2016/07/07 - 2016/07/12
10位(同エリア527件中)
ウェンディさん
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72歳の母と歩く礼文島と利尻島。
利尻島では無理を承知で、利尻富士のトレッキング(登山)に挑戦をしてきました。
3月下旬のプランニング時に母から「利尻山に登りたい」という言葉を聞いた時、私の頭をよぎった最初の言葉は「死」という単語でした。
利尻山は特殊な登山技術を必要とするような難しい山ではありませんが、海抜0m付近から山頂の1719m迄をひたすら歩く10時間以上の体力を必要とする山で、母の年代での登山者は圧倒的に少ない山です。
もっと平たく言うならば、母の年代で挑戦するにはかなり無謀・無茶な山で、山中でのアクシデントで命を失う可能性もあると思いました。
でも、母が利尻山に登りたいと願うならばその望みは叶えてやりたい…とも思いました。
しかし72歳という微妙な年齢を考えると、登山道の途中で母の身に何かが起きてしまう可能性も捨てきれません。
休憩ポイントもその難易度も何もかも未知の初めての山で、私がひとりで母を引率する自信は無く、どうしたものかと悩みました。
そこで私がとった手段は、利尻島に本拠地を置くネイチャーガイドとのコンタクト。
母の年齢を正直に申告し、72歳の母が利尻山に登りたいと思っていること、母の体調や登山履歴などをお話しました。
しかしながら、私の中ではどんな返事が返って来るかはある程度予想が出来ていて「そんな年寄りには利尻山の登山は無理!」と云われるとばかり思っていました。
ところが帰ってきた返信は、思いもよらぬモノでした。
…70代の利尻登山も決して稀ではなく、毎年何人かはガイド登山で登っている。
それに、利尻山の楽しみ方は登るだけではなく、山肌に咲くお花畑。
標高が少し変わるだけで花の種類が変わり、そんな花を楽しむのも登山の醍醐味。
そして、ガイドは利尻山を熟知しているので、無理と判断したらそれ以上先へは進ませない…。
これは、かなり明るい光!
私一人では無理でもガイド・トレッキングならば、休憩ポイントやペース配分なども体力に合わせ判断してもらえるので、72歳の母の体力でもなんとかなるかもしれません。
登ると決心したら、もう後戻りはせずに体力づくりの日々への突入。
利尻山登山の日まで3か月ほどしかありませんでしたが、登山で怪我をしない為にも必要なのは足の筋肉づくり。
日頃、運動や基礎トレなんかは大嫌いの私ですが、今回ばかりは筋力を上げておかないと逆に私が母の足を引っ張ることになりかねません。
300km離れた土地の西と東に住む母と私は、利尻山登頂を目標に日々スクワットでの筋力向上に励みました。
そして、7/11。
利尻山登山の朝を迎えました。
☆★2016 歩く礼文・登る利尻 72才の挑戦♪トレッキング旅 旅行記☆★
□7/7 成田−札幌
http://4travel.jp/travelogue/11159014
□7/8 札幌−稚内−礼文
□7/9 礼文 岬めぐりトレッキング
http://4travel.jp/travelogue/11149482
■7/10 礼文 知床・桃岩・瑪瑙海岸・礼文林道トレッキング
http://4travel.jp/travelogue/11151687
■7/11 利尻山 登山
http://4travel.jp/travelogue/11154456
http://4travel.jp/travelogue/11155369
□7/12 利尻−札幌−成田
http://4travel.jp/travelogue/11167386
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 船 ANAグループ JRローカル 私鉄 徒歩 バニラエア
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
礼文島で丸2日間のトレッキング。
礼文.利尻旅のプランニング当初は礼文島では8時間コースと桃岩コースを歩こうと考えていたのだが、最終的に歩いたのは1日目に岬めぐりコース。そして2日目には知床−桃岩コースに更に欲張ってメノウ浜と礼文林道の礼文薄雪草コースつけてみた。
礼文での天気は快晴とは行かなかったが、夢の世界の様な霧原の草原を歩き、露が輝く高山植物の多くに出会う事が出来た。
そして、雨が降っていなければ出会う事のなかったであろう方々との出会い。
船泊のカフェのマスターやスカイ岬の食堂のご夫婦の方々には本当にお世話になった。
また、宿泊した民宿はまなすでも、ホスピタリティ溢れるもてなしで島の方の温かさを満喫した2日間だった。
そんな礼文島ともお別れの時がやってきた。 -
16:25の利尻島へと向かう最終フェリーへ乗り込む。
やってきたフォリーは2日前に稚内から乗ってきた船と同じボレアース宗谷だ。
香深港フェリーターミナル 乗り物
-
礼文島へとやって来るときは満員御礼で、2等船室で横になる場所を見つける事すら大変だったのだが、夕方の利尻へと向かう船はガラガラ。
