Kia ora! 秋のニュージーランド南島ドライブ旅行（１４）氷河ヘリハイクはあきらめ、黄葉真っ盛りのWanakaに戻る

2018/04/20 - 2018/04/21

　Fox氷河村に一泊した翌日、今日こそ好天になり、Fox氷河ヘリコプターハイキングができるかと期待していたのだが、相変わらずの曇り空で、サザンアルプスには分厚い雲がかかっている。ヘリハイク催行会社の受付に確認すると、今日の午前中のツアーは中止、午後はどうなるかわからないということだった。Fox氷河村では、もうやること、見ることはなく、不確実な午後のツアーをなにもせず待っていてもしょうがないので、来るときには立ち寄れなかったViewpointで道草を食いながら、のんびりWanakaに戻ることにした。

エリア ワナカ(ニュージーランド)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

　残念ながら、氷河ヘリハイクは断念し、Wanakaへもどることにした。その前に、まずはガソリン補給だ。ガイドブックには、Fox氷河村にはガソリンスタンドはないということだったが、現在は一か所、スタンドが開設されている。
　給油中に虹が見えたので、一枚パチリ。

　Wanakaから来た道を、引き返す。途中、Knight point というタスマン海を眺める展望台があったので、立ち寄り。沖合の岩礁に波が打ち寄せている。日本の海岸沿いの各地にあるような風景で特に珍しいわけではないが、ニュージーランドでは希少な絶景なのかもしれない。
　

　Haastという村を過ぎ、タスマン海に別れを告げてサザンアルプスのマウントクック国立公園とアスパイアリング国立公園の間の山中に入っていく。途中、いくつかの滝があったので、立ち寄ってみた。最初の滝は、Thunder Creek Falls という滝である。
　途中の見所には、すべて同じデザインのこんな看板が道沿いに出ている。

　駐車場から5分ほど森の中を歩いていくと滝が見えてきた。高さ９６ｍの直瀑である。玄白にとってなじみの華厳の滝（高さ９７ｍ）と、ほとんど同じ規模の滝である。

水量も多い滝で、名前の通り雷のような轟音を立てて流れ落ちている。

　次に立ち寄った滝は、Fantail Falls。駐車スペースから2分ほどのとてもアクセスがよいところにある。WanakaからFox氷河村に向かう途中、Ship Creek Lookoutで見かけた小鳥のFantailに滝の形が似ているから、こんな名前が付けられたのだろう。尾羽に相当する滝の上部が、本物のFantailより小さいな。

滝の前には、こんなケルンのような石積みがあった。

　3番目に立ち寄ったViewpointは、「Blue Pool」というところ。ここもまた、事前の予備知識は全くないが、行って見よう。看板の表示によると、ここは、30分ほど森の中を歩いて行くコースである。

ここもまた、シダが多いニュージーランドらしい森である。

巨大なサルノコシカケのようなキノコ。

こんな吊り橋を渡っていくと・・・

エメラルドグリーンのきれいな水が流れている渓谷に出た。どうやら、これが、Blue Pool らしい。

河原には、夥しいケルンが並んでいる。何やら、賽の河原のような・・・

ここに来た観光客が、こうやってケルンに石を積み重ねていく。

　Blue Pool で一時間半ほど道草を食って、さらにドライブを続ける。途中、Fox氷河村のモーテルで、連れ合いが作ってくれたサンドイッチでランチを摂ったあと、Wanaka湖の北岸に至る。ここには、Boundary Creek という川がWanaka湖に流れ込んでいて、小さなデルタ地形が形成されている。看板の説明書きによると、1994年1月に大規模な洪水があって、付近の地形が変わってしまったそうだ。夥しい流木が、その当時のまま、残されている。

Wanaka湖北部。東の空には晴れ間が広がってきた。

　だが、通過してきたサザンアルプス方面は、相変わらず雲が厚い。これでは、おそらくFox氷河ハイキングのヘリコプターは午後も運行中止だろう。午後のツアーを待っていなくてよかった。

　Wanaka湖に沿って南下していく。やがて「Neck」 という展望台に来た。ここは、Wanaka湖の隣のHawea湖の入江が深く切り込んで、Wanaka湖と繋がりそうなほど接近しているところで、文字どおりneckのような地形になっている。
　写真の湖はHawea湖である。

　こんなキャンプに関する情報が書かれた看板が立っている。Wanaka湖、Hawea湖周辺のHoliday Park（有料のキャンピングカー駐車場）の位置情報、この付近は無料でキャンプができること、ただし、トイレや給排水設備を備えたキャンピングカーでなければならない、2日以上同じ場所に居てはいけないなどの注意書きがしてある。
　ニュージーランドは、キャンピングカーで旅をする人にとっては、とても親切で利便性が高い。またニュージーランドを訪れる機会があれば、今度はぜひ、キャンピングカーをレンタルして旅をしてみたいものだ。キャンピングカーのレンタル代は安いので、モーテルより安上がりだし、各地にあるHoriday Park には、トイレ、水道、シャワーが備えられている。

