
2017/07/01 - 2017/07/10
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2017年の夏に歩いたノルウェー。
現地9日間の日程はほぼ毎日が大自然worldで、連日、これでもかと言う程歩き、何万年という歳月をかけ氷河が作ったフィヨルドの谷間を堪能してきました。
今回のノルウェー旅のメインの目的は、フィヨルドの奥深くに存在する憧れの絶景:【トロルの舌】や【シェラーグ・ボルデン】へのトレッキングで、この2か所は足が竦む程のとんでもない景色を見たい♪と云う方には☆5個でお勧めの場所でした。
そして、今回の旅行記で紹介するプレーケストーレン(Preikestolen)、此処でも相棒と私はハイキングを楽しんできました。
プレーケストーレンはノルウェーを訪れる観光客に一番人気の絶叫スポットで、その場所があるのはリーセフィヨルドの海面から垂直に聳える600mの崖の上です。
その断崖絶壁の岩壁の上に立ち、見下ろす青く輝くフィヨルドの風景は、数あるノルウェーの景勝地の中でもトップの座に輝くと云われています。
また、プレーケストーレンは、比較的簡単にアクセスできる絶景・絶叫スポットとしてもその名を知られています。
簡単アクセスと言っても実際には登山口からの絶叫スポットまでのハイキング時間は往復4時間が必要(登山慣れしてる方ならば3時間)で、口で言う程ラクチンではありませんが、それでも短くても往復5時間や長ければ数日間を必要とするその他の絶景ポイントに比べれば楽勝なことは確かです。
そのアクセスの容易さ故に、プレーケストーレンではハイキングにチャレンジする旅人が多く、その年齢層は背負子に入れられた赤ちゃんから年配の方まで様々で、登山道も展望台も観光客でかなりの大混雑でした。
特にハイキングコースの終着地点である絶景・絶叫スポットの崖の先端部では、如何にインスタ映えする写真を撮れるのか四苦八苦する観光客が写真撮影のための長い列を作っていて、一寸イタイ状態…。
せっかく大自然たっぷりの素敵なフィヨルドの景色を見られる展望台まで頑張って登って来たのに、その目的がSNS映えする写真の撮影だなんて、なんだか残念ですよね。
そんな部分も見えてしまったプレーケストーレンでしたが、相棒と私のハイキング旅は「微妙…」では終わりにはなりません。
実は、私たちはとっておきの情報;ガイドブックにも現地のトレッキング地図にもないマル秘情報を旅の前に入手していたのです。
その情報とは、…観光客が列を作って記念写真を撮っている広い岩の台地はプレーケストーレン山全体からみたら未だ中腹部分の展望台でしかなく、その岩の上にはより高き頂があり、山頂からはリーセフィヨルド全体を一望でき、更に反対側にある大きな海を渡ったスタヴァンゲルの街並みまで眺められる…と言うモノで、こんな素敵な秘密情報を握った私達の選択肢はただ一つ、地図にはないその先のルートへと進むこと、それしかありませんでした。
プレーケストーレンでの混雑をサラっと流した私たちは更なる高みを目指し、岩の上にそそり立つ、展望台からはその様子を窺い知ることの出来ない真の頂を攻める岩歩きに挑戦することに…。
今回の旅行記では、一般的なプレーケストーレン展望台へのハイキング・ルート+道なき道を行く岩登り絶景山頂ルートとノルウェー旅の最新のドライブ事情を紹介したいと思います。
□7/1 成田発 午前- SK便- コペンハーゲン着 -SK便- ベルゲン着
□7/2 アイ・フィヨルドへ移動 ボーリング滝・トレッキング
□7/3 トロルの舌・トレッキング
□7/4 スターヴ教会 & ダイナミックな滝巡り/Odda
□7/5 氷河トレック/Blue Ice Hike Juklavass Glacier
■7/6 プレーケストーレン・ハイキング
□7/7 シェラーグボルテン・トレッキング
□7/8 スタバンゲル & ベルゲン 街歩き
□7/9 ベルゲン発 午前 - SK便- コペンハーゲン着 -SK便-
□7/10 成田着 午前
2017 ノルウェー旅行記 紹介
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
〈1〉トロルの舌で愛を叫ぶ
http://4travel.jp/travelogue/11260815
〈2〉スターヴ教会と滝巡り
http://4travel.jp/travelogue/11283572
〈3〉惑星ホスの氷河を歩こう♪
http://4travel.jp/travelogue/11266693
〈4〉プレーケストーレンから転落未遂!?
