
2019/08/10 - 2019/08/10
15位(同エリア401件中)
キートンさん
この旅行記スケジュールを元に
都市めぐりが観光のメインとなったこの夏旅。
2日目の今日は、唯一遺跡観光の1日です。
しかもインドネシアを代表する2大遺跡を一挙に制覇しようという、旅の序番から全力観光!
前半は世界最大の仏教遺跡ともいわれるボロブドゥール寺院遺跡。
運が良ければ神秘的な絶景に出会えるというサンライズツアーに参加します。
以前のアンコール・ワットの日の出がやや消化不良気味だっただけに、ここでリベンジして一気に旅情を盛り上げたいところ。
はたして天は味方してくれるのか・・・
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 徒歩 バイク
- 航空会社
- エアアジア
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
やっちまった!
眠りが浅くなった頃、ドアをノックする音でとび起きた。
なぜアラームが鳴らなかった?
急いで着替えてコンタクトレンズを装着して、イカ氏(宿のオーナー)の運転するバイクでボロブドゥール寺院遺跡へと向かった。
イカ氏の指示に従ってサンライズツアーの受付けもスムーズに進み、懐中電灯を借りて遺跡へと向かった。
単独でここまで来て手続きしてたら、勝手がわからずあたふたしてたところだ。
真っ暗な中を、イカ氏お勧めの日の出鑑賞ポイントへやってきた。
星がたくさん出ている。
これは期待できるかも・・・ -
ぞくぞくとツアー参加者が鑑賞ポイントへと集まってきて、5:30前には付近は満員御礼状態となった。
この時期の未明はかなり涼しい。 -
イカ氏はほとんど毎日のようにここに来ているのだという。
観光業の特別優遇か年間パスのようなものを持っているのかもしれない。
ガイド料を請求されるわけでもなく、彼にとって宿泊者をここまで案内してくれるのはビジネスというより日課になっているようだ。
日の出の方角にはムラピ山(右)とメルバブ山(左)。
雲ひとつない朝焼けが広がってきた。 -
ここはボロブドゥール寺院遺跡の上部の円壇。
周りには「ストゥーパ」と呼ばれる釣鐘状の仏塔がいくつも立っている。
そのストゥーパの縁に座って日の出を待っている。 -
周りは立ち見客でいっぱい。
サンライズツアーの人気を物語っている。 -
3段の円壇に計72基のストゥーパが規則的に配置されている。
イカ氏の解説では、ストゥーパの釣鐘状の覆いがはずされあらわになっている仏像が2体あるという。
1体はすぐ右側にあるもの、もう1体は夕日が沈む方向にあるのだとか。
こちらの朝日が昇る方の仏像は、サンライズツアーの参加章となるワッペンの写真に採用されている。 -
イチオシ
確かにこの仏像は、明るくなってきたムラピ山の方向を向いている。
近くに仏像、正面に朝日が昇るムラピとメルバブの2つの山。
まさにベストポジションだ。 -
遺跡の周りは朝もやに霞む熱帯の木々が浮かび、神秘的な雰囲気に包まれている。
-
イチオシ
イカ氏は自分のデジカメでいくつか写真を撮って、日の出前にここを去って行った。
「帰る時は電話くれたら迎えにくるよ」と言い残して。 -
6:05。
日の出間近という頃、山の影が青い光線のように空に放たれた。
初めて見る現象だった。 -
6:15。
太陽はムラピ山の山頂左から昇るようだ。
マジで感動5秒前? -
6:16。
ムラピ山のシルエットを破るように太陽が現れた。 -
イチオシ
今日初めての陽を浴びるストゥーパの仏像。
まさにアメージングなサンライズだ。 -
ただ今、興奮のるつぼ(?)
