2019/04/17 - 2019/04/20
354位(同エリア560件中)
三峯霧美さん
いよいよ、洛陽三十三所観音霊場の結願、最後の大蓮寺に向かいます。
市中にあるのに、どうしても他のお寺と合わせてお参りできなかった大蓮寺。
満願書を頂いて、お次は山科にある西国巡礼の番外札所の元慶寺へ移動。
いろいろ模索しましたが、結局、御陵駅から往復歩くことになりました。
そして東西線で終点の六地蔵まで行き、京阪に乗り換えて伏見桃山陵の事務所で御陵印を頂きました。
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13:22 真如堂前からバスで東山二条に移動。この辺りは寺町で道路の両側にお寺が並んでいます。
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13:24 引接山 極楽院 大蓮寺 いんじょうざん ごくらくいん だいれんじ
洛陽三十三所観音霊場 第8番
創建は1600年 開基は深誉上人
御本尊は 慈覚大師作の阿弥陀如来 -
このご本尊 先ほどお参りしてきた真如堂の御本尊と深いかかわりがあります。
真如堂は応仁の乱で荒廃し、御本尊が行方不明になってしまいました。
戦国時代、深誉上人が伏見の町を歩いていると、荒れたお堂に、まばゆい阿弥陀如来像が放置されていました。
守り手がいない姿に心を痛めた上人は、大蓮寺を創建し阿弥陀様を安置しました。 -
江戸時代に入り復興した真如堂は御本尊を探し始め、大蓮寺の阿弥陀様がご本尊だと判りました。
幕府は返却を命令し、深誉上人は21日間念仏を唱えます、21日目の結願の朝、阿弥陀如来像は二つに分かれていたのです。
なので一体は真如堂に、もう一体は大蓮寺でお守りすることになりました。 -
後光明天皇の夫人が懐妊したおり、勅命で安産祈願がおこなわれ、無事に内親王がお生まれになりました。
なので安産の御利益があります。 -
洛陽三十三所観音霊場の御本尊は 祇園社(八坂神社)の境内にあった観慶寺の十一面観音立像。
明治の神仏分離で廃寺になった際に、薬師如来像など一緒に移動してきたものです。 -
境内は蓮の鉢がたくさん並んでいます。
蓮のお手入れをしてる方がいて、なんと作業着姿のご住職でした。
業者さんに頼むと経費がかさむのでと御朱印対応してくださった(奥様?)がおっしゃってました。
丹精込めて咲かせる蓮の花、見てみたい。夏って、暑いんですけどね、一度蓮の季節に京都に来るのもいいかもしれない・・・。 -
門の脇に走り坊さんのポスターがありました。
この方、大蓮寺のお坊さんで、大正時代にお寺の勧進のために京都市内をはしりまわってお札を届けていたそうです。
雨が降っても風が吹いても毎日走って、その姿が印象的だったんでしょうね。
お金持ちの檀家さんからいただいたお布施は貧しい人に分け与えてしまい「今一休」と呼ばれていたそうですよ。 -
走り坊さんにあやかって、健脚のお守りがありました。
これで、洛陽三十三所観音霊場巡礼は結願。
寺務所で、御朱印と満願書の発行をお願いしたところ、満願書は本来ならば洛陽の専用御朱印帳じゃないと頂けないんだそうです。 -
そんなシバリがあることは、霊場会のHPには一切記述がなく、初めて知りました。(お願い!書いておいて!!)