http://4travel.jp/travelogue/11276852
〈5〉宙に浮かぶ奇跡の岩:シェラーグボルテン
https://4travel.jp/travelogue/11377215
〈6〉アナ雪の港町へ
https://4travel.jp/travelogue/11379701
2013 ノルウェー旅行記 紹介
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
〈1〉航空機乗っ取り事件から始まった家族旅行
http://4travel.jp/travelogue/10801905
〈2〉碧のフィヨルド・ハイキング☆絶景ポイント大公開!
http://4travel.jp/travelogue/10802910
〈3〉氷河の色って青かった!?温暖化の影響でトレックできない!!
http://4travel.jp/travelogue/10803420
〈4〉マンモスが歩きし氷河谷を散歩~Jostedal氷河トレッキング
http://4travel.jp/travelogue/10804012
〈5〉瑠璃色のフィヨルドを巡る☆宿を訪ねて200km!
http://4travel.jp/travelogue/10805609
〈6〉トロルの足跡を辿ってベルゲン街歩き♪
http://4travel.jp/travelogue/10807459
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 船 レンタカー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2017年7月6日。
ハダンゲルフィヨルドの小さな港町Odda(オッダ)での最後の朝。
5時前に起床後すぐに荷物をパッキングし車に積み込んだ後に、ホテルのレストランで朝食を食べる。
Oddaでの3泊の宿泊はHardanger Hotel。
結婚22周年の旅というコトでホテルのご好意でアップグレードされた部屋は、キッチンつきJr.スイート。
リビングルームの窓から見えるフィヨルドの景色も、このホテルに宿泊したからこその光景だった。
(写真:朝5時のハダンゲルフィヨルド(Hardanger Fjord)/Odda, Hardanger Hotelの客室の窓より)ハードアンガー ホテル ホテル
-
この日のドライブは、Oddaを出発したら13号線を南下し、いったんE134へと入りRaldal経由でもう一度13号線へと入りそのまま直進し、断崖絶壁の絶景であるプレーケストーレンへと向かうルートだ。
このルートにはフィヨルドを渡し船(フェリー)で渡るルートが含まれていて、上手くフェリーの発着時間に合わせて港へ着いたとしてもOddaからプレーケストーレンへの所要時間は約4時間とレンタカーのドライブ時間としては短くはない。 -
ルート上でフェリーが必要なのはNesvik港とHjelmeland港の区間。
6時20分にホテルを出発した私たちは8時40分にNesvik港に到着し、無事に8:45発の船に乗船できた。
Nesvik港-Hjelmeland港のフェリーは昼間の時間帯ならば15分間隔で往復しているので比較的運行本数は多いが、人気の観光地であるプレーケストーレンへと向かう場合はこの15分に乗り遅れるだけで、プレーケストーレンでの駐車場が満杯で入れない…という事態も想像に難くはない。
だから、ホテルから港までの区間は休憩なしで車を飛ばしてきた。 -
ノルウェーの国道は主要幹線と云えども、フィヨルドに沿って道が作られているので真っ直ぐな道はそれほど多くはない。
その上、地元の人達はかなりの急カーブを時速90kmを超えるスピードで対抗ラインから走って来るものだから、朝から2時間以上に渡りドライバーをしていた相棒は、港に着いた時にはけっこうお疲れのご様子。
フェリーに乗っている時間は、唯一の休憩時間となったようだ。
この区間の乗船料は普通サイズ乗用車+運転手+大人1名で112NOK:ノルウェークローネ(約1700円)だった。
ノルウェーでは地域によってフェリーの運航会社が異なり、それぞれの会社の時刻表をネットの中から探し出すだけでもけっこう大変な作業。
