2018/11/11 - 2018/11/21
116位(同エリア707件中)
Salaamさん
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この旅行記のスケジュール
2018/11/13
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スリオムカーパレスホテルに到着
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バラナシシルクハンディクラフトでサリーを購入
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スリオムカーパレスホテルで夕食
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この旅行記スケジュールを元に
【ご注意】
本旅行記ではセンシティブな写真も含まれています。
直接的な描写ではないですが、人によってはあまり心地よくない写真ではないかも知れませんので、ご注意頂ければと思います。
2018年夏ワイフ様と今年後半の義兄結婚式に合わせた海外旅行はどこに行くか協議をしていました。
ワイフ様はオシャレな場所がお好き、私はカオスな場所がお好き、と夫婦で旅行のテイストが大きく異なる我が家ですが、この時ワイフ様は「タージ・マハルが見てみたい」と仰せ。
独身時代は平均で年1のペースで渡印していた私には嬉しいお言葉。鉄は熱い内に打て!とワイフ様の気が変わらぬ間に航空券やらホテルやら見所やらをプレゼンし手配完了!
独身時代は場当たり的な貧乏旅行でインド巡りをしましたが、今後「またインドに行きたい」と思ってもらえるように細心の注意を払います。その為にも自分なりに旅行のルールを設け、以下の項目に沿った旅程表を作成。
1. 内容は詰め込みすぎない
2. ホテルはなるべく良いところ
3. インドin/outはビジネスクラス(ワイフ希望)
4. カオスでピリピリした旅行にしない
今回はワイフ様が初インドなので、定番中の定番を巡るプランにしました。
【旅程表】
11月11日 成田→クアラルンプール→バンコク
11月12日 バンコク→クアラルンプール→デリー
11月13日 デリー→バラナシ
11月14日★バラナシ→アグラ
11月15日 アグラ→デリー
11月16日 デリー→クアラルンプール→バンコク
11月17日 バンコク
11月18日 バンコク
11月19日 バンコク
11月20日 バンコク→クアラルンプール
11月21日 クアラルンプール→成田
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- エアインディア JAL マレーシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
あっという間にバラナシ空港に到着しました。
あまり人気のない(笑)飛行機搭乗記は後日複数者分まとめて送るとして…。
バラナシは言わずもがなヒンドゥー教の聖地。
巡礼や葬儀で訪れる方も多いですが、こちらの男性のような格好で飛行機に乗ってこられる方がいるのもインドならではです Σ(゚д゚lll)ラール バハードゥル シャーストリー空港 (VNS) 空港
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デリーを離れてもここは北インド。
「ミスタる!ミスタる!強引グトゥーバラるナシ?」とぼったくり価格をグイグイ提示して来るタクシー営業を交わしながら少し離れた所へ。
ちょっと内気風なお兄さんに声をかけたら「待ってくれるなら二人で600ルピー」。そして待つこと数分、もう一人別な人を探してきて3人+運転手さんで出発!ラール バハードゥル シャーストリー空港 (VNS) 空港
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「おいでませバラナシへ!」
バラナシはインド最大の人口を誇る面積的にもでっかいウッタル・プラデシュ州の南東に位置し、西の果てはデリーにも隣接、かのタージ・マハルがあるアーグラも同州内と言うインド象州、じゃなくてマンモス州。 -
