2016/05/01 - 2016/05/01
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モボ101さん
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2016年のゴールデンウイークは、成田からクロアチアのザグレブに入りイタリアのヴェネツィアから帰る航空券を確保。帰国日はゴールデンウイーク最終日の5月8日(日)にして、乗り継ぎ便を通常料金で入手できるよう1日と数時間前倒し、4月27日夜に出発した11泊12日のスケジュール。成田を出た翌日の午前にクロアチアの首都ザグレブに着き、翌日朝の国際列車でスロベニアの首都リュブリャナへ。リュブリャナからバスと列車でイタリア国境の町ノヴァゴリツァを往復し、3日目は列車でアドリア海の港町コペルへ。4日目はイストラ半島で再び国境を越えクロアチアのポレチへ。5日目はプーラ、ロヴィニを巡り、6日目にスロベニアのシュコツアン鍾乳洞を経てイタリアのトリエステに抜けます。
社会主義の国として、南東ヨーロッパのバルカン半島にあったユーゴスラビア連邦人民共和国は、7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を1つの国家に押し込めていたものが、ベルリンの壁崩壊後の1991年から民族間の内戦を経て解体され、6つの共和国に分離独立。スロベニアは2004年にEUに加盟し2007年にシェンゲン協定が発効、クロアチアは2013年にEUに加盟を果たしたものの、2016年の時点ではシェンゲン協定には加盟の計画はあっても実現していなかったため、かつては同じユーゴスラビアであった両国間の国境では出入国管理がおこなわれていました。 その後、2019年にシェンゲン協定への加盟が承認されたようです。スロベニアの通貨は2007年にユーロを導入、クロアチアも導入計画はあるものの、まだクーナのままとなっています。
0日目
成田からカタール航空でドーハへ
1日目
ドーハ乗り継ぎでクロアチアの首都ザグレブ。空港からバスで市内へ。ザグレブ中央駅の列車とトラムとケーブルカーで巡るザグレブ旧市街。
https://4travel.jp/travelogue/11680489
2日目 午前
ザグレブから国際列車ユーロシティーでスロベニアの首都リュブリャナ。路線バスでイタリア国境の街、かつて第二のベルリンの壁といわれたノヴァゴリツァへ。
https://4travel.jp/travelogue/11680614
2日目 午後
ノヴァゴリツァからボーヒン鉄道でイェセニツェ乗り継ぎリュブリャナへ
https://4travel.jp/travelogue/11680668
3日目 午前
スロベニアの首都リュブリャナ散策後鉄道博物館訪問とリュブリャナ駅の列車
https://4travel.jp/travelogue/11681130
3日目 午後
リュブリャナからローカル列車でアドリア海のコペルへ トロッコで行くポストイナ鍾乳洞も
https://4travel.jp/travelogue/11681510
4日目 午前
スロベニアにヴェネツィア共和国の面影 アドリア海の小さな港町コペル・イゾラ・ピラン
【この旅行記です】
4日目 午後
クロアチアにヴェネツィア共和国の面影 イストラ半島アドリア海の港町ポレチュ
https://4travel.jp/travelogue/11682111
5日目 午前
クロアチアのプーラはイストラ半島最南端ローマ時代の神殿や円形劇場の残る街
https://4travel.jp/travelogue/11682271
5日目 午後
クロアチア イストラ半島のロヴィニはヨーロッパ人に人気の美しい港町
https://4travel.jp/travelogue/11682516
6日目 午前
タクシーで2回の国境越え スロベニアの世界遺産シュコツィアン洞窟群からイタリアへ
https://4travel.jp/travelogue/11682590
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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4日目は、コペルから路線バスでアドリア海沿岸の小さな街、イゾラとピランを往復した後、夕刻の国際線のバスでクロアチアのポレチに向かう計画でした。80年前にこの地がイタリアだった時代に廃線になった、この蒸機機関車が走ったトリエステとポレチをつなぐルートの一部です。
