ニンビンのヴァンロン自然保護区。舟遊び。崖にホワイトトランクスの猿がいた。。。

2017/02/24 - 2017/02/24

ニンビンは、富士山に遅れること1年、世界遺産に登録された。

ホアルー、タムコック、チャンアン、バイディン寺などがハノイからのツアーで組まれている。
が、そのほかにも美しい場所がいっぱいある。

今回は、ヴァンロン自然保護区　Vân Long　にツーリングで出かけた。

ニンビンの自宅から、1時間弱のツーリング。

ヴァンロンはニンビンの街中からアジアハイウェイAH1をハノイ方面に北上する。
そして、ハナム省に入る手前で、西に入る。

ーーーーーーーーーーー

ヴァンロン自然保護区
https://maps.app.goo.gl/g5gX1UM2AHWxsdx76

エリア ニンビン(ベトナム)

ヴァンロンの存在を知ったのは、鉄道ニンビン駅前の、Viet Nhat Hotel一階にある小さな旅行代理店だ。

ハノイ行きのバスの予約でたまたま入ったのだが、
ニンビンのいろいろな超ローカルツアーを組んでいてびっくりした。

美しい写真がいっぱいあった。

ニンビンは奥さんの故郷。
私もそれなりにいっぱい巡ったが、まだまだ美しいところがいっぱいあるようで、わくわくした。

デスクで対応してくれた女性は、とても気さくで、とっても英語がうまい。私は少しだけベトナム語が喋ることもあり、とても親切にしてくれた。

　あなた日本人よね。ちょっと待って、

と言って、取り出してきてくれて、頂いたのが、この小冊子である。

えっつ！　そんなものがあるの！？　全く知らなかった。。。
（青年海外協力隊の協力で作られたものだそうで、とっても素晴らしいつくりでした。）（その後気が付いたのですが、ニンビン駅のVIP待合室（と言っても誰でも入れます）にこの冊子がいっぱいありました。もうなくなっているかもしれません。）

さて、その場では読まなかったのだが、
飾っている写真の中で、美しいヴァンロン写真が気になった。

　えっ。行きたい？アレンジできるよ。
と言われたが、

　あはは、私、バイクで自分で行ってみるよ。

　ははは、そうよねぇ。

と言うわけで、次の日、ツーリングに出かけた。

アジアハイウェイAH1からヴァンロン方向にバイクを進めると、自然いっぱいのローカルロード。

グーグル地図は使用せず、
駅前の旅行代理店で、別にもらっていたかんたんな観光地図を頼りに、バイクを走らせた。

そして、ヴァンロンの駐車場にたどり着いた。

何台かミニバスが止まっていた。
お客さんはベトナム人ばかり。

でも、不思議なことに、その後のクルーズではほかのボートをほとんど見かけなかった。

中央右下、バスの先の建物が、チケット売り場です。

英語は通じません。
下手なベトナム語を試すしかありません。。。

　　Cho tôi một vé.
　　cho（下さい） tôi（私） một（１） vé（チケット、切符）
　　チョー　トイ　モッ　ヴェー
　　チケット一枚下さい。

ああ、通じました。
たしか５００００ドン程度。

すると、男が近づいてきた。
そして、あっちあっちと案内してくれます。

が、危ない危ない。
　　
　　あんた、誰？

チケット売り場の隣のお土産屋さんの男でした。

　　帰りに何か買てって

とのことでした。。。


前に見えている大きな建物は、きっとホテルにでもなるのでしょうか。。。
まだまだ、開発中の観光地です。

　　

駐車場を出て、右に歩くとすぐに桟橋がありました。

観光客は、ほぼ全くいませんでした。

なんとなくたむろしている人たちが数人。。。

みんな、何してるのか？？？

川がありました。

そしていっぱいボートが並んでいました。

チャンアンやタムコック、あるいは、香寺(Chua Huong)では鉄のボートだったのですが、ヴァンロンでは昔ながらの木造舟でした。

とっても景観に合っています。

お客さんはほとんどいません。

いや、後から考えるとたむろしていた人たちが、地元ベトナム人の観光客だったのかもしれません。。。

川です。

右方向が東で、舟の進行方向です。


ニコニコのおばちゃんが舟で待っていてくれました。

チャンアン、タムコック、香寺。
どこでも漕ぎ手はおばちゃんです。

おばちゃん、お願いします。

左手（北）が山々。
右手（南）は土手。

しばらく舟は、東に川を進みます。

目の前にベトナム人観光客乗3人を乗せた舟が一艘だけ。

後ろには後続の舟はありませんでした。

自然の中に数人だけの、ゆったりクルーズです。


舟は、山に続く支流に入っていくようでした。

目の前に山が迫ってきました。


おばちゃんは私が少しだけベトナム語を話すのに気が付いて、
どんどんしゃべりかけてきます。

が、私は聞き取りがほとんどできません。。。

ですが、見たことのない飛んでいる鳥の名前を聞くと、教えてくれました。

望遠レンズを持っていなかったので鳥の姿は撮れず。
鳥の名前も忘れてしまいました。

　　
　

