2018/04/14 - 2018/04/14
26位(同エリア255件中)
玄白さん
Mount Cook Village4泊滞在で、トレッキング、星空ウォッチングを堪能してから、Tekapoへの移動日。Mount Cook VillageとTekapoは比較的近く、移動だけで一日を要する距離ではないので、我が家としては比較的遅い時間にMount Cook Villageのモーテルをチェックアウト。途中、再びTasman Valley Walkに立ち寄ったり、Pukaki湖畔の景色が良い所で気が向くままに車を停めて写真を撮ったり、Ruataniwha湖でピクニックランチをしたりと、道草を食いながらのTekapoへのドライブの一日である。
それでも2時過ぎにはTekapoに到着。幸い早めにTekapoのモーテルにチェックインできたので、夜の星空撮影の下見を兼ねてTekapo湖畔沿いを散策した。そして、夜は、星空の美しさで世界遺産登録を目指すTekapoの星空撮影だが・・・
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夜明け前から星空、モルゲンロートの撮影のあと、ゆったりと朝食。Tekapoまでの距離は、一日かけてドライブするほどの距離ではないので、9時過ぎにモーテル「Aoraki Court Motel」をチェックアウト。時間はたっぷりあるので、もう一度Tasman Valley Walkの立ち寄ってみる。
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イチオシ
青空に映えるサザンアルプスの真白な山並みがまばゆいほどに美しい。
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交互通行の橋も、対向車はなく、すんなり通過。
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Tasman Valley Walkスタート地点にある避難小屋。
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4つのコースがあるが、今日はTasman Glacier Viewコースのみ歩く。4日前と打って変わって上空に雲はなく、真っ青な空が広がっている。
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Green Lakeを見下ろす。
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Tasman湖。なんと、今日は、Hooker湖同様、氷河が崩れた残骸の氷塊が浮かんでいるではないか。
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だが氷山と言えるほど大きな氷塊はなく、岸から離れているのが残念。
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今日はTasman氷河の奥にMount Cookがよく見えている。Hooker Valleyで見たMount Cookとは、山容が違って見える。
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Tasman湖とMount Cookを眺めるカップルが一組たたずんでいる。今日もハイカーは少ない。
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Tasman川が流れる広大なU字谷。
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Tasman Valleyを後にしてTekapoに向かってドライブ開始。
Pukaki湖の少し手前付近にて。小さな池があり、 -
水鳥が泳いでいる。距離が離れているので、目いっぱいズームアップしてもこの程度。ブラックスワンだ!
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イチオシ
Pukaki湖は南北に細長い氷河湖で、Mount Cook Villageは、その北側に位置している。Pukaki湖沿いの道には、いたるところに絶景ポイントがある。気がむくままに車を停めて撮影タイム。少し離れてみると、Mount Cookがサザンアルプスの中で最高峰だということがよくわかる。
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湖岸のところどころにスィート・ブライアン・ローズが生えている。
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青空に映えるスィート・ブライアン・ローズの赤い実。
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Pukaki湖は、Tasman氷河から流れ出るTasman川、Hooker氷河を源流とするHooker川が合流して流れ込んでできた氷河湖である。二つの川は灰色の濁った水が流れているが、湖に入ると、ターコイズブルーというか、白みが混じったミルキーブルーの美しい水色を呈している。川の水に含まれる氷河由来の岩石粒が、さらに細かく砕かれて水中で散乱し、長波長の光だけを選択的に吸収する水の性質で、このような美しい青い色に見える。
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イチオシ
湖水が美しい青色の湖や池は、日本各地にもある。たとえば、美瑛の青い池、摩周湖の裏側の神の子池、白神山地の青池など・・。それぞれ、青く見える原因は様々で、美瑛の青い池は水中に含まれる水酸化ナトリウムコロイド、神の子池は水底の火山灰、青池は底にある凝灰岩による散乱である。Pukaki湖の場合は、サザンアルプス由来の花こう岩である。
共通するのは、いずれも白い微粒子による光の散乱と水分子の赤い光だけを吸収する性質の組み合わせという自然の妙である。 -
Pukaki湖西側の道路沿いは、絶景続きのドライブコースだが、観光バスも必ず立ち寄るという有名な展望台、Peter's Lookout にも寄り道した。
