2019/08/25 - 2019/08/26
12位(同エリア1086件中)
旅猫さん
8月最後の週末、久しぶりに上林温泉を訪れることにした。
以前、友人と訪れて気に入った宿を再訪するのが目的だ。
その宿でのんびり過ごすことにしていたが、せっかくなので、初日は少し観光をすることに。
狙ったのは『SORAterrace』だったが。。。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 新幹線 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- 日本旅行
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-
今回は、大宮駅9:58発の『はくたか557号』で出発。
土曜日と言うことで、車内は混み合っていた。
1時間余りで長野駅に着き、そのまま長野電鉄の駅へと向かう。
乗り換えたのは、11:33発の特急『スノーモンキー』だ。 -
車内は思いのほか空いていて、新幹線の混雑が嘘のようだ。
車窓には、見慣れた街並みや風景が続く。
でも、楽しみにしていた小布施駅からの北信五岳は望めなかった。
そして、40分ほどで終点の湯田中駅に到着した。
この駅の雰囲気は気に入っている。
もう何度も降り立った駅だが、変わらぬ佇まいで嬉しい。 -
駅前からは、12:30発のシャトルバスに乗り、龍王スキーパークへと向かう。
湯田中の街を抜けると、バスはどんどん高度を上げていく。
30分くらい掛かると思っていたが、20分足らずで着いた。
シャトルバスは空いていたが、ロープウェイ乗り場にはそこそこ人がいた。SORA terrace スキー場
-
乗り込んだロープウェイは、166人乗りで、何と世界最大級だそうだ。
しかし、この時一緒に乗り込んだのは30人足らずだった。
終点が近づいて来ると、急に霧が湧き出し、あっという間に景色が見えなくなった。 -
そこで、景色は後回しにして、お昼を摂ることにした。
入ったカフェレストラン『SORA terrace cafe』は、品書きが少ない上、定番のラーメンや蕎麦などは無く、しかも写真が無いので、どんな料理かわからない。
迷った挙句、海老餃子と焼売、桃万頭が入っているという点心にした。
注文してから、店頭で蒸すので時間が掛かったが、熱々で思ったよりも美味しかった。 -
レストランの外には、花が植えられている場所があった。
夏の終わりらしく、マツムシソウが咲いている。
蜂たちが、食事中だ。 -
ロープウェイ乗り場とレストランの間には、『SORAterrace』と言う展望所がある。
HPなどでは、雲海が観られるお洒落なデッキのような感じで紹介されているが、実際に訪れてみると、かなり狭く、伊豆の国パノラマパークの富士見テラスと比べれば、猫の額ほどである。 -
かなりがっかりしたうえ、霧や雲が晴れず、眺望もほとんど無い。
それでも、吹き抜ける風は涼しく、まさに天然の涼風だ。
そして、しばらくすると、雲の切れ間から景色が少しだけ望めた。 -
その切れ間からは、青い空も顔を出す。
低い雲から高い雲まで、色々な雲が折り重なり、とても綺麗だ。
人には造ることが出来ない、自然の芸術である。 -
テラス近くのロックガーデンでは、もう竜胆の花が咲いていた。
秋の花では、やはりこの竜胆の花が一番好きかもしれない。 -
テラスに戻ると、ロープウェイが降りて行く。
そろそろシャトルバスの時間なので、次の便でこちらも降りることにしよう。
また霧も出て来たことだし。 -
湯田中駅に戻り、連絡しておいた送迎車に乗り宿へと向かう。
運転手さんから、『前回お見えになったのは冬でしたね。』と声を掛けられ驚いた。
そう、今宵お世話になる上林温泉の『上林ホテル仙壽閣』は、6年前の冬、震災で東京に来ていて知り合った人が故郷に帰る際、記念に二人で訪れたのがこの宿だったのだ。その時の印象が良かったので、久しぶりに訪れてみることにしたのだった。
宿に着き、ロビーで受付を待つ間、冷たいお茶と万頭をいただいた。上林ホテル 仙壽閣 宿・ホテル
-
窓からは、中庭の緑が見えている。
この宿には、最近のリゾートホテルや流行りの和モダンには無い、落ち着きと品が感じられる。創業時から建物は変わっても、これが歴史を紡いできた伝統と風格と言うものなのだろう。