ますます山に分け入り、支流をどんどん進んでいきます。

左右は山です！
近いです！

おっと、鍾乳洞の穴が見えてきました。

前を進む舟は、鍾乳洞に吸い込まれていきました。

私たちの舟もそれに続きました。

洞窟に入ったら、頭上注意です。

チャンアン、タムコックと同じです。

天井の岩、あるいは、鍾乳石が頭すれすれのところがいっぱいあります。

注意。
ベトナム語では、Chú ý　です。

日本語で、ちゅうい、と言ってもベトナム人には全く通じません。
でもベトナム人が、Chú ýと言えば、日本人は、
んん？Chú ý？ => chu i => cyuui => ちゅうい => 注意？
えっ？注意？
と感のいい人は分かります。

日本語、ベトナム語、韓国語。漢語の言葉がいっぱいあります。
発音、イントネーションはそれぞれ違いますが、
日本語、ベトナム語、韓国語、中国語。
注意は、注意です。(中国人、韓国人にも確認済みです。)

おばちゃんは、頭に注意ねとジェスチャーで注意してくれて、うまい具合に頭がぶつからないように舟を進めてくれますが、
Chú ý　と注意してくれるほうがよっぽどいいのになぁ。
そんなこと、船頭のおばちゃんは知りません。

　　Chú ý

と言って、頭上に迫る岩をよけると、おばちゃんは大笑いでした。



　

鍾乳洞の出口です。

いや、そこを抜けるとどんな景色が広ろがっているのかって、わくわくしますね。

そこを抜けると、

３６０度、山に囲まれたところでした。。。

さて、帰りです。

おっ。

前方にアヒルの群れです。

アヒル。

ベトナム語では、V?t　ヴィ。

ベトナムでは、鶏と同じぐらい食べらています。
にわとりより、ちょっと肉が黄色く、硬いです。

有精卵のゆで卵は、ベトナム人の大好物ですね。

アヒルの群れは、私たちの舟に驚いて、Uターンしました。

アヒルたちは何を血迷ったのか、私たちの舟の進行方向をふさぐように必死で逃げていきます。。。。。

いや、別に摑まえる気もないし、食べる気もないのですが。。。。。

アヒルたちは右か左に逃げればいいのに、しばらく必死に舟を先導してくれました。

私もおばちゃんも大笑いでした。

さて、おばちゃんが、突然なにか叫びました。

んん？

　Con kh? !　コンキー！

そして、前の舟とは、別の水路に入っていきました。

　えっつ！　 kh? キー。。。えっ　猿？？？

おばちゃんは、目の前の山の岩場を指さしていますが、全く分かりません。
私の視力は裸眼で１．５なのですが、全くどこか分かりません。

幸い、単眼鏡(x6)を持っていました。
珍しい鳥がいたら使おう思っていたのですが、まさかの猿？？？

単眼鏡をのぞいて、

　? đâu?　オダウ　どこ？

と叫んで、おばちゃんが示す方向、角度を確認して探すと、
しばらくして、なんとかやっと見つけました。

崖の岩場に、奇妙な猿が３匹。
黒で手足が長く、尾っぽも長い。
でも,　尻部だけ白い。。。
白いトランクスを履いたようだった。
奇妙な。。。

なんだ、こいつは？？？　珍しい。初めて見た。

岩場の草か、木の葉っぱをハムハムと食事中のようでした。


持っていたカメラは、一眼レフ。
でもその時つけていたのは、３５ｍｍフィルム換算で２２－４４ｍｍ。
超広角ー広角レンズでした。。。

いや。大自然を広角で取る予定で、猿は全くの想定外。

４４ｍｍで撮ってみましたが、遠すぎます。

この写真を拡大すると、白い点がみっつ写っているように見えます。
ホワイトトランクス猿の白のトランクスかなぁ。。。


それにしても、おばちゃんの視力はいくつなのだ？？？
３、４、５　？？？

おばちゃん凄いです！

ーーーーーーーーーーーーーー

ホワイトトランクスの猿
https://www.google.com/search?q=Delacour+langur&client=tablet-unknown&prmd=nimv&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiqx5fJt-PjAhXZAYgKHXU9DKsQ_AUIGCgC&biw=962&bih=601

