2018/04/19 - 2018/04/19
20位(同エリア157件中)
玄白さん
Wanakaから西へ55kmほどのRob Roy氷河トラックを歩いた翌日は、一路サザンアルプスを超えて西海岸に出て北上し、Fox氷河村へ。Fox氷河村でのアクティビティは、ヘリコプターでFox氷河上流部に行き、ガイドとともに、氷河の上を歩くヘリハイクである。最も費用が掛かるという意味では3週間のニュージーランド南島ドライブ旅行の最大イベントである。しかし、南島西海岸は名だたる多雨地帯で、天候が悪い時はヘリコプターが飛ばない。今回は移動日の19日か翌日の2回のチャンスがあるが、果たしていずれかの日にヘリコプターは飛べるだろうか?
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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午前11:50のヘリコプター氷河トレッキングに参加するために、余裕を見て11時にはFox氷河村に到着したい。そこで、Wanakaのモーテルを5時前に出発。State Highway6号を北上する。いつものように、途中の景色をのんびり撮影する時間は、あまりない。帰り道に道草を食うことにして、一路Fox氷河村へ向かうが、それでも、ときどきトイレ休憩を兼ねてちょっぴり撮影タイム。
サザンアルプス南島西側のHaastという小さな村を過ぎるころには夜が明けて,すっかり明るくなった。Haastから10kmほど北上したところに、Tasman海を眺めるLookoutとトイレがあるので、寄り道。 -
Lookoutの名前はShip Creek。日本のガイドブックには全く紹介されていないが、海岸近くにハイキングルートが設定されてる。時間があれば歩き回ってもよいが、今回はそんな時間はない。
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とりあえず、海岸へ出てみる。初めてみるTasman海だ。1642年に来航したオランダの探検家Abel Tasmanにちなんで命名された海である。
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どんよりと曇り、強い風が沖から吹き付けている。南半球にも北半球と同様、中緯度の温帯地域では偏西風が吹いているが、南半球では陸地が少ないので、北半球より強い風になる。
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そのせいか、大きな流木が浜に打ち上げられている。
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荒波打ち寄せるタスマン海
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波しぶきが霧のように舞い上がっている。人っこ一人いない荒涼とした海岸風景だ。
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Fantailという小鳥。尾羽を扇のように広げ、猛烈なスピードで震わせる。ニュージーランド固有種ではなく、オーストラリアなどにも棲息している。
日本にはいない鳥だが、和名がついていて、ハイイロオウギビタキという。 -
この鳥に限らず、ニュージーランドの野生動物や鳥は、人を恐れない。Fantailは、妙に人懐っこく、足元にまとわりついてくる。エサをねだっているのだろうか?
もちろん、野生生物にエサをやることは厳禁である。 -
海岸のすぐそばに川があるが、海にはつながっていない。波打ち際は激しい風が吹きつけているが、川面は鏡のように静かだ。
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川の名前はShip Creek。クリークというからには、人工の水路なのだろうが、とても人工の川には見えない。
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Ship Creekに沿って奥の森の中を散策するハイキングルートがあるようだが、時間がないのでパス。
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タスマン海沿いに10分ほど、北上すると、またLookoutがあった。展望台の名前は忘れてしまったが、State Highway6号線から海が見える。どこから探してきたのか、何やら文字が書かれた白い石が並べられている。
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この白い石は、願い事を書いて積んであるのかもしれない。神社の絵馬のようなものか?
ニュージーランド固有種のハシグロカモメが、見張りしているように白い石積みの上でじっと佇んでいる。 -
近寄っても、逃げようともしない。
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予定より早めにFoxH氷河村に到着。わずか400人に満たない村民が住む小さな村である。
これが村のメインストリートだ。わずか200mほどの通りに、スーパーマーケット代わりの村のよろず屋的な店や、遊覧ヘリコプター会社の事務所が並んでいる。 -
Fox氷河村唯一の食料品を売っているよろず屋。
この店の道路を挟んだ反対側に、ヘリコプターハイキングツアーをやっている Fox Glacier Guiding社のオフィスがあるので、さっそく氷河ハイキングツアーの申し込みに受付へ。その日の天候により、ツアーキャンセルが頻繁にあるので、事前予約はしていない。案の定、今日は悪天候のため終日ヘリコプターは飛ばないという!