空港から市内中心地までは片道25km。
高速道路ではありませんが、大通りを30分*の距離です。
*ただし牛が道路を占領していない場合に限る。
お!第一野良牛発見。幸い反対側斜線なのでこちらの通行には支障なし! -
インドの交通事情の悪さを全て牛のせいにするのは気が引けます。
と言うのも、主観的に見ていた限りでは、牛以外にも様々な複合的要素が渋滞を招いているからです。例として;
1) 野良牛(言わずもがな)
2) 道路事情(整備不足や狭い道幅)
3) 運転者心理(身勝手、自己中心的)
4) 車両の多様性(車やバイクの他に、自転車リキシャや牛車等…) -
おそらく一番大きい要因は身勝手な運転で、「少しでも隙間があればそこに入らなければ負け」と言う心理があるのか、どう考えても不合理な車線変更が多発しております。
バイクが集団でそれをやるから車が進めなくなり、結果的にバイクを含めて進路を遮られてしまった車両が通れない…(ノ∀`)アチャー -
まぁ、でもご覧の通り、老人だったら免許返納を即される逆走牛様が多発している事実は変わりません。
むしろ逆走しているだけマシなんです。
逆走している=移動している、で、質の悪いのは我が物顔で通りの真ん中で睡眠をされている牛様…。 -
中央分離帯の向こう側でも牛様が逆走しております。
まさに危険な老人、ならぬ、老牛の逆走。
実はインド都市部の野良牛は高確率でオスの老牛なんです。
ご存知ヒンドゥー教徒にとって牛は神聖な生き物。一般的にはインド二大神シヴァとヴィシュヌの一方、シヴァ神の乗り物だからとされていますが、更には3億3千万の神様が牛には宿っているとされているんですね。
3億3千万なんて途方もない数字…信仰心の深いヒンドゥー教徒だって全員の名前を覚えられていなさそう…(*_*; -
渋滞がどんどん悪化し、とうとう車がまったく動かなくなってしまいました。
運転手さんも「もう無理だ、悪いけど行先はすぐ先だからこここからは歩いてくれ」との事。
人の波はどんどんガンジス川方面へ進んでいきます。 -
先ほど野良牛の多くはオスの老牛と言いましたが、理由はそのまんま、経済的にほぼ無価値だから。
牝牛は牛乳を提供してくれますし、雄牛は労働力となってくれます。しかし、老雄牛はもちろん牛乳は産出しませんし、労働力もあまり期待されないために消えゆく存在なのだとか。
いや、神様の集合体なのに経済的に使えないからって放置するんかい! -
都市部でも牛が頻繁に見られるインド特融の理由としては、農村地帯から都市部に経済的向上を求めてやってくる人の中に牛を連れてくる人が一定数いるそうです。
「オラこんな村いやだ、デリーでベコ飼う(cow)だ」
まさにリアル吉幾三の世界。
もう一つの昨今社会問題化している理由としては、モディ首相ひきいるヒンドゥー至上主義政府が強権的な牛の保護制度を打ち出し、2012年には500万頭、現在ではそれをさらに上回る野良牛がいるとされています。
まさに現代の徳川綱吉な世界。 -
ぞろぞろとガンジスに向かう人の波に乗ると、大きな交差点で車両通行止めが実施されていました。
ラージェンドラ プラサード ガート 観光名所
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飛行機が30分遅れ、空港からのアクセスも倍以上の時間が掛かったので少し疲れてしまいました。
お祭り騒ぎの参加は後回しにして、一先ずはホテルにチェックインしてしまいましょう。
フェズほどではないですが、バラナシもかなり狭く入り込んだ道だらけでなかなかの迷宮感。そしてここでは怪しいインド人のオッサンから野良牛が行く手を阻むのです。 -
若干道に迷いながら(Google Mapにはない道があったり、Map上で道の上に家が建っていたり…)、全く別のホテルの従業員さんに案内してもらったりしてなんとか到達。
教の宿はホテル・スリ・オムカー・パレス。残念ながら例によって4travelではレビューが書けないホテルですが、広くて清掃も行き届いており結構オシャレなインテリア。 -
このホテルにした決め手はやはりガンジス・ビュー!
