2015/12/26 - 2016/01/02
4位(同エリア71件中)
ウェンディさん
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メキシコのイメージって、どんな風?
と聞かれた時に最初に頭に浮かんでくるのは、マヤやアステカ遺跡で有名な階段ピラミッドや、色とりどりの珊瑚とコバルトブルーの海が広がるカリブ海ではないでしょうか。
鬱蒼とした熱帯雨林に覆い尽くされたジャングルに、ホエザルが放つwoow・・・という鳴き声が何処からともなく響き渡り、色とりどりのインコが密林の木々の間を飛び交い、木々の隙間から遠く昔に滅びてしまった古代文明の朽ち果てた遺跡が姿を覗かせる。
そんなイメージなのではないでしょうか。
かつての私;失われた古代文明に興味を持ち始めたころの私は、メキシコに対しそんなステレオタイプのイメージを持つ1人でした。
でもね。メキシコは遺跡だけの国ではないのです。
自然だって、白砂のカリブ海だけではなく、山間部にも豊かな自然が沢山あるのです。
例えばメキシコ・チワワ州にあるクリスタル洞窟。
ナイカ鉱山の地下深くにある洞窟の内部では、長さ11m、重さが55トンもの世界最大級のセレナイト結晶が縦横無尽に育ち、静寂の空間の中で輝いています。
(残念ながら、クリスタル洞窟の内部は人間が生存するには過酷な環境で、一般人の立ち入りは制限されています)
2015年冬のメキシコ旅では、そんな知られざるメキシコの自然へも足を延ばしてきました。その自然の1つが、チアパス州にある密林のオアシス;Misol-Ha(ミソル・ハ)と石灰棚の青い水;Agua-Azul(アグア・アスル)で、マヤ遺跡で有名なパレンケの町からも日帰りで往復できるところにあります。
実はこれらの二つのポイントは旅のプランニング時点では行きたいな~とは思っていましたが、時間との兼ね合いで泣く泣くカットした場所でもありました。
しかし想いとは不思議なモノで、行きたいという情熱は、通常私たちが認識している世界とは異なる無意識化の回路を通し、他の人へと伝播するのかもしれません。
パレンケ遺跡の帰りに偶然に乗りこんだミニバスでの出会いが、諦めていた二つのポイント;ミソル・ハとアグア・アスルへの道を切り開いてくれました。
☆★☆★☆旅程 2015/12/25-2016/1/2☆★☆★☆
□12/25 成田-バンクーバー-メキシコ・シティ
□12/26 ビジャエルモサ、ラベンタ遺跡、パレンケ
□12/27 ヤシュチラン遺跡、ボナンパック遺跡
■12/28 パレンケ遺跡、ミソル・ハ、アグア・アスル
■12/29 オアハカ モンテアルバン遺跡
□12/30 ミトラ遺跡、エルトゥーレ、イエルベ・エル・アグア
□12/31 メキシコ・シティ、フリーダ・カーロ博物館、国立人類学博物館
□1/1 メキシコ・シティ-バンクーバー-
□1/2 -成田
☆★☆★☆続・母さんの一人旅 メキシコ編☆★☆★☆
・デカ頭に会いに・ラベンタ遺跡 http://4travel.jp/travelogue/11091613
・暗闇のラビリンス http://4travel.jp/travelogue/11124868
・宇宙人が作った古代都市 http://4travel.jp/travelogue/11202484
・お母さんは、にわか解説員 https://4travel.jp/travelogue/11294321
・ジャングルで水遊び♪ https://4travel.jp/travelogue/11296494
・オアハカの洗礼 https://4travel.jp/travelogue/11297815
・時を止めた岩Hierve el Agua http://4travel.jp/travelogue/11311212
・フリーダ・カーロの世界 https://4travel.jp/travelogue/11314204
☆★☆★2011年 母さんの一人旅・ボリビア編☆★☆★
現地で手配!ティワナク遺跡 http://4travel.jp/travelogue/10637661
ウユニで人さらい http://4travel.jp/travelogue/10637723
チリ国境までの湖巡りドライブ http://4travel.jp/travelogue/10638094
ラパス市内観光 http://4travel.jp/travelogue/10638521
