2018/09/18 - 2018/09/18
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sallyさん
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リスボン3日目
”リスボンでこれだけは絶対見たかった”ジェロニモス修道院に入場します。
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《 旅程 》6泊9日 リスボン4泊ベルリン6泊
◇9/15 (土) 成田発 22 :00
◇9/16 (日) ドバイ着 4:00 14:30発 リスボン着 19:40 (泊)リスボン
◇9/17 (月) リスボン市内観光 (泊)リスボン
◆9/18 (火) ジェロニモス修道院 (泊)リスボン
◇_1「ジェロニモス修道院までのタクシー」
◆_2「ジェロニモス修道院 」
◇_3「ジェロニモス修道院・サンタマリア教会 」
◇_4「タラ定食・発見のモニュメント」
◇_5「アウグスタ大通りと…」
◇_6「ファドの夜」
◇9/19 (水) シントラ (泊)リスボン
◇9/20 (木) リスボンからベルリンへ(泊)ベルリン
リスボン 9:00発 ベルリン着 13:00
◇9/21 (金) ベルリン (泊)ベルリン
◇9/22 (土) ベルリンからハンブルクへ
ベルリン 13:40発 ICE ハンブルク着 15:00
ハンブルク 21:20発
◇9/23 (日) ドバイ着 08:00 ドバイ発12:00 羽田着22:30
《 交通 》
航空券:エミレーツ成田→リスボン/ハンブルク→羽田169,400円
航空券:ポルトガル航空 リスボン→ベルリン 162ユーロ
鉄路:DB ICE2等 ベルリン→ハンブルク 40.40ユーロ
1ユーロ=135円
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
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-
西門です。
修道院部分には西門から入場します。 -
このページの左側にあるのが「西門」
これをまっすぐ行くと「食堂室」
その右側が、おそらくこの修道院で最も有名な「回廊」、ページの真ん中部分にあるところです。 -
西門に入りチケットを購入
-
すぐ左手の「回廊」がさっそく目に飛び込んできました。
-
まだ数人しか入場していないという僅かな時間。
その静寂の時間に、”どこから見たら良いだろう? 写真も撮らなくちゃ、、”なんともいえない興奮が湧き上がります。
まずは、修道士が使っていたという「食堂室」からまわることにしました。
この回廊の西側(左手)です。 -
南北に縦に長い「食堂室」です。
ここにテーブルが縦にずらーっと並んでいて、そこで修道士たちが食事をしていたのか。 -
説明の看板
『この食堂部分(建設当時は修道士の共同室)は、主任建築士 Leonardo Vazと彼の職人らによって1517年から1518年に建てられた。
扇状のヴォールトの天井は、マニエル様式の典型である。
極太の縄を模した石材(で作られたモールディング)の下の部分の壁は、1780年から85年にかけてタイル(アズレージョ)で覆われた。』
この看板通りに見ていこう。 -
”扇状のヴォールトの天井は、マニエル様式の典型である”
まずは「ヴォールト」ってなんじゃらほい?なのだけど、、天井の建築形状のひとつ、簡単にいってしまえば。
単純な「ヴォールト」として、まずは、かまぼこ型があって、それはつまりトンネル形状のこと。
次にそのかまぼこ型を二つにしてそれらを直行させると「交差ヴォールト」天井というちょっと複雑なものになる。
それでそれの進化系が、この「扇状ヴォールト」。交差するヴォールトの軸をちょっとづつ変えていくと、扇を広げた時の骨組みのようにアーチが放射状に広がっていく。それで扇状(せんじょう)というんだね。・・・今回知った。 -
で、看板にあった説明の寄れば、
これが、マヌエル様式の典型なのだそう。
じゃ、「マヌエル様式って何か?」ということになる。
”マヌエルさんの様式、、”
マヌエルさんって誰かというと15世紀の在位中にアジア、アフリカ、新大陸(つまりアメリカ)にまたがる一大帝国を築いたマヌエル1世のこと。
そして、そのマヌエル1世さんの命で、このジェロニモス修道院は建造された。つまり、ときの為政者がそのまま建築様式の名前になっているわけですね。 -
説明の看板には
”極太の縄を模した石材(で作られたモールディング)の下の部分の壁は、1780年から85年にかけてタイル(アズレージョ)で覆われた。”とあった。
”極太の縄を模した石材”は、これのことでしょうかね。
なぜ、縄、ロープか? -
縄、ロープは、航海で使うものだったから。
航海で使うものが装飾の一つに使われているのはナゼ?