NesvikとHjelmelandを結ぶ船会社はNorledフェリーで、時刻表は↓にある。
https://www.norled.no/en/maps-and-schedules/ferry/rogaland/
上記のホームページの中(英語版)のScheduleと書かれた中から目的の港の時刻表のPDFをダウンロードすれば時刻表が入手できる。
フェリーを利用する時に見落としてはならないのが各フェリー会社が出しているInformation の内容で、Informationの項には欠航情報や特定日の運行スケジュール変更などが明記してあるので、時刻表と合わせてチェックをしておきたい部分だ。
ノルウェーでは渡し船(フェリー)の本数が1時間に1本以下の港もあり、そんな港を利用する時にスケジュール変更に気づかないでいると、フェリーの時間に合わせて港へと向かった筈なのに船は少し前に出たばかりで1時間以上の待ちぼうけを喰らう可能性もあり、その様な事態に陥った際にはその日の観光スケジュールは立て直しとなってしまうだろう。
そのような事態を防ぐためにも、旅の直前でのフェリーのタイム・スケジュールと欠航・変更情報のチェックは非常に重要となる。 -
そして、フェリーと並んでノルウェーのフィヨルド・ドライブで気を付けなければならないのが、Auto Passと呼ばれる有料道路の料金自動徴収システムだ。
このAuto Passの看板は前回2013年のノルウェー・ドライブ旅では見ることが無かったので、ここ数年で出来たシステムなのだと思うが、写真のような水色のAuto Passマークのある道路区間が有料道路で、この写真の道路の場合は乗用車は48NOK(約730円)、3.5tトラックが85NOKの通行料を意味し、その通行料金は日本のETCシステムの様にクレジットカード会社から自動的(レンタカー会社を経由して)に勝手に引き落とされてしまう。
通行料金が約730円というこの金額だけを見るとそんなに高くない様にも思えるのだが、Auto Passの標識は国道沿いに突如現れ、気が付けば勝手に通行料金を徴収されていて、Auto Pass を1日に5回以上通過した日には通行料金だけで5000円以上の金額となっている日もあった。
帰国後にクレジットカード会社に請求された有料道路の支払額は2万円近くに登り、予想以上に高い有料道路代金となった。 -
イチオシ
この日ドライブしたハダンゲルフィヨルドからリーセフィヨルドまでの道は、滝街道とも呼ばれる道で、氷河が削った山肌からは雪解け水が迸る幾筋もの滝が勇壮な姿を見せてくれる。
この写真の滝も滝街道にあるそんな滝の一つ;Latefossen(ラテフォッセン:ラテ滝)で、水量も多い7月は車道の上にもその水が跳ねてマイナスイオン大放出中。
車の外に出ると、あっという間に体は滝のミストで被膜されてしまった。
この日の朝はプレーケストーレンへの道を急いでいたので滝の展望台では車を止めずに通り過ぎるだけとしたのだが、Latefossenをはじめとするハダンゲルフィヨルドの絶景ドライブ・ルートについては別旅行記(旅行記2)で改めて紹介したいと思う。ラテフォッセン 滝・河川・湖
-
何処にも寄り道せずにひたすら車を走らせた私たちは、Oddaを出発してから約4時間後の10時10分に目的地であるプレーケストーレンへと到着した…のだが、登山口に近い駐車場はかなり満車に近い状態で、停めることの出来るスペースを探すだけでも20分を要した。(ここの駐車場が満車となると、登山口から離れた(歩いて20分位)の駐車場に誘導されるらしい)
プレーケストーレンの駐車場は有料で、駐車料金は200NOK(約3000円)。
案内係の係員もそれなりの数が配置されている様だったが、無線が壊れていたのか横の連絡が取れていない感じで、あまり駐車場の整備には役立っている様子はなかった。
プレーケストーレンへの登山道にはトイレがないので、歩き始める前のトイレは必須事項。
お手洗いに行き、身支度を整えて10時50分にハイキング道を歩き始める。 -
絶景ポイントとしては観光客に一番人気のプレーケストーレンの景色。
旅の前の情報収集で、ハイキング道は混みあうとは聞いていたのだが、その言葉に嘘はなかった。