目の前にダシャーシュワメード・ガートと言うなかなかにバラナシさを満載にしたホテルですね。
今回バラナシに来たのはワイフ様きってのご希望につき、ガンガーを目の当たりにしたワイフ様は大興奮。 -
部屋からガンジス川の川岸を見下ろすと多くのヒンドゥー教徒さんがガンガーに押し寄せているのが解ります。
後程ホテルでガイドさんを雇って色々お話を聞いた所に寄れば、今日は『チャハース・プジャ』と言うお祭り。
ヒンドゥー教の中でもインド中東北部からネパール南部にかけて分布する地域限定色の強いお祭りで、ざっくり言うと太陽の神様スーリヤを祀るお祭り。パーンデー ガート 観光名所
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お祭りは4日間に掛けて行われて、予定表に書くと以下の通り。
初日(ナハイカイ)沐浴しガンガーの水で調理した食事をスーリヤに捧げる
二日目(カルナ)夜にはプジャーを捧げ、ここまでは断食
三日目(サンティハーラック)夜にお祈りを実施
四日目(ビハニヤーラック)昇ってくる朝日に祈りをささげる日
基本的には太陽神であるスーリヤを祀る祭事ですが、所々で他の神様に対する信仰も複雑に混じっているのが多神教であるヒンドゥーらしさ。 -
イチオシ
間もなく日没を迎えるバラナシで、適度に離れた川岸から聞こえてくる人々のざわめきをBGMに一休み。
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イチオシ
チャハース・プジャは願掛けのお祭りでもあるそうで、皆さまかなり真剣に祈願されます。別に願掛けは女性しかやっちゃいけませんよ、というルールはないけど、願掛けをしているのは主に女性、特に年配女性が多いようですね。
さて、皆さまが気迫迫った願掛けをする理由として、一度願掛けを開始したら親族の不幸があった年を除き毎年チャハース・プジャの際に願掛けの儀式を実施する事が求められ、中断してしまったら再開は許されないから。そして、この願掛けは家族の健康と子孫繁栄を祈願するもので、願掛けを実施していた女性が亡くなったらその子供が実施を引き継ぐ事を求められているから。
まさに宗教オタク(肯定的な意味で)が席巻するインドならではの風習…。
うーん、生半可な気持ちで参加してはならないディープな儀式だ(;゚Д゚)チャウサティー ガート 観光名所
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チャハース・プジャの関係で通常より人でも多く、女神ガンガーに捧げる供物もグレードアップされている川辺。
社内インド人ネットワーク(略してSIN)でバラナシ出身者がいたので帰国後詳細を聞いてみた所、詳しいことは解らないみたい。聞けば、中流階級以上の人はあまり宗教に傾倒してなくて、どちらかと言うと経済的に困窮していたり言葉は悪いが下流階級の方々の方がどっぷり宗教に浸かっている事が多いそうな。
困っている人が宗教に救いを求めるのは解らなくはないけど、困っていない人は自分より下の人を制限する時だけ宗教を利用し、困っている人ほど自分を強いたげる宗教に没頭するインドの矛盾( ;´・ω・`)チャウサティー ガート 観光名所
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バラナシのガンジス川観光と言えばやはり船で巡るに限ります。
乗り合いの船だと50ルピーもしないで乗れますが、それだとただの水上バス状態なのでチャーターしました。個人でゴリゴリに交渉すればもっと安くなるのでしょうが、二人で1000ルピーだったかな?時間や方面、船の種類(手漕ぎかモーターか)等で色々と値段は変わるようです。チャウサティー ガート 観光名所
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うっすら明るかった川岸も出向とともに暗くなり、トワイライト時間もあっも言う間に過ぎます。先ずは少し上流へ進み、そこから川を下る順番。
川岸近くまでは車が来れる通りもないのでクラクションの音もないし、大声を出している人も希。人出の多さからザワザワしていますが、川岸をちょっと離れるとけっこう静かな空間になります。
ガイドさんとの会話を除けばギシギシと船を漕ぐ音が聞こえる一番大きい音。ケダル ガート 寺院・教会