受付の方にも、前回の宿泊時の話をされ、この後、食事の際にも話題にされた。常連でもないのに、再訪してここまで歓待されたのは初めてだ。 -
通されたのは、二階の和室。
広縁付きと言うが、まるで次の間のような広さがあり、不思議な造りの部屋だった。 -
その広縁に据えられたテーブルには、団扇が置かれていた。
夏らしい気遣いが嬉しい。 -
ベランダは木材が敷かれていて、素足で出れれる。
そこには、簾のようなものが下がり、西日を遮っていた。
手すりも木でできていて、とても風情があった。 -
簾を上げると、眼下には緑に覆われた庭が広がっていた。
散策が出来るらしいので、後で行ってみよう。 -
とりあえず、まずは大浴場へ。
日曜日の早い時間なので、先客は一人だった。
上林温泉の湯は無色透明だが、温泉らしい臭いや肌触りがする。
湯量も豊富なので、とても気持ち良かった。
湯上りに談話室で休憩。
ここでは、珈琲などが無料で飲めた。 -
入浴後、中庭を散策。
広くは無いが、緑が豊かでせせらぎもある。
初夏には、蛍も舞うそうだ。 -
この季節は、花が少ないらしいが、撫子や水引などがちらほらと咲いていた。
-
散策のあと、館内を見学。
大正浪漫を感じる造りだが、建物は1988年の築らしい。 -
1階には、温水プールもあり、宿泊者は無料で入ることが出来る。
開業当時は温泉プールがあったらしく、その歴史を受け継いだものだそうだ。 -
温泉プールの先には売店があり、そこで地酒の試飲を見つけた。
地元山ノ内町の玉村本店が醸す『縁喜』の本醸造生酒と純米吟醸だった。
玉村本店は、以前二度ほど立ち寄ったことがあり、結構気に入っている。
一口ずついただいたが、どちらも美味しかった。 -
部屋に戻ると、畳に長い影が伸びていた。
この部屋は、西側を向いているので西日が入るのだ。
ベランダの簾が、夏の強い西日を和らげてくれていた。 -
しばらく部屋で休んでいると、食事処から電話が入った。
食事の用意が出来たので、部屋まで迎えに来ると言う。
係の方に付いて行くと、以前泊まった時に食事をした場所の脇を抜け、奥にある個室食事処・席亭に通された。
離れや温泉付き客室専用の食事処なのだが、今回は特別にこちらにしてくれたとのこと。
これも、再訪のなせるものか。
専用の玄関があるのには驚いた。 -
玄関を入ると、廊下の両脇に6つの個室食事処が並んでいた。
通されたのは『雲間』と言う部屋だった。 -
最初に出されたのは、食前酒の梅酒と先付の品々。
笹の葉のような器に載っていたのは、自家製のヨーグルトが掛けられた杏子だった。
笊には鮎の風干しもあったが、これは期待したほど美味しくはなかった。 -
食事のお供には、飯山の田中屋酒造店が醸す『水尾 一味 辛口純米』を選んだ。
地元の『縁喜』は試飲で飲んだので、水尾にしたのだ。
飲んでみると、やや辛口と言った味わいで、旨みもあったが深みは無かった。 -
次は、海老と若布真丈の椀物だった。
先月の箱根の早雲閣には及ばないが、ここの料理もなかなかだ。
なお、お品書きには、普通、先付、椀物、台の物、焼き物などと書かれるが、ここのものは、季節を感じさせるものが書かれている。
先付は処暑、椀物は稲妻、他にも、鈴虫、立秋、流れ星など。 -
初嵐とあった焼物は、岩魚の塩焼きだった。
身がほくほくしていて、塩加減も良く、とても美味しい。
前に蔦温泉で食べたものには負けるが、久しぶりに川魚を楽しめた。 -
星の契は煮物のようだ。
丸茄子と冬瓜に榎餡が掛けられたもので、上品な味わいだ。 -
ここで、献立に無いものが登場した。
料理長からの気持ちとのことで、そばがきだった。
訊けば、普通のそばがきではなく、餅風に拵えたものだそうだ。
もちっとした食感で、とても美味しかった。 -
主菜はすき焼き。
肉は信州牛だったが、柔らかくて悪くはなかった。
ただ、少し味が濃い目だったのが残念だった。 -
その後は、鱧が載った素麺が出て来た。
つゆがジェル状になっている変わった一品だった。 -
〆は、木島平産のコシヒカリと浅蜊の味噌汁。
ほど良い旨みのあるコシヒカリが美味しかったし、浅蜊もたくさん入っていてよかった。 -
水菓子は、桃のゼリーと西瓜。
そして、ブルーベリーのプチケーキ。
ブルーベリーはそのままが食べたかった。 -
品書きには、最後に甘味とあったが、飲み物とお菓子のことだった。