太陽の島でトレッキング http://4travel.jp/travelogue/10639292
Espejo del Cielo http://4travel.jp/travelogue/10648118
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
メキシコ滞在4日目のお昼前に私が居たのは、パレンケ遺跡からパレンケの町へと戻るミニバス(シャトルバス)の中。
まだ時間も比較的早い時間だったので遺跡から町へと戻る観光客は私以外には居なく、車内に乗っていたのは仕事帰りのメキシコ人のガイドのオジサンと私、そして運転手さんの3人。
こんな時、日本だったら3人とも無言で乗車しているのだろうが、此処はメキシコ。
メキシコ人は概して朗らかで人懐っこく、ガイドのオジサンもミニバスの運転手さんも例外ではなく、東洋人の女性の一人旅である私に興味津々で、「どこの国から来たのか」から3人での会話が始まった。
そして、話をしていく内にガイドのオジサンは私にある提案を持ちかけてきた。
それは、この日の午後の過ごし方について。
この日は夕方から夜行バス移動を予定していたので、体力温存のためにも午後は休息時間に充てて、パレンケの町カフェでのんびり旅日記でも書こうかと思っていたのだが、オジサンの提案は「せっかく夕方までの半日があるのに、町で過ごすなんてもったいない。自分は午後の仕事があるのでアテンド出来ないが、近郊にある二つの滝(ミソル・ハとアグア・アスル)への半日ドライブへ行ったらどうか」と云う内容だった。
(写真:開門と同時に入場したパレンケ遺跡) -
それは私にとって、思いもかけない提案だった。
ガイドのオジサンが挙げた地名はチアパス州の自然の中でも景観が美しいとされる場所で、旅のプランニング時点では行けるかどうかの検討をし、自分なりに現地旅行会社に問い合わせもしたのだが、旅行会社の回答は半日の専用車の手配で$150US~というメキシコの物価からみたらかなりのお高い金額で、行くことを諦めざるを得なかった場所だ。
オジサンの話はまだ続いた。
「旅行会社で車を手配すればその費用は高い。しかし自分がアレンジすれば1500ペソ($100US相当=約12000円)/6時間で手配でき、君が指定する時間にパレンケの町へと戻ることができる」(←きっとオジサンがアレンジすれば、オジサンにもバックマージンがあるのだろうしね)
オジサンの提案に乗れば、今回の旅では行けないと諦めていた場所、行きたかった2か所の滝へと行くことができる・・・それも相場の2/3の金額で。
オジサンからのこの申し出は、私の心を揺らした。 -
しかし、個人で車をチャーターし、長時間に渡り運転手さんと車の中で二人きりという状況は海外ではあまり推奨をされないシチュエーションだ。
特に女性の一人旅に於いては・・・。
そんな心の声が私の顔に出ていたのか、オジサンは「チャーター車の運転手さんの身元は保障するよ。だって、この車の運転手さんが君を連れて行ってくれるのだから。この彼は自分の友人だから安心して」と言葉を続けた。
どうやら今私が乗っているミニバスの運転手さんとガイドのオジサンは知り合いで、彼らにとって私は、葱を背負った鴨だったようだ。
でも、オジサンも運転手さんも悪い人には見えない。
本当に危険な状態に陥った時に働く私の危険センサーも全く反応しないので、多分、彼らは信用しても大丈夫な人達なのだろう。
私とオジサンの話を聞いていた運転手さんも「君さえよければ・・・」と言いながら、道端に車を止めると、車のフロントガラスに貼ってあった【遺跡←→町シャトルバス】の看板を取り外し、私の返事を聞く前から「今日の午後は君の行きたいところへ行くよ」とバスの運転手さんから、私の専属ドライバーへと早変わり。
(写真:遺跡-町を繋ぐミニバス(シャトルバス)が私のプライベート車に衣替) -
どうやら運転手さんは、一応はシャトルバスの運転手と云うオフィシャルな仕事をしているのだが、その給料は乗客からの運賃20ペソのみで、車やガソリン代は運転手持ちで、更に収入は乗せた乗客から入る一人20ペソの運賃がその全てらしい。
多分、運転手さんが午後に目いっぱい車を走らせたとしてもミニバスを利用するお客さんはトータルでも50人(収入としては1000ペソ(約8000円))もいないだろう。
