2019/06/29 - 2019/07/06
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ウェンディさん
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2019年の夏旅は、友人と共に北インドのラダックを旅してきました。
旅の目的地としてラダックを選んだ理由はチベット文化。
チベット文化と云えば本家本元は中国に内包されたチベット自治区ですが、噂によると現在のチベットは自治区とは名ばかりで親分の中国にその全てを牛耳られ、親分の悪口を言おうモノなら警察直行になるとかで、それは観光客も例外ではなく、自由な発言や行動はなかなか難しいという話でした。
興味津々のチベット文化でしたが、そんな状態の国を旅したとしても、作られた見せモノとしての文化しか味わえない・・・のでは諦めようか、と考えていた矢先にその名を知ったのがラダック。
ラダックは国としてはインドに属しますが、その文化はチベット以上にチベットらしいと云われていて、ラダック地方ではチベット仏教が信仰されています。
更にヒマラヤ山脈の裾野に位置するラダック地方は、その平均標高が3500m。
日本一高い山である富士山の山小屋ですら一番標高が高い場所にあるのが3450mなのにラダックの人たちは更に高いところで古来のチベット仏教の教えに基づいた生活をしています。
ソレを知ったとき、私が行きたいと心惹かれていたチベット文化圏は中国チベットではなく、古からの文化が今なお引き継がれているラダックであると確信し、旅計画がスタートしました。
2019年夏のラダック旅は2部構成で、最初の3日間は高度順応の日。
ガイドさんと一緒にゴンパ(寺院)を巡り喜怒哀楽の表情豊かな仏像と対話し、農家のご家庭にホームステイさせていただき、少しだけラダックの暮らしを体験してきました。
そして、後半の3日間はラダックの大自然を味わう旅と題して、標高4961mのガンダ・ラ・トレックにチャレンジしてきました(旅行記2・3・4参照)。
ガンダ・ラ・トレックは、他の方からは中年のおばちゃん二人の無茶な挑戦にも思えた様ですが、友人と私にとっては「やればできるじゃん!私たち!!」と自画自賛するほどエキサイティングな経験で、5000mの空の色、峠に奉納した5色のタルチョの光景は旅の中での最高の思い出となりました。
今回の旅行記-5で紹介するのは、トレッキングにチャレンジする前の高度順応のための2日目前半。
高度順応といっても、体が酸素の薄さに慣れるまで部屋の中でゴロゴロ寝転がって居るわけではありません。
酸素を体にたっぷりと取り込むために、たくさん歩いておしゃべりして、チベット仏教の事も教わって頭も体もフル回転の1日で、宿泊地に到着してからも村の中を散策して村の子供達とジェスチャーで会話したり、ステイ先でお料理作りを見せて貰ったりで、酸素の薄さにぼうっと呆けている時間なんてぜんぜんありません。
だから夕食を終える頃にはもう体力を使い果たしていて、ステイ先の自家発電が切れる前に夢の世界に溶け込んでしまうほどの楽しい1日。
そんな高度順応日の様子を旅行記に綴ってみたいと思います。
★2019夏 インドの秘境ラダック ホームステイ&トレッキング旅 日程★
□6/29 NRT11:15-DEL17:00 AI307
□6/30 DEL6:45-IXL8:20 AI445 ホームステイ
■7/1 下ラダックのゴンパ巡り ホームステイ
サスポールの洞窟壁画 アルチ寺院
ティンモスガン村でホームステイ
□7/2 下ラダックのゴンパ巡り ホームステイ
□7/3-7/5 Ganda la Passトレッキング(2泊3日)
□7/ 6 IXL 11:15-DEL 13:30 AI446
DEL 21:15-8:45(7/7)NRT AI306
☆ラダック内の手配(ガイド+運転手+宿泊):Hidden Himalaya
★2019夏 インドの秘境ラダック ホームステイ&トレッキング旅 旅行記★
【1】 旅の序章 -高山病・e-VISA・旅行準備
https://4travel.jp/travelogue/11515809
【2】 ガンダ・ラ トレック Day1 -秘境の料理教室@4138m
https://4travel.jp/travelogue/11517166
【3】 ガンダ・ラ トレックDay2 -酸素50% 海抜5000mの絶景へ-
https://4travel.jp/travelogue/11519590
【4】 ガンダ・ラ トレック Day2&3 -宿無し旅人、濁流の川を渡る-
https://4travel.jp/travelogue/11521283
【5】サスポールの洞窟壁画に魅せられて
https://4travel.jp/travelogue/11606651
【6】初めての農家ホームステイ
https://4travel.jp/travelogue/11610553
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
---2019/7/1---
ラダックInしたのは昨日のこと。
日本を発ったその日にインドに到着し、ニューデリーで一晩を過ごし、朝一便でラダック唯一の空港であるレー空港へとやってきた。
レー空港があるのは標高3000mを超える山岳地帯で、到着した1日目は高山の空気の薄さに慣れるためにそのままレーの市内観光だったのだが、平地から急に高山域へと飛ぶと心配なのは山酔いとも呼ばれる高山病。
レーの町の標高は3650mで、富士山山頂(3776m)より100m低いだけのかなりの高標高。
飛行機でいきなりこの標高にやってきたので、高山病予防薬のダイアモックスを摂取したとしても高山病の毒牙にはやられるだろうな・・・とは思っていたが、予想に反せず、レーのゴンパを見学している最中に突然のVomiting!