選んだのは抹茶。
濃厚で深い味わいの美味しい抹茶で、落雁によく合った。 -
夜、もう一度温泉へ。
湧出量の多いことが自慢の上林温泉なので、湯は、壁を滝のように流れ落ち、湯船の縁全体から川のように溢れ出ている。
まるで湯船が滝壺の様である。
なので、洗い場の床は絶えず湯が流れ、何とも気持ちが良い。 -
湯上り、夜風に当たりに外へ出た。
夜空を見上げると、星が一つだけ輝いていた。 -
部屋に戻ると、水が置かれていた。
山の天然水だそうだ。
泊った宿で、冷たい水が部屋にあると嬉しい。
無いと、それだけでその宿の評価が私の中では下がってしまうほどだ。
今回は、天然水と言うことで評価が高い。 -
翌朝、まずは朝風呂へ。
露天風呂に入ると、涼しい風が吹いていた。
宿の方が言うには、今年は例年より早く秋風が吹き始めたそうだ。 -
朝食も、同じ食事処へ通された。
ほど良い品数で、どれも美味しい。
鮭は、何と鮭児だった。
朴葉味噌のようなものがあったが、朴葉ではなく柏葉だそうだ。
この味噌が美味しく、ご飯をおかわりしてしまった。 -
そのご飯は、夕食と違い信州中野産のコシヒカリだった。
同じコシヒカリでも、木島平産とは味わいが違う。
こちらの方が甘みが控えめで、さっぱりした感じだ。 -
食後、一休みした後、温泉街を散策。
地図をもらって歩き始めたが、宿と住宅があるだけで、特に見所は無かった。
地獄谷野猿公苑へ向かう道沿いに不動尊があったものの、入口が塞がれていたので、境内の外から参拝をさせていただいた。 -
10時半前に精算をし、宿の車で湯田中駅へと向かう。
上林温泉から下る坂の途中で、目の前から宅配便の車が突っ込んできて、危うく正面衝突するところだった。
急ブレーキで運転席の背面にぶつかったが、怪我は無かった。
相手の運転手はスマホを見ていたらしく、前を全く見ておらず、急ハンドルでかわすと、減速もせずにそのまま走り去った。
宿の方も、しばらく呆然としていた。
その後、湯田中駅に無事辿り着き、10:57発の特急『ゆけむり』に乗車。
運よく展望席に座れたのは良かった。 -
湯田中駅を発車した列車は、ゆっくりと下って行く。
車窓には、高社山が変わらぬ姿で佇んでいた。高社山(長野県中野市) 自然・景勝地
-
色付き始めた田んぼの上には、青い空と白い雲。
夏から秋への季節の移ろいが見えるようだ。 -
そして、50分で長野駅に到着。
予定は無いので、とりあえずお昼を食べることにする。
信州と言うことで、駅前にあった蕎麦屋へ。
この店は、以前一度入ったことがあり、イカ天が美味しかったのを思い出したのだ。
しかし、出て来たのは、油っこい、前とは似て非なるものだった。油や グルメ・レストラン
-
がっかりして、お酒を頼むのを忘れてしまった。
それでも、続いて出て来たもり蕎麦は、短めで手繰りやすい。
喉越しも悪くなく、こちらは文句ない。 -
時間が余ったので、駅ビルのお土産屋を物色。
美味しそうなサラミが目に付いたので、つい買ってしまった。
そして、13:20発の『はくたか572号』で長野を離れた。
今回は、思い出の宿でのんびりする旅。
湯量豊富な温泉がとても気持ち良く、宿の担当の仲居さんもとても気さくで楽しい方だった。
いつかまた、のんびり訪れてみたい宿である。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- 前日光さん 2020/08/31 16:42:04
- 夏の終わりのマツムシソウ、そして温泉!
- 旅猫さん、お久しぶりです。
ちょうど昨年の今頃信州に行かれたのですね?
昨年は確かに秋の訪れが早かったように思います。
しかし今年のこの猛暑(^^;)
なんだか天罰を受けているような猛暑、酷暑でしたね。
昨年末北海道に行って以来、八ヶ月もの間、どこにも行っていませんでした。
6月末、ちょっと体調を崩したこともあり、この25日と26日にやっと那須に一泊してきました。
この信州の宿のように一度泊まっただけなのに、宿中の皆さんが自分のことを覚えていてくれたのはうれしいことですね。
最近そういったことが富に少なくなっているように思います。
温泉でゆっくりされ、リフレッシュできたことでしょう。
またSORAテラスからの眺めは残念でしたが、可愛らしいマツムシソウや竜胆の気高い姿はいいですね!
