2016/04/28 - 2016/04/28
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モボ101さん
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2016年のゴールデンウイークは、成田からクロアチアのザグレブに入りイタリアのヴェネツィアから帰る航空券を確保。帰国日はゴールデンウイーク最終日の5月8日(日)にして、乗り継ぎ便を通常料金で入手できるよう1日と数時間前倒し、4月27日夜に出発した11泊12日のスケジュール。成田を出た翌日の午前にクロアチアの首都ザグレブに着き、翌日朝の国際列車でスロベニアの首都リュブリャナへ。リュブリャナからバスと列車でイタリア国境の町ノヴァゴリツァを往復し、3日目は列車でアドリア海の港町コペルへ。4日目はイストラ半島で再び国境を越えクロアチアのポレチへ。5日目はプーラ、ロヴィニを巡り、6日目にスロベニアのシュコツアン鍾乳洞を経てイタリアのトリエステに抜けます。
社会主義の国として、南東ヨーロッパのバルカン半島にあったユーゴスラビア連邦人民共和国は、7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を1つの国家に押し込めていたものが、ベルリンの壁崩壊後の1991年から民族間の内戦を経て解体され、6つの共和国に分離独立。スロベニアは2004年にEUに加盟し2007年にシェンゲン協定が発効、クロアチアは2013年にEUに加盟を果たしたものの、2016年の時点ではシェンゲン協定には加盟の計画はあっても実現していなかったため、かつては同じユーゴスラビアであった両国間の国境では出入国管理がおこなわれていました。 その後、2019年にシェンゲン協定への加盟が承認されたようです。スロベニアの通貨は2007年にユーロを導入、クロアチアも導入計画はあるものの、まだクーナのままとなっています。
0日目
成田からカタール航空でドーハへ
1日目
空港からバスでザグレブへ。ザグレブ中央駅の列車とトラムとケーブルカーで巡るザグレブ旧市街。
【この旅行記です】
2日目 午前
ザグレブから国際列車ユーロシティーでスロベニアの首都リュブリャナ。路線バスでイタリア国境の街、かつて第二のベルリンの壁といわれたノヴァゴリツァへ。
https://4travel.jp/travelogue/11680614
2日目 午後
ノヴァゴリツァからボーヒン鉄道でイェセニツェ乗り継ぎリュブリャナへ
https://4travel.jp/travelogue/11680668
3日目 午前
スロベニアの首都リュブリャナ散策後鉄道博物館訪問とリュブリャナ駅の列車
https://4travel.jp/travelogue/11681130
3日目 午後
リュブリャナからローカル列車でアドリア海のコペルへ ポストイナ鍾乳洞も
https://4travel.jp/travelogue/11681510
4日目 午前
スロベニアにヴェネツィア共和国の面影 アドリア海の小さな港町コペル・イゾラ・ピラン
https://4travel.jp/travelogue/11681786
4日目 午後
クロアチアにヴェネツィア共和国の面影 イストラ半島アドリア海の港町ポレチュ
https://4travel.jp/travelogue/11682111
5日目 午前
クロアチアのプーラはイストラ半島最南端ローマ時代の神殿や円形劇場の残る街
https://4travel.jp/travelogue/11682271
5日目 午後
クロアチア イストラ半島のロヴィニはヨーロッパ人に人気の美しい港町
https://4travel.jp/travelogue/11682516
6日目 午前
タクシーで2回の国境越え スロベニアの世界遺産シュコツィアン洞窟群からイタリアへ
https://4travel.jp/travelogue/11682590
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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成田空港の門限の前、22時20分に出発したカタール航空のB777は、未明の4時過ぎにドーハに到着。当初計画では、ここで関空発の同行者と合流するはずが、カタール航空の関空便が廃止されたため、伊丹から羽田乗り継ぎのドーハ便に振り替えに。
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2時間半の乗り継ぎで、ザグレブに着くのは現地時間の正午ごろ。カタールからヨーロッパは遠いですね。空港から市内のバスターミナルまで30分ほど。
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到着直前に、閉じたゲートの向こうに蒸気機関車の姿がチラッと。ザグレブ中央駅の南側、裏手に当たる場所にクロアチア鉄道博物館があり、GoogleMapの航空写真では、何両かの蒸気機関車やディーゼル機関車が屋外に保存展示されている様子が見られます。次にザグレブに行く機会があったら、立ち寄ってみたい。
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バスターミナルの前にはトラムの停留所があり、専用軌道になっています。青いトラムに乗り換え、ザグレブ中央駅前のホテルへ向かいます。
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ホテルにチェックイン後、翌朝の隣国スロベニアのリュブリャーナまでの切符を買いにザグレブ中央駅へ。かつては、ロンドンからイスタンブールに向かうオリエント急行も停車した立派な駅舎です。誰も並んでいない出札窓口では、1枚ずつカーボン紙をはさんで手書きで発券。残念ながらクロアチア国内や周辺国への移動は、鉄道よりバスの方が便利なのが現実です。
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クロアチア鉄道の電化区間はAC25KVの50Hz。改札はないので、駅舎を抜けてホームに出てみると、3車体連接の電車が停車中。ローカル列車で、台車の上を除く客室が低床の新型車。最近の西ヨーロッパの新型車は、何処の国でも同じ大手の車両メーカー4社のカタログ商品ばかりで面白みが無いのですが、この電車は初めて見るスタイル。帰国後に調べてみると、クロアチア国産 KONČAR 社の製品で、大手の車両に劣らぬできばえです。車体の両側に耳のように出っ張っているのは、バックミラー代わりのカメラでしょうか。同じ車体で電気式のディーゼルカーもあるらしい。