結局、レーへと到着した日の午後は、何も食べられず、とにかく絶え間ない吐き気と激しい頭痛と闘う時間となった。 -
しかし、高山病は時が解決してくれるモノ。
ダイアモックスの効果もあり、翌日の7/1の朝には朝日と共に爽やかに目覚め、宿のお母さんが準備してくれた朝食もペロリと完食し、脂と塩気の強いバター茶まで飲めるほどに回復し、ガイドさんが宿に迎えに来る頃には「昨日の午後の私は何だったの?」と思うほどのいつも通りの私だった。
ガイドのトクテンさんも私の顔色から体調の回復を見て取り、今日の行動は予定通りで大丈夫ですか?と。
友人と私の回答は 「もちろん大丈夫!ラダックのいろんな所に行きたいです!」
(写真:宿のお母さんのラダック料理♪) -
でも、宿を出発するその前に・・・、体調を回復した私にはやりたいことがあった。
それは、ラダック1泊目となった宿についてもっと知りたいという欲求。
ラダック1泊目で私たちが宿泊したのはホテルではなく、レーの町外れスカラ村にあるMaheyさん宅。
農家ではないが、ホームステイとして旅人を迎え入れてくれるお宅で、御主人と奥様は学校の先生で英語を話す。
完全なる農家ステイではないが、その練習として記念すべきラダックでの一泊目を民泊としていた。
旅人の宿泊用に水洗トイレもあり、ゲストルーム(写真)も庭に面した日当たりの良い部屋。
昨日の午後と夜は高山病の影響でまともに頭が働かなかったので家の中を見せて貰おう!なんて考えもしなかったが、調子が良くなれば、どんな風に生活をされているのか知りたくなってくるモノ。 -
台所にいた宿のお母さんに、家の中を案内して欲しいな!とリクエストしたら、喜んで♪と返事をいただけた。
そして、まずは台所から・・・。
この台所だが、実は夏用の台所なのだそうだ。
ラダックは夏は30℃以上まで気温が上がるが、真冬はマイナス10℃以下に下がる日も多く、季節によって部屋を使い分けているとのこと。
夏用の部屋は北向きで、風が通る構造になっている。 -
そして、階段を上って二階へ。
二階にあったのは冬用のリビングルーム。
1階では地面からの冷気が直接当たるので冬は1階では過ごせない。
冬用リビングの真ん中には大きなストーブがあり、夏でも肌寒い日はストーブをつけることもあるのだって。
冬になるとこの上にいつもヤカンを載せて、いつでもアツアツのお湯を準備しておくそうだ。 -
リビングの隣にあるのは冬用台所で、壁の戸棚の中にはいろんなサイズの鍋。
どの鍋もピカピカに磨いてあった。 -
台所には薪ストーブ型の竈(かまど)。
1階の夏用台所にはガスが来ていたが、冬用の台所は薪式。
冬のマイナス10℃の外気から部屋を暖めるにはガスコンロ程度の火力では無理で、強い火力が長い間続き最後は炭火となり暖かさを維持し続ける薪式の竈でないと料理も作れないのかもしれない。 -
夏場だったので冬用の竈に火は入っていなかったが、装飾金属はピカピカに磨いてあった。
私なんてガラストップコートのガスコンロでも汚れが落ちなくて、面倒だからそのままにしてあるのに、台所をピカピカに保つラダックのお母さんは尊敬!に値する。 -
建物の中で一番日当たりが良い場所が三階で、そこにあるのは仏間。
敬虔なチベット仏教を信仰するラダック人は、ダライ・ラマが心の仏。
何処のご家庭に行ってもダライ・ラマの写真が飾られていた。 -
そして、燭台には必ず蝋燭が灯されている。
蝋燭と言っても日本で見る縦長の鉛筆型の蝋燭ではなく、ロウと油を溶かし固めた蝋燭。
昔は獣脂蝋燭だったそうだが、今はサラダオイルを使っているのだって。 -
仏間の脇はお日様が部屋全体に注ぎ込む明るい部屋で、この家の主であるおじいさまのお部屋。
おじいさまのお部屋からは、ラダックの景色が一望できた。 -
家族用のトイレがあるのは2階で、ラダック式のボットントイレ。