多分、この日の最終便の乗客数は20名もいなかったのだと思う。
2日前はあわや欠航かも…という大波だった海もこの日は穏やか。
45分の船旅で、あっという間に利尻島の鴛泊(オシドマリ)港に到着した。 -
港にはこの日から2泊をお世話になる民宿【花りしり】さんのお迎えが来ていて、早速車で5分の民宿へとご案内。
民宿【花りしり】は民宿としては珍しい全室洋室のお部屋で、お風呂や洗面所も室内にあるので、山登りに行く際には早朝に廊下をバタバタ動かなくても良いところがポイントのお宿だ。 -
民宿に着いたら、早速チェックインをしてお部屋でくつろぎたかった…のだが、母と私にはそうはいかない事情があった。
それは、打ち合わせ。
明日はこの旅一番のメインイベントである利尻山登頂の日。
72歳の母を連れての登山なので、安全の為、今回はトレッキングガイドさんを予め手配しておいた。
そのガイドさんとの打ち合わせがあるのだ。
(民宿 花りしり:1泊2食で10800円/人(2名1室))利尻山荘 花りしり<利尻島> 宿・ホテル
-
そして、ガイドさんとの打ち合わせの後は買い物へ。
民宿から歩いて5分の場所にあるセイコー・マートに明日の登山用の昼食とイオン飲料を調達に行く。
島のコンビニだから、売り切れはないだろう…と思っていたのだが、こればかりは考えが甘く、店内に入った時のオニギリの棚は残り5個だけ。
私が4個のオニギリを買い、後ろにいたお兄さんが1個を買い、あっという間に棚の中のオニギリは売り切れてしまった。
登山の前日の食糧調達の場合は、もう少し早めに来なければいけなかったのかもしれない。セイコーマート 利尻店 スーパー・コンビニ・量販店
-
コンビニでの買い出しも終わり、部屋に落ち着いたと思ったら、あっという間に夕食に時間。
実は、民宿【花りしり】の夕食は、ウニが盛りだくさんで、さらに海産物も沢山という事で口コミ人気が高い。
だから、夕食には期待していた。
そして夕食の中身は噂と違わず豪華版。
ムラサキウニ、バフンウニ、ウニ茶碗蒸し…とウニ尽くしの内容だった。 -
イチオシ
他にも海の幸のお料理がたくさんで、さすがの大食いの私でも完食は難しいほどのボリューム。
でも、ウニは残さず美味しくいただいた。
-
そして、翌朝の7/11。
朝3時には起きて、登山の準備をする。
朝食は宿では食べられないので、前の晩のうちにオニギリに変えてもらい、早朝に受け取り、朝4時にガイドさんと共に登山口へと向かう。
現在、利尻山の登山には2つの登山道があるが、今回の登山は鴛泊コースを使う。
もうひとつの沓形コースは歩く距離は短いが、登山道が荒れていて一般的ではない。
鴛泊コースの登山口は標高220mの北麓野営場(キャンプ場)。
北麓野営場にはトイレ、水道も有るので、此処でキャンプを張り利子の自然を満喫することも可能だ。
ただ、キャンプの場合は注意点が一つ。
キャンプ場の周りには食料品を扱う商店はない。
多分、一番近い食料品店は昨晩に私が買い出しに出かけたコンビニのセイコー・マートだろう。
車やバイクなどの動力が無いとキャンプ生活は難しいかもしれない。 -
キャンプ場のトイレで出発前に水分を絞り出した後は、荷物の再確認をして歩き出す。
利尻山の登山にはいくつかルールがあり、その一つ目がこの水階段だ。
この水階段は山へと登るヒトは必ず通らなければならない処。
利尻山の高山植物を外来種から守るゲートの役割をしている。
登山靴の底には、日本各地の植物の種や何かの卵が付着している可能性がある。
それを水で洗い流してから歩き出すのだ。 -
歩き始めの道は、しばらくはウッドチップで固められた平らな道。
10分ほど歩くと第一目的地の3合目の甘露泉水(標高270m)と呼ばれる利尻で一番おいしい湧水がでる水場へ到着する。 -
甘露泉水で持参した空のペットボトルに水を詰めて登山のお供にする。
この水は利尻山に降った雨水が30年という長い期間をかけて地層でろ過され、地表へと湧いてきた水で、ミネラルもたっぷり。
実は、利尻島のウニや昆布が美味しいと云われている理由がもしかするとこの甘露泉水が理由かもしれない…という説もある。
ウニが生息するのは利尻島の海岸線の直ぐ近くで、そこは利尻昆布の生息域でもある場所。
昆布はミネラルが豊富な甘露泉水が混じる海水の中で育ち、ウニたちはその昆布を食べて大きくなる。
水が良質ならば、その水で育つ海産物も美味しくなる…のは当然と云えば当然だ。
甘露泉水の水は冷たくまろやかで美味しい。
そして、甘露泉水の水はReshiria(リシリア)の名前で市販もされているが、その値段はべらぼうに高く2L2本セットで1000円近い価格だ。
幾らミネラル豊富の離島の水だと言っても高すぎる気もする…。 -
甘露泉水を過ぎると道は途端に山道らしくなるが、そんなに急勾配ではなく、足慣らし的な感じだ。
甘露泉水から4合目(標高390m)までは約40分の歩き。
高山植物は道端に多くあるが、このあたりはもうお花は終わってしまったらしく、ほとんどの植物が実をつけていた。
写真(左)がクルマバツクバネソウ(車葉衝羽草)で写真(右)マイヅルソウ(舞鶴草)。