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湖の反対側の風景。
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ここの展望台は、トイレや売店などの施設はない。80歳を超えていると思えるおばあさん画家が、Pukaki湖の風景を描いた水彩画を売っていた。
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途中停車しながら、Pukaki湖岸沿いのState Highway 80を南下し、State Highway8号線に合流する。ここで左折すれば、Tekako方面だが、まだ時間はたっぷりあるので、右折してtwizel方面へ。
トイレ休憩を兼ねてRuataniwha湖という小さな湖のホリデーパークへ。 -
この湖は、近くのPukaki湖、Ohau湖と運河で結ばれているので、Pukaki湖と同じターコイズブルーの美しい湖水をたたえている。ちょうど湖畔の柳が黄葉真っ盛りで、黄色と青のコントラストがまことに美しい。
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風がおだやかで、青い空に浮かんだ白い雲と黄葉が湖面に映り込んでいて、絵葉書のような光景がひろがっている。
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Ruataniwha湖
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イチオシ
同じ場所での撮影だが、いろいろアングルを変えて。
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こんな滑り台があった。夏は子供たちの絶好の水遊び場になるらしい。
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Ruataniwha湖
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期待以上に美しい風景に出会えたので、まだ12時前だったが、ここでピクニックランチだ。今日も連れ合い手製のハンバーガー。
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ランチの後、南に面した湖岸に移動。対岸の山並みは OtagoとCantabury両地方区の境界になっている山並みで、サザンアルプスの一部である。
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若者たちがボートの練習をしている。
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Ruataniwha湖でのピクニックランチの後は、tekapoへ向けてドライブ再開。
途中、Ruataniwha湖とPukaki湖を結ぶ運河沿いを走ってみた。運河には釣り人が数人がいた。釣りをしていた女性に、どんな魚が釣れるのか聞いてみたところ、Rainbow trout(ニジマス)だそうだ。 -
すぐに行き止まりのようになっているが、向こう側はpukaki湖である。Pukaki湖と運河の連結部は、水力発電所になっている。ニュージーランド旅行記(3)で書いたように、この国の主要な発電は水力だが、日本のように自然環境へのダメージが大きい巨大なダムを作ることはしていない。Pukaki湖とのわずかな高低差と豊富な水量で、発電をしているのである。
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Pukaki湖の南の端にある展望台に立ち寄り。これが Mount Cookの見納めだ。
Pukaki湖周辺には6か所の水力発電所があり、これだけでニュージーランドの水力発電の半分を担っているという。電力が余っているときはオーストラリアに売電もしているとのこと。Tekako湖と26kmの運河で結んだのは、Pukaki湖の水位を2倍の92mにかさ上げして発電容量を増やすためだったそうだ。 -
湖畔にヒマラヤタールの銅像が立っている。ヒマラヤタールとは、インド北部、チベット、ネパールの高山の森林に生息するウシ科の動物である。ニュージーランドには20世紀初頭に狩猟動物として移入された。世界的には、開発による生息域の森林の減少、食用としての狩猟で数が減り、国際自然環境保護連合の絶滅危惧種に指定されているが、唯一ニュージーランドは、厳密な管理の下で狩猟が許されている。
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Tekapoに向けてドライブを続ける。
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イチオシ
時々、道端に広がる牧草地で草を食む羊たちを撮影しようとするが、人の姿を見るとすぐに逃げ出してしまう。こういうカメラ目線の羊の撮影チャンスはなかなか来ない。珍しく、こちらに警戒の視線を送っている羊君たち。
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次の瞬間には逃げ出してしまう。こいつら、本当に怖がり屋だ。
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シシウドに似た花が牧草地周辺に生えていた。
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2時過ぎにTekapoに到着。
まずは、3泊分の食料調達のため、スーパーマーケットへ。この4squareというスーパーマーケット、全国チェーンで、どんな田舎町にいっても大抵ある。今回の自炊ドライブ旅行では随分お世話になった。 -
Tekapoでのモーテルは「Lake Tekapo Cottage」
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このモーテルだけは牛乳のサービスがなかった。「良き羊飼いの教会」まで歩いて数分という、ロケーションは申し分ない。星空撮影のために、夕食でビールやワインを我慢しなくてもよかったのもGood!