洛陽三十三所観音霊場 第八番
十一面観音 -
洛陽巡礼の結願なので、御詠歌も頂きました。普段はあまり頂きませんが、ちょっとした記念ってことで。書置きです。
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私の洛陽三十三所観音霊場の専用御朱印帳は、長野善光寺の縦長タイプ、洛陽巡礼の御朱印だけが書かれています。
このデザインが気に入って手に入れたものの、このサイズだと、一般的な書置きの御朱印は幅が狭くて貼れないのです。
なので、すべてが手書きになる洛陽巡礼にぴったりだったんです -
お寺の御厚意で満願証を発行していただきました。ありがとうございます。
ちなみに授与料 千円です。やった!祝!満願、結願
満願すると公認先達になることができるのですが、申込金が5千円。
先達証、専用輪袈裟、専用御朱印帳がいただけます。 -
とても迷っていたのですが、とりあえず振込用紙を頂いて帰りました。
旅が終わって落ち着いてみると、遠方に住んでいる自分には、先達として何もできないことに気づき、申し込みませんでした。
申込期限が過ぎてご住職から電話を頂きました。ご配慮いただき、恐縮です。
お知らせしておけばよかったです。 -
右 あんさん阿弥陀如来 大蓮寺の御本尊
左 薬師如来 祇園社の本尊
大蓮寺の近くには「本因坊」とか「少林寺拳法」なんて石碑や看板のあるお寺があって、ほ~~って思いながら東山駅に向かいます。 -
13:52 東山三条の交差点。
この辺りで食事をとらないと、きっと食いっぱぐれる、というわけでマック飯。
近くの美味しいうどん屋さんは定休日でした。 -
14:21 東山駅から東西線に乗ります。
お次は西国三十三所の番外 元慶寺に行きます。
1月に時間切れで断念したお寺です。東山駅 駅
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14:34 御陵駅到着
「みささぎえき」と読みます。近くに天智天皇の山科陵があるからかな。
今朝、月輪で御陵印を頂いてきたばっかりだ。
ここから、住宅街を歩いて行きます。御陵駅 駅
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元慶寺に行くには山科駅からタクシー、本数の少ないバスに乗るとか、いろいろと考えましたが、結局、一番近い御陵駅から往復歩くことにしました。
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ん?スーツ姿のリーマンが数人、先に見えるJRの線路を現地視察に来たみたい。
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14:43 JR琵琶湖線、湖西線の下をくぐります。
さらに住宅街を歩いて行きます、 -
元慶寺は住宅街のど真ん中にあって、正面参道は車が通れません。
御陵駅からの道は元慶寺の後ろにある華山寺の敷地を回り込んで行きます。
ここ迷路だ。グーグルのストビューはここまで入って来てない。 -
お~っと、工事中、この先のドン詰まりが元慶寺の駐車場です。
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駐車場の路地に「寺」の看板。わかりやすい(笑)
御陵駅から16分でした。 -
路地を抜けると右手に元慶寺の山門が現れます。
とうとう、来たよ!!
華頂山 元慶寺 かちょうざん がんけいじ
西国三十三所霊場 番外札所 -
創建は868年 陽成天皇の生母、藤原高子の発願により建立されました、
開山は遍昭 遍昭は桓武天皇の孫で六歌仙のひとり、仁明天皇に仕え、天皇が崩御した際に出家しました。
当初は華山寺と言い、清和天皇の勅願寺となったのが元慶元年で、その時に名称を変更したとも伝わります。 -
山門の中には梵天と帝釈天が安置されていましたが、京都国立博物館に寄託されているそうで、写真が飾ってありました。
西国巡礼を中興した花山天皇が「出家させられた」お寺なので、ゆかりということで番外札所なのです。 -
花山天皇は17歳で即位、後ろ盾となる祖父が亡くなっており、宮中では三つの勢力が渦巻いておりました。
17歳の天皇は溺愛していた女御が懐妊中に死去し、ショックで一時の感情に流されて出家したいと言いだしますが、側近に諭されて諦めます。 -
花山天皇は蔵人の藤原道兼から一緒に出家しようと嘘泣きまでして言葉巧みに持ちかけられてその気になり、夜に秘かに元慶寺に向かいます。
この道兼は右大臣の藤原兼家の三男で、兼家は次期天皇を狙う懐仁親王の外祖父にあたります。
道兼は元慶寺で天皇の落飾を見届けると、言い訳をして寺を抜け出してしまいます。
ここで天皇は謀られたことを察しますが、後の祭り。