クルマバツクバネソウの実の部分は、羽子板の羽根みたいだ。
甘露泉水から5合目くらいまでの植物で、注意をしなければならないのはツタウルシ。
ツタウルシは、登山道の両側にびっしりと生えている。
漆(ウルシ)なので触ればかぶれを引き起こすので、5合目までは珍しい植物を見つけてもむやみにかがみこんで顔を近づけない方がいい。
気が付いたら顔が痒くなり、膨れてきた…なんてこともありうる。
4合目で朝食休憩(10分)をしたら5合目に向けて歩き出す。 -
4合目から5合目は森林限界の道。
利尻山の木々は雪の重みでどの樹木も横へと幹が倒れ、登山道に覆い被さっている。
頭を木にぶつけないように歩く。
5合目(標高610m)までは約50分。
のんびりとしたペースで歩く。
この日は、72歳の母を連れての登山で、ガイドさんも母と私二人に専属でついてもらった。
母が疲れないようなペースで引率してもらったのだが、その歩く速度は私の想像以上にスローペース。
本当にゆっくりなので、殆ど疲れない。
500g以上の質量がある一眼カメラをぶらさげ、草木を見て写真を撮る余裕も十分にある。
でも、それでもやはり母にとっては若干早かったようだ。
各コースタイムよりも+5分、+10分と道の傾斜が強くなるにつれ、時間がかかるようになった。 -
5合目から6合目までは約30分。
6合目(標高760m)に近づくと森林限界を完全に突破し、周りには背の高い木々は無くなる。 -
そして、6合目はちょっとした休憩ポイントで第一見晴らし台となっている。
此処で、エネルギーチャージのアミノ酸ドリンクを摂取する。
これから午後にかけて天気は回復傾向とのこと。
上に登れば登る程、天候が良くなるなんて、なんてラッキーな登山日和なのだろう。 -
6合目付近になると高山植物にも花がついている。
写真はヨツバヒヨドリ(四葉鵯)だ。 -
ノコギリソウの花も咲いていた。
昨日まで居た礼文でもノコギリソウの花は咲いていたが、礼文の花は写真右下のピンクの花で、花の名前はキタノコギリソウ。
でも、利尻に咲くノコギリソウは種類が異なるシュムシュノコギリソウ(占守鋸草)だ。
礼文のノコギリソウと比べても利尻のシュムシュノコギリソウは花弁の開き方が大きい。 -
6合目の第一見晴らし台は、その名の通り見晴らしの良い広い展望台。
眼下の雲の合間には優美な曲線を描く利尻岳の麓の光景が見える。
下に見える小高い丘はポン山で、ポン山の麓に今朝がた水を汲んできた甘露泉水の湧水がある。
北麓野営場から此処6合目までの標高差は、540m。
6合目に到着したのが朝7時位だったので、朝4時半に北野野営場を出発して6合目までの所要時間は、休憩を含めて2時間半。
コースタイムでは120分なので30分位オーバー気味だ。
海を眺めながら耳を澄ますと、港の放送の音が聞こえてきた。
利尻島では漁師さんが所属する漁港ごとに昆布、ウニ漁の日時が決められていて、漁師さん達は放送が始まる前に海へと出て、開始放送と同時に漁を始め、終了放送と共に漁を止める。
どうやらこの日はウニ漁の日だったようだ。ポン山 自然・景勝地
-
6合目から7合目へは、しばらくはお日様の下を歩く。
気温は高くはなく、長袖を着て歩いていても暑さを感じず、時折流れてくる霧やそよぐ風が心地よい。 -
登山道の脇には、イワギキョウ(岩桔梗)の花が咲いていた。
ここで、この日の登山への持物を紹介♪
・防寒着(フリース)と防水性のある雨具
・携帯トイレ3個(トイレはないので、尿や便は自分で麓まで持ち帰る)
・行動食(朝食+昼食+エネルギー補給の出来るもの)
・軍手
・帽子
・水分を2L以上
水分はイオン飲料500mL×2本、甘露泉水を詰めたペットボトル500mL×2本
・トレッキングポールのゴムキャップ(利尻島ルールで必ず着用)
・日焼け止めクリーム
・財布
・スマホ -
上記の持物の中で日焼け止めより上に記してある物品は、前日夕方の打ち合わせ時にガイド氏より絶対に持って行かなければいけないモノと指定された物品だ。
ひとり2Lの水分というとかなり多い様にも思えるが、利尻山は水場の無い山で、少しでも気温が上がると水分の摂取量はあっという間に増え、2Lでも足りないかもしれないとのこと。
いつもは山に登っても日帰りならば自分用に1L程度しか持たないが、今回はその倍の2L。
2Lの水が肩にかける負担はかなり大きい。
だから、今回の登山のリュックの中は、指定された物+財布+スマホ+日焼け止めだけ。
母にも余計な化粧品などは一切持たない様にと伝えていた。
それでも母のリュックはパンパンだった。 -
6合目を歩き出して30分ほどして、もうすぐ7合目という頃。
後ろを振り返ると、島の裾野を覆っていた雲が少なくなり、フェリーで昨日到着した鴛泊港が見えてきた。 -
そして7合目(標高895m)に到着。
此処からが利尻山登山の中での一番の難所である胸突き八丁と言われる登山道となる。
道はジグザグとなり、その勾配も一気に急になり次の8号目までの約320mの高低差を一気に登る道だ。 -
道はハードにはなるが、その分、お楽しみも沢山。
登山道わきの高山植物の花の数もぐっと増える。
