紀三井寺と和歌山電鉄

2019/03/29 - 2019/03/29

平日の午後に少し中途半端な時間ができたので、和歌山市方面へ行ってみることに。思案の結果、和歌山城は駅から少し離れているために後日訪問することとして、今回は紀三井寺へ行き、JR和歌山駅から和歌山電鉄に乗ってくるという行程を選択。紀三井寺は桜の名所でも有名でちょうどいいかと思ったのですが、少し早かったかなあと。
　また和歌山電鉄では貴志駅まで往復しましたが、なかなか興味深かったです。和歌山電鉄は、廃線寸前の会社が、猫のタマを駅長にしたり、観光列車などを走らせたりして、業績が回復した地方鉄道として紹介されることが多いのですが、実際に乗ってみて、その秘訣を探らなければと思っていたからです。タマ駅長などの話題性による観光客効果が世間一般では言われていますが、実際に行ってみたり話を聞いてみたりしたことを総合するとそれは一部分ではないかと。むしろ、地元の存続運動＋通勤定期者の増加、合理化による経費削減がベースにあり、それに上乗せする形でのタマ効果（非運賃系収入の増加）であって、あくまで前者の方が大事というのを実感。むろん、観光等の仕掛けづくりも興味深ったです。

エリア 和歌山市(和歌山)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩

今回は時間があまりないので、JR天王寺駅から特急「くろしお」を選択。「オーシャンアロー」が来たのでやったーと思いましたが、あまりこの選択はお勧めできません。まず、特急料金高く、乗車券以上の料金がかかります。それと、特急「くろしお」は南紀白浜行きが多く、意外と車内が混んでいることや、和歌山まで40分程度と寝ることができず、寝過ごすと大変なことになるので、気を抜けなかったことが理由です。ちなみに、特急券なしの紀州路快速は１時間以上かかりますし、結構混みます。

JR紀三井寺駅に到着。駅のホームからでも今回行くところがわかる。あんな高いところまで行くのねと。

山のふもとの入口まで来ました。ここより入館料200円かかります。

紀三井寺 寺・神社・教会

上まで長い階段が続く。全部で231段あるらしい。結構しんどかったです。上に行くほど勾配がきつくなるだけではなく、人の手による石段なので、上の段は足の置き場が小さいのと、段の高さは不規則だったのが、しんどかったです。

ずっと長い階段を上りっぱなしではなく、踊り場の休憩ポイントが途中2か所ほどあります。そのうちの一つに湧き水（三井水）が沸いているのですが、残念ながら飲めません。

長い階段を上ってようやく本堂へ到着。

紀三井寺の境内からの展望。眺めは良いのですが、桜などの木々に邪魔されて、微妙な感じに。

そのため、本堂とは反対側の新大仏殿へ行くと、展望がよかったです。

沖合の島まで見えます。

六角堂

開山堂

紀三井寺はそんなところにして、次は和歌山電鉄へ。終点貴志駅まで行っても片道30分なので、どうせなら往復しようと。その場合、往復800円かかるので、一日乗車券780円を購入した方が若干安い。
ということで、一日乗車券を購入しましたが、この一日乗車券が面白い。日付がスクラッチですか。これなら、ハンコを準備する必要ないし、6年間ずっと使いまわしができるように設計されています。よく考えたものです。

今回乗る電車はこちら。チャンギントン電車。

車内はこんな感じ。外側のラッピングだけではなく、車内もきちんと改装しています。座席は普通の座り心地でした。

途中で見た電車1「おも電」。単線なため、道中でのすれ違い待ちは3回ありました。この時間帯は2両編成×4で全線をカバーしているようでした。

途中で見た電車2「たま電車」。乗りかったのですがやむなく断念。

途中の伊太祈曾駅。ラッシュ時にはここで電車が折り返し運転をするのですが、それにしても質素です。駅員がいるのは和歌山駅だけで、他は無人駅。運転手が駅に到着すると、運賃箱の前に立ち車掌の代わりをするというもの。人件費を中心に徹底的に削減している気がします。

伊太祈曾駅には車両基地があり、列車が眠っています。という事は、結構車両の保有セット数は多いのねと思いました。

貴志駅に到着。ここにはカフェがあり、ここだけ半ば有人駅。
あと、和歌山電鉄のどの駅でもそうですが、駐輪スペースがしっかり確保されている気がしますし、夕方の時間帯のせいか、自転車がたくさんありました。パークアンドライドで、駅まで自転車、駅で通勤という形が多いことが想像されます。

貴志駅 駅

貴志駅の全体。写真が悪いですが、かやぶき屋根で、全体をみると、猫の顔の形をしているのですね。写真を見て気が付きました。

勤務時間外に到着したため、残念ながら現駅長の二タマには出会えず。勤務時間は10～16時と短いのです。会いたい人は注意を

初代のタマ駅長は死んでしまいましたが、タマ駅長に出された辞令の数々。最後には執行役員にまでなったのですか。ずいぶんと偉くなりましたね。ここの常務さんが講演でしゃべるとき、「今や猫のタマの部下になりました○○です。」と、笑いを取っていたことを思い出しました。
それにしても、タマ駅長は、任務は客招きということですが、結果として貴志駅を改築させたのですから、営業成績なのか、社内の政治力なのか、相当優秀な社員だと思います。

タマ駅長の思い出

ということで帰り。和歌山電鉄では、駅に入るときにJRの自動改札が必要な方は清算してという形なのでスルーできましたし、基本無人駅なのでJRとの乗り継ぎはどうするのかと非常に気になりました。すると、JRの自動改札用に「精算済みの切符」を配っていました。これで改札の外に出ることができます。