　Hawea湖畔も、羊が放牧され、ニュージーランドらしい風景が広がっている。NeckからしばらくHawea湖に沿ってドライブを続ける。

Wanakaの隣町のAlbert Townまで来た。この辺りも黄葉真っ盛り。青空が広がり、ポプラや柳の黄色と空の青のコントラストが美しい。

Clutha川の川岸の黄葉。この川は、Hawea湖から流れてきたHawea川と合流し、Wanaka湖に流れ込んでいる。

カヌーを楽しんでいるカップル。楽しそうだ。

　ここにもHoliday Parkがある。その一角には花菱草のような花が咲き乱れている。

この付近がHoriday Parkのキャンピングカー用駐車場らしい。この日は一台もいなかったが・・・

黄葉真っ盛り。

　Wanaka中心部を通りすぎて、Wanaka湖畔のRippon Wineryを訪問。ここは、セントラル・オタゴ地方のワイナリーの中でもピノ・ノワールのワイン醸造で先駆的役割を果たし、今ではフランスのブルゴーニュ、アメリカのオレゴンと並んで世界3大ピノノワールの銘醸産地と言われるほど知名度を上げている。ワイン大好き人間の玄白としては、Wanakaに来たからには、ここに来ないわけにはいかない。そのため、Fox氷河村から次の目的地Te・Anauに行く前にもう一度Wanakaに立ち寄ったのである。

Wanaka湖畔に広がるブドウ畑は、風景としてもまことに美しい。

ブドウの木も、黄葉真っ盛りだ。

　今では世界的に高い評価を受けているワイナリーだが、その歴史は新しく、ロルフ・ミルズという人物が1982年に初めて商業用ワインの生産を始めている。現在は息子のニック・ミルズ氏が経営を受け継いでいる。彼はスキーの名手で国内チャンピオンになり、長野オリンピックにも出場予定だったが直前に怪我でオリンピックは断念したという逸話の持ち主である。スキーを引退してから、ブルゴーニュの超高級ワイン、ロマネ・コンティで修行してから、父親の跡を継いだそうだ。

もちろん、きれいな風景を撮影するためだけに、ここを訪れたのではない。さっそく、ショップでテイスティング開始。

　ショップの中は、このワイナリーの歴史を語るいろいろな資料が展示されている。

　テイスティングと言っても、車で来ているので、飲み込むわけにはいかない。グラスに注がれたワインの色を観察し、香りを確認してから口に含み、その舌ざわりと味を楽しむのだが、飲み込まずに壺に吐き出さなければならない。これは、なかなかつらいものがある。スタッフのおねえさんが、いろいろ勧めてくれたが、やはり、このワイナリの代表的品種のピノ・ノワールのヴィンテージ2014年をお買い上げ。ついでにちょっと格は落ちるが白のソーヴィニヨンブランも一本。
　日本にもわずかだが輸出されていて、日本で買うと\6,000ほどだが、ここでは約\4000で買えた。

テイスティング、ワイン購入してから、再びブドウ畑をブラブラ散策。

　はるか彼方まで広がるブドウ畑、ターコイズブルーの水をたたえたWanaka湖に浮かぶ小島Ruby Island、遠くには雪を抱いたサザンアルプスの山並み。その風光明媚な景色は、世界文化遺産に登録されているスイス・レマン湖畔のラヴォー地区のブドウ畑の風景を彷彿とさせる。

この美しい風景は、Rippon Wineryのエンブレムにも採用されている。

すっかり天気が回復した。西海岸の天気も回復し、ヘリコプター氷河ハイキングができたかもしれないが、まあ、致し方ない。

この風景には、何度でもシャッターを押してしまう。

ショップの近くにあったオブジェ。

一時間ほど、Rippon Wineryで時間をつぶしてから、Wanaka市内へ戻る。

一昨日に続いて、湖に生えている黄葉した柳の木、That Wanaka Tree を撮影しに、立ち寄った。今日は風が強く、湖岸には波が打ち寄せている。

再び、訪れたのは、夕焼けシーンを撮影しようと目論んだのだが・・・
上空には上弦の月が輝いている。

少しだけ夕焼け。

この日はこれ以上、夕焼けは広がらなかった。

日が沈み、マジックアワーになった。日の入りの朱色と上空の青が混じりあい、えもいわれぬ空の色になり、月は徐々に輝きを増してきた。

　Rippon Wineryで買った、最近の我が家にしては高級なワイン。土産に日本に持ち帰るなどということは考えず、さっそく抜栓して味わう。持ち帰るのは　「RIPPON MATURE VINE PINOT NOIR 2014」と書かれたそっけないラベルのみ。
　味は程よい酸味とふくよかなタンニンの渋みが絶妙なハーモニーを奏で、舌ざわりは絹のようになめらかで、ブルゴーニュの銘醸ワイン、シャンベルタンを彷彿とさせる。マリアージュは、ニュージーランドならではの、新鮮なラムチョップステーキである。

　夕食で、ワインを飲んでしまったので、今宵は車での星空撮影には出かけられない。Motel 「Distinction Wanaka Served Apartment」の近くの街の明かりが少ない高台で、南天の天の川撮影。30分もすると、雲が増えてしまったので、多くの撮影はできなかった。

翌日は、Te Anauへの移動日だが、3回目のThat Wanaka Tree の撮影へ。２回は、午後、夕刻だったが、今度は朝日の中での撮影である。早朝なので、人は少ないかと思いきや、昨晩に劣らず大勢の人でにぎわっていた。

湖岸のポプラの黄葉も入れて…

Ruby Islandの木も黄葉している。

That Wanaka Tree。　背後のサザンアルプスには早くも雲がかかってきた。

湖岸のポプラ並木の黄葉も朝日を浴びて黄金色に輝いている。

　Wanakaは日本人旅行者にとってはQueenstownほどの人気はないようだが、なかなかどうして、素晴らしい保養地だった。
　これからガソリンを補給して、途中あちこちで寄り道しながらTe Anauへ向かう。

続く