さすがに富士山登山の様に数珠なりに歩くわけではなかったが、1本の木道を往路と復路のハイカーが歩くような道では、追い越しなんて絶対に無理の状況だった。 -
プレーケストーレンへの絶景までのハイキング道はそんなに厳しくはないが、それでも何カ所か急勾配の登り坂も有った。
勾配がキツイ石階段では、体力により歩くスピードが異なるので渋滞は一時的に解消される。
だから、追い抜きをするならば急勾配の道を利用するのが一番だ。 -
写真はプレーケストーレンの駐車場に掲示してあったマップで、概略的に見た登山地図。
でも、この地図だけではハイキング・ルートの難易度などの様子はイマイチ分からない。 -
一方、この高低が示されたマップでは道の勾配や難度も分かりやすい。
プレーケストーレンのハイキング道は全長が片道3.8kmの道で、何カ所か登り道もあり、一番急なのが2枚前の岩階段の様だ。 -
一番急登の石階段を登ると、その先は比較的緩やかで、大きな一枚岩の上を歩く様なルートへと変わる。
-
時間は午前11時過ぎで、気温は20℃位。
歩くにはちょうど良い天気で、半袖の上に長袖のシャツを羽織る程度がベストな気候だった。 -
イチオシ
歌を口ずさみながらでも歩ける楽しいハイキング道。
頬をくすぐる風も気持ちいい。
フィヨルドの山野を気持よく歩くのは人間だけではなく、ワンちゃんたちもニコニコしながらハイキングを楽しんでいた。 -
池の周りには大きな岩があり、ハイキング道はそんな岩をも乗り越えて通る道。
岩肌で靴が滑るかと思ったが、スニーカーでも全然平気。
(この日の私たちはトレッキングシューズではなく、スニーカーでハイキング♪)
天気の良い日にプレーケストーレンを歩く程度ならば、わざわざ重く嵩張るトレッキングシューズを旅の荷物に忍ばせる必要はないだろう。 -
歩き始めて50分位で、プレーケストーレン迄残り1kmの標識を発見。
ココまでのハイキング道はそんなにキツイ道ではなく、私たちの所用時間はコースタイムの半分程度だった。
公式ガイドに書いてある片道2時間のハイキングと言う情報は、子供や年配者等も考慮したかなりゆっくり歩いた場合の必要時間なのかもしれない。
此処で少しだけ、ノルウェーのハイキング情報を。
ノルウェーで登山やトレッキングをする時に覚えておきたいのが、この看板にもある赤字のTマーク。
このマークが登山道のマークとして岩にペイントしてあり、登山者やハイカーに道を教えてくれる。
このTマークは登山道でかなりの頻度で登場するので、Tを辿る様に歩いていれば山で道に迷う心配もない。
逆に30分も歩き続けて1回もTマークを見かけないような事態になった時は一大事。
入り組むフィヨルドの山地の中で迷子になったかもしれない…と心配をしなければならない事態だ。
実は私たちもプレーケストーレンの翌日に歩いた霧の中のシェラーグの山で、Tマークを見失ってしまい、本気で焦る経験をした。 -
プレーケストーレンまで残り1kmの看板から先は、ちょっと危険な道。
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リーセフィヨルドから垂直に立ち上がる岩の際を歩く。
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そして、最後の岩のカーブ。
-
そのカーブを曲がると見えてきたのがこの景色。
断崖絶壁の絶景があるプレーケストーレンの展望台だ。 -
駐車場からの歩いた時間は休憩なしで1時間10分。
予定時間の半分程度でノルウェーで一番人気の絶景;Prekestolen(プレーケストーレン)と呼ばれる場所へ到着した。 -
プレーケストーレンでの一番人気の場所は、岩の前端部分の絶叫スポット。
フィヨルドの海面から垂直に立ち上がる岩は600mの高さがあるので、絶叫スポット;岩の先端の三角の部分はそれなりの恐怖感を煽る場所。 -
イチオシ
このお兄さんは、その先端に腰を掛けて記念撮影。
けっこうみんな度胸あるよね。
ねぇお兄さん、その足元の下600mは何もない空間だって、知っているよね!? -
そんなプレーケストーレンの絶叫ポイントを、ちょっと上にある岩から眺めるとこんな感じ。
フィヨルドから垂直に伸びる岩の雰囲気が分かるかな?