トイレの1階部分は庭の裏に面したガレージで、1階ガレージ部分の床にある程度排泄物が溜ると、有機肥料として畑に運び出す究極のエコ・システム・トイレだ。
因みに私たちが使わせて貰ったのは、1階の客間の隣にある水洗トイレで、この朝はラダック式のエコ・トイレを利用する機会はなかった。 -
滞在中に友人は、おばあさまと一緒にパチリ。
-
家を案内していただいた最後は夏用リビングでお父さんとお母さんと一緒に記念撮影で、お互いに撮り合いをしていたら8時半に出発と予定していたのに、あっと今に9時になってしまった。
-
更に出発間際におじいさまとおばあさまも上階から下りていらして、また撮影大会。
短い滞在だったが、Maheyさんのご家族には本当によくしていただいたと思う。 -
イチオシ
そして、宿を出発した私たちが朝イチにやってきたのが、二つの川が合流するこの場所だ。
レーの町からは車で20分くらい、まずはこの場所で車を降りて深呼吸をする。 -
ラダックに到着して2日目となるこの日の予定は、下ラダック地方の観光+農家ホームステイ。
ラダック地方は大きく分けると標高がレー(3650m)よりも高い上ラダックと、レーより低い下ラダックに分けられ、旅行者の高山病対策としては、ラダック到着後の数日間は平均標高が3200mから3300m程度の下ラダックで過ごす方が体が不調になりにくいとされている。
だから、私たちもその定石通りに行動し、車はレーからゆっくりと標高を下げ川沿いの緑豊かなエリアを目指す。 -
ラダックがあるのはヒマラヤの裾野の標高が3500mもある地域なので、見渡す限り山ばっかりで平地なんて無いのでしょ。
コレ↑↑↑は現地に到着する前の私の中のラダックのイメージだったのだが、実際にドライブしてみると確かに標高が5000mを超える高い山はあるが、それは遙か遠くに見える山。
道路だっていわゆる山道ではないし、大きな川が流れ、その流域には緑豊かな土地が広がっていた。
なあんだ!ラダック全土が山岳地帯って云う感じではないのだね。
私の勝手な脳内イメージではネパールのポカラの雰囲気を想像していたのだが、ちょっと違っていたようだ。 -
ドライバーさんが最初に車を止めてくれた場所は、インダス川とザンスカール川が合流するポイント。
インダス川は、世界4大文明のインダス文明の発祥とも関わりのある川で、チベットから流れ出した川はインドのラダックを経由しパキスタンへと流れていく。
写真左の緑っぽいのがインダス川で、正面から流れてくる濁った川がザンスカール川で、川は写真右方向へ向かい流れている。 -
ザンスカール川はラダックの秘境であるザンスカール地方を源流とする川で、ザンスカールは冬になると雪で閉ざされそのアクセス方法は徒歩のみとなり、冬期にザンスカールの村人が渡る道がこのザンスカール川。
村人は冬にカチコチになった川の上を1週間かけて歩き、レーの町で村から運んだ商品を売り、その収入で必要な品を購入し、再度、凍結したザンスカール川の上を1週間歩いて故郷の村へと戻るそうだ。
この冬期のザンスカール川歩きは現地語でナダルと呼ばれ、冬期トレッキングのアクティビティとしても有名で、ナダルに挑戦するために厳冬期のラダックを訪れる旅人もいるが、トレッキング・ルートは危険な箇所も多く、歩き慣れている村人でさえ命を落とすこともあるという。 -
ザンスカール川が濁っているのは、冬の間に積もった雪や氷が溶け、泥を巻き上げて流れでているから。
-
ザンスカール川の水量とその勢いはインダス川を遙かに勝り、二つの河川が合流した後の川の色にインダス川の緑色は残っていない。
-
ラダックがあるのが北インドであると旅行記の緒言で紹介し、北と言う言葉からはデリー付近のちょっと上をイメージする方が多いのではないかと思うが、デリーよりも更にずっと北、のインドの最北部にラダックは位置し、その左隣は紛争地帯であるカシミール地方。
インドと言うよりもチベット文化圏に近いと云うことが、地図からも明らかだ。 -