この修道院は、「何を讃(たた)えいているか」という事に繋がるわけですが、それは中庭部分の写真のネタにしましょう。長くなるので。 -
そして、戻って、、、
っと、その縄の部分の下はもともとは石壁だったという事なのでしょうね。
その後、”1780年から85年にかけてタイル(アズレージョ)で覆われた”。 -
「アズレージョ」はポルトガルの手描きタイルのことです。
四方の壁をグルりと囲むこの黄色と青色の明るい色調のタイルは、空間をぐっと明るくしたことでしょうね。
それまでは修道院らしい(のか不明だが)無職、無機質な色合いの空間だったのだろう、と想像する。 -
食堂室見学終了、次は中庭を囲む側廊へ
-
-
この見た事もない装飾ー特にアーチ部分にぶらさがる飾り、女性の腕輪につけるチャーム飾りみたいなものーの数々が、なんとも可愛らしくて、壮大な歴史を持つ偉大な建物なのに、どこかコソっとしていて正面にバーンと出てこないところがある。
この捉えどころがない感じがなんとも独特で、ポルトガル建築ってこんななんだなぁ。。。
昨年行ったスペインの彫りの深い、陰影の強い装飾と全然違うなと、無意識にポルトガルのお隣のスペインと比較している自分にも妙な違和感を覚えたりしてました。 -
来てみて分かるんですが、ポルトガルとスペインって全然違う国ですね。
あたりまえですけれど。
イベリア半島にある隣同士の国だからか、ポルトガルがイベリア半島の端っこにある小さい国だからスペインの影響を受けてそうと思ったのか、、、来る前は印象が一緒くたになっていたと思います。
そして滞在中は何かと”スペインはこうだったな、ああだったな”と思い出すことが多かったです。でも、こうして来てみると、ポルトガルがスペインに征服されていた時代があるとはいえ、ポルトガルはポルトガルなんだな、と。 -
さきほどの「マヌエル様式」の話に戻ると、
帰ってきていろいろ読んでみて
はぁ、、、そういうことか、があったので写真とともに書き足してみます。 -
この修道院建立の命を下したのは、様式の名前にもなっているマヌエル1世ですが、彼が何故この修道院を立てたか、何を讃えて立てたか?という話に戻りますと、
大航海時代の幕開けとなった前の世代の為政者「エンリケ王子」と、インド航路を発見した「ヴァスコ・ダ・ガマ」の二人を讃えてこの修道院を建てることになったのだそうです。
マヌエル1世としては、この二人がいなかったら、新航路が拓かれずポルトガル黄金時代がなかったかもしれない、そういう畏敬の念があったのでしょう。 -
中庭にいたライオン。・・・たぶんライオン -
それで、航海によって新航路を発見した二人を讃えるための建物だから、その装飾が、海や船に関係するものになっていくのは当然の流れだった。
写真のように、真ん中に1本のアーチがあり、それぞれのアーチの下にさらにもう1本ずつの柱があるものを「三心アーチ」というらしいのですが、アーチのまんなかにあるのが地球儀、ふたつのアーチ部分にある装飾の方は、星をイメージしているのでしょうか。
航海は星の位置から自分たちの居場所を割り出す、、ということに繋がるのかな?などと考えたりします。 -
こちらの三心アーチの装飾は、さきほどのものとはまたちょっと違っていますね。
これはなんだろう? こんなかたちのチーズスナックがあったな、、、いやいや。
ええと、、
ものの本によると、「回廊部分の装飾は、海藻やロープ、鎖、貝殻、天球儀、、」だそうです。
テーマは、「海洋・新大陸・キリスト教の象徴」だそう。
この旅行記を書きながらそれを知ると統一感があるのだな、と思い直したりしますが、その時、素人のわたしがパッと見た目には雑多な感じがありました。
ガチーっと統一しすぎない、揃えてないところ、強すぎない主張。
なんていうか、そういうところがこの様式の懐の広い、ひょっとしてそれをポルトガル的って呼んでもいいのかもしれない、ゆるい感じなのかもしれません。
そんな印象を与えるところも「マヌエル様式」なのでしょうか。 -
回廊は2階になっていました。
-
2階に上がってみましょう。 -
2階に上がってきました。
アーチのもとにぶらさがる装飾と、その向こうに見える壁に盛り上がる扇状の駆体とマッチしていて美しい。 -
回廊に包まれた中庭は、正方形、、、か。
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2階のアーチは、まんなかに柱が1本にして大きな開口でゆったり、おおらかな表情を作っていました。
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そして、1階と違って、アーチのもとに垂れ下がる飾りは、すべてこの装飾のようでした。
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向こうにみえる丸屋根部分が、修道院に付属する教会部分。
あそこに、ヴァスコ・ダ・ガマが眠っているのかな。 -
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2階部分は、回廊の外側にテラスのように少し張り出していました。
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張り出している部分は、いい具合のフォトスポット。
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このアーチのまんなかの柱には猫(ライオン?)がいました。 -
ほらね?