今年は今日になってようやく少し涼しさを感じますが、いつまた暑さがぶり返すか分かりませんね。
夏の終わりの気まぐれな天気には、くれぐれもご注意ください。
前日光
- 旅猫さん からの返信 2020/09/01 14:10:12
- RE: 夏の終わりのマツムシソウ、そして温泉!
- 前日光さん、こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰しています。
そういえば、去年は過ごしやすい夏だったことを思い出しました。
一転、今年は酷いですね。。。
私も、2月からすでに半年以上出かけていません。
職場と自宅の往復だけです。。。
コロナと暑さで、旅に出る気力がありません(笑)
この時は、安く泊まれるプランがあったので、懐かしくて泊まりました。
運転手さんに声を掛けられた時は驚きましたが、宿の記録を確認して、細やかに対応しているのでしょうね。
こんなことでも、客としては嬉しいものですよね。
この宿の温泉は、長野県内一の湯量を誇っていて、まさにかけ流しです。
落ち着いた感じの宿なので、とても寛げました。
一人で泊ったことが無いので、いつかゆっくり泊まってみたい宿です。
SORAテラスでは、雲が多くて景色が観られなかったのが残念でした。
最近、スキー場が夏場の人集めにテラスみたいのを作っていますが、ここのはかなりしょぼいです(笑)
竜胆の花は、深い青色が綺麗ですよね。
今日は、30℃まで届かないみたいですね。
久しぶりに、過ごしやすい気温で助かります。
とは言え、残暑も厳しいでしょうから、お体ご自愛ください。
旅猫
-
- hot chocolateさん 2019/09/19 01:06:39
- 伝統と風格の宿
- 旅猫さま
こんばんは~
もうすっかり秋の気配ですね。
「SORAテラス」へのロープウェイ166人乗りは凄いですね。
どれだけぎゅうぎゅうになるんだろう・・・
「SORAテラス」は、雲海も見られる(かもしれない)お洒落なテラスのようだけど、伊豆の葛城山のパノラマパークの富士見テラスの方がはるかに広くていいのですね。
あの辺には時々行くのですが、そう高い山でもないので、ロープウェイで上に上がったことはありませんでした。
HPを見たら、富士山は見えるし、かなりの良い景色なので、今度行ってみたくなりました。
「仙壽閣」のベランダは木でできていて、手すりも木製で、簾も風情があって、こだわりを感じます。
夕食も朝食も、どれも美味しそうですね。
それに溢れるばかりの湯量の温泉、温泉好きとしては堪らないですね。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2019/09/19 21:31:12
- RE: 伝統と風格の宿
- hot chocoさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
日に日に、秋の気配が感じられますね。
SORAテラスは、思ったよりも狭くてがっかりでした。
あれで雲海が見えても、ちょっと寂しいかもしれません。
それに比べて、富士見テラスは広大です。
個室展望テラスまであり、のんびり富士の絶景が楽しめますし、散策路もあります。
周りに高い山が無いので、展望は素晴らしいですよ。
仙壽閣も良い宿です。
老舗ですが、とても落ち着けます。
長野県一の湯量を誇る温泉も、肌に優しく良い湯ですし。
おすすめです。
旅猫
-
- 墨水さん 2019/09/09 22:00:44
- そばがき
- 旅猫さん、今晩は。
餅風に拵えた「そばがき」て、なに?。
(いや~っ、そばがきが、マイブームなもんで。笑)
日本酒と、喉越しを競う所が欲しかった。(笑)
朝食で、信州で鮭児は必要か?。(笑)
墨水。
- 旅猫さん からの返信 2019/09/14 08:17:00
- RE: そばがき
- 墨水さん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
今回食べたそばがきは、料理長曰く、食感は白玉のようなつるっとした喉越しのそばがきを目指したそうです。
もちっとしていて、粉っぽさはほとんど感じなかったです。
でも、しっかりと蕎麦の香りはしていました。
> 朝食で、信州で鮭児は必要か?。(笑)
紅鮭や銀鮭が出るよりはよいと思いますが、白鮭で十分だと思います。
旅猫
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