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駅舎の横に行き止まり式のホームがあります。ちょうど電気機関車が3両の客車を牽引して入線してきました。日本の国鉄機によく似た顔つきで、側面に丸窓のある1141型はKONČAR製でクロアチア鉄道の主力機。ユーゴスラビア国鉄からの引き継ぎ機のようで、正面窓下の丸いマークはクロアチア語でクロアチア鉄道を表す Hrvatske željeznice、略して HŽ を図案化したよう。
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落書きだらけのローカル列車1両目の客車は、両端扉が幅広で2枚折戸。2両目と3両目は車体の中央よりの2個所に扉がある近郊仕様のローカル列車のよう。
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隣のホームで発車を待つのは、正面2枚窓で3両編成の近郊電車。
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ハンガリーのガンツ社製のようだけど、ハンガリー国内で見かけた記憶はありません。
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イラストの描かれた中間車。
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車内はボックスシート。
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駅舎側のホームに戻って発車案内を見上げると、ハンガリーのブダペスト行きインターシティーの表示があるので見に行くことに。
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2番線に7両編成の客車が停車中。塗色からみてクロアチア鉄道の所属です。
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前方から1142型電気機関車が入線してきて連結。
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1141型に比べ正面窓が大きくなったけど、側面は同じ丸窓。やはりユーゴスラビア時代のKONČAR製。
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7両編成の列車の最後尾。
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ホームが低いので、乗客は線路を直接わたって乗車ホームへ。
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ザグレブ中央駅の構内をウロウロしていると、このほかに荷物車や、
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寝台車らしき客車が留置され、
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こんな客車や、
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入れ替えのL型ディーゼル機関車。
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駅舎の横にはC型のテンダ式蒸気機関車が保存されています。煙室扉が観音開きになった、オーストリアで見かけるタイプ。クロアチアやスロベニアは、第一次世界大戦以前はオーストリア・ハンガリー帝国領の一部でした。
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こちらは後ろ姿。
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バスターミナルで買ったトラムの切符の有効時間は90分。時間切れになる前にトラムとケーブルカーを乗り継いで、ザグレブ旧市街に向かいます。中央駅の向かいにある公園には、10世紀のクロアチア王国の初代国王トミスラヴの騎馬像。その前が中央駅前の電停です。
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次々とやってくる青いトラムは全て片運転台片側扉仕様。共産圏の標準型、チェコスロバキアの角形車体のタトラカー、2車体2台車の連節車KT4のユーゴスラビアバージョンKT4YU。
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右側のピンクの後ろ姿は、丸いタトラカーの車体幅の狭いT4のユーゴスラビアバージョンT4YUが付随車のB4YUを牽引する2両編成。
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他都市では見かけた記憶のない、角タトラによく似たボギー車が付随車を牽引する編成は、調べてみるとクロアチアの Đuro Đaković 製らしい。この会社、現在はトラムは製造していないようです。
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5車体3台車の新型トラムはKONČAR製。機器類は輸入品かもしれないけど、メーターゲージで全低床式の西側の大手メーカに見劣りしない国産車です。丸いバックミラー代わりのカメラは、ドアのある側だけ。
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片運転台の低床連接車の後ろ姿。
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低床連接車の車内。
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クロアチアの内陸部に位置する人口80万人の首都ザグレブは、第一次世界大戦以前はオーストリア・ハンガリー帝国領だったこともあってか、オーストリア地方都市の香りのする街。