確かに、この岩の先端で写真を撮りたくなるその気持ちは、良くわかる。
でも、この絶叫ポイントはそんなに簡単には記念写真を撮ることの出来ない場所で、私が気付いた時には30名以上の人達が列を作って写真撮影の順番待ちをしていた。
写真を撮るのが1人3分として並んでいる人の数が30名だったら90分(1時間半)の待ち時間。
これってちょっと異常な待ち時間だよね。
確かにこの絶叫ポイントならばインスタ映えする写真にはなるとは思うが、何もそこの先端にこだわらなくたって、岩の上には他にも素敵な景色を眺められる場所がいっぱいあると思うのだけど…。 -
イチオシ
プレーケストーレンの岩の上でそんな想いを感じた私たちは列が出来ている岩の先端部分には見切りをつけて、景色の良い場所を探して、あっちこっちをウロウロ。
そんな時見つけたのが、岩の上に腹這いになり、匍匐前進で岩の際まで進むお姉さん。
思わず「怖くない?」と声をかけたら、「ちょっと高さはあるけれど、凄い景色よ。あなたたちもどう?」と誘われてしまった。 -
だから、相棒と私も匍匐前進の仲間入り。
すとんと落ちる岩から眺めるフィヨルド。
600mの高さがどの位かなんて感じる余裕もないほどの恐怖感と、景色の美しさ。
相棒はけっこう身を乗り出して下を眺めていたが、私は頭の半分を岩から突き出して下を覗きこむ感じ。
なかなかのスリル体験だった。 -
プレーケストーレンの岩は英語名では、Pulpit Rockと呼ばれ、その意味は教会の説教台の岩だそうだ。
教会の説教壇ってこんな感じだっただろうか…。
比較的平らな部分が多いプレーケストーレンの岩だが、岩の端には写真のようなクラックがあり、足を引っ掛けて転んだりしたら、600m下のフィヨルドの海面へとまっさかさまだ。
日本だったら、こんな危険な場所は岩全体が金網や木の柵で囲われてしまうのだろうが、海外では安全確保の柵は一切なく、最悪、岩から落ちる事故が発生してもそれは自己責任。
国立公園の管理部門が安全管理の責任を問われることはない。 -
プレーケストーレンの岩の上で絶景探しをしていた時間は10分位。
次から次へと下から観光客が上がって来るので平らな岩の上もだんだん混雑の様相を呈してきた。
時刻はちょうど正午過ぎ。
平らな岩の真ん中に陣取りランチタイムをするハイカーの方たちも…。
(さすがにそれはちょっと邪魔なのだけどね…。大陸系の方々かな…)
私たちもお腹は空いていたが、さすがに100人以上の人達のど真ん中でおにぎりを食べる気にはならず、混雑を避けてプレーケストーレンを見下ろす高台へと登り、ランチタイム。
上から見下ろすとプレーケストーレンの説教壇の岩の様子がよくわかる。
絶叫スポットの写真撮影の列は短くなっているようだが、岩の上の観光客の数は増えてきている。 -
プレーケストーレンの岩から少し登っただけなのだが、リーセフィヨルドの奥まで見える景色。
突き当りにあるLysebodenの村の位置までがうっすらと見える。 -
プレーケストーレンから少し登った岩の上は、喧噪を好まない人達の空間。
ワンちゃんだって、ほら、こんなにお利口さんにしている。 -
イチオシ
そんな岩の上でランチタイムをした後は、ちょっとだけ周りを散策…と歩き回っていたら、岩の端で足を滑らせて、こんな事態に…。
断崖絶壁から転げ落ち、なんとか必死で岩を這いあがってきた。
そんな私に相棒は手を差しのべもせず、私の必死の形相をスマホのカメラで撮影…。
なんて薄情な奴なのだろう…(怒)…。
…というのは冗談で、これはお遊び写真。
しがみついているのがフィヨルドから切り立つ数百mの岩に見えるが、実は私の足元にはしっかりとした岩の足場があり、私は身長よりちょっと低い岩から顔を覗かしている状態。
お隣でランチをしていたスペインから来た二人組に面白い写真が撮れるよ♪と教えてもらったので、彼らと一緒に遊んでみた。 -
オニギリでしっかりと腹ごしらえをした後は、本日のメインの目的地であるプレーケストーレンの山頂を目指すトレッキングへ。
プレーケストーレンの展望台からは山の頂上は見えなく、目の前にそびえるのは大きな岩がゴロゴロとする崖のみ。
ココから先の道は、トレイルを示すTマークも存在しない本当の意味での自己責任の登山となる。 -