ここに来る途中もずっとどんよりと曇っていたので、今日はダメかなと思っていたが、予想どおりだった。 -
明日は好天になることを祈りながら、とりあえず今日はGlacier Valley Walk という散策路をFox氷河末端まで歩くことにした。かつては、駐車場の直ぐ横が氷河末端だったが、今ではここから歩いて40分ほどのところまで、後退してしまっている。
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駐車場のそばは、いまでは氷河の融水が流れる川になっている。ニュージーランドは、オーストラリアプレートと太平洋プレートがぶつかる境界に位置しているので、日本と同様、地震国・火山国でもある。川沿いの崖には見事な柱状節理が見られ、かつてはこの付近も活発な火山活動があったことを物語っている。
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Fox氷河が作り出したU字谷。
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イチオシ
川には、上流で崩落した氷河の破片の氷塊が流れている。
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川の水は氷河融水独特のやや青みがかった白濁した水だが、砂礫層を通して溜まった水溜まりの水は、きれいに透き通っている。
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氷河へのルート沿いは、もう森林化が進行している。ニュージーランド固有のシダ類も定着している。
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ガイドブックには、氷河までの道は平坦だと書いてあるが、後半は結構な登りである。
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ところどころ、渓流を横切っていく。
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この辺りは、岩が崩落する危険があるので、立ち止まらずに歩けという標識がでている。運動不足の連れ合いは、立ち止まって休みたいようだが、そうもいかずゼーゼー言いながら登っている。
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雲が低く垂れ込めている。これではヘリコプターハイキングは眺望が利かないので中止も当然だ。しかし、単に遊覧飛行するだけのヘリコプターは、頻繁に上空を飛んでいる。こんな日には景色は見えないだろうに・・・
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Fox氷河末端に到達。かつては氷河のすぐそばまで近寄れたというが、今では崩落の危険があり、近づくことは禁止されている。
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イチオシ
Fox氷河。
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Fox氷河末端。土砂で覆われてしまっている。
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氷河が溶けた水が、川の源流となって氷の破片とともに流れ出していく。
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帰り道。同じ道を下っていく。
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複雑にゆがんだ地層が見られた。
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大規模ながけ崩れがあったらしく、ハイキングルートを修復する工事が行われていた。往復とも、ここは、河原に出て仮のルートを歩いた。
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砂礫を通って溜まった氷河融水。濁った川の水と水源が同じとは思えないほど、青く透き通ったきれいな水である。
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今宵の宿、Mt.Cook View Motel。
State Highway6号から分かれてMatheson湖に行く道沿いにある。まだチェックインには早いので、Matheson湖に行って見る。 -
宿の周りは牧草地。農家の人たちは、冬に備えて牧草ロールを作り運ぶ作業中。
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Matheson湖。Fox氷河村での数少ない観光スポットの一つ。
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駐車場のそばにCafeと土産物店がある。あとで立ち寄ってみることにして、まずはMatheson湖へ。
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湖へは、この吊り橋を渡って森の中へ入っていく。
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川の水は、植物のタンニンが溶け込んでいて茶色に色づいているが透き通っていて、濁ってはいない。
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南島西海岸は名だたる多雨地域だ。ニュージーランド特有のシダの森を歩く。
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苔も見事。
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イチオシ
日本のシダに比べると巨大なものが結構多い。これはPongaというシダである。
シダの原生林を歩いていると中生代にタイムスリップし、恐竜に出くわしそうな感覚を覚える。 -
道はよく整備されていて歩きやすい。