でも私の様なプライベートの車を必要とする旅人を掴まえれば、一気に6時間で12000円が稼げることになり、その利益率はかなり高く、プライベート車のチャーターは運転手さんにとっても美味しい仕事だ。
私的にも現地旅行会社を通すよりも$50US安く手配できるのならば嬉しいし、何よりも安心して乗ることの出来る車と云うのが有り難い。
そんなこんなで私の夕方までの予定は、車の中で交わされた10分間の会話の間に180℃の方向転換。
行くのは無理!と諦めていた二つの景勝地へのプライベート・ドライブとなった。
でも、全てが丸く収まったかと言えばそうでもなく、私が契約した車・・・は少なくとも日本では公道を走ることの出来る様な状態ではなかったのだ。
私も助手席に乗って初めて気が付いたのだが、車はスピードを上げて走っているのに、そのメーターは0を指したままピクリとも動かなかった。
どうやらメキシコでは車の整備状況は、あまり問われることはないようだ。 -
パレンケ遺跡を11時半に出発した車は45分後に第一目的地であるミソル・ハ(Misol-Ha)滝へと到着した。
ミソル・ハ滝は密林の中のオアシス。
30mの崖の上から水が流れ落ちてくる。 -
イチオシ
ミソル・ハ滝のあるチアパス州は内陸州なので海が無い。
だから、密林地帯にあるミソル・ハ滝はチアパス州の人達にとっては貴重な水遊びの出来る場所だ。
勿論、チアパス州の低地には川も流れていて川でも水遊びは可能だが、その川には肉食の獰猛なワニが生息している。
そんな川では楽しい水遊びは不可能だろうし、私だったらそんな川には足を浸すことだってしたくない。 -
ミソル・ハ滝の滝壷全域で遊泳可能なわけではないが、水に入ってOKな場所では、子どもも大人も水着に着替えて、ドボン!
私は水着を持っていなかったので水には入らずに見ているだけだったが、30℃以上の気温の中では、水に入れば気持ち良いのだろう。
水深はそれなりに深いので、基本は救命胴衣の着用が義務づけられている。 -
泳がない私はココへ何をしに来たかって?
目的は豪快な滝の光景を眺めるためだが、それだけではない。 -
ミソル・ハ滝の周囲には周遊散策路があり、滝の裏側を歩く道がある。
此処の裏見の滝は、水量・音ともにかなりのものだ…と聞いたので、自分でその道を歩いてみたかったのだ。 -
散策路を歩いて滝の裏側へと廻ると、白く透き通る膜を張ったかのような細かいミストが目の前を覆う。
-
そして、流れ落ちる滝の水音の凄さと言ったら。
周りの物音が全てかき消されて位の轟音だ。 -
滝の正面から眺めていた時はただの流れ落ちる美しいだけだった滝も、真裏から眺めると、その表情が非常に豊か。
-
流れ落ちる滝水は、躍動感溢れるビートを刻んでいた。
-
水面に叩きつける水音、岩に跳ねる水音、跳ね返る水音・・・。
その音はどれ一つとっても同じではなく、滝の奏でるシンフォニー。
ミソル・ハ滝は、噂以上の滝だった。 -
そんなミソル・ハ滝だが、滝の裏側へと行くその遊歩道は決して平たんな道ではない。
遊歩道は、道と言ってよいのかどうか。
ちょっとした沢の中を歩く様なトレッキング道だった。
私はスニーカーの替えを持っていたのでジャブジャブと靴のまま水が流れる岩の上を歩いたが、ミソル・ハ滝の散策路を歩く場合はクロックスの様なサンダルを持参する方が賢明だろう。 -
遊歩道の山側にはジャングルが迫っていて、密林の木々は沢山の実をつけていた。
その実を狙って、多くの野生動物が木々の上に集っている。
樹上からはWooow・・・vwoooow・・・と吠える様な鳴き声が聞こえていたので、どうやらすぐ傍の木にはホエザルがいるようだ。 -
樹の上に目を凝らすと、見つけた。
写真はピントがずれてしまったが、黒い体毛に覆われたホエザルが一匹、樹の上に居た。
ホエザルは長い尻尾を樹の幹に絡め、その手で枝を掴んで葉を揺らしていた。 -
遊歩道から眺めるミソル・ハ滝。
滝の後ろに見える小さな点々の連続は、遊歩道を歩く観光客たちだ。 -
イチオシ
ミソル・ハ滝の遊歩道の散策は、泳がないのならば30分~50分もあれば十分。
運転手さんとの待ち合わせにはもう少し時間があったので、道端の屋台でトロピカル・フルーツを購入。
パパイヤやマンゴーなどをリクエストに応じて目の前で切ってくれる。
私は頼まなかったが、メキシコ人はキュウリも一緒にフルーツポットに入れてもらっていた。
彼らの食べ方は私にとっては理解不可能な趣向で、カットフルーツ(キュウリ含む)の上に辛いチリソースをかけ、真赤に彩られた南国の果物を美味しそうに頬張っていた。