決まったトレイル(登山道)はないので、とりあえずは上を目指して歩くのみ。
-
道はないのだが、なんとなく道の様になっているところを歩く。
だから、歩く先が何処に繋がっているのかは神のみぞ知る世界。
この時も、岩をよじ登って出た先は…。 -
お姉さんたちがランチタイムをしていた岩の上。
相棒と私はフィヨルドを背にしながら崖の岩を上っていたのだが、まさか岩の上でお姉さんたちがランチタイムをしているなんて想像をしていなかったので、登り切った岩の上に居たお姉さんたちにびっくり。
サンドイッチを頬張って景色を眺めている二人のお姉さんたちも、いきなり目の前の岩を乗り越えて現れた私達に驚いたことだろう。 -
私たちが目指す頂点は、お姉さんたちの休憩ポイントよりも更に上。
上を目指して、ひたすら岩を登る。 -
たまにはこんな草原の部分もあったが、基本的には岩だらけの山だ。
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お姉さんたちよりも、もう一つ上の岩からフィヨルドを見下ろす。
左中央に見えるのは、30分ほど前まで居たプレーケストーレンの岩。
25m×25m広さのプレーケストーレンの展望台の上に見えるカラフルな点々は全て観光客の姿。 -
前の写真では、どこの事を指しているのか分かりにくいと思うので、一寸拡大。
こうやって上から見ると、フィヨルドに突き出す岩の形がPulpit Rock;説教台と呼ばれる雰囲気も分かるかもしれない。 -
岩肌には水たまりも出来ていて、そこにはワタスゲの白い花が咲いていた。
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プレーケストーレンの山頂まで登ろうなんているモノ好きはそんなに多くはいない。
だから、歩いている人を見つけると嬉しくなってしまう。 -
イチオシ
そして、私が見つけたプレーケストーレンでの絶景が此処。
ワタスゲが咲く岩の上から眺めるリーセフィヨルド。
順番待ちも後ろから急かす視線もない、私だけの秘密のビュー・スポットだ。プレーケストーレン 山・渓谷
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ランチ終了からの歩いた時間は40分。
ようやくプレーケストーレンの山頂部分に到着した。 -
山の反対側、海の向こうに見えるのは遠く離れたスタヴァンゲルの街だ。
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そして、この石積みが山頂のマーク。
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日本の様に三角点ではなく、三角標が山頂のトップの場所を示していた。
この場所の標高がいくつなのかは私も気になったので、三角標の周りにプレートを探したのだが、残念ながら標高を示す表示はどこにもなく、正確な高さは分からずじまい。 -
頑張って登ってきた山頂から眺めるプレーケストーレンの景色。
運動は基本的には得意ではないのだが、トレッキングだけは別。
自分の足でしか行けない場所で眺める極上の景色。
それは、私にとってはどんな宝石、御馳走よりも価値があるものだ。リーセフィヨルド 自然・景勝地
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山頂で暫く景色を堪能した後は下りの時間。
この日は宿を予約してあるスタヴァンゲル迄行かなくてはならなく、あまり遅くなると夕方の道路混雑に巻き込まれてしまう。
初めての外国の街中、それも一方通行が多い都市部のドライブは目的地のホテルを見つけ、正しい車線からアクセスするだけでも重労働。
だから、少しでも早く駐車場へと降りたい私たちはの下山ルートは、かなり急ピッチ。 -
下り道の途中で見つけた2人連れのお兄さんたちはけっこう高い岩の上に登って、そこでフィヨルド・ビューを愉しんでいた。
思わず指を咥えそうに…。
私も、あそこに登りたかった…。 -
下り道では、フィヨルドを右前方に捉えながら歩いて行けば道に迷うことはないはず…と思っていたのだが、そうは問屋が卸してはくれない。
-
私達が下っていった先にあったのは、垂直にフィヨルドへと落ちる一枚岩。