このネギ坊主的な花はギョウジャニンニク(行者大蒜)。
非常に栄養価が高く、若葉のころは炒め物にすると、それは良い香りがするとのこと。
でも、その臭いはかなりきつく、ニンニクよりも更に強烈に残るらしい。 -
ハイオトギリ(這弟切)も咲いていた。
ハイオトギリは漢字で書くと【這弟切】。
【弟を(が)、切る…】名前を見るだけで、何か曰くがある花なのでは…と思ってしまうが、その通り。
お兄さんが弟を切り殺してしまったという平安時代の伝説から名前が付いた花だ。
…昔々、今から1000年程前に一人の鷹匠がいました。
その鷹匠にはある秘密があり、誰もがその秘密を知りたいと思っていました。
鷹匠の秘密とは、秘密の薬。
その秘密の薬を傷ついた鷹に塗れば、鷹の傷はたちどころに治ってしまったそうです。
ところがある日、鷹匠の弟は軽率にも兄の秘密の薬の元となる薬草の事を他人に話をしてしまいました。
怒った鷹匠は、弟に切りかかり殺してしまいました。
その時に飛び散った弟の血。
それが庭に咲いていた秘密の薬の原料であった黄色い花へと飛び散り、その後、その花の子孫たちは、花びらに乾いた血の様な黒いシミがつくようになりました。
それ以来、その花の名前は【弟切(おとぎり)草】と呼ばれる様になったと云う事です… -
8合目までの中間点である第二見晴らし台(標高1120m)まで来ると、先程6合目の少し上で咲いていたイワギキョウの群生があった。
でも、此処のイワギキョウはまだ蕾が多く、咲いているものが少ない。
ガイド氏によれば、この暖かさならばこの日の帰路には蕾が開いているかもしれないとのこと。
下り道のお楽しみが増えた。 -
第二見晴らし台まで来ると山肌にも残雪が残っているのがハッキリと分かる。
第二見晴らし台で少しだけ休憩。 -
この辺りに来ると、ゴゼンタチバナ(御前橘)の花の群生が目につくようになる。
ゴゼンタチバナは葉が4枚・6枚の2パターンがあり、花が咲くのは6枚葉だけだそうだ。
そして、ゴゼンタチバナの花は白い花のように思ってしまうが、実はこの白い部分は花びらではなく苞。
真ん中の黒い集合体が花の本体となる。 -
イチオシ
ピンクの鈴の様なちいさな花はコケモモ(苔桃)。
実は私はコケモモの樹をコケモモとして認識したのはこの時が初めて。
以前に山に行った時に、可愛いベル型の花があるなぁ〜と思ったことはあったが、コレがコケモモだったとは知らなかった。
花をよく見ると、とってもオシャレな色合いだ。 -
そして、長かった胸突き八丁のハードな登りも8合目の長官山(標高1218m)でひと段落。
ちょっとほっとする。
実はこの胸突き八丁の道は母には大分応えたようで、それまでは花を見つける度に私に写真を撮って♪のリクエストがあったのだが、その言葉すら口から出ないくらいの状況だった。
7合目から8合目までにかかった時間は80分。
やはりコースタイムを20分オーバーしてしまった。
この長官山は、遠く下をぐるっと見渡たせ、更に利尻山の山頂まで見えてしまう絶景ポイントなので、此処で少しだけ小休止。 -
長官山から見下ろすと、向かい側に島が見えた。
おぉ!アレは昨日まで歩いていた礼文島♪
この日の利尻山は天候も回復して良い天気なのだが、何故か礼文島の峰の上には雲が長い列を作っていた。
もしかすると礼文島は利尻島に比べて晴天率が悪いのかもしれない。
そして、海をよく見ると…
礼文島の直ぐ傍の海域にグルグル巻きの渦模様が出来ている。
潮目は良く目にすることがあるが、こんな渦を巻く潮目は初めて見た。 -
礼文で見たエゾカンゾウ(蝦夷萱草)の姿もあった。
6月中旬であるならば、利尻島の海岸線付近にエゾカンゾウの大群落が出来、海岸線が黄色く染まるそうだが、7月も中旬に入るとエゾカンゾウが咲くのは山の上だけだ。 -
8合目から避難小屋までは少しだけなだらかな道。
何も考えていなくとも足は勝手に前へと進む。 -
でも、何も考えていないようでも母の眼は植物を見逃さない。
この植物は、ちょっと不思議なひょうたん型の実をつけるチシマヒョウタンボク(千島瓢箪木)。
秋を迎える頃になると、実の色が真っ赤になるそうだ。 -
そして、この宇宙船的な小さな花が面白かった。
名前はガイド氏から聞いた気もするのだが、母も私も覚えていないので分からない。
母はもしかしたら葉の形からするとエゾハナシノブかもしれないと言っているのだが、ネットで検索するとやっぱり違う気も…。
とりあえず宇宙船花という事にしておこう♪
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2016/8/2追記
旅行記を読んでくださったガイド氏から、花の名前を教えてもらいました。
この宇宙船花の本当の名前は、シラゲキクバクワガタ(白毛菊葉鍬形)。
そういわれてみると、ツンツンと突き出す黄色い蕊がクワガタムシの大顎に似ている…かも。 -
8合目から15分ほど歩くと避難小屋に到着。
そして、此処で初めてのトイレタイムとなる。
利尻山にはトイレは無い。
でも、トイレブースはある。
トイレがないのにトイレブースがあるってどういうこと!?