この日の動きをラダックの地図(Google Mapより)に書き込んでみた。
赤字で示したのが旅行記(5&6)に出てくる地名で、2枚上の川の写真が「ザンスカール川合流地点」と示した部分で、地図にするとインダス川とザンスカール川の合流地点の位置関係がはっきりする。
この日の1日の行動は、レー→川の合流地点→サスポール(洞窟壁画)→アルチ(ゴンパ)→ティンモスガン村(ホームステイ)へと移動する。
1日の移動距離は100kmもなく、レーからティンモスガン村までは車で1時間半もかからない。
そんな狭い範囲を1日掛けて巡るなんて、時間がもったいない!?と思うかもしれないが、目的は観光地巡りではなく、高度順応。
高度順応ではあくせくした移動は厳禁で、焦らずゆっくりと行動するのがその基本で、私たちの1日も、高度順応をしながら気になる寺院などに立ち寄る旅だ。 -
ザンスカール川の合流地点から西へと車を走らせると、川沿いにバスゴ(Basgo)村が見えてきた。
-
バスゴ村は14世紀~16世紀にラダックの首都があった場所で、その時の王宮が現在でも残り、修復されたその建物はゴンパ(寺院)として使われていて僧侶が住んでいる。
バスゴ寺院 寺院・教会
-
イチオシ
崖に張りつくように作られた王宮は、それだけで絵になる姿。
中に入ることができるか?とガイドさんに聞いたところ、僧侶以外は不可能だそうだ。
16世紀末に首都はレーへと遷都しこの村は寂れてしまったというが、緑豊かな良いところだと思うのだけどな。 -
バスゴ村を過ぎると車窓の右手には雪を被る山の姿。
多分、どの尾根も5000mを超える高さなのだろう。 -
時刻は10:30。
私たちがやってきたのは、インダス川の流域にあるサスポール(Saspol)村だ。
サスポール村は緑豊かな村で、標高はレーよりも低く3300mほど。
車に乗っていると300mの標高差は分からないが、体は正直で、外を少し歩くとその差は歴然。
たかが300mでも空気の濃度はそれなりに異なる様だ。
川沿いにある村なので牧草も豊富で、村人の方が背中一杯に摘んだ草を運んでいた。 -
サスポール村へとやってきた理由は、村の北部の崖の中腹にあるサスポール洞窟(Saspol Cave)と呼ばれる石窟寺院。
Saspol Caveの地元名はニダプク(Nyidaphunk)石窟で、今から1000年くらい前に描かれた仏教画が残っている洞窟だ。 -
高度順応でのんびり行動・・・とか書いておきながら、これからやるのは崖登り。
崖の中腹にある洞窟を目指して、ゆっくりと登る。
レーから下ってきたとはいえ、サスポール村があるのは富士山の8合目以上の標高なので、少し登るだけで肩で息をする状態で、我ながら情けない。
石窟寺院はすぐそこ、目の前に見えているのにね。 -
イチオシ
3分歩いては休憩して、深呼吸。
酸素をたっぷり取り込んで歩き出す・・・といった感じで、ともかく心臓に負荷の掛からないペースで崖を登る。
崖の中腹から見下ろすサスポール村は緑の木々がたくさん。
高所にあり、乾燥地帯でもあるラダックではこのような緑が多い景色は珍しい。 -
寺院までの道はルートはあるがガラガラと滑り落ちる砂と礫ばかりで、足は滑るし、歩きにくい道だった。
-
おばあちゃんのようにゆっくり歩いて、息を整えて・・・
ラダックに到着翌日に崖登りは厳しかったが、10分弱でようやく洞窟ゴンパ(ゴンパ:寺院)の入口まで到着。
崖の山肌にはいくつかの石窟が口を開けているが、内部壁画が美しく残っているのは1つだけだ。 -
洞窟の入口は狭く、背をかがめながら洞窟内部へと入る。
-
サスポール石窟の中には人工の灯りは無く、外の太陽光だけが唯一の光源。
多分、太陽の位置を考えると、訪れるならば午前が良いのだろう。
午後になると太陽光は洞窟内部まで入り込まないかもしれない
入口の狭い隙間から零れる太陽光が当たる壁画は色やラインがクリアに見えるが、影になっている部分は、近くに寄り目をこらして観察しなければ壁画の詳細は見て取れない。 -