体力のある若者で更にロッククライミングが出来て、ザイル等の用具を一式持ち歩いている旅人ならばこの垂直の壁を降りることも可能かもしれないが、軟弱ハイカーの私には垂直降下なんて絶対にむり。
下って来た道を少し戻って、別方向のアプローチを探す。 -
そして、なんとか岩山を下り、観光客が集まるプレーケストーレンの展望台まで戻ってきた。
-
時刻は14時過ぎ。
お昼の頃の大混雑の様相は少しは落ち着いたようだが、相変わらず人で一杯。 -
岩の上の人ごみもピーク時間帯よりは少しは空いたのかもしれない。
-
駐車場への下りルートを歩き始めてすぐに、後ろから大きな歓声が聞こえてきた。
何事…?と振り返ると、グループで来ていた人達が集まって記念撮影。
おそろいのTシャツだから、スポーツチームのメンバーとかかな。
こういう風景はほほえましくって、良いよね。 -
説教壇での人ごみがましになった分、そこから先の駐車場までの下り道は午前中よりも更に渋滞がひどくなり、人の背中を見ながら歩く感じ。
バス等でアクセスしている旅人の場合は、この渋滞時間も考慮してハイキング時間を考える方が良いと思う。 -
下り道の途中にある池の反対側では、のんびりとティータイムをする御夫婦や、何故か水着姿の美女が…。
時間があるならば、こんなところでお湯を沸かして珈琲タイムも良いよね。 -
私たちの下りの所要時間は1時間20分で、15時半前にはプレーケストーレンの駐車場に戻ることが出来た。
プレーケストーレンの駐車場からスタヴァンゲル迄の行き方には2通りの方法がある。
1つは長距離フェリーを使うラクチン道。
そしてもう一つは短距離フェリーで湾を渡り、一般道を長く走る道だ。
プランニング当初は長距離フェリー(Tau港- Stavanger港)のラクチン道を考えていたのだが、この日の夕方の道路状況を見て、ルート変更。
ラクチン道は誰もが惹かれる道なので、ラクチン道のあるTau港へと繋がる道はかなり早い段階から渋滞を起こしていた。
Tau港からの船は40分に1本しかなく、これだけ渋滞していると乗船できるまでに何時間待たされるのか分からない。 -
で、私たちが選んだのは、Oanes港からLauvvik港へと船で渡り、そこからは陸路をひたすら走るルート。
Google Mapでの所要時間はTau港経由でもOanes港経由でも大した差はないのだが、多分この日は、Tau港経由でスタヴァンゲルへと向かっていたならば予定時間(1時間半)の倍以上の時間がかかっていただろう。 -
そして、到着したスタヴァンゲルの港町で、私が3日間の宿に選んだのはノルウェーで人気上昇中のトーンホテル・スタヴァンゲル。
人気の秘密は、立地がよく、ノルウェーでは珍しい夕食付のホテルなのに、1泊2食で1人8000円と激安だから。
そんなお勧めホテルの紹介はまた別の旅行記で…。
【前の旅行記】
〈3〉惑星ホスの氷河を歩こう♪
http://4travel.jp/travelogue/11266693
【続きの旅行記】
〈5〉宙に浮かぶ奇跡の岩:シェラーグボルテン
https://4travel.jp/travelogue/11377215 -
イチオシ
≪ノルウェー個人旅に役立つ情報-1≫
【Hardanger Fjord】
・アイフィヨルドのお奨めホテル(キャビンタイプ)
Eidfjord Gjestgiveri:
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/the_other_spots_of_norway/tips/12746603/
・トロルの舌 ハイキング
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/hardangerfjord/kankospot/10552252/tips/12739730/
・ヴォーリング滝トレッキング
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/hardangerfjord/kankospot/10474698/tips/12746598/
・スタインダール滝(Steinsdalsfossen)
