【連載】2019年６月、ベルリンとアルプスでビールぐびぐび！～コーミッシェオパー『ばらの騎士』です～

2019/06/14 - 2019/07/02

[承前]
この日(６月18日)から21日まで、オペラ～バレエ～オペラ～コンサートと豪華四連荘のベルリン音楽シーンを堪能することになります。

ベルリンにはオペラハウスが３つあります。既に先週土曜日に行ってきたベルリン・ドイツ・オペラ、そしてこの日訪れるコーミッシェオパー、さらにウンター・デン・リンデンのベルリン国立歌劇場です。

これら３つの劇場が夜ごとオペラやバレエを上演するというのは、何と贅沢なことでしょう。東京で歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場で歌舞伎が上演されるようなものです。

というわけで、ホテルから目と鼻の先のコーミッシェオパーでリヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』を観てきました。３つのオペラハウスの中では座席数1300足らずの小規模な劇場ですが、アンサンブルが固まっているおかげでユニークな演出の舞台を見せてくれる。柔軟で小回りの利く小劇場的な存在と言えるでしょう。

ウィーンやミュンヘン、ドレスデンといった大きな歌劇場ではシュトラウスが指示したオーケストラ編成で上演されますが、コーミッシェのオケピットは狭いので、フル編成の弦楽器は入らず、コントラバスは指定の半分４台で演奏されました。

指揮は音楽監督のエイナルス・リュビキス(Ainārs Rubiķis)。小気味のいい演奏で生き生きとした音楽を聴かせてくれました。

演出は前芸術監督のアンドレアス・ホモキ。『ばらの騎士』の重要なテーマである“時”を核に、コーミッシェオパーのアンサンブルを生かした、歌手が本当によく動く舞台が繰り広げられて、存分に堪能させてもらましたよ。

開演18時、休憩２回入れて４時間超という長さを感じさせないおもしろい一夜でした。ウィーンやミュンヘンの舞台が“大歌舞伎”であるなら、コーミッシェオパーのそれは、前に書いたとおり小劇場的な小気味よさでしょう。

この劇場にはご贔屓常連も多く、客席も盛り上がっていましたね。
[続く]

エリア ベルリン(ドイツ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

フリードリヒ通りを挟んだすぐ目の前にコーミッシェオパーの建物が見えるのだよ。

コーミッシェ オーパー 劇場・ホール・ショー

劇場隣のホテル・ウェスティン・グランドの前にはベルリンの壁の残滓が。

ホテルの向かいにバイエルン州旗が翻っていたので何ぞ？と思ってよく見たら、バイエルン州のベルリン駐在事務所でありました。

この日のプログラムと、終演後に出口に置かれているサービスのチョコレート。パッケージも洒落てますよ。

18時開演、終演22時15分。

有名な歌手が出演しているわけではありませんが、緊密なアンサンブルで生き生きとした舞台は魅力的です。

そして字幕スーパーは椅子の背にやや小さいですがあって、英語、ドイツ語、フランス語などに加えてトルコ語も選択できるというのがベルリンという土地柄だと思いました。