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火葬場が見えてきました。
バラナシのガンジス川岸では2ヶ所火葬をするガートがありますが、ここハリシュチャンドラ・ガートもその一つ。それぞれの火葬場や位置はカースト内地位によって定められています。
カースト制度の最下層であるダリット(不可殖民)の中でも最下層にいるドムと呼ばれる人々が仕切る火葬場。屍に触れる行為は穢れる行為なので、死によって汚されたドム達は同じダリットの中でも禁忌として扱われていますが、日頃は底辺中の底辺として扱わながらも、ヒンドゥーの一生を終える儀式には必要不可欠な存在なんですね。
正確には火葬場守ではなく、火葬に使われる火守なんだそう。ハリシュチャンドラ ガート 観光名所
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イチオシ
白い服を纏っている方が喪主で、原則故人に一番近しい男性、ほとんどは夫か長男が務めるそうです。
火葬場に遺体が到着すると、先ずは遺体をガンジス川に浸けて最後の沐浴をし清めます。この際に遺体と接する(実際には布越しにですが)ため、穢れと死が染るとされるのでドムが忌み嫌われるとか。
興味深い事に、葬儀の場に女性が姿を現しません。
女性は故人を偲ぶ際に別離を悲しみ涙を流し、この涙を見せたら故人の魂はその女性を心配し来世(輪廻の次の人生にしろ、解脱にしろ)へ旅立つ事ができなくなり、現世をさまよい続ける事になるからだそうです。
その話を聞いて、川岸に呆然と立ち尽くす男性遺族の佇みに、形容し難い悲しみ重荷を見た気がしました。
「輪廻転生を信じるヒンドゥー教において死ぬ事は疲れ果てた身体から魂が抜けて、新たな身体に入り直すこと。だから死を迎える事は必ずしも悲しい事ではないんだよ。」と説明するガイドさん。
意地悪な質問とは承知で、「お母様が亡くなられた時は悲しくなかった?」と聞いたら、一瞬考えて「そりゃ悲しかったよ」と。やはり宗教上の教義と現実の感情はハリシュチャンドラ ガート 観光名所
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正直、インドにおいて所謂「ガイド」と言う存在を良く思っていなかった私ですが、今回はお願いして良かったと思います。
後日訪れたアグラでも言われましたが、自称ガイドの多くは史実や文献をしっかり勉強していない事が多く、「観光客が聞きたいと思っている」内容を脚色して説明するフィクション語り部が大勢なので注意が必要。
しかし今回バラナシで依頼したガイドさんに教わった内容は宗教の事、インド人のメンタリティー、風土文化習慣等…実際に生活している人の目線を僅かながら垣間見る事が出来たように思います。
写真はガイドさんではなく黙々と船を漕ぐ船頭さん。 -
バラナシ観光のクライマックスはやはりダシャーシュワメード・ガートで毎晩行われるプージャ。
プージャはヒンディー語で「お祈り」と言う意味で、その通りヒンドゥー教の礼拝で、バラナシのプージャはガンジス川の女神ガンガーに捧げるものです。ダシャーシュワメード ガート 観光名所
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大まかな流れとして
1) 鐘を鳴らしながらお香で場を清める
2) バターで燈したランプで祈りをささげる
3) 次いで蛇の形をしたランプで祈りをささげる
鐘をカランカランと鳴らすのは神様に「挨拶をしに来ましたよ」と言う合図。日本の神社で鈴をシャランシャランと鳴らすのと同じ感覚ですが、ここはインド。お香を炊く儀式中、ずーーーっとカランカランカランカラン…と鳴らし続けています。そう、まるでインドの交通渋滞で全員が延々とクラクションを鳴らすが如し…。ダシャーシュワメード ガート 観光名所
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円錐形に蝋燭(バター燭?)が並べられた灯籠を持ち、前後左右の四方向に、5回づつ円を描くように灯籠を揺らして祈ります。
四方向にそれぞれ祈るのは東西南北の四方にいる神々に祈り、5回づつ祈るのは世界を成す5要素に祈るため。
この5要素は日本仏教で『五大』と呼ばれるもので、ヒンドゥー教ではパーンチ・マハー・ブータ。
ブテビ(土)