私はシンプルに、フルーツだけを戴く。
フルーツ1カップで、15ペソ(約120円)だった。
メキシコで食べるフルーツは甘みも強く美味しいのだが、日本人の場合はこの様な露店での買い食いは、抵抗のある人も多いかもしれない。
その理由は、蠅。
甘いフルーツの匂いは蠅を呼び、カットフルーツを切った端から黒く飛翔する物体がその周りを飛び回る。
だから、お店の人も買う側もけっこう必死。
パパっと切って、サクッとお会計をしてフルーツを受け取らなければならない。 -
フルーツを食べた後は、運転手さんと合流し次なる目的地へと向かう。
運転手さんの名前は、アルベルト。
アルベルトさんはパレンケ遺跡へのミニバスの運転手が主な仕事だそうだが、たまにこんな風なアルバイトをしているとのこと。
アルベルトさんの言語の基本はスペイン語で英語はあまり出来ないのだが、何故か日本語に興味があると言っていた。
彼が日本語に興味を示す理由は、日本のお客さんは紳士的だから。
日本人は無茶な要求はしてこないし、車の中でうるさく騒ぐこともしない・・・というのがアルベルトさんの日本人に対するイメージらしい。
故に、彼は日本語を少しでも話せるようになり、日本の旅行者を乗せられるドライバーとして仕事が出来るようになりたいとの話だった。
だから、車の中は即席日本語教室に早変わり。
次の目的地であるアグア・アスル(Agua Azul)までは時間がかかるので、時間はたっぷり。
「こんにちは」の挨拶から始まって「名前は○○です」の表現まで、私の発音の後に続けて練習タイム。
その他にも、日本とメキシコの習慣の違いや、食べ物などについて彼と話をした。
この日のドライブの終わりにアルベルトさんと別れる時には、スペイン語と日本語(アルファベット表記)の基本表現のメモを作って渡したので、この旅から2年が経った今頃は、片言の日本語を話すドライバーがパレンケの町に誕生しているかもしれない。 -
イチオシ
ミソル・ハからアグア・アスルまでは約1時間半。
道は一本道の山道でけっこうなクネクネ道だったので、車酔いしやすい方は酔い止めを予め飲んでおく方が良い道だった。
そして、到着したアグア・アスル滝。
此処は、青く輝く水が石灰棚の滝を緩やかに流れ落ちる景観が有名な場所だ。 -
メキシコのパムッカレとも呼ばれる石灰棚の光景。
通常、石灰棚と言えば象牙色だが、此処の石灰棚の色は明るい茶色。 -
多分だが、この地域の水には鉄分を多く含まれ、その鉄の色が石灰分を赤く着色しているのだろう。
-
そして、水の色が青く見える理由も、鉄に由来するのだろう。
青い水なのにその色には鉄が影響している・・・というと不思議に聞こえるかもしれないが、福島県会津地方の五色沼の色が朱色だったり青色だったりするのと同じ理由だと思う。
アグア・アスルの水の分析結果を見ていないので正確なことは言えないが、水中の硫黄分と鉄が反応して青色の硫酸鉄を作りだし、その結晶が水に溶け込み、青くみえるのだろう。
アグア・アスル滝のあるこの辺りの地域には、硫黄泉の湧きでる温泉があるのではないかな。
硫黄泉はその名の通り硫黄を多く含有するし、石灰の原料である炭酸カルシウムや鉄分を含むことが多いしね。 -
アグア・アスル滝は階段状(カスケード状)になっていて、滝の上流に向かってその遊歩道は続いている。
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上流に向かうと滝の幅は狭くはなるが、密林の中の滝!という雰囲気が更に増してくる。
遊歩道の途中で滝水に触れるポイントがあったので、その青い川水に手を浸すとやはりちょっと鉄臭い匂い。
そして、その川底はサラサラの泥ではなくちょっとヌルっとする感じで、水の中へと踏み入れたら絶対に滑って転びそうだった。 -
アグア・アスル滝の最上流部までは川下部分の展望台から歩いて30分程度で到着した。
-
川水の色は日が陰ると緑色に近く見えるが、陽光が当たると鮮やかなコバルトブルー、エメラルド・ブルーの色に輝く。
この滝の呼び名であるAgua Azulとは青い水という意味で、本当にその名の通りの水の色だ。
この光景をメキシコのパムッカレと呼ぶのはちょっと言い過ぎの気もするが、石灰岩が作り出すこのカスケードは、確かに絶景だろう。 -
で、こんな素敵な滝と流れる川であるアグア・アスル。
メキシコ人は見ているだけ?