洞窟内に壁画が描かれたのは11世紀頃で、アルチ・ゴンパ(旅行記6で紹介)と同時期だと云われている。
-
11世紀初頭の都であったカシミールに修行に行っていた32人の僧侶がラダックに戻った時に作られたのが、このサスポールの洞窟僧院やアルチ寺院。
カシミールで僧侶達はサンスクリットの言葉を学び、チベット仏教の教えを人々に広めるためのツールとして仏教画を学んできた。
彼らはサスポール村の崖の洞窟をその修行の成果を発揮する場所として選び、洞窟内部を削り平らな壁を作り出し、そこに仏教画を描いたという。 -
イチオシ
サスポール石窟の中には有名な仏像も多く、こちらは十一面千手観音像で、その脇手には眼が描かれているが、洞窟内が暗く、手持ちのカメラではそこまでは写しきれない。
十一面千手観音像はインドの尼僧のラクシュミーに由来する絵と云われているが、絵についての詳細は文章としては何一つ残されていないそうだ。 -
3ツ目の黒い神様はパンジャラ・マハーカーラで、マハーカーラーは大黒天で、ヒンドゥー教のシヴァ神の化身とも云われているのだが、その雰囲気が日本画の風神雷神図に似ていると感じるのは私だけだろうか。
マハーカーラーは暴れ神で象の生皮を羽織り、刀を持つ姿で現されることが多い。 -
このお方も千手観音のように手がたくさんある。
ガイドのトクテンさんにそれぞれの絵について色々教えて貰ったのだが、写真とその説明が頭の中で一致していない部分が多く、この方の名前は分からない。 -
サスポールの石窟内は、壁の面によって描かれる仏教世界が異なり、入口を背にして左面がPeace(天上の世界)、正面がTeaching(説教図;曼荼羅など)、右面がAttachmentで、一番、意味が理解し難かったのがAttachmentと言う単語。
ガイドのトクテンさんは簡単な日本語は話せるが、難しい話となると英語にスイッチ。
壁画の説明などは全てが英語で、Attachmentをどのように訳すのが適当なのかが結局旅の最後まで正確には分からなかった。
帰国語に調べてみたのだが、Attachment=「取」であり、執着、掌握を意味する・・・どうやら煩悩という意味合いらしい。 -
このAttachmentに描かれていたのが阿弥陀如来の姿。
阿弥陀世来と煩悩が、どうやっても私の頭の中では結びつかない。 -
しかし、この辺りの絵になると執着、煩悩の意味合いが分かってくる。
(この辺りの壁画は、太陽光が当たらず暗かったので写真がブレブレなのは許して欲しい)
写真はチャクラサンヴァラと言われる仏で、黒色で描かれたチャクラサンヴァラ(男)と赤色の肌色で描かれた妃が力を合わせて、ヒンドゥーの神々を足下に踏みつけている。
二人の仏の構図に注目すると、妃が右足を大きくチヤクラサンヴァラに絡めたその動きはタンゴをを舞う情熱的なダンサーのような感じに見えた。
そして、この絵を見たときに、Attachmentの意味がぼんやり分かってきた気がした。 -
こちらも同様に男女の交合図で、ヘーヴァジュラがその妃を抱擁している構図だ。
たしかに煩悩も生まれるかもしれない状況だ・・・。 -
白色ヴァーラーヒーは、チャクラサンヴァラの妃で、2枚前の写真の妃とされる女性だ。
-
ユニークな描かれ方の仏の姿も多いが、Teachingの面では一般的な人間型の仏の壁画もあり、こちらのお二人は向かい合って座り、手話をするかのように手で形を作っている。
-
サスポール洞窟内は畳3畳半程度のスペースしかないので、狭い。
しかし、壁画を注意深く観察していると時間はあっという間に過ぎ、気がついたら30分が経過していた。
洞窟壁画をぐるっと一周して思ったのは、一言でチベット仏教と言っても、それはネパールで見てきたチベット仏教、モンゴルで目にしたチベット仏教、そして日本の仏教ともまた異なる仏の表現方法であり、仏陀を祖とする仏教と名のつく宗教にこれほどまでの差があるモノかと云うこと。 -
