アンボワーズ_Amboise　ルネサンス＆ユグノー！文芸復興と内戦が渦巻いた中世王家の中心地

2017/05/04 - 2017/05/04

フランス中部、サントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏、アンドル＝エ＝ロワール県の町であるアンボワーズを訪れました。世界遺産「ロワールの渓谷」沿いに点在する古城のうちの一つであるアンボワーズ城と、レオナルド・ダ・ヴィンチゆかりのクロ・リュセ城で知られる町です。（表紙画像はクロ・リュセ城）
★15～16世紀の歴代フランス王が愛したアンボワーズ城と、ダ・ヴィンチが晩年を生きたクロ・リュセ城を見学。

エリア アンボワーズ(フランス)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: レンタカー 徒歩 飛行機
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

レンタカーでロワールの古城を巡る旅、先の訪問地シュノンソーから北へ10kmほど走り、アンボワーズの町へ入ります。

ロワール川沿いに広がる、人口13,000人ほどの町です。

旧市街の中に、アンボワーズ城が建っています。

まずはこの城の観光です。城の脇にご覧の様なＰがありましたのでここに駐車。…が、ここに駐めたのは失敗、詳細は後ほど。

城の周囲は、道もきれいに整備され、雰囲気の良い建物が並んでおり、眺めながら歩くのも楽しいです。

城の外郭塔。

城の壁にワインの店らしきものが。

そして、アンボワーズ城へ。

分厚い城壁を通り抜け…

入場窓口でチケットを購入し入城。

この坂を上がると…

小高い丘の上に城館が建っています。

城館と少し離れたところにはサン・ユベール礼拝堂。

城館へ向かう前に、まずはその礼拝堂へ。15世紀末のゴシック様式の彫刻が目を引きます。

その内部。
現地は平日なので、ロワール各地でこういった課外学習と思われる子供たちに遭遇しました。

緻密で鮮やかなステンドグラス。オリジナルは大戦で破壊されてしまい、現在のものはマックス・アングランという20世紀前半のガラス工芸家によるものだそうです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの墓。16世紀に死去しアンボワーズの教会に埋葬されたが、革命で教会が破壊された際に1874年に遺骨がここに移されたとされている場所です。

外郭塔に立ってみると…

アンボワーズの町を一望。

ロワール川も一望。

さて、城館へ向かいましょう。

ここには、帝政ローマ支配下の頃から砦があったそうです。

11世紀には、要塞ヲタクとして知られたフルク3世が、他の古城と同様にここも石を積んで要塞化を図ったそうな。

15世紀には、当時の城主が色々と難癖をつけられ、ついにフランス王シャルル7世に城が接収され、そこから歴代王たちに愛される城として手が入れられてきたそうです。

城館に入ると、衛兵の間。

鼓手の間。

会議の間。

豪華な暖炉で暖をとる、どこかの観光客のお子様たち。

柱には、フランス王家に関連が深いフルール・ド・リス（あやめ）の紋章。

フランソワ1世のサラマンダーの紋章。

給士係の間。

16世紀のフランス王、アンリ2世の間。

フランシスコ会修道女の控えの間。

オルレアン・パンティエーブル家の書斎。

オルレアン家の居室。

音楽サロン。

フランソワ１世もここで、生演奏を聴きながらワイングラスを傾けたりしていたのでしょうか。

ロワール川に面した見張り台に出ました。

ここからは、ロワール川沿いに広がるアンボワーズの町並みを眺めることができます。

城館の東に広がる城の庭園。

西側へ目をやると、ロワール川の中州と対岸へつながる橋。

この見張り台は現代においては展望テラスとなり、フォトスポットになっています。

16世紀のユグノー戦争（カトリックとプロテスタントの内戦）の際には、多くのプロテスタントが処刑されて城のあちこちに吊るされ、その死臭により王家は城を出て行ったのだとか。

城館を出ると、20世紀になってから整備されたという庭園。

庭園からもアンボワーズの町を見渡すことができます。

向こうに見えるのはサン・ドニ教会。

お土産コーナーに寄って、アンボワーズ城を後にします。

次に向かうのはクロ・リュセ城。アンボワーズ城からは南東へ1km弱、緩やかな上り坂を歩いて行きます。

ですが、クロ・リュセ城の観光の前に軽くランチをとることに。城の真ん前にあったこちらのレストランにて。

「ル・レオナルド」というレストラン。お手頃なワンプレートメニューが並ぶ、ファストフードチックなレストランです。

ワンちゃんが出迎えてくれました。飼い主はお店？お客さん？

店内の様子。

坂を歩いてきたので一汗かきました。まずは冷たい飲み物で。

頼んだのはオムレット。

そしてチキンのひと品。
どちらも普通に美味しいです。某口コミサイトの評価はかなり割れていますが、観光の間に安く素早くランチを済ますには良いのではないでしょうか。

ランチでエネルギーを補給したところで、いよいよクロ・リュセ城へ。

城というより館です。
結構並んでますね。レオナルド・ダ・ヴィンチがフランス王に呼ばれて晩年を過ごした城だけに人気の様です。

ここでチケットを買って入館。

レオナルド・ダ・ヴィンチの寝室。ベッドに何か居ます。

ネコでした。世界遺産に入り込んでラグジュアリーベッドで爆睡、これを追い出さない（気づかない？）ところもフランスの田舎町の微笑ましい風景。

フランソワ1世の姉、マルグリット・ド・ナヴァルの部屋。

ここでもどこかの校外学習らしき団体と遭遇。賑やかな子供達に囲まれながらの観光。

アンヌ・ド・ブルターニュの小礼拝堂。

ダ・ヴィンチのアトリエ。

ダ・ヴィンチの書斎。

CGを使った再現シーン。

この城館は、1471年にフランス王ルイ11世の料理人のために建てられた城で、その後1490年にシャルル8世によって買い取られ、そこから王家が代々使用することになります。

シャルル8世の王妃、アンヌ・ド・ブルターニュもこの館に住んでいました。ここは、ルネサンス様式の大広間。

フランス王フランソワ1世の招きによりレオナルド・ダ・ヴィンチがやってきたのは1516年のことです。

そして彼は、1519年にこの地でその生涯を閉じました。

地下には、彼が構想した物のモデルが展示されています。

絵画から軍事まで「万能の天才」と評されたダ・ヴィンチが、無限の好奇心で構想したモノのオブジェ。

全方位に砲撃可能な装甲車。（実現はされず）

館内を一通り見終わるとスーべニールショップ。

テラスと館。

館の麓には公園が広がります。

広大な公園は「ダ・ヴィンチ　パーク」として、至る所にオブジェが設置されています。

そろそろクロ・リュセ城をあとにし、アンボワーズ城方面へ。
観光プチトレンとすれ違い。

駐車場に戻ってみると…あれ？やけに車が少ない…何か嫌な予感が…
車に近づいてみると、私のレンタカーのワイパーに駐禁の切符が挟まってました。どうやら時間帯によって指定車以外駐車禁止のエリアだったようです。（帰国後にネットで罰金払込み。泣）

シャルル７世からフランソワ１世まで15～16世紀のフランス王がそれぞれの時を過ごしたアンボワーズ、王たちのお気に入りの場所だっただけに、イタリアで始まったルネサンス文化が惜しみなく取り入れられ、このアンボワーズで花開いたのだそうです。その一方で新旧キリスト教の内戦により凋落を迎えました。
西洋文化のターニングポイントがまさにこの地だったのかもしれません。