コペル周辺のバス時刻はネットで調べることができたものの、コペルからポレチへはバス会社のホームページで時刻が解らず、英国のバスチケット予約サイトで夕刻にバスがあることを確認していました。 -
朝一番にバスの時刻を再確認するためコペル駅へ。この駅舎の中にはバスの切符売り場もあり、鉄道よりこちらが主体のようです。でもこの日は日曜かつ5月1日メーデーの祝日で、窓口は終日クローズのため職員はいません。貼ってあるバスの時刻表を見ても夕刻のバスは見つからず、代わりにネットにはなかった時刻のポレチ行きが何本かあるものの、日曜祝日は全便運休の表示。
さあ困った。とりあえずバスの運転士に聞いてみようかと乗り場の方に行くと、葱を背負ったカモを見つけたタクシーの運転手が声をかけてきて、“バスはないよ、80ユーロで行くけどどうだ”。4人なら1人20ユーロか。ちなみに、当時のバス代は7ユーロで1人当たり3倍。65ユーロまで値切って、午後にホテルまで迎えに来てもらうことに。 -
イゾラとピラン行きはやめて、昔は島だったコペル旧市街の観光へ。今は埋め立てで、駅から地続きです。小さな広場の真ん中に井戸。周辺は政府の建物。
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旧市街の中心はチトー広場。旧ユーゴスラビアの大統領から名付けたと思われ、スロベニアの独立後もそのままにしているらしい。石畳の広場を取り囲む15世紀ヴェネチア共和国の時代の建物。正面は執政官の宮殿 。
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執政官の宮殿の正面左のアーチの中にツーリストインフォメーションがあったので、クロアチアのポレチへの行き方を尋ねたら、あちこちに電話して調べてくれて、今日の夕刻にバスがあるとのこと。トリエステとポレチ間の運行だからイタリアかクロアチアのバス会社で、スロベニアのバスの切符売り場では取り扱わないため時刻表示がなかったのでしょうか。旅行者にとっては困ったことです。
タクシーを使うならコペルからポレチまで、メーターを使わずに定額料金で60ユーロだとか。やっぱりぼられていた。
対応してくれたインフォメーションの若い女性が片言の日本語を話します。日本に行ったことはなく、リュブリャナで勉強したのだとか。でもコペルまで来る日本人は珍しいので、使う機会が少ないのでは。 -
12世紀に建てられた聖母被昇天大聖堂と15世紀の鐘楼。オーストリアの面影を残す内陸のリュブリャナとは全く異なり、ここはミニヴェネツィア雰囲気です。
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大聖堂の内部。
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大聖堂の祭壇。
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大聖堂の隣、15世紀のヴェネツィアゴシック様式のロッジアの中にカフェ。
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雨が降ってきたので、コーヒーでしばし休憩。
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コペルはアドリア海に面したスロベニア唯一の貿易港。旧市街の裏側にはガントリークレーンの立ち並ぶコンテナターミナル。
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貨物線も通じていて、港には貨車が並んでいます。
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旧市街の執政官の宮殿のアーチをくぐった路地。
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日曜日のため、店やレストランはほとんどが閉まっています。
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ホテルのレストランでランチにと思ったけど、日曜日は飲み物だけで食事の用意はできないのだとか。
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広場の噴水もお休み?