答えは次の写真を見て欲しい。 -
トイレブースの中の個室に入ると、そこにあるのは便座型の椅子だけ。
そして壁には説明書きがあった。
ここで、この日に持参した携帯トイレの出番!
まずは携帯トイレを便座にセットする。
携帯トイレの中には固化材が入っていて、それが排泄物の水分で固まり、口をシッカリと閉めれば匂いも水分も外には洩れない仕組みだ。
でも、なかなか日頃使い慣れないので、さあ、携帯トイレにおしっこしましょ〜♪と言われても尿意はそんなに簡単には起きてこないので結構大変。
もしかして、携帯トイレを使うという事前練習が旅の前に必要だったのかもしれない。
男性の場合は、“空のペットボトルを使うのも便利だよ〜”とも書いてあった。 -
この辺りに来ると、地面にやたらクリーム色の花びらが落ちていて、何だろう…と思っていたら咲いている状態の花を発見。
ウコンヌツギ(鬱金空木)だ。
この花は色が変化する花で、この写真は色が橙色だ。 -
そして、こちらのウコンウツギは花の中の色が赤色に変わっている。
実はこの色の違いは、受粉が終わっているかどうかの違いで、橙色の花は未だ受粉前、赤色の花は受粉が終了して実を作る準備が整った花だという事だ。
しかし、どうして花がそんなアピールを外界に対して行っているのか。
その理由は昆虫の目の色覚。
花の受粉を手助けしてくれるのは山にいる昆虫たち。
この昆虫たちは赤色が識別できないそうだ。
だから、花の中を橙色(オレンジ色)にすることで受粉前の花にだけ昆虫がやってくる様にしている。
初夏の利尻島は多くの高山植物が花開き、花たちにとっては競争相手が非常に多い状態。
如何に花の受粉率を上げるかの戦略を巡らしているわけだ。
美しいものの裏には、やっぱりドロッドロの策略が隠れているらしい。 -
小さなお花の集まりはウラジロタデ(裏白蓼)。
ちらっと見て通り過ぎれば、ただのもさっとした花の塊だが、近寄って一つ一つの花を見ると、光沢があり可愛らしい。 -
バイケイソウ(梅恵草)の花の付き方も面白い。
蘭の花みたいな咲き方だ。
低標高の樹林帯では、花の咲く高山植物は数えるほどしかなかったが、森林限界を超えたあたりから次から次へと出てくる花たち。
知らない花も多く、ガイド氏や母からの説明に思わず“へ〜♪”が連続してしまう。 -
イチオシ
避難小屋から9合目までは距離と時間は長いが、道は比較的なだらかな道。
目の前を白く見せていた霧もユックリと晴れてきて、時折利尻山の頂上が顔を見せることも。 -
でも、そんな楽な道なのだが、母の足取りは重く、全く平坦なのに「ちょっと休まない?」なんて言葉が漏れてくるように…。
私もそんなに山登りに強くはないのだが、息は全く上がらずにかなり余裕で歩けるスピード。
だけれども、母にはかなり、きつかったようだ。
ガイド氏に「下を見ずに前を見て歩く方が、足が楽に前方へと進む」とアドバイスを受けると母はその時は頭を上へと上げるが、またしばらくすると目線は下へと下がり、足元を見るようになっていた。
母の後ろを歩く私は、とりあえず励ましながら歩くが、母は一度疲れを感じてしまうと、気持ちをアップテンポに持って行くのがなかなか難しいようだった。 -
でも、そんな母を励ますように、9合目以上にしか咲かないエゾツツジ(蝦夷躑躅)が現れてきた。
-
山頂付近の霧もどんどん減ってきて、登山日和の日♪
もう少しで山頂がクリアに見えそう…。 -
そしてもう少しで9合目に到着するという頃、私が利尻山で一番会いたかった花、リシリヒナゲシ(利尻雛罌粟)の姿が…。
-
イチオシ
リシリヒナゲシは利尻島、それも利尻富士の山頂付近にしか咲かない非常に珍しい高山植物で、幻の花とも云われている。
利尻島の平地の家庭のお庭でも苗が栽培されているが、やはり、山頂付近で咲くこの花を見たかった。 -
透き通るような緑がかった黄色い花は、薄く伸ばした蝋で作った蝋細工みたいだ。
お日様の光が花びらを透かし、花びらが黄金色に輝いている。 -
蕾の廻りの繊毛にはまだ朝露が残り、花も瑞々しい感じだ。
-
そして、ようやく9合目(標高1410m)へと到着。
時間は10時20分だった。
朝歩き始めてから5時間50分。
本来ならばここまで5時間弱で到着していなければならなかったのだが、1時間オーバーとなった。
ガイド氏からは9合目まで6時間で着かなければ山頂までの登頂を諦めてもらう事もあると聞いていたのでちょっとドキドキだったが、5時間50分ならば、ギリギリまだチャンスはある。
9合目の看板には、「ここからが正念場!」の文字。
まだまだこの先にも厳しい道は続いている。 -
イチオシ
さぁ、頂上へ向けてもうひと踏ん張り♪
しかし、母がもう駄目だった。
木製のベンチに腰をおろし、首をうなだれている。
特に肩で息をしている様子もなく、それほど疲労困憊…な感じには見えなかったのだが、気力がついて行かなかったようだ。
あと30分の登りで山頂だから、頑張って歩こう♪
此処まで登ってきたのだから、最後のあと30分で諦めてどうする?