そんな訳はない。
楽しいことが大好きなメキシコ人たち。
彼等は、此処でも水遊びタイムに余念が無い。 -
アグア・アスル滝の急流部分は遊泳禁止だが、流れの緩い部分では水に入ることができる。
この写真の看板があるエリアは泳いだり水遊びが可能なエリアだが、その水深表示が結構いいかげん。
水深が40cmから3mとの表示だった。
3mの水の深さは、オトナだって溺れるから危ないと思うのだけど。 -
水辺には絞りたてのフレッシュジュースを売る屋台も出ていた。
欲しかったのだが、ジュースを作る器具の周りには小さい黑い奴が飛びまわっていたので、諦めた。 -
時刻は14時過ぎ。
昼食もとらずに滝巡りをしていた私は、おなかがペコペコ。
香ばしい香りに誘われた私が辿り着いたのは、トウモロコシの屋台。
マヤ文明では、神様としても祀られたトウモロコシの炭火焼きだ。
1本15ペソ(120円)だったので、迷わず購入。
日本ならば醤油をかけるのだろうが、此処では塩をパラリ。
炭火焼きのせいか甘みが引き立ち、美味しいトウモロコシだった。 -
イチオシ
トウモロコシだけではお腹が満たされなかった私が次に立ち寄ったのはエンパナーダの屋台。
エンパナーダはブラジルやアルゼンチンなど南米で多く食べられるが、此処メキシコでも人気があるようだ。
でも、メキシコのエンパナーダは南米のオリジナルとは少し異なり、トルティージャ(トウモロコシ粉で作った皮)に挟んだ味付けの肉や野菜を揚げたモノだ。
価格は5個で20ペソ(160円)。
観光地価格だが、美味しそうな匂いにつられてついつい買ってしまった。 -
アグア・アスル滝の展望台のベンチに座って、買ったばかりの熱々のエンパナーダを頬張りつつ青く輝く水を眺めていたら、後ろからいきなり誰かに抱きつかれた。
-
一瞬、メキシコの痴漢かと思い叫び声を出しそうになったが、私の背中にぴたっとくっついた人物の声は明らかに女性のもの。
それも、スペイン語だ。
ビックリして後ろを振り向いた私が見つけた顔は昨日、ヤシュチラン遺跡・ボナンパック遺跡のツアーでご一緒したメキシコ人シスターズの一人。
ひとり旅の私を旅の仲間に加えてくれた、優しいお姉さま方だ。
その彼女が「また、こんなところで会うなんて、運命ね~」と言って、私を羽交い絞めにしそうな勢いで抱きしめていたのだ。
彼女達も、この日の午前中はパレンケ遺跡へと行き、午後は私と同じようにミソル・ハの滝と此処アグア・アスルへと来ていたそうだ。
パレンケを訪れる旅人の行動パターンは似ているのだろうが、まさかここまで一致するとは奇遇だね…と、暫く展望台で彼女達とお話タイムとなった。
旅の出会いって、本当に面白いし、何が起きるか分からないところがエキサイティングだ。
この日、スピード・メーターの壊れた車に乗りこんでしまったことに気が付いた時には、見知らぬ人の車に軽々しく乗ってしまった自分の軽率な行動を後悔しかけたが、終わり良ければすべてよし。
女性の一人旅で身元が保証されない個人タクシーを長時間チャーターするなんて普段の私では絶対にしない行動だが、メキシコ人の底抜けに明るい人柄に接していると、彼らの事を信じても大丈夫・・・そんな気分になってくる。
メキシコって、そんな国なんだよね。 -
結局、アルベルト君の車は5時間チャーターとなり、16時過ぎにパレンケの宿であるPosada Aguila Real(ポサダ・アギラ・レアル)へと送ってもらった。
そして、宿で預けていた荷物をピックアップした後は、汗でびっしょりの服と滝の水で濡れたクツを清潔なモノに交換し、パレンケの町はずれにあるADOバスのバスターミナルへと向かった(パレンケの町中央部からADOバスターミナルまでのタクシー代25ペソ=約200円)。 -