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旧市街を囲む壁の一部と門があり、
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門の隣にあるパン屋が営業しているのを見つけた。危うく昼食難民になるところでした。それにしても他に開いている店がないのか、焼きたてパンが次々と売れていきます。
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午後になって、バスターミナルで朝に出会ったタクシーの運転手がホテルに迎えに来ました。午前中に路線バスで訪れる計画をしていて行けなかったイゾラとピランに立ち寄ってから国境を越え、クロアチアのポレチに向かうよう再交渉して、70ユーロを提示したところすんなりOK。
タクシーの車種は、日本では見かけないチェコ車のシュコダ。まずはトリエステ湾沿いの道を西へ、イゾラに向かい港で下車。 -
イゾラは島を意味するイタリア語で、イタリア語ではこの街をイーゾラ・ディストリアと呼ぶのだとか。今は陸続きだけど昔はイストラ半島の沖に浮かぶ島だったそうで、中世にはヴェネツィア共和国の支配下で、交易都市として繁栄。
港からこんなパステルカラーの路地を抜けて、 -
少し高くなった土地に建つ聖マウルス教会へ。ヴェネツィアのシンボル、サンマルコ寺院の鐘楼を二回り小さくしたような、そっくりの鐘楼が建っています。
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何故か教会は閉まっていたので、港を散策。手前には小型漁船が停泊。
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その向こう、港の奥には多数のヨット。
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再びタクシーで、海沿いの道を小さな峠を越えてピランへ。車窓から遠ざかる、トリエステ湾に突き出たイゾラの街が美しい。
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峠の並木道で思い出した。かつてはこの道に沿ってトリエステからポレチへ、全長120kmの軽便鉄道が通っていて、経由地のイゾラにその歴史を展示するパレンジャーナ博物館があったのを失念。見逃したのは失敗。
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イタリア語ではピラーノと呼ばれるピランも、アドリア海に突き出た小さな半島の先端にある街。旧市街の中心、タルティーニエフ広場で下車。
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広場の中心に市庁舎を背に立つのは、ピラン出身の作曲家でバイオリニストのジュゼッペ・タルティーニの像。
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広場に面して建つ小さな聖ペテロ教会。
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背後の丘を見上げると教会の塔。ピランは13世紀から18世紀まで、ヴェネツィア共和国の支配下にあり、広場も丘の上の聖ユーリ教会も、ミニベネツィアの雰囲気を漂わせています。
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ピラン旧市街の路地には建物の下にトンネルも。
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坂道と階段を上って教会のそばへ。近すぎて写真に入りきりません。17世紀の鐘楼は、ヴェネツィアのサンマルコ寺院の鐘楼にそっくり。
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高台に建つ聖ユーリ教会。
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教会の背後には城壁が残っています。
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教会前の高台から見下ろすタルティーニエフ広場。
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その先にはピランの港。
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アドリア海の沖合に浮かぶヨットなど、絶景が広がります。
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教会の裏の崖からの眺める半島の裏側。
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広場を通って港まで降りてきました。港越しに、高台に聖ユーリ教会と鐘楼。丸いのは洗礼堂。
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静かな水面に映る旧市街。
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この日は5月1日メーデーの祝日で、漁も休みなのか桟橋には小型漁船が係留されています。
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岸壁には、網やロープなどの漁具。
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タクシーでピランの街を抜け、一路南へ。車窓に広がるのは塩田だと運転手が教えてくれました。
運転手の携帯に着信すると、片手運転で“チャオ”の挨拶。彼はイタリア系スロベニア人なのか、話の賑やかさはまるでイタリア。 -
道路の先に屋根かかった建物が見えてきました。スロベニアとクロアチアの国境です。
運転手が、我々のパスポートを預かってスロベニアのイミグレへ。押されたスタンプには自動車のマーク。
スロベニア人の運転手は、免許証のようなカードを持っています。尋ねてみると、もとは同じ国のユーゴスラビアだったからでしょうか、スロベニアとクロアチアの国境は、パスポートではなく、彼らはこのカードを見せるだけで通れるのだとか。 -
さらに100mほど先には、今度はクロアチアのイミグレ。スタンプは同じく自動車のマーク。タクシーで国境のイミグレを超えるのは初体験。
その後、2019年にクロアチアのシェンゲン協定加盟が承認され、ユーゴスラビアからスロベニアやクロアチアが独立してから存在したパスポートコントロールは、18年ぶりになくなったものと思われます。
始めは動かしていたタクシーのメータを途中で上げてしまいました。差額は運転手のポケットに入るのかな。
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