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/the_other_spots_of_norway/tips/12747850/
・トロルの舌へのアクセスが良いホテル:Hardanger Hotel
http://4travel.jp/os_hotel_tips_each-12762887.html
・氷河ウォーク Folgefonni Breforarlag
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/hardangerfjord/tips/12762699/
・ハダンゲルフィヨルド ハイキング
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/hardangerfjord/kankospot/10515835/tips/12803921/
【Lyse Fjord】
・プレーケストーレン
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/stavanger/kankospot/10416624/tips/12801772/
【ドライブ】
・Wi-Fiを用いたナビゲーション
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/hardangerfjord/tips/12803899/
・Auto Pass有料道路自動料金徴収システム
http://4travel.jp/overseas/area/europe/norway/bergen/transport/10268162/tips/12803941/
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この旅行記へのコメント (2)
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- ねもさん 2017/09/29 14:22:38
- 初めまして
- ウェンディさん
晴天のプレーケストーレン、最高でしたね。しかも、さらに上まで登ったなんて、ウェンディさんは凄い!
わが家は、2002年夏に登りました。このときの北欧は、わが家には事実上、初海外だったのですが、やはりお天気に恵まれて、今も忘れられないシーンです。
画像からみると、15年前と違い、かなりの混雑ですね。人気上昇中なのでしょうか!?
私のときも、ウェンディさんのようにさらに上へという人はいましたが、説教台がさほど混んでなくて十分満足したのと、小3の息子も一緒だったので見送りました。「次」があれば、さらに絶景を観てみたいです。
また訪問させてください。
- ウェンディさん からの返信 2017/09/30 10:38:54
- RE: 初めまして
- ねもさん 初めまして。
ノルウェー旅行記を読んでいただいてありがとうございます。
プレーケストーレンは、有名なだけに混んでいるだろうな…とは予想はしていましたが、此処は富士山か?と言うような混み具合で、人を見に行ったのか景色を楽しみに行ったのか…という感じでした。
特に一番のフォトスポットは写真を撮るための長蛇の列。
やはり、SNSの発達が影響しているのでしょうね。
でも、説教台や山頂から見るリーセフィヨルドの景色は、最高の美しさ。
空の青色とは異なる神秘のフィヨルドカラーは目に焼き付きました。
ねもさんがノルウェーに行かれた時はお子さんが小学校3年生だったとのこと。
きっと彼にとっても素敵な夏の思い出になったのでしょうね。
説教壇から上のルートは道が決まっていない分、足を滑らせたら下に落ちて骨折をしかねないルートも有ったので、小学校中学年位までのお子さんはNGかもしれません。
先へと進まなかったのは賢明な判断だと思います。
ノルウェーの旅行記は、この後、恐怖の丸玉。岩板に挟まり、フィヨルドに浮かぶ岩シェラーグボルデン登山編へと続きますが、彼方此方の旅行記をつまみ書きしているので、シェラーグ編をいつ書くかはまだ未定ですが、お時間のある時にでも眺めていただけたら嬉しいです。
ウェンディ
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