-
誰もがこの素晴らしい瞬間を撮りまくり。
-
露出した仏像は釈迦牟尼像。
-
こちらは、もうひとつの露出した釈迦牟尼像。
-
その仏像が見つめる先には、富士山に似た姿のスンビン山。
飛行機から見えた山だ。 -
一般客が増えてくる前に遺跡見学開始。
-
円壇の中央にそびえる大ストゥーパ。
地上からの高さはもともと42mあったといわれるが、現在は34.5mになっている。
この寺院遺跡はシャイレンドラ王朝により、780~830年頃に約50年をかけて建造された。
日本では奈良時代末期から平安時代初期にあたる。
完成後に仏教を信仰するシャイレンドラ王朝が崩壊し、ヒンドゥー教国のサンジャヤ朝がこの地を支配して以降、1814年イギリス人のトーマス・ラッフルズにより発見されるまで、1000年近く密林に眠る遺跡となっていた。
19世紀に発掘調査、20世紀初頭にオランダによる復元工事が行われた後、1973年から10年の歳月をかけてユネスコ主導のもと修復工事が行われた。
一旦解体して石のひとつひとつにナンバーリングを施し、再び組み直すという大がかりなものだった。 -
ボロブドゥール寺院遺跡の平面図。
最下部に屈折した方形の基壇があり、その基壇の上(内側)に基壇と相似形をなした5層の方形壇、さらにその上(内側)に3層の円形壇がある。
方形壇と方形壇の間に4周の回廊がある。
円形壇には計72基の小ストゥーパ、中央に大ストゥーパが配置されている。
平面図でグレーの基壇は人間のいる欲界、赤の方形壇は神と人間が触れ合う色界、黄色の円壇は神のいる無色界、という仏教の三界をあらわしているとされる。 -
ボロブドゥール寺院遺跡の断面図。
この仏教寺院は内部空間を持たないことが最大の特徴である。
5層の方形壇は急勾配、3層の円形壇は緩勾配で、全体で9層の階段ピラミッド状の構造となっている。
最下部の基壇は補強のため外側に増築された部分がある。
各回廊の両側には、図に記載されている数字が示すレリーフが彫られていて、合計すると1460面にも及ぶという。 -
ボロブドゥール寺院遺跡のみどころのひとつは回廊の浮彫りレリーフである。
特にブッダの物語が描かれた第1回廊は必見とのこと。
第1回廊のレリーフは上下2段に分れ、上段には仏伝図「方広大荘厳経」によるブッダの生涯、下段には本生譚・譬喩物語がそれぞれ120場面描かれている。 -
仏伝図は第1回廊東面中央部から時計回りで物語が進む。
仏伝図ストーリー
1、東面南側:ブッダ出現が予言され麻耶夫人が悪夢を見る。
天界にいるブッダの図から物語は始まる。
レリーフは、中央の宮殿に座り、天人たちが音楽を演奏している場面。 -
仏伝図ストーリー
2、南面東側:夫人がルンビニに移動しブッダが誕生する。
アンコール・ワットにも回廊のレリーフがあったが、それに比べるとこちらの方がより立体的な浮き彫りになっている。
石材の継ぎ目がやや目立ち、石材はザラザラした質感である。
とはいえ、1200年以上の時を経てこれだけの繊細さが残っているのは驚くべきことだ。
レリーフに刻まれた人物は、全体で1万人を越えるという。 -
仏伝図ストーリーが描かれた第1回廊(進行方向右側)上段が注目されがちだが、外側(進行方向左側)も同様に立体的な浮き彫りが続いている。
上部の猿を弓矢や吹矢(?)で狙っているような場面。 -
各回廊は幅約2m。
第1回廊はレリーフの解説をするガイドとそれを聞く観光客が多くみられる。
日本語ガイドも結構いるようだ。 -
仏伝図ストーリー
3、南面西側:王子として成長し寺院参拝や学校に通う。
レリーフは、結婚について相談する浄飯王とシッダールタ。
日本では釈迦(シャカ)と呼ばれる仏教の始祖は、本名ガウタマ=シッダールタで、ブッダは「悟りをひらいた人」を意味する称号とのことである。
要は、シャカもブッダもシッダールタも同一人物なのである。 -
仏伝図ストーリー
4、西面南側:ヨショーダラーと結婚するが出家を決意する。
下段に描かれた船のレリーフ。 -
イチオシ
仏伝図ストーリー
5、西面北側:出家するために城を出て髪を切り落とす。
レリーフは、馬に乗って城を出て行くシッダールタ。
出家を決意した王子に天人たちが同伴している。 -
仏伝図ストーリー
6、北面西側:6年間の苦行を行いスジャータに施しを受ける。
ヤシや樹木の浮き彫りがなんとも繊細。 -
仏伝図ストーリー
7、北面東側:菩提樹の下で悟りを聞き天人や龍王が称える。
レリーフにはなぜか傘がよく見られる。日除けののためのものか?
動物では象がよくみられる。 -
仏伝図ストーリー
8、東面北側:ガンジス河を渡って最初の説法をし伝道を始める。
上段下段の間の装飾がきれいに残っている。 -
第2回廊のレリーフは華厳経入法界品が描かれているという。
仏像は頭部のないものも目立つ。
頭部に埋め込まれた宝石などの盗掘のため、オランダ占領下の戦利品のためなどの説があるようだが、真相は不明。 -
第1回廊から第4回廊にかけての壁龕(くぼみ)には、計432体もの等身大の仏像があったという。
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第2回廊屈折部の壁龕(くぼみ)とレリーフ。
第2回廊も第1回廊に劣らぬ繊細なレリーフが残る。 -
イチオシ
回廊屈折部角の排水口は、マカラと呼ばれるインド神話の怪魚が彫られている。
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円壇へと続く階段のゲート上部には、鬼面カーラが彫られている。
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方形壇を上りつめた両側に立つのは狛犬か?