これが「出家させられた」という事情です。 -
参道の左側に本堂。江戸時代の再建。
御本尊は薬師瑠璃光如来
お参りしてるグループがお経を唱えているので、順序は逆ですが、先に御朱印を頂きました。 -
寺務所
書き手の方に、御陵駅から歩いて来たけど、思ったほど遠くなかったというと、「そうでしょ」とにっこりされた。
が、15分以上は雨降ってたら辛い距離だけどね。 -
出家した花山法皇は、摂津の中山寺で徳道上人が閻魔大王から授かった御宝印を見つけ出し、熊野から三十三の霊場を巡礼しました。
その巡礼が西国三十三所巡礼となり、法皇が詠んだ和歌が御詠歌になりました。 -
お札やらポスターやらで埋め尽くされた本堂。
花山法皇は絵画や和歌、建築などの才能に恵まれていたそうです。
それと、出家しても、複数の女性と関係を持っていたそうです。
花山法皇を騙して出家させた藤原道兼は、兄の後を受けて関白になりますが、数日で病で亡くなり「七日関白」と言われました。 -
御朱印を頂きました。
花山法皇
さあ、帰りましょう、来た道を戻って御陵駅に戻ります。 -
JRの線路はお墓をぶった切って走っています。
古いお墓みたいで、無縁になった墓石がひとまとめになってました。
御陵駅から終点の六地蔵駅へ移動します。 -
15:48 地下鉄の駅を出ると、すぐ後ろがJR奈良線の六地蔵駅。
ここから京阪の六地蔵駅まで地上を歩きます。六地蔵駅 (JR・地下鉄) 駅
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山科川の土手を歩いて、向こう岸に渡ります。
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これが京阪の六地蔵駅。
この三ヶ月後に多くの犠牲者が出た放火事件が起こりました。
この時は京アニのスタジオが近くにあるなんて知りませんでした。
犠牲になった方々の苦しさと、無念さと、残されたご家族の辛さを思うと心が痛みます。ただただ、ご冥福を祈ることしかできません。六地蔵駅 (京阪) 駅
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16:02 一つ先の桃山南口駅で下車
ここから宮内庁の桃山陵墓監区事務所に向かいます。桃山南口駅 駅
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奈良線の線路をくぐって坂を登って行きます。
奈良線は複線化の工事中。 -
桃山陵墓監区事務所は明治天皇の伏見桃山陵の脇にあります。
道路から車寄せ風の道を右に入ります。 -
坂を上り切ると道の奥に長い石段が見えてきました。
近所の方の散歩コースになっているようで、結構な年配の方が石段を一気に登って行きます。 -
230段の石段。
ここは秀吉が伏見城を築いた場所。明治天皇 伏見桃山陵 名所・史跡
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定期的に踊り場があるものの、普段の運動不足を実感する、「ちょっと待って」と言いながら休憩。あともう少し
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16:18 静かだから、心の中で「うげぇ~~」と叫びながらやっと登り切る。
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後ろを振り返ると、この景色。
これを秀吉も眺めたかと思うと、感慨深いものがあります。 -
伏見桃山陵
明治天皇は京都に埋葬されることを望んでいたそうです。
関西に御陵がある最後の天皇になりました。
ジョギングしてる人は正面でお参りしてからまた走ってました。 -
めっちゃ広い。
隣は昭憲皇太后の伏見桃山東陵がありますが、時間が押しているので、事務所に御陵印を貰いに行きましょう。 -
16:23 桃山陵墓監区事務所 捺印の所要時間を考慮すると、かなりギリギリの到着です。
九州、山陽、京都、大阪の陵墓を管理しています。 -
九州の可愛山陵(えのみささぎ)の天津日高彦瓊瓊杵尊からはじまります。
いわゆる神代三山陵の印はここにあるのです。
全部で29の印を押しました。 -
神代三山陵
御陵印の集印帳の最初に見開きページです。 -
16:52 この石段、気分はタカラジェンヌ。
来た道を桃山南口駅へ戻ります。
もう夕方になっちゃいました。祇園に戻って、高台寺のライトアップを見に行きます。
日本って、飲食を伴わない夜の観光が少ないと言われてますが、京都でも実感しますね。
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