しばらく猿を観察して、もとの水路にもどったが、

私の眼は、ゆったりと通り過ぎる山の断崖に釘付けだ。

もっといるかもしれない。
もっと近くで見たい。


すると、おばちゃんは、

　A！ Con kh? !　コンキー！　あっ、猿！

と、また見つけてくれた。

こちらも、ちょっと目が肥えてきた。　
というか、何か動く白いもの（猿のトランクス）を見つければいいだけだ。

あっ、いた。
今度は、すぐに見つけれた。

今度の群れは、５匹ほど。
やはり、お食事中のようだった。

でも、手持ちのレンズで彼らを捉えるのは無理無理。。。

単眼鏡で観察するだけ。

おばちゃんは舟をゆっくりと漕いでくれる。

　ありがとう。おばちゃん。

そして、また別の３匹ほどの群れを、別の岩場に発見した。

こんな断崖絶壁です。

たぶんどこかに写っているはずですが、拡大してもどこか分かりませんでした。。。

思いがけず、猿に出会いました。

それもホワイトトランクスを履いた奇妙な猿。

いや、大満足でした。

名残惜しいけれど、舟は出発した桟橋に戻っていきます。

　Rất cám ơn chị.おばちゃん、どうもありがとう。
　Tôi rất vui xem con khỉ. 猿を見てうれしかった。

そして、チップ５００００ドン。
まあ、ベトナム人でも払う相場です。

おばちゃん。お疲れ様。ありがとう。　

おばちゃんは、ニコニコして去って行きました。

いや、本当にありがとう！

その後、次の目的地をクックフォン国立公園に定めた。

前から気になっていたが、ちょと遠くて敬遠していた。
が、今日は行ってみよう。

まったく、行き当たりばったりツーリングの旅。


途中に通りがかった街のレストランで食事。

茹で豚と、豆腐とトマトとネギの炒め物。
そして、ビール！

その後、田園地帯を、バイクで駆け抜けました。

畑のすぐ先には、山が広がっている。

風景を眺めながら、バイクとろとろ低速走行です。

こんな四辻に出ると困ってしまいますね。

真っすぐ？　右？　左？
でも、グーグル地図で確認できます。
便利な時代になりました。

無事、クックフォン国立公園にたどり着きました。

が、その広大さにびっくり。
とても回りきれるものではありません。

もう午後３時を回ってました。。。

チケット売り場では英語が通じました。

なにやら猿園があるそうで、そこは別料金とのこと。

今朝、猿をみたばかり。
今日は猿だけ見ようと、チケットを購入した。

ーーーーーーーーーー

クックフォン国立公園
https://maps.app.goo.gl/sAGjiyeaCG8gqwV67

案内がついてくれます。

少し英語が話せました。

猿園は、公園入口から歩いて５分ほど。

管理区域で、日本の動物園のように勝手に回れません。
係官の後ろをついて回ります。
でも、たいした説明もなく、というか、説明ができるほど英語は話せないようでした。。。。

いろんな猿たちがいました。

こんな猿さんもいました。

でも、全く説明なし。

せめて、名前ぐらい教えてくれてもいいのに。。。

どの猿もちらっと見て、ちょっと写真を撮るだけでした。
望遠レンズほしい。。。

あっ、いました。
ホワイトトランクス猿がいました。

　朝見たよ！
と言うと。

　ああ、ヴァンロンに行ったの？
と。
　何匹ぐらい見た？

　ぜんぶで１０匹ぐらいかなぁ。

係員は、うんうんとうなずいていました。


さて、この猿ですが、
　ニンビン駅近くの旅行代理店でもらった日本語のニンビンガイドブックによると、
　名前は、ヴォック　Vo?c
　通称、白いパンツをはいた猿。
と書かれていた。
はい。私が名付けた通り、ホワイトトランクス猿でした。
絶滅危惧種に指定されているとのこと。

　英語では、デラクールラングール　Delacour’s langur　
　
さらに調べてみると、あるWebのページによれば、
ベトナム語では、Vo?c qu?n đùi tr?ng　または　vo?c mông tr?ng
だそうです。

さらに、

Vo?c qu?n đùi tr?ng hay vo?c mông tr?ng (danh pháp khoa h?c: Trachypithecus delacouri), loài linh tr??ng c? l?n thu?c h? Kh? C?u th? gi?i (Cercopithecidae), b? Linh tr??ng (Primates), đ?c h?u c?a Vi?t Nam. T?i Vi?t Nam, là loài đ?c h?u quý hi?m, có tên trong "Sách Đ?" c?a Vi?t Nam và th? gi?i; c?n đ??c b?o v?.

だそうです。。。（いや、今翻訳する気になれず、まだ、読んでいません。。。）

いやいや、とにかく、絶滅危惧種の貴重な猿を偶然見てしまったようです。。。

行き当たりばたり旅はこれだから面白い。

さて、クックフォン国立公園ですが、
実に広大でした。

公園の案内板を見てみると、

えっ？？？

例えば１２番、何があるのかよく分かりませんでしたが、
　車で２０ｋｍ、そしてさらに徒歩１６ｋｍ

冗談でしょう！？

しかし、この写真の数々をを見て下さい。

実に面白そうじゃないですか。
自然好きには、たまりません。

　　そのうち、いつかまた来ます。

そして、１７時頃、暗くなる前に、再びバイクにまたがり、ニンビンの自宅へと家路についたのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

クックフオン国立公園にリベンジツーリング
https://4travel.jp/travelogue/11286169