実は、この日の夜は、私には泊まる宿が無かった。
無い・・・というのは予約できる宿は無かった・・・のではなく、宿が必要なかったから予約しなかったのだ。
この日の夜は、夜行バスでオアハカへと向かう、つまりバスの座席がベッド代わりだった。
パレンケの町からオアハカへと向かうバスは1日1本のみ。
17:30発のバスを逃がしたら次のバスは翌日になってしまうので、このバスを絶対に逃すわけにはいかない。
だから、16:45にはバスターミナルに到着し、人の動きを観察していた。 -
メキシコの長距離夜行バスは、地域にもよるのだがあまり安全な乗り物ではなく、その利用を記したブログは多くはない。
だから、事前情報を十分に得ることの出来なかった私はちょっとドキドキしながら、待合室のベンチに座っていた。
人の動きを眺めていると、どうやらバスのトランクルームへと預ける荷物はセキュリティチェックが必要で、その預け場所があるのが切符販売窓口の隣のスペースらしいことが分かったのだが、発車何分前に荷物を持って行けばいのかが、さっぱりわからない。
でも、私には口がある。
目の前のベンチに座るお姉さんに「どのタイミングで荷物を預けるのか」を聞いたら、30分前でOKとのこと。
で、それを聞いたのがバスの発車時刻の15分前だったので、私はあわてて荷物を預けに行った。かつての強盗バス、今は安全?/パレンケ-オアハカ夜行バス by ウェンディさんパレンケ バスターミナル バス系
-
パレンケの町とオアハカを結ぶ長距離夜行バス。
その乗車時間は16時間と長く、17:30にパレンケの町を出発したバスは翌朝の9:30にオアハカへと到着する。
パレンケ-オアハカを移動する他の交通手段としては飛行機(空港はビジャ・エルモサ)があるが、飛行機の場合はメキシコシティで乗り換えとなり、2路線を飛ぶため費用も高い。
またパレンケの町をお昼に出発したとしてもメキシコシティで一泊のスケジュールとなるため、私の様な年末年始の短い休暇を利用する旅人にはその1泊がもったいなかった。
(写真:バスは小さな町のターミナルを繋ぎ、ターミナルに着くたびに乗客が入れ替わる) -
このパレンケ-オアハカを結ぶ長距離夜行バスは旅の夜を有効に使える旅行者の懐にも優しいバスなのだが、実は強盗バスとも呼ばれる曰くつきのバスでもあった。
このバスが強盗バスと呼ばれる理由は、パレンケ-オアハカを結ぶ山道が山賊出没ラインだから。
細く険しい山道が連続する峠越えの道はバスがスピードを上げることの出来ない道で、山に巣喰う山賊からみたらそんな道を走るバスは、金を持つ乗客がつまった宝箱。
最近は山賊襲撃の事件も減ったようだが、数年前までは思い出したかのように山賊に襲われたバスのニュースがあったそうだ。
(写真:途中のトイレ休憩のバスターミナル。トイレ休憩は3時間に1回ほど) -
だから私も、一応の強盗対策をしてからバスに乗り込んでいた。
お金は小分けにしてポケットに入れて、見せ金用のフェイクの財布の中には、一見クレジットカード風に見える只の会員カードと折り目を付けた2500ペソ(約2万円相当)の現金を入れて、最悪、山賊に襲われた場合には、このお金を渡そうと考えていた。
強盗(山賊)たちのバスでの滞在時間は非常に短く、何人かで乗り込んできて乗客から金目のものを集め、3分もしない内に撤収するという。
だから、お金をもたもたと探していたら、彼らをイライラさせてしまうこととなる。
おとなしく引き下がってもらうためにも、彼らが満足しそうな金額を予め準備しておくことは大事なことだ。