ジャル(水)
アグニ(火)
ヴァユ(風)
デャウス(宙)
ヒンドゥー教と仏教の繋がりを実感するとともに、確か古代ギリシャではアリストテレスも似たような四元素論理を展開していたような?とあやふやな記憶を呼び起こしながら繋がりがあるのか妄想に耽ります。
そしてタイ語で「偉大な/大きな」を意味するマハーが、ほぼ同じ形でヒンディー語でもある(むしろこっちが語源?)事に感動を覚えた所存です。ダシャーシュワメード ガート 観光名所
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写真で見るとおごそかな雰囲気ですが、お経、と言うよりミュージックが終始爆音で流れています。
流れているのは女神ガンガーを讃える歌なのですが、曲調がいかにもインド料理店で流れてそうな軽快な旋律。ひょっとしてインド料理店で流れているのが常に女神ガンガーを讃える曲なのか…いや、インドの歌謡曲の曲調が古来宗教音楽を基礎として…はたまた宗教に近代音楽を混ぜたゴスペル風なアレンジ宗教音楽なのか…(; ゚ ロ゚)ダシャーシュワメード ガート 観光名所
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プジャを実施されるお坊さんは皆様顔採用を疑うほどのイケメン率です。
ただ、皆さん南アジア系なので濃いめ。インドだけではなく、ネパール出身の方もいらっしゃるみたいですね。
なお、イケメンは南アジア亜大陸基準のイケメンなのでインド版ライオネル・リッチーみたいな方もいるのはご愛敬。ダシャーシュワメード ガート 観光名所
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まだまだお祈りは続きますが、我々はお暇いたしましょう。
今にも同じ色の衣装を着たダンサーさん集団がどこからともなく現れそうな空気でしたが、ボリウッドのロケではないので私の心配は杞憂に。ガンガー プージャー 祭り・イベント
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先程の大掛かりなプジャではありませんが、我々も祈りを捧げましょう。
プジャは祈祷・礼拝の事で、先程の儀式もしかり。具体的に女神ガンガーに捧げるプジャはガンガー・アールティと呼ばれております。アールティは火を使った祈りの事。
個人レベルで実施するプジャでは『ディヤ』と呼ばれる素焼きのカップに蝋燭と花を添えて、祈りながらそっとガンジス川に流します。
灯された火が神様の力が宿り神聖なものになる、ので、儀式後に信者の方々は火に手をかざしその手を額に寄せるそうです。 -
カメラの設定を間違えてしまったので、暗くぼんやりですが、女神ガンガーに豊穣と家族の健康を祈ります。
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下流に向かって左岸にあるバラナシの町の灯りが揺れるガンジス川をゆらゆらと揺れながら流れて行くディヤ。
タイ風結婚式の回でちょっと触れましたが、タイでも灯籠流しをするお祭り『ロイクラトーン』があり、これは川の神様である女神コンカーに豊穣を感謝するお祭り。
コンカーはガンジス川のタイ語読み、ガンジスのヒンディー語読みはガンガー。つまりインドのヒンドゥー教儀式が遠くタイで全く同じ意味を持った祭司に繋がっているロマン!
実際、タイのロイクラトーン史は、紀元前10世紀頃の古代ヒンドゥー教の儀式であった川に灯籠(ディヤ)を流し川の女神に豊穣を感謝する様を、タイ仏教が仏陀を祀る儀式として取り入れた事が起源とされているようで、タイ以外にも近隣東南アジア諸国から遠くスリランカでも似たような儀式が行われているみたいですね。 -
バラナシで一番有名なガート、マニカルニカーガートへやってきました。
先ほど訪れたハリシュチャンドラ・ガートと同様、バラナシで2ヶ所ある火葬場ガート。
神話の時代、シヴァ神(破壊と再生を司る神)が世界を破壊する際に聖都カシーも破壊する事を計画、これを阻止するべくヴィシュヌ神(維持の神)が数千年苦行を実施し説得に成功。
その際シヴァとパールヴァティ女神が聖都カシーを訪れ、彼らの為にヴィシュヌは井戸を掘ったが、その井戸にシヴァの耳飾りについた宝石が井戸に落ちた。
