景、1400年前に日本の歴史を変える権力争いがあったなんて想像できません。
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御朱印を頂きました。
右 飛鳥大佛
左 止利仏師 丈六釈迦 -
16:08 飛鳥坐神社 あすかにいますじんじゃ
式内社 名神大社
鳥居の右側に飛鳥井
神社の創建は当然不明です。古すぎてね。
出雲國造神賀詞の中に「賀夜奈流美命の御魂を飛鳥の神奈備に坐せて」とあります。 -
手水は酒船石みたいな溝がつくってあり、柄杓は竹の節と枝をうまく利用してものです。なかなかおしゃれです。
日本書紀には686年に天武天皇の病気平癒祈願のために幣帛が奉じられてたという記載があります。 -
829年、神託によって現在地に遷座しましたが、前の社地(高市郡賀美郷の神奈備山)が何処だったのか不明なのです。
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石段を登って行きましょう。
人の気配が無いな。 -
古い神社なので、境内にはたくさんの摂社、末社があります。
本殿に向かう途中にも。 -
拝殿の向かい側に神楽殿があり、そこからは明日香村を見下せる。
祭神 八重事代主神・大物主神・飛鳥神奈備三日女神・高皇産霊神 -
拝殿 拝殿と本殿は数日前にお参りした丹生川上神社(上社)から2001年に移築したものです。
どういう経緯なのか分かりませんが、丹生川上神社はダム建設のため、社殿を新築して山の中腹に遷座し、古い拝殿と本殿はここに移築されたのです。 -
拝殿の奥に本殿
ちょっと中をのぞくと、警備がしっかりされていて、アラームが鳴ったりするわけです。 -
左側は神饌所
この日は土曜日で石舞台周辺や岡寺はたくさんの人がいましたが、ここは誰も参拝者がいませんでした。 -
むすひの神石
神社は陰陽石がたくさんあります。もう、そこら中に。 -
白鬚神社
2月の第一日曜は「おんだ祭」という大祭が行われます。
その始まりも定かではないそうですが、お田植祭で、五穀豊穣を祈り春を呼ぶお祭りです。 -
八十萬神社
おんだ祭は西日本三大奇祭の一つとして、子孫繁栄の子宝・縁結び・生育安全を願います。 -
八幡神社と拝殿
祭は本殿で関係者が祈願したあと、この八幡神社にお参りして始まります。
神社前の参道に天狗やお多福、翁、牛の面を付けた人が降りて行って、竹のササラ棒を持って、参拝者のお尻を叩きます。 -
中の社 八坂神社と金比羅神社の間にある陰陽石
祭神 須佐之男神・大物主神
男性は容赦なく、女性や子供は優しいタッチ。
これが厄払いなんだそうです。 -
奥の社 皇太神社 祭神 天照皇大神 御皇産霊神
お祭りのメインイベントは神楽殿で行われる寸劇で、一幕は田起こしから収穫までを面をつけたキャスト(笑)がユーモラスに演じます。 -
本殿方向に向かう参道の両側にも、たくさんの陰陽石が並んでます。
寸劇の二幕目が奇祭と呼ばれる演目で、天狗とお多福の夫婦和合の劇なのです。
夫婦和合って、エッチする場面を楽しそうに演じ、観客にめちゃ受けるそうですよ。
事が終わると、お多福の股間を拭いた紙が見物客に投げられます。「福の神」ってことで、御利益があるそうですよ。 -
飛鳥山口神社 式内社
祭神 大山都見乃神・久久乃知乃神・猿田彦乃神
江戸時代に現在地に遷座しました。
飛鳥山は皇室の御料林でしたが、旧鎮座地は不明です。 -
社務所で宮司さんに御朱印を頂きました。
宮司さんは名字が「飛鳥さん」崇神天皇の時代から87代目にあたるそうです。
まあ、もちろん私の存在があるのは、祟神天皇の時代にも祖先が生きていたわけですが、明確にそこまで遡れる人って日本中にどのくらいいるんでしょうか。 -
御朱印を頂きました
祭神の事代主神は国譲りのあと、首渠神(ひとごのかみ)として八十万の神々を統率し高市に集め、飛鳥に鎮まったと言われます。
元伊勢の印は、ここが天照大神を祀った倭笠縫邑だという伝承があるからです。 -
神社の鳥居を出て、ふと左側を見ると、万葉文化館の方から畦道をぞろぞろと団体旅行の方々が歩いて来ます。
観光客向けのトイレと東屋があって、そのわきに案内板がありました。 -
案内板によると、ここに斉明天皇が石を運ぶための運河を造ったとあります。
幅10m、深さ1.3m 3万人もの人を使った大工事でした。
石は宮の東側に石垣などを造ったそうで、それの一部が酒船石遺跡なんだそうです。 -
当時、天皇の意向など知らぬ人はこの渠(みぞ)を「狂心渠・たぶれこころのみぞ」と呼んだそうです。
今風に言うと「頭おかしいんじゃねーの」ってところかな。
この脇の灌漑用水路はその名残なんでしょうか? -
神社の前は風情のある古い町並み。
時間が余れば、のんびりとカフェでお茶でもしようかと思ってましたが、やっぱり時間がありません。
16:35 大和八木駅に向かいます。 -
れんげ畑の奥に耳成山 ここも時間があれば行ってみたかったところ。
途中のスタンドでガソリンを満タンにして、大和八木駅の狭っくるしい街中にあるオリックスレンタカーの事務所に車を返しました。
事務所の前が一方通行ってね、ナビが無かったら、たどり着けなかったわ。 -
踏切を渡って、近鉄の駅に向かいます。
17:26 かなりギリギリで特急の指定席券を買い、ホームで乗車口を探してウロウロして、「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ」と心の中で連呼しながら、一番近い乗車口から列車に飛び乗りました。大和八木駅 駅
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ほらほら、電車の入口ってさ、各車両にあると思ったら、無いでしょー。
焦りまくったのですよ。 -
18:20 京都駅へ到着
新幹線に乗るまで1時間あるので、伊勢丹の地下で阿闍梨餅、よもぎわらび餅、らくがんと夕食のお弁当を買って、新幹線の改札内のショップでもお香と黒七味の袋入りをゲット。
19:21 のぞみで京都を後にしました。自宅到着は22:50
今回もめちゃくちゃ充実した旅でした。奈良でめいっぱい廻るにはレンタカーが必須です。京都駅 駅
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