(写真:トイレ休憩の場所はバスターミナルだけではない。山の中の小さな村のドライブインみたいな場所も休憩場所として立ち寄る。乗客は殆どメキシコ人で、ドライブインも夜中なのに地元の人で溢れていた。此処のトイレに行く時のアウェイ感は半端なく、さすがの私もちょっと怖かった) -
16時間も乗車時間があるのでバスの中でゆっくり眠れるかと思ったが、そんなことはなかった。
バスの中は冷房が効き過ぎで寒いし、TVで流すコメディー映画の音はかなり大きく、とても落ち着いて眠れる環境ではなかった。
また、1日1便しかないバスなので席は満席で、空席があれば横になろうなんて無理な話。
更に、バスは3時間ごとにトイレ休憩で止まるし、夜中にいきなり警官が乗り込んできて、寝ている乗客の顔を一人一人確認していく・・・ということも2回あった。
警官が乗ってくるのは、多分だが、山賊や強盗の仲間が手引き者としてバスの中に乗客として潜んでないかチェックしているのだと思うが、賄賂を要求する悪徳警官の話などもブログで読んでいたので、彼らが乗り込んできた時は、胸がドキドキだった。 -
そんな眠れない夜も、ゆっくりと射しこむ朝日が終わりにしてくれた。
朝6時過ぎ。
山道を抜けたバスの車窓からの風景は、密林に覆われたチアパス州とは全く異なる赤茶けた大地が広がるオアハカ州の景色へと変わっていた。 -
オアハカ州に入ったところにある最後の検問所。
ここでは、乗りこんできた係員(多分軍人さんかな?)に全員が身分証明書の提示を求められた。
私はパスポートを見せたが、まさか国内移動のバスでここまで厳重にチェックが入るとは思っていなかったので、これは軽い驚きだった。
ココまで徹底しなければならない状況・・・ということは私が楽観視していたよりも、このバスの緊迫度は高かったのだろう。 -
そして16時間のバス旅は、朝9時半のオアハカのバスターミナルが終着点。
パレンケから乗ってきた乗客たちは私を含めて、大きな伸び~。
荷物を受け取ったら、また新しい旅・・・オアハカ旅・・・のスタートだ。 -
イチオシ
まずは予約してある今晩の宿へと向かう。
宿があるのは、オアハカ市の南東側。
オアハカは大きな町なのでバスターミナルがあるのは街の外れで、そこからホテルまで歩くのは距離があるので、タクシーで移動する。
ホテルまでの距離は直線距離で3km程度だが、オアハカは大都市なのでタクシー代もパレンケよりは高く、50ペソ(400円)。
オアハカでの1泊の宿はHotel Florida Oaxaca(ホテル・フロリダ・オアハカ)。
此処を選んだ理由は、ソカロと言われる町の中心広場まで歩いて15分と近く、宿の周りには市場も有り、便利そうだったから。
あと、トリップアドバイザーの利用者のコメントでの評価が高かったのもその決め手だ。
確かに宿泊料金はオアハカの中では安い方なのに、宿のおばさんは親切だし、部屋も綺麗で朝食も美味しく言うことなしの宿だった・・・のだが、一つ難点を挙げるならば、夜になると街灯が少なく道が暗かった点が気になるところだった。
道が暗いと言っても、宿の周囲が危険な道と言う意味ではなく、街灯が少ないので、夜に自分できちんと通りの名前を把握していないと、遠くから宿の壁の色を見分けるのが若干、難しくなる程度だ。 -
宿であるフロリダ・オアハカに着いたのは午前10時前。
本来ならばまだチェックインできない時間だったが、私がパレンケから夜行バスで来た…と話すと、宿のおばさんは「バスでは疲れたでしょ。10分待てばすぐに部屋を準備するから」と言い、本当に10分で部屋を整えてくれた。
その10分間の私の相手をしてくれたのが、宿のマスコットのお猫サマ。
ネコの扱いならば、誰にも負けない自信がある私。
世界中のどんなネコだって、どんと来い!