宝石(マニ)がついていた耳(カルナム)飾り(アンガド)でマニカルナマンガドがマニカルニカーだと。マニカルニカー ガート 観光名所
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ちなみにこのパールヴァティ女神はシヴァの妻で、ガンジス川の女神ガンガーの姉。複雑に入り組んだ親戚関係に加えて、このパールヴァティは二面性を持つ女神とされ、優しさや親切さを表す慈愛に満ちた側面と、凶暴で恐ろしい女の側面を持つ、正に二重人格。((((;゚Д゚)))
マニカルニカー ガート 観光名所
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マニカルニカーガートの隣にあるラットゥネシュマハーデヴ寺院。
現ジャイプールにあった国のマン・シン王の従者がお母様を称えるべく建設しました。でもお母様と借金返済に関するトラブルに発展した為、お母様が寺院に呪いをかけて沈みはじめた、との伝説あり。
でもこれはただの逸話で、歴史的検証をすると、マン・シン王は16世紀頃タージマハルを建設したシャー=ジャハーンの祖父、アクバル大帝に仕えていた藩王。そしてこの寺院が建設されたのは19世紀初頭に建設されたとされ、傾きの原因は基礎工事不備による地盤沈下。バージー ラーオ ガート 観光名所
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ヒンドゥー教徒にとって最も神聖な町であるバラナシは国内外を問わず多くの巡礼者を引き付ける町でもあります。
イギリスが駐留する前はもちろん、英国植民地時代にその元首としての立場は奪われこそしたもののマハラジャと呼ばれた藩王達も巡礼をし、今でも彼等の別荘がガンジス川添いに建っているんですね。
中には売却されホテルに改装された物もありますが、今でもマハラジャの末裔が所有している離宮があるそうで、ガイドさんも「あれは○○州のパレス」等と説明。でもメモしてないから忘れちゃいました。マーンマンディル ガート 観光名所
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イチオシ
マニカルニカーガートは前述の通りですが、そもそもバラナシがここまで神聖な町とされる理由にはこれまた神話時代の説。
シヴァ神がブラフマー神(知識と世界の創造者)とケンカした際、ブラフマー神の5つある首の一つを引っこ抜きました。
戦利品と自身の勝利を自慢するべくシヴァ神はその首を持ち歩いていましたが、せっかくの首を落っことしてしまいました。
落っことした首は地中に消えて行きました。その落とした場所が聖都カシーだった。
相変わらず生臭いインド神話ですが、上記の理由よりバラナシは神聖な場所。 -
一周巡って陸に戻ってきました。
今晩はチャハース・プジャのクライマックスな夜。
沈む夕陽に祈りを捧げ、翌朝に昇る朝陽に祈りを捧げるヒンドゥー教の太陽信仰の真骨頂。ですので、今晩は川岸で寝泊まりし一夜を明かす方が多いようです。
川辺には芦の木?で出来たこのような櫓が並んでいます。
チャハース・プジャの儀式の一環で、神様を宿す?神様の家?らしいですが、なんだったっけ? -
街角に祀られたカーリー女神を発見。
カーリー神はご存知、血と殺戮を愛してやまない戦闘の神様。生首を連ねた首飾りともぎ取った人の腕で作った腰簑のみが彼女のファッション。黒(または青)の肌に、怒りと中毒症状で充血した目をぎらつかせ(しかも額に三つめの目も)、血で真っ赤になった口からは長ーい舌。だいたい弱った旦那のシヴァ神を踏んづけています。そう、先程シヴァ神は二重人格のパールバティー女神と夫婦と言いましたが、シヴァ神は一夫多妻制なのか、カーリー神も妻。
どんだけ強烈な女性がタイプなんだよ…シヴァ…。 -
次いでやって来たのが仕立屋さん。
インドで胡散臭いガイドやリキシャ屋が連れてきたがるトップ3が「頼んでいない宝石屋」「頼んでいない大理石屋」「頼んでいないシルク屋」ですが、この仕立屋は東の当方リクエスト。
旅行前に社内インド人ネットワーク(SIN)に聞いたところバラナシは紡績産業が盛んで、バラナシのサリーはインド内でも有名だし価格も他と比べてお手頃なのだとか。せっかくインドに来たのだからサリーの一着くらいワイフ様に購入したくて。
いや、確かに旅先のノリで購入する民族衣装ってどうなのさ論があるのは解るけど、ね(´▽`)v -