と励ましたりしたが、彼女の気力が持たなかった。
ガイド氏も私も、母に足りないのは最後まで登ろうと思う気力だけで、この楽な椅子に腰を下ろしてしまったら動きたくない…という悪魔の囁きが気力の萎えている原因だと考えていた。
だから、なんとか母を説得しようと試みたのだが、やはり一度ダメだと思い込んでしまうと、その先へは思考が進まなくなってしまうらしい。
ガイド氏と相談の上、母が自分で危ないと判断するのならば、多分それが正解なのだろうと考え、母は9合目で待機し、私とガイド氏で更に上を目指すこととなった。
9合目は見晴らしがよく、お昼を食べたり、景色を見るには最高の場所。
此処が、母が決めたゴール地点だ。 -
イチオシ
72歳のおばあちゃんが利尻山の登山に挑戦しようと思うだけでも、それはかなりチャレンジャーな事だ。
そして、3か月間基礎トレを続けてチャレンジした利尻山。
結果としては山頂へと辿り着くことはできなかったが、アスリートでもないただの専業主婦のおばあちゃんが標高220mから9合目の1410mまで自力で登っただけでも、それって凄い事だと思う。
最後の最後で気力が萎えてしまったのは残念だけど、それは彼女なりの考えがあっての事。
山を下りてから「山頂まで行かなくて良かったの?」と聞いた私の問いかけに対し、彼女はこう答えたのだ。
「山頂まで行くことはできたと思う。でも、行ってしまったらその先にある同じだけの距離を自力で歩いて下まで降りられるかどうかの自信が無かった。私が歩けなくなればガイドさんに迷惑がかかる。ガイドさんに迷惑をかけるわけにはいかない。だから、まだ余力を感じる事の出来た9合目を私の山頂に決めた…」
母は自分で体力を判断し、自分の山頂を決めた。
登山はピークハントだけではない。
自分が頑張ったと思ったところが、その人の頂点なのだよね。
最北の貴婦人・利尻富士を背景に満面の笑みで写る母は、そんな風に語っている。
≪空に咲く花〜利尻富士・登頂編 http://4travel.jp/travelogue/11155369 へと続く…≫
前の旅行記:黄昏ネコが行く 最北限のGeo World
http://4travel.jp/travelogue/11151687
続きの旅行記:空に咲く花
http://4travel.jp/travelogue/11155369利尻山(利尻富士) 自然・景勝地
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この旅行記へのコメント (18)
-
- ちちぼーさん 2016/08/10 21:56:23
- さすがウェンディさんのお母様
- ウェンディさん、こんにちは。
さすがウェンディさんのお母様。
余力を残して9合目まで、ガイドさんや同行のウェンディさんのことを
思い、
自分でゴールを決められて納得の自分の山頂。
ハードな9合目までの道を登ったら本当だったら登りたいと思ったはず。
そして、これだけの力が本当はのこっていながら
決断する勇気はほんとうにすばらしいです。
息子の高校の時の同級生が大学の山岳部に入り
富士山のガイドをしていて一番つらいのが年配の方に
もう体力的に無理だからあきらめてくださいというと
「もう2度と富士山を登ることはできない。
死んでもいいから登らせてくれ!」と、言われることだと。
大好きなお花をウェンディさんとガイドさんとみて
行きたいと言っていた利尻岳に行けて
ウェンディさんのお母様は素晴らしい経験ができましたね。
私も母と一緒に登っているような気になり
ドキドキしたりにっこりしたり。
とても楽しませていただきました。
ありがとうございます。
みんまま
- ウェンディさん からの返信 2016/08/11 19:41:05
- RE: さすがウェンディさんのお母様
- みんままさん こんばんは。
今回の利尻岳登山は、母と私だけのプライベートガイドでしたので、歩きながら色々なお話を伺いました。
みんままさんのお話の様に、死ぬ覚悟で…とおっしゃる人もいるそうですが、もっと厄介なのが自分の体力を把握しきれずに途中で力尽き、一歩も歩けなくなる方もいるそうです。
そうなるとガイドさんはその方を背中に負ぶって下ることになり、そのパーティの参加者全員に迷惑をかけることとなります。
だから、母の様に自分で余力を判断する判断力は山登りをする時には非常に重要ですね。
登山の最中に力尽きたら、時期によってはこの世からおさらばするような事態に繋がるかもしれません。
傍から見ていたら、まだまだ十分に歩けそうな9合目の母でしたが、その基準を判断するのは母自身です。
自身で納得の上で決断した自らの頂上。
母はその決断で正しかった…と言っていました。
利尻山は半カ月時期が異なるだけで、お花の種類ががらりと変わるそうです。
私達が登った7月中旬には頂上にはエゾハクサンイチゲの白い花畑が広がっていましたが、7月下旬から8月上旬にはボタンキンバイが斜面一面を黄色く染める程、一面に咲く花畑が広がるそうです。
登るのは結構大変な山ですが、そんな話を聞いてしまうと、また登りたくなってしまう山。
それが利尻山でした。
さすがに母は、自分にはもう難しい…と言っていましたが、私はまた、時期を変えてチャレンジできれば…と思っています。
ウェンディ
-
- mistralさん 2016/08/07 17:28:36
- 最高の笑顔!
