ベツレヘムとパレスチナの現在

2020/02/19 - 2020/02/19

エルサレム旧市街を歩いた後、ダマスカス門の前からバスに乗り、イエス生誕の地ベツレヘムに向かいました。

エリア ベツレヘム(イスラエル)

Bab El-Zakak/Beit Jala Road
時刻は午後4時半過ぎ、ベツレヘムでバスを降りる。
ここは現在、パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸地区にあたる。

エルサレムとよく似ているけど、ここは紛れもなくアラブ。

パン屋

クリスマスルター派教会 (ベツレヘム) 寺院・教会

歩いていて感じたのは、貴州省ぽい・・・。
そこら中にゴミが散乱していたり、定期的に交通でトラブっていたり。

・・・べつにどこかの地域を卑下しているのではなくて、自分が行った場所で似てた印象の所が、たまたま10年以上前の貴州省というだけです。

街の中心部に来た。
結構途上国らしいというか、声をかけられたり、付きまとわれたりする。
とくに「STAR ＆ BUCKS」の人にはしつこく声をかけられました(笑)
そのネタはTwitterで見たので知っていたのですが、今回は時間がないのでパスすることにしました。

マンガースクエア 広場・公園

さあ、ちゃっちゃと聖地巡礼を済ませましょう。

降誕教会、世界遺産ですね。

降誕教会 (聖誕教会) / イエスの生誕地: ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道 寺院・教会

聖カテリーナ教会

聖カテリーナ教会 寺院・教会

聖ヒエロニムスの像

聖カテリーナ教会の中。

韓国人の巡礼団体と被る。日本の団体客もいました。

本人、ここが聖誕教会だと思って回っているのですが、おそらく聖誕教会は見学時間が終わっているのですね・・・それに気が付いていないという（笑）

断末魔

オマールのモスク

オマールのモスク 寺院・教会

ミルク・グロット
もちろん閉まっている。外観が見たかっただけ。

ミルク グロット 寺院・教会

アラブ人の店でコーヒーを飲んだら、ストーブをつけてくれた。
このとき、熱いコーヒーがガラスの容器で出てくることを意外に思ったのだが、この先アラブを旅して、むしろこちらではこれが普通だということに気がついていく。

さて帰ることにする。かなり雨がパラついてきた。

バス停の近くに来ると、かなり本降りに。
いち早く帰りたかったのだが、バスの運転手に乗車を断られてしまう（定員の関係？）
そこで、長髪で口ひげを生やした白人パッカー風の男に声をかけられ・・・

最初、彼は貧乏旅行者で、私と折半してどこかへ行こうとしているのかと思った。
しかし話を聞いていると、彼はどうやらパレスチナ人のタクシー運転手で、イスラエルとのゲート（パレスチナ自治区との境目）まで行ってくれるという。

＊写真左は、監視塔に愛を示すトランプ大統領（当時）のウォールアート。

そこで、寄り道して連れて来られたのがこの分離壁だった。
普段ならこういうとき、「まっすぐ行けよ」と思う方なのに、さすがにこのときは目の前の現実に圧倒されるというか・・・。
そして自分をこのような場所に来させた旅の偶然に、今回は身を委ねてみることにした。

分離壁の前にちょっとしたグッズ屋があって、そこでウォールアートを基にしたこまごまとしたものを売っていた。
そこにはいくつかの、二色に色分けされたパレスチナの地図がプリントされたクリアファイルがあった・・・。

一枚目は、イスラエル建国前の西暦が書かれている地図で、そこはほとんどがアラブ人の色で塗られている。
二枚目は、イスラエル建国後の地図で、アラブ人は僅かな地域（パレスチナ自治区）のみとなり、大半がユダヤ人の色。
そして三枚目は未来の年号が書かれていて、再びパレスチナ全体がアラブ人の色で塗りつぶされていた・・・。

どんな社会にも表の面と裏の面はあるけど、大抵は目立たないように混ざっていてその境目を探し出すことは困難だったりする。
しかしここイスラエルでは、経済と文化、技術の最先端を行くイスラエルと、そのために犠牲になった人たちが住むパレスチナ自治区、その明暗はあまりにもはっきりとしている。

チェックポイントに到着して、タクシー代40シュケルと、5シュケルのチップを渡し、「貴重な体験をさせてくれてありがとう」といって彼と別れた。
彼もお金欲しさというより、パレスチナの現状を少しでも多くの外国人に知ってもらいたかったのだろうか・・・。

チェックポイントは鉄格子が連なる、薄暗く近づきがたい建物で、パレスチナ人は厳重にチェックされているようだったが、「日本国」と書かれたパスポートを見せるとほぼ何も聞かれずスルーすることができた。

そしてイスラエル側からバスに乗り、何事もなかったかのように再びエルサレム市街へ。

Tmol Shilshom
昨日間違えてベジタリアンの店に入ったので、今夜は本命のほうへ。

雨で冷えた体に、熱いシャクシューカが最高に美味しい。

このお店は本屋も兼ねているようで、レシートと一緒に栞もいただいた。

今日は・・・とにかく色々なものを見た一日だった。今夜はしっかりと休もう・・・。

この旅行記へのコメント （2）

• アルカロイド ダリルさん 2021/05/30 11:29:33

  こんにちわ！SRさん

  
  訪問、いいねをありがとうございます！
  
  中東のワイルドな旅に釘付けです！
  写真がクリアでとてもキレイ！湿度のなさが伝わってくる写真です
  
  よいタクシーに出会えて、世界が広がりましたね？　今回のガサ地区の空爆には、驚きました！　なんでそんなコトをしなければならないの？　ミルクがながれる蜂蜜の岸部が、約束の地だとしても、血と硝煙で奪うモノ？
  
  1神教の神様の民族って、、、他の宗教にヒステリックなトコロがあり、クリスマスも葬式もミックスな日本人には、イマイチわからない感覚です？　ホロコーストを受けた民族が、なんで？？？
  
  旅は空気を感じられるから、現場を知るのはとても大事なコトです！壁に会えてよかったですね？　私も行ってみたいです！
  
  ネット授業の合間にコレを書いているダリル
  
  
  

  SRさん からの返信 2021/05/30 20:54:19

  Re: こんにちわ！SRさん

  こんにちは。
  貴重な時間を使ってご覧になっていただき？ありがとうございます。
  
  今回の、というかパレスチナ紛争の悲惨さは、とくに子供が犠牲になっていることだと思います。確かにイスラエル軍は人口密集地を爆撃していますし、ハマスも民間人を盾として使っているようです。しかし、そういった大人のしたことの責任を子供たちが負わされるのは、いくらなんでも理不尽だと思います。
  
  それから一神教というのは絶対にこれが正しいというものを信仰するものなので、わりと一方で「これが悪」ということを決めつけがちというのはあると思います。でも今回私はイスラエルの人、パレスチナの人と実際に会ってみて、やはりどちらも同じ人間だし、どちらが善で、どちらが悪というのはないな、と思いました。
  
  今私にできるのは「あの人達、今は元気かなあ・・・」と思うことくらいです。でも以前はそう思うことすらありませんでした（中東は宗教で凝り固まった地域、という漠然としたイメージでした）。そういう実感をともなうイメージが持てただけでも、実際にこの地域を旅してみて悪くなかったかな、と思います。
  
  中東（とアフリカ）の旅行記はまだ、あとちょっと続きますので、僭越ですが良かったらまたいらしてください。