「ヘイ、ミスタる!こんな生地はどうだ?デザイン的にこれもイケるだろ?こっちの生地なら安くしておくぜ!」
最初は積極的だった店員さんも、なかなか決まらないワイフ様に痺れを切らしたのか、生地を山積みにしたまま他の客相手に行ってしまいました。
まぁこちらからしたら好都合なんだけど、「どれにするか」ではなく「買うべきか買わないべきか」で悩んでいると思われたのかな?ガイドさんが仕立て代込みで結構値切ってくれました。
恐らくシルクではない生地でしょうが、SIN女子に聞いた「高級じゃない一般用サリーなら20ドル~30ドル位で買えるわよ」とのアドバイスから少しだけ予算オーバーした2300ルピーに着地。
写真は気に入ったけどちょっと予算オーバーの生地をつまみながら「これにしちゃおっかな」顔のワイフ様。 -
イチオシ
デリーもムンバイも急速に発展をしていますが、旅人が想像するインドがあるのはやはりバラナシではないでしょうか。ごちゃごちゃした路地裏に突如現れる野良牛。スパイスの香りに甘いお菓子の匂い、そして人や動物の臭い。お店の呼子や立ち話するおっちゃん達の声にお寺から聞こえる金の音。歩くだけで五感全て情報過多でオーバーヒートしそうになる街が私は好きだし、以外にもワイフ様も気に入ってくれたみたいで一安心。
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路地を曲がったら雌牛様がナマステ。
勝手に角=雄と思っていましたが、こちらは雌牛だそうです。写真には写っていませんが、反対側の階段に座っていたおっちゃんがドヤ顔で「シー イズ マイ カウ」と。「オー!ビューティフル!」って言ったら一層ドヤ顔で首をぐらぐらと揺らしていました。(インドでは首を揺らすのがyes等の肯定的返答)
見た目は厳ついけど、基本的に害はないのがインド牛。でも発情期は気が立っているから要注意なんだと。
牛の発情期なんて解らんがな。 -
バラナシの川岸巡りを終えホテルに戻ってきました。
ちょうどリノベーション工場の最中でしたが、トンカンやるのは日中の限られた時間だけだったので、戻ってきた頃には静寂も戻っていました。 -
廊下でバラナシneko様がネズミと遊んでおりした。
ネズミ的には生きた心地がしないでしょうが、ネコ様は真剣に狩ると言うよりじゃれて遊んでいるだけの様子。勝手に猫をトム、ネズミをジェリーと名付けさせて頂いた次第。 -
さぁ夕食です。昼に機内で軽食を頂いてからほとんど何も食べていなかったのでペコペコ。
どこかオススメを、と聞いたらホテルの屋上をゴリ押しするので、まぁいっか?と決定。
先ずはインドを代表するキングフィッシャービールで喉を潤しましょう。ウマイね!
イスラムの飲酒禁止が有名過ぎて影に隠れていますが、実はヒンドゥー教もあまり飲酒を善しとしていません。
ヒンドゥー教の聖典であるマヌ法典でも禁止されており、グジャラート州筆頭に4州では飲酒が違法だったりします。しかもバラナシから数十km行った所にあるビハール州も昨今ドライ州入りし所持だけで終身刑だそうなヒョエー(◎д◎ ) -
ワイフ様のノンベジタリアンセレクション、右上のライスから時計回りに
ライス
チキンカリー
エッグカリー
マトンマサラ
ダール(豆カレー)
グラブジャムン
サラダ
ライタ
中央にチャース
他の言わずもがなな料理は置いといて、いくつか説明すると…。
・ライタ…ヨーグルトベースの緩いソースみたいな飲み物みたいな物。北インドでは欠かせない一品で大体見掛けます。こちらではヨーグルトに細かく刻んだキュウリとニンジンを混ぜ、塩とクミンで味を整えています。そのまま食べたり、ご飯に混ぜてヨーグルトライス風にしたり。甘さは皆無でさっぱりしています。
・チャース…バターミルクとも言いますが、同じくヨーグルトベースでこちらは飲み物。バターのようなこってりさは皆無で ヨーグルト1:水2 そして各種スパイス。甘くないラッシーみたいなもん。こってりしがちな北インド料理に清涼感をもたらし体を冷やしてくれる優れもの。
・グラブジャムン…インドデザートの王様。激甘スポンジケーキみたいな団子を激甘シロップに浸けた激甘一口噛ったら口の中の歯が全部溶ける事請け合い。濃縮乳(既に甘い)10:小麦粉1:砂糖水20の割合で作った激甘揚げ玉をシロップ漬けにするのだから甘さも納得。完食できた事はない。一説によるとシャー=ジャハーンのお抱えシェフがレシピを間違えて作った物体が祖。 -