- ウェンディさん
いつもありがとうございます。
感動の旅行記、拝見しました。
お母様との利尻岳への登山!
ずいぶん頑張られましたね〜
お母様にとっては9合目がゴール。
それでも記念写真には最高の笑顔で
写っておられました。
満足の登山だったことでしょう。
綺麗な高山植物の数々に
しばし暑さを忘れ ました。
mistral
- ウェンディさん からの返信 2016/08/07 21:04:25
- RE: 最高の笑顔!
- mistralさん こんばんは。
母と歩いた利尻山の記録を読んでいただいてありがとうございます。
この旅行記は私の旅の記憶であり、母の歩いた記録でもあります。
普通に考えたら72歳を引率して10時間以上の登山へ行く…というのは旅の選択肢としてはあまり考えにくいのですが、そんなことを平気で提案してくるのが我が母です。
でも、母がやりたいと云うからには出来る範囲で応援したいと思いますよね。
で、私は後押しして、利尻山登山を実現させてきました。
てっぺんまではいけませんでしたが、自分の体力の限界ちょっと下まで頑張って歩いた母。
利尻山を背景に写るその笑顔は満足そうです。
彼女はいつも娘の考える計画以上の事を提案してくるので驚かされます。
今回の登山は本当に想定外の提案でしたが、挑戦すれば出来てしまうのですね。
もっとも私一人の引率だったら母は9合目までは行けなかった可能性が高く、ガイドさんの上手なリードがあったから…というのが一番大きな勝因だとは思いますが、連れて行った私や家で事の成り行きを見守っていた実家の家族の方が9合目まで歩けて、そして自力で怪我無く降りることができたという事実に驚きました。
7月の利尻や礼文はお花がたくさんで登っていても、次はどんな花が現れるのかとワクワクして、疲れを感じにくいところです。
そんな意味では、花が大好きな母にはピッタリの旅先だったのかもしれません。
mistralさんの5月のロシア旅行記を拝見していて、私が立ち寄った年末とは異なる雰囲気に異なる国を見ている様でした(地下鉄駅は一緒でしたけれど…)。
どんよりした灰色の雪雲は無く、鮮やかな空の色と、そして、どことなく写真に写りこむ町の人達の表情も明るい気がしました。
私はロシアでは英語が通じず苦労しましたが、CTONをSTOPと読み替えるアルファベットの読み替えを知っていたら、もう少し標識を読むのも楽だったかも知れません。
また、旅行記を読みに行きますね。
ウェンディ
-
- みちるさん 2016/08/03 19:53:34
- 感動しました
- ウェンディさん、こんばんは
いつもありがとうございます。
利尻、礼文の旅の中で、お母様が登山されるそうので、楽しみにしていました。
怪我されたのに、登山とは、お母様にとっては、かなりハードなことだったでしょうね。
拝見しながら、どきどきでした〜
お花を愛でながら、ウェンディさんの励ましを受けながら、9合目まで頑張られて、それはすごいことだと思います。
9合目が自分の頂上とは、下る余力を残しての名言であっぱれです。
2013年6月、利尻岳に登ったので、写真見ながら、思い出が次々と甦ってきました。
私はいつも夫と登るのですが、足が速い夫とペースが合わずに、私はいつも単独登山です。
利尻の時もそうでしたが、花を撮影しながら歩きます。
胸突き八丁、確かにあの登りは辛いですが、よく頑張られたと思います。
お天気も良くて、良かったですね。
ウコンウツギの花色の解説、ありがとうございます。
あの花は好きで、利尻の時も見ましたし、先月の後方羊蹄山の時も見れました。
セイコーマート、いいですね、北海道に来た実感わきます^^
- ウェンディさん からの返信 2016/08/03 23:26:26
- RE: 感動しました
- みちるさん こんばんは。
夏旅の旅行記、私にしてはハイペースで仕上げております。
というのも、母が頂上からの風景を楽しみにしていてくれているので…。
(いつも、のんびり書いているので未だに昨年夏のスペイン編、今年の冬のメキシコ編、GWの立山編が途中で止まっています)
実は私は、母はもう少し早くギブアップするかもしれないと思っていました。
でも、予想以上に頑張って山頂の見える9合目まで行くことができ、良かったなと思っています。
今回は礼文と利尻という最北の島でのトレッキングをテーマに旅を組みましたが、礼文と利尻ではやはり難易度が何倍も違いました。
礼文で雨が降る中を全然平気で歩いていた母も、やはり利尻の7時間の登りの連続となると厳しかったようです。
特に7合目から8合目までの急登は誰が登っても苦しいところ。
あそこが大変そうでした。
どんどん無口になり、下を向いてしまう母をガイドさんと二人で励ましながら登りました。