そして、この10分の間に私とこの猫ちゃんは仲良しになり、手の甲にひっかき傷のプレゼントを貰った。
ゴロゴロと喉を鳴らすネコの傍にいるのは、とっても幸せ。
此処の宿を選んだ私の直感は間違っていなかったようだ。
前の旅行記:
お母さんは、にわか解説員 https://4travel.jp/travelogue/11294321
続きの旅行記:
アレを食べちゃいました… https://4travel.jp/travelogue/11297815
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この旅行記へのコメント (4)
-
- ふーさん 2018/09/23 20:40:13
- 夜行バスについて
- ウェンディさま
メキシコのブログ、楽しく興味深く拝見しました。
2018年の年末にメキシコへ行くので大変参考になります。
パレンケでは紹介されている旅行会社で同じツアーに参加するつもりです。
ところで夜行バスについて
私はウェンディさんの反対、オアハカからパレンケへ行く予定ですがチケットはどのように購入されましたか?
(山賊ルート心配ですが)
1日一便なので事前予約をしたいのですが、ADOのインターネットには繋がらず、また他の方のブログでクレジットカードが使えないなど、ネットでの購入ができないらしいのです。
ご回答頂ければ有り難いです。
よろしくお願いいたします。
- ウェンディさん からの返信 2018/09/24 09:07:13
- RE: 夜行バスについて
- こんにちは。
メキシコでのADOバスですが、私の時も日本発行のクレジットカード決済は出来ずに、現地の旅行代理店に手配をお願いしました。(手配手数料が必要でした)
代理店名は【ペリカンネットトラベル・メキシコ店】ですが、先ほど調べてみたら当時私がアクセスしたホームページは無くなってしまい、日通のグループからも名前が無くっていました。
何らかの事情で日通グループを止めてしまったのかもしません。
此処からは私の記憶の中での話となり正確性が欠けるのですが、当時私が利用したペリカンネットトラベル・メキシコ店の現地での名前は【メキシコ観光】だったと記憶しています。
先程、メキシコ観光の名前でネット検索してみたところ【メキシコ観光Pasella】でヒットし、会社名自体は【株式会社メキシコ観光】となっていたので、ここがかつての【ペリカンネットトラベル・メキシコ店】である可能性が高いと思います。
(メキシコ観光Pasellaのメキシコオフィスの住所で検索したところ、昔の住所と同じ場所でしたので、多分同じ手配会社だと思います)
ダメもとで、ADOバスのチケット手配可否のメールをしてみてはいかがでしょうか。
その他、日本語での問い合わせが可能な現地旅行会社にはMIKADO Travelなども有ります。
また、スペイン語がある程度分かるのならば、パレンケで私が利用した現地密着型の旅行会社などでもそこの会社のツアーを利用するならば、サービスでADOバスの予約もやってくれそうな気もします。
あまり役に立つ情報を提供できなくて、ごめんなさいね。
素敵なメキシコ旅になることを・・・。
ウェンディ
- ふーさん からの返信 2018/09/24 09:32:18
- Re: 夜行バスについて
- おはようございます。
早速のご返信ありがとうございます。
またわざわざ現地会社を調べていただきありがとうございます。
他の方のブログでもペリカンに依頼した、というのを見付けたので検索してみたらやはり該当アドレスはありませんでした。
やはり事前購入しないと心配なので
調べていただいた旅行会社に日本語で連絡してみます。(スペイン語は全くダメ)
ちなみにウェンディさんが紹介されたパレンケの旅行会社に「12月31日について」英語で問合せしたところすぐ返信がきました!
ウェンディさんがオアハカ、パレンケで宿泊された宿はすでに空室なし。
クリスマス、年末年始は何でも事前予約が必要だと実感しています。
まだまだお聞きしたいことが沢山あります。(でてくると思います)
何卒よろしくお願いいたします。
- ウェンディさん からの返信 2018/09/24 10:50:07
- RE: Re: 夜行バスについて
- パレンケ−オアハカ線のバスですが私が乗った日は満席でしたので、この路線はなんとしても予約が必要だと思います。
またパレンケやオアハカの宿ですが、宿泊予定日の直前になるとキャンセルが出たりするので、とりあえず現在での一番と思われるところを予約しておき、旅の2週間前位から予約サイトを何回もチャックすると希望の宿で空室が見つかるかも知れません。
確か、私もメキシコの宿はそんな感じで何回も予約しなおして、最終的な宿に落ち着きました。
私の記憶が役に立つならばお答えできるので、質問はいつでもお気軽にどうぞ。
私自身も他の方に色々と助けていただいているので、覚えていることについては回答できると思います。
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