イチオシ
こちらは私のベジタリアンセレクション、同じく右上のライスから時計回りに…。
クミンライス
クミンアルージーラー
ダール
ミックスベジカリー
メティーマライマタル
パニールバターマサラ
グラブジャムン
サラダ
ライタ
中央にチャース
まぁ見ての通りベジもノンベジも基本カレーです( ゚∀゚)
こちらは材料を中心に説明すると…
・アルー…ジャガイモ(ジーラーは調理法)
・メティー…スパイスに使われる豆科フェヌグリークの葉っぱ
・マライ…グリンピース(マタルは濃厚カレー的調理法)
・パニール…インド版カッテージチーズ。うまい。
この旅で初めてターリー風料理を食べたのでワイフ様もご満悦!
正直ホテル併設の場所よりちゃんとしたレストランが良かったと最初は思ったけど、ゴリ押しされて正解。もちろん探せばもっと美味しい所もあるかもだけど、その労力とそれで失敗するリスクを考えたら結果オーライでした。 -
そんなに精力的に回った訳ではないのですが、朝が早かった事もあり夫婦揃ってダウン。今回のインド旅行中は総じてダウンするような入眠が多かったように思います。
しかし、何度も書きますが、今日はチャハース・プジャの日。五月雨式にどこかで、しかし割かし近くで、誰かが常に花火を打ち上げています。パンパン!と一晩中。
我々のホテルはガートから少しだけ(と言ってもガンジス川との間、視界を遮るものは無し)離れていたのでまだ良かったですが、隣のホテルのガンジスビューは大変だっただろうなぁ…。
睡魔と花火の破裂音と格闘しながら眠ろうとするのでした。
長くなったので一回区切ります。
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旅行記グループ
ナマステ・インド、サワッディー・タイ
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2018/11/11~
バナーラス (バラナシ)
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ナマステ・インド、サワッディー・タイ part 0 - 準備編
2018/09/26~
東京
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ナマステ・インド、サワッディー・タイ part 1 - JALビジネスクラス 成田→クアラランプール
2018/11/11~
クアラルンプール
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ナマステ・インド、サワッディー・タイ part 2 - マレーシア航空ビジネスクラス クアラランプール→バン...
2018/11/11~
バンコク
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ナマステ・インド、サワッディー・タイ part 3 - マレーシア航空ビジネスクラス バンコク→デリー
2018/11/11~
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この旅行記へのコメント (2)
-
- つぶ。さん 2019/07/25 04:12:30
- 懐かしいです!
- こんばんは。
バナーラスは友人や家族の案内含めて何度か足を運びましたが、インド初訪問者は必ず体調を崩す町でした笑
何年経っても変わらないこの風景、ある意味凄いなぁと思います。
- Salaamさん からの返信 2019/07/29 02:30:22
- Re: 懐かしいです!
- ありゃま!もう一ヶ所コメント頂いていたの気付いてませんでした。お許しを!
バラナシってインドのすごい所、ポジティブでもネガティブでも「incredible」を感じさせてくれる点を濃縮したような場所ですよね。
どこの国も10年20年経過すると絶対町並みに変化があるはずですが、この街はほぼ不変。まるで時間が止まったかのような錯覚に落ちるのは最早マジック。
ちなみに私は初インドで腹を壊しましたが、用心に用心を重ねたお陰かワイフ様はインドッ腹にならずに帰国しました!
Salaam
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