最終的には9合目が頂上となりましたが、天気も良く、母にとっては最高の登山となったようです。
我が家も配偶者と一緒に山に登ると、いつも私がハアハアと息を切らします。
私のペースに合わせてもらうと彼の方が疲れてしまうので、つい私が頑張ってしまいますが、自分のペースで登れないのは一番疲れが出てしまう気がします。
でも、今回ガイドさんにリードされて歩いた利尻山では、いつもの私の登るスピードよりも更にゆっくりな速度で登りました。
歩き始めは「えっ…こんなにゆっくりなの?」と驚きましたが、このスピードがほんとに疲れないスピードで更に二乗の驚きでした。
基本はスピードを変えずに、小労力で長時間のスタミナを保つ歩き方…。
知ってはいましたが、自分の体で体感し、その効力を目の当たりにしました。
今度、山を歩く時はこの歩き方で実践しようかな…と。
でも、そんなことをしたら配偶者とのスピード差が更に出てしまうかもしれませんね。
母にとっても私にとっても想い出たっぷりの利尻山登山。
旅行記は、この後、登山-後編へと続きます。
お時間のある時に、また遊びに入れしてくださいね。
ウェンディ
-
- *ちょこ*さん 2016/08/03 14:29:03
- ずばらしい!!
- 感動しました〜!
72歳であのすばらしい風景が見られたなんて、お母様の努力の賜物ですね。
あとはウェンディさんの励ましやペース配分をしてくださるガイドさん。
最後の写真、とっても素敵です。
私は全然高い山に登ったことがないのですが、最近旦那が簡単な登山を始め、たまにハイキング程度ですが山歩きをするようになりました。
私が72歳になった時に登ろうという気力すら生まれないだろうと思うけど、今ならまだ気力、体力が間に合うかも!?今のうちにこんな素敵な風景を見てみたいと思いました。
高山植物もかわいいし見てみたい。
筋トレはスクワットが一番ですかね?体力ないのでまずは筋トレからがんばらないと。
トイレ事情や、荷物のことも、勉強になりました。
確かに携帯トイレにする練習、必要かも(笑)
本当にお疲れ様でした〜(*^^*)
- ウェンディさん からの返信 2016/08/03 19:27:45
- RE: ずばらしい!!
- *ちょこ*さん こんばんは。
世間一般的に考えたら、かなり無謀…かもしれない72歳の利尻岳登山にチャレンジしてきました。
私自身も久々の夏山でしたが、北海道の山はいいですね。
暑くないし、湿度もない。
それでいて、高山植物が綺麗…となれば、皆さんが憧れるのも分かった気がしました。
子供の頃から父に連れられて、毎年のように山には行っていましたが、10代の頃なんて山の良さなんて全然分かっていなかった気がします。
登って景色を見て、降りるだけ…なんて風に感じていました。
でも、ある程度大人になると、山の良さが分かってくるのですよね。
登る苦労よりも、登った先での絶景。
歩いた人しか見られない山の中のお花畑に出会ったりすると、頑張って良かった♪と。
*ちょこ*さんも是非、ご家族でハイキングを楽しんでくださいね。
筋力をつけるためのトレーニングは何でもいいと思います。
今回の私は即効性のあるスクワットに取り組みましたが、長い目で見れば腹筋を鍛えるのが一番いいのですよね。
山の下山時には腹筋の鍛え方で疲れ型が全然変わって来るらしいです。
でも、トレーニングって義務感でやってしまうと疲れて嫌になってしまうので、あくまでもお遊び感覚で。
私は、朝食前にスクワットをやって、10回をベースに更に10回出来ればチョコ1個♪なんていう風にゲーム感覚で楽しんでいました。
ウェンディ
-
- 備前屋ねこさん 2016/08/01 21:07:41
- お母様に拍手 ( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ
- ウェンディさん、こんばんは♪
北海道の利尻・礼文はまだ十代だった頃に家族で行った記憶があります。
山登りはしなかったので知りませんでしたが結構険しい山だったんですね。
それにしてもお母様すごい!
「利尻山に登りたい」と思いつくだけでもすごいと思うのに実行できるなんてすごすぎます!
さすがアクティブなウェンディさんの母猫さんなだけはありますね!
山頂まで行けなくても9合目まで行ってるだけでも充分な結果ではないかと思います。
私だったらその時間内にそこまで行けているかもわからないですよ〜
思うに9合目の「ここからが正念場!」のあの看板の文字は、そこに着くまでに疲れを感じていた登山者の気力を折ってしまいそうな気がします。
きっと私だったら「うへぇ〜〜〜まだここからなの?!無理〜!」なんて思ってしまいそうです。
せめて「ここからちょっとキツイけどあともう少し!」とか