中央駅前から乗ったトラムを、新市街の中心イェラチッチ総督広場で下車。広場の中央には19世紀、オーストリア・ハンガリー帝国時代のクロアチアの軍人で政治家イェラチッチ総督の騎馬像があり、その前のトランジットモールをトラムが行き交います。 -
トランジットモールの丸いタトラカーT4YU。
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トランジットモールの低床連接車。
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イェラチッチ総督広場のトラム。
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トランジットモールのタトラカーKT4YUとT4YU+B4YU。
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イェラチッチ総督広場の先にある、新市街から丘の上の旧市街に登る青いケーブルカーは、有効時間内ならトラムの切符でそのまま乗車できます。床が水平の小さな車体。全線でわずか66m、乗っている時間は30秒は、世界で一番短い公共交通機関かもしれません。19世紀末、1890年に開通した線路は複線。こんな短距離なら、中間に行き違い設備を設けるより、複線にした方が簡単で良かったのでしょう。
丘の上の旧市街、駅舎の隣に立つロトゥルシュチャク塔は、13世紀に敵の襲来に備えた見張り塔。 -
駅舎内に19世紀末開業時と現在の写真。
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複線のケーブルカー。
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正面に聖マルコ教会が見える通りの右は失恋博物館、左には美術館。
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聖マルコ広場に建つ聖マルコ教会。14世紀の建築、19世紀末の改築で今の姿になったのだとか。屋根にはカラータイルで、左にクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国、右にザグレブ市の2つの紋章。
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聖マルコ教会の入り口。
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聖マルコ教会の祭壇。
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壁面のフレスコ画。
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聖マルコ広場の教会に向かって左に首相官邸、
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向かって右には国会議事堂。
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建物の角にはこんな装飾。
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国会議事堂の先にあるトンネルが石の門。向こうにそびえるのはザグレブ大聖堂の2本の塔。かつて旧市街を囲んでいた壁に開けた出入り口の一つであった石の門。
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石の門の中にはザグレブの守護神である聖母マリアが祀られた小さな礼拝堂があり、中に安置されているイエス・キリストを抱く聖母マリアのイコンは頭に載せた冠だけは三次元。
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このイコン、19世紀末の大火を無事にくぐり抜けて今に至るのだとか。
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石の門を抜けた先の高台から見渡すと、手前に聖母マリア教会、その向こうに聖母被昇天大聖堂。13世紀に建設が始まり17世紀に完成。現在の姿になったのは19世紀末の大火を受けた20世紀初めの修復のあと。クロアチアで一番高い108mの2本の尖塔のうち、右側は修復工事中。
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大聖堂前のカプトル広場の噴水の中央には、周囲を4人の天使に守られた聖母マリア像。
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聖母被昇天大聖堂の正面。
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大聖堂の横にはオスマントルコの襲撃から街を守るため、16世紀に造られた壁の一部が残っています。
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大聖堂の祭壇はキリスト像でもマリア像でもなく、ザグレブの大司教であったステピナッツ大司教が横たわるガラスのお棺。
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お棺の中身はミイラではなく人形とのこと。ステピナッツ大司教は第二次世界大戦後のユーゴスラビアで戦犯の烙印を押され、クロアチアの独立後に名誉が回復されたのだとか。
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大聖堂から中央駅まで、トラム走る通りを歩いて戻ります。並行する広い公園の中には、科学・芸術アカデミーやアートパビリオンが建ち並び、駅前のトミスラヴ王の騎馬像へと続いています。これは、クロアチア科学・芸術アカデミー。
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こちらはアートパビリオン。
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パレスホテル前のタトラカーT4+B4ラッピング車。
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夕食は、この電車通りに面したパレスホテル近くのクロアチア料理のレストランへ。
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