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方形壇上部の角と円壇の間は広々としたスペースとなっている。
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そこから見た大ストゥーパ。
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小ストゥーパは一辺23cm大の石のブロックを透かし格子状に積み上げ、中の仏像を拝することができるようになっている。
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イチオシ
円弧状に並ぶストゥーパ。
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最上段の円壇から見た西側の風景。
山と森林、豊かな自然の中にある遺跡である。 -
小ストゥーパの内部に鎮座する仏像。
実は小ストゥーパの中の仏像も頭部が残るものは少ないのだ。 -
日の出直後は人だかりができていた仏像付近も落ち着きを取り戻していた。
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ひと通り遺跡上部の見学を終え、基壇へと下る。
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基壇から見上げた階段。
方形壇部分の階段はかなり急である。 -
未明に到着した時にはわからなかった遺跡の全容。
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最下段の方形壇の屈折部。
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排水口の怪魚マカラを支える小僧がユニーク。
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南東角から見た遺跡の全容。
南東角の基壇増築部は一部撤去されて、当初の基壇が見れるようになっている。 -
その「隠れた基壇」には、精巧なレリーフと遺跡に唯一残るカウイ文字が刻まれている。
なんてことは帰国してから知ったことで、その写真はない。
あしからず。 -
建築資材となったのは厚さ20~30cmの切石で、総重量約350万t、総計200万個近くの切石ブロックが使用されているという。
増築部を撤去した断面は、切石が市松模様のように積み重なっている。 -
日の出後の約2時間の遺跡見学を終え、8:20頃朝食のレストランへと向かった。
比較的涼しい時間帯に見学を終えることができて良かった。 -
レストランの場所をちゃんと把握してなかったので、たどり着くのに20分近くかかってしまった。
ここで借りていた懐中電灯を返却。 -
サンライズツアーの参加者の朝食はレストラン2階でビュッフェスタイルだった。
-
料理の種類・味ともに満足いくもの。
日本人の口にも合う料理だった。 -
宿泊したエファタ・ホームステイまで歩いて帰ったが、意外に遠くて時間がかかった。
ボロブドゥール遺跡公園が広く、公園の端の方にレストランがあったからだ。
チェックアウト時に、宿泊費340,000ルピアとサンライズツアー料金4750,000ルピアを支払い、ランチボックスを受け取った。
宿泊費は朝食込だが、サンライズツアーに朝食が付いていたので配慮してくれたのだろう。
チェックアウト後、バイクでバスターミナルまで送ってもらった。
最後まで至れり尽くせりで、ホスタビリティの高い宿だった。
特に、サンライズツアーでの適切な手続きと案内、日の出鑑賞のベストポジション確保で、ボロブドゥール遺跡観光は最高のものとなった。Efata Homestay ホテル
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11:00前、ボロブドゥールからジョンボル・バスターミナルに向けてバスは発車した。
今日は寝坊するという最悪のスタートだったが、イカ氏の案内と天候に恵まれ、消化不良気味だったアンコール・ワットの日の出鑑賞の会心のリベンジとなった。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- senseさん 2020/02/02 10:15:45
- はじめまして、senseと申します
- 素晴らしい旅日記です。
まるで優れた歴史書を拝見しているかのようで、、凡人の私には、時間をかけ一つひとつ解読しなくてはいけないかと、、、
でも大変興味深く、未知の世界へいざなっていただきありがとうございました。
何より、あの写真!
陽を浴びるストゥーパの仏像 圧巻!
でした。素晴らしいぃー
本当に貴重な経験をされ羨ましいです。
こうしてわたしにまで、その感動をわけていただき、一言お礼をと、、
ありがとうございました、
sense
- キートンさん からの返信 2020/02/02 19:28:27
- Re: はじめまして、senseと申します
- こんにちは、senseさん。
書き込みありがとうございます。
ボロブドゥール遺跡の写真のコメント(解説)は、主に「地球の歩き方」の文章を引用したもので、歴史書などには足元にもおよびません。
「地球の歩き方」の写真と解説を見ながら見学したのですが、第1回廊のブッダの生涯を描いた仏伝図のレリーフは掲載写真が小さくて、現地で写真の場所を見つけるのに苦労しました。
ボロブドゥール遺跡は他のどの遺跡とも似ていない、独特の形状をしていてとても興味深いものでした。
そしてなんといってもサンライズがとても神秘的で感動ものでした。
もし行く機会があったら、サンライズツアーは強くお勧めします。
公共の交通機関で行くのは少し苦労しましたが、行ったかいがありました。
では、また。
キートン
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