聖徳太子の時代に日本に伝わった仏教は、本家本元とその波及先で分化の道を歩んだということなのだろう。
特にサスポール洞窟で多く見られたAttachmentの図柄などは、ある意味、カルチャーショックだった。
曼荼羅ですら、日本の仏教寺院で目にする曼荼羅とラダックの古いチベット仏教の図柄では構図は似ているものの、雰囲気が大きく異なっていた。
仏教の世界だから、ラダックのチベット仏教も心で理解できるかも・・・なんて旅の前は考えていたが、ソレは無理。
チベット仏教はヒンドゥ教の影響も強く受けているので、私たちが知る仏教とは全くの別モノで、その世界観はとても豊か。
壁画の絵からチベット仏教のその全てを理解するのは難しいが、素朴な絵柄は魅了される部分も多いかった。 -
イチオシ
旅行記-5の写真はここまでで、この後は、この日の午後のアルチ・ゴンパ、ティンモスガン村での農家ホームステイの内容を少しだけ先行紹介。
-
イチオシ
次の旅行記ではゴンパ以外にも、村の様子、農家の様子などもたくさん書いていきたいと思っている。
-
旅行記-5の表紙写真で取り上げたのは、農家ホームステイをしたティンモスガン村で出会った二人の姉妹。
言葉は通じなかったが、身振り手振りで会話をして写真を撮らせて貰った。
最初は恥ずかしそうにしていたのに、最後はノリノリでモデルさんになってくれたお茶目な姉妹。
でも、結局、二人の名前を知ることはできなかった・・・。
前の旅行記:ガンダ・ラ トレック Day2&3 -宿無し旅人、濁流の川を渡る-
https://4travel.jp/travelogue/11521283
続きの旅行記:初めての農家ホームステイ
https://4travel.jp/travelogue/11610553
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この旅行記へのコメント (2)
-
- pedaruさん 2020/03/05 05:46:50
- ラダックに行こうという根性がすごい
- ウェンディさん おはようございます。
インドと聞いてだけで躊躇する者もいるというのに(それは私ですが)、ラダックとかいう聞いたこともない所へ、チベット仏教を知るために出かける総勢2名の調査団。
空気が薄いところを、厚い好奇心でカバーして、登る壁画洞窟までの瓦礫の道、
見てるだけで疲れる旅行記です。
映画と同じで、自分にできないことを疑似体験できるのが、旅行記を見る醍醐味でしょうか。格調高いウェンディさんの旅行記、他の人の旅行記を犠牲にしてじっくりみましたよ。って恩を着せるわけではありません、むしろ感謝です。シェーシェ、おっと、これはインド語じゃない
pedaru
- ウェンディさん からの返信 2020/03/05 22:46:41
- RE: ラダックに行こうという根性がすごい
- pedaruさん こんばんは。
朝早くから旅行記を見ていただいてありがとうございます。
きっと、寝起きでまだ半覚醒状態であった大脳新皮質も、刺激のあるハードな内容でバッチリと目覚めたのではないでしょうか。
昨年夏のラダック旅はトレッキングと農家ホームステイの二本立て。
馴染みの少ないチベット圏の文化やその生活を垣間見れたのは非常に貴重な経験でしたし、また、トレッキングで5000mの壁を突破できたのも私的には驚異でした。
旅に出ると日本で普通に生活している時以上のパワーを発揮できたり、頭が明晰に解析活動をしたりと、アドレナリンが大放出状態で、絶えずフルパワー。
そんなオバちゃんを二人抱えたガイドさんの苦労はいかほどのモノだったかと、写真を見返しながら追憶に浸っております。
ウェンディ
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