1階の部分と、2階の部分と装飾の方向性が違うんですね。
見比べると面白いです。 -
1階と2階で同じピッチで、同じリズムでアーチが続くのに、よくみると、大アーチのもとの装飾柱は、1階では3本、2階では、まんなか1本なんですね。
1階と2階で施工された時代が1世紀ほども違うことは、少なからず影響しているのでしょう。 -
向こうをみると、貝殻?
そうかマヌエル様式は海のモチーフだったよなと思い出す。
縦に長に渦巻く貝のような、尖塔みたいな柱上部の装飾。 -
偉人でしょうか。
みなさん、ズームしてみると、お鼻が経年の風雨にさらされ、、、 -
お鼻が削れてしまっています。
彫刻だけでなく、竣工当初は壮麗であったろう装飾の数々がもとからそうなのか、角が丸くなってしまっているのが、この修道院の歴史を感じさせる、、いや、それ以前に、なんだろう、、ポルトガルの黄金時代から相当経ってしまっていて、、というのは皮肉な見方かな。
ただ、全体的にどの方向をみても丸みを帯びた装飾に、ポルトガルらしい雰囲気なのかなと勝手に解釈しました。 -
旅行記が長くなってきました。
修道院2階部分からは、教会の2階部分に繋がっていました。(この写真の図の、右側が教会部分です) -
教会の2階部分には、聖歌隊席、十字架にかけられたキリスト像がありました。
この教会の2階部分は、教会だけ見学する場合の南門から入場する(教会部分は無料)と、見られない部分になるんですね。
この教会部分の写真は、紛らわしいの次の旅行記にまわすことにします。 -
修道院の1階に降ります。
建物に馴染んできたので、もういちどゆっくりと1階をみることにしようと思いました。 -
すると、、どういうのかな、1階の装飾が、装飾過多とも取れる部分かもしれないけど、2階と全く違うものなんだなぁとジワリ気付くのでした。
まずは、この部分、アーチの装飾は船の錨(いかり)ですね。
2階はずっと同じ装飾でしたから洗練された統一感あるものでしたが、1階の、古い時代のまだ洗練されていない具合が、なんだかホッとするものだなと思うのでした。 -
-
1階このヴォールトリブ天井も、
、、、ズームしてみてみると、すごく、、、 -
プリミティブ。
極太なリブ(肋骨)と、硬い結び目のようになっている交差部分。
太くて洗練されてないところが原始的にも思えちゃう。
これ、もう一度2階の天井部分と見比べるとその違いがわかります。 -
こちらは2階部分のヴォールト天井です。
交差が少なく、すっきりしています。 -
こちらは1階部分。
交差が細かいですね。 -
こういうのに気づいてしまうと、ハマっちゃいます。
去りがたい気分になっていました。 -
2階のすっきりした装飾に洗練されたものを感じたのに、こうして1階部分に帰ってくると、この可愛らしいゴテゴテした装飾、”イカリ”だとか航海関連モチーフの繰り返しが、これはこれでまたいいなぁと思う。
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お昼、12時に近づいてきて、太陽の向きが変わってきていました。
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最初にここを歩いた10時の頃と、日陰のつくる陰影が違っていました。
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そろそろ、修道院を出ましょう。
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修道院をいちど出て、教会部分に入る南門へ
続く。
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