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ニュージーランドは、シダの王国。およそ200種類のシダが生育していて、その4割はニュージーランド固有種と言われている。
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世界トップクラスのラグビーチーム、オールブラックスのエンブレムにもシルバーファーンというシダの葉が使われている。写真のシダがシルバーファーンかどうか定かではないが、葉の形はシルバーファーンに似ている。
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シダは、大きな分類としては、花や種を付けず、胞子で繁殖する植物の総称で、日本人になじみのワラビやゼンマイもシダの仲間ではある。世界にはシダの仲間は1万種もあると言われていて、中には硬く背が高い木のようなシダも多い。
当初、世界のトレッカーあこがれのミルフォードトラックを歩くことも考えたが、入山料があまりに高いので断念した。たぶんミルフォードトラックを歩けば、こんなシダの原生林を歩いたことだろう。思いがけずこんなところで、規模は小さいがミルフォードトラックで出会うであろう森の風景に出会うことができた。
Matheson湖というと、湖面に映り込んだサザンアルプスの美しい風景で有名なのだが、シダと苔の原生林の美しさも捨てがたい。 -
Matheson湖が見えてきた。一周1時間半の散策コースである。
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ところどころ、木道になっている。
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New Zealand Flaxという植物。硬く鋭くとがった葉が特徴のニュージーランド固有のリュウゼツランの仲間。葉から良質の繊維が採れ、マオリ族はこれで、かごなど日用品を編んでいたという。
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Matheson湖は、鏡のような水面に映り込むサザンアルプスの山並みが美しいことがウリなのだが、今日は肝心のアルプスの山並みが雲でおおわれている。
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湖の周囲は、ほとんどすべて、シダと苔の原生林だ。
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先ほど見たNew Zealand Flax の群生地の反対側にやってきた。
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イチオシ
Matheson湖から駐車場に戻る途中のこと。
オヤ! これはキウイと並んでニュージーランドを代表する固有種の鳥、タカヘではないだろうか。タカヘもキウイと同様飛べない鳥で、今世紀初頭には絶滅したと考えられていたが、1947年に生き残りのタカヘが再発見された。その後、様々な保護策が取られているが、いまだに300羽しかいないという。
足環がついていないように見えるので、保護され放鳥されたのではなく、野生種?
本当にタカヘだとすると、実に貴重な場面に遭遇したことになる。慌てて撮ったので、ぶれてしまったが・・・ -
駐車場に戻って来た。Cafeの向かいにReflectionzという土産物を売っている売店がある。店の名前は、もちろんMatheson湖のサザンアルプスの美しい映り込みの風景に由来している。
ついに、ここで連れ合いのおねだりが出た。ポッサムの毛を使って編んだショールのようなものが欲しいという。日本で買うとAmazonで安く手に入れようとしてもウン万円もするのに、ここでは半額以下の値段だという。よくわからない玄白は、黙って従うしかないのであった。 -
Matheson湖を一周してから、モーテルにチェックイン。モーテルの良いところは、部屋の入り口に車を横付けできることだ。
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一泊するだけなので、全く不満はない。
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キッチンも、凝った料理をするわけではないので、問題なし。バスタブはないが、トイレ・浴室も十分広い。
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イチオシ
夕方になると、風がおさまり、どんより曇っていた空が少し明るくなってきた。そこで、連れ合いが夕食の準備をしている間にもう一度、Matheson湖に行き、撮影タイムだ。宿からは車で5分もかからない。
駐車場から湖に向かう途中に、こんなビューポイントがある。昼間は曇っていて写真を撮らなかったが、雲が取れてサザンアルプスが姿を現わした。中央右側のピークがMt.Cook, 左側がMt.Tasmanである。 -
イチオシ
サザンアルプスのMatheson湖への映り込み。欲を言えばもうちょっと赤い夕焼けになってほしかったのだが・・・
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少し画角とアングルを変えて。
右端にMt.Tasmann, Mt.Cook が見えている。 -
イチオシ
Mt.Tasman と Mt.Cookをアップで。Mt.Cookは、Mount Cook Villageで見た山容と形が違って見えている。
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ほんのり朱色に染まったサザンアルプス、中腹にたなびく雲、湖岸の木々すべてが対称的に水面に映り込んでいる。いつまでも眺めていたい風景である。
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しかし、まもなくまた雨粒が落ちてきた。撤収しよう。
明日は晴れてヘリコプターが飛んでほしい。そんなことを願いながらモーテルに戻る。
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