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チェックインし荷物を開梱して一休みしてから、村内を散策。
これは、街の中心部と「良き羊飼いの教会」を結ぶ歩行者専用のTekapo橋。 -
端の全長は125m。比較的新しい橋で、2015年11月22日に開通したという。
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Tekapo湖。Pukaki湖と同様に、氷河湖であり、同じようなターコイズブルーの水をたたえた穏やかな湖である。
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「Church of the Good Shephard(良き羊飼いの教会)」
Tekapoは星空がとてもきれいに見える場所として有名になり、星空の写真に必ず登場するのが、この教会である。 -
1935年に完成した周辺の石を積み上げて作られた質素な教会だが、いまではすっかりテカポの人気No1の観光スポットになってしまった。
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小さな鐘が納められた鐘楼も質素な石造りである。
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この日は教会の扉は占められていて、中には入れない。入り口の反対側の通常、祭壇があるところにも祭壇はなく、大きな窓になっていて、中を覗くことができる。内部も豪華な飾りがあるわけではなく、質素な造りだ。
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窓ガラスには、サザンアルプスの山並みが映り込んでいる。
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Tekapo湖
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イチオシ
Tekapo湖とサザンアルプスの山並み
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なんと湖岸にオルガンを置いて演奏パフォーマンス。完全に観光地化している。
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教会から少し離れたところにバウンダリー犬の銅像が建っている。昔、まだ牧場の境界に柵がないころ、境界を守り、羊を追う牧羊犬をたたえて1968年に建立された記念碑である。こんなのもTekapoの観光スポットになっているのである。
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イチオシ
だが、Tekapoの一番の魅力は、きれいな湖、アルプスの周辺の山々の美しい自然の風景ではないだろうか。
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Tekapo橋の街の中心部側から眺めた良き羊飼いの教会とサザンアルプス遠望。教会の前は広い駐車場になっていて観光客が絶えない。観光客の8割ほどは中国人である。
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湖岸の紅葉
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湖水の中に生えている木。これも柳だろう。
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だいぶ日が傾いてきた。
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もうすぐ、日の入りだが、天気が良すぎて夕焼けにはなりそうにない。
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咲き残りのルピナス。
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今宵のディナーは、ビーフステーキ。牧畜の盛んな国だけあって、スーパーでも肉類は安い。 星空撮影ポイントの良き羊飼いの教会まで歩いて5分もかからないので、今宵は心置きなくワインが飲める。
食後の一休みしたあとは、星空撮影にでかける。 -
歩行者専用のTekapo Bridge。けっこう街路灯が明るい。
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まずは、西の空に沈みゆく逆さオリオンにレンズを向ける。ところが左側に観光客用駐車場があり、次々と車が入ってくる。車のライトでたちまち教会が露出オーバーとなってしまう。車のライトが減った瞬間を狙って、ようやくまずまずの一枚。
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教会の反対側(湖側)に回り込み、駐車場の車のライトの影響が少ない場所へ移動したが、すでにたくさんの三脚が並んでいる。かろうじて、隙間を詰めてもらって、Mount Cook でおなじみとなった南天の天の川撮影に取り掛かる。
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明るい星が目立つように大きく写るようにソフトフィルターを付けて。大小のマゼラン星雲、カノープス、南十字星、アルファ・ケンタウリと日本では見られない南天の主役たちが勢ぞろいだ。
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エリダヌス座のアケルナルを入れるために、横位置でも一枚。
星空ですっかり有名になってしまったTekapo! 夜中まで大勢の観光客が押し寄せてくる。夜は教会に近づけないように柵が設えてあるのだが、それを乗り越えて中に入り込み、撮影している人の前に立ちはだかったり、平気で明るい懐中電灯をつけたりして、迷惑千万! ストレスが溜まる星空撮影となってしまった。「Please, turn off the light!」と何度叫んだことだろうか。
2、3時間かけてインターバル撮影で、天の川の動きを動画にするタイムラプスをやるつもりだったが、とてもそんな状況ではない。 -
一旦撤収して、夜明け前の2時半ごろ、ふたたび教会へ。この時間になればだれもいないだろうと思いきや、けっこうな数のカメラマン達が撮影している。さすがに星空撮影を心得ている人たちなので、不用意に明かりをつけたりする人はいない。
東の空には、おなじみの射手座付近の明るい天の川が昇ってきている。 -
Tekapo湖上空の天の川
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南十字星がある天の川は西に移動し、マゼラン星雲が教会上空に来ている。
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夜が明けて空が明るくなるまで、一時間ほどはあるので、星の日周運動も撮影しておいた。天の南極には、北極星のような方角の目印になるような明るい星はない。
Tekapoの星空は、人気に違わずめったに見られないほど素晴らしかったが、予想以上に街灯りの光害があること、そしてなにより観光客の多さが大きな減点だ。星空の美しさで世界遺産を目指すと言っているが、これでは世界遺産認定は難しいのではないだろうか。
晴天率や高山で空の視界が限られるとはいえ、Mount Cookのほうが星空撮影スポットとしては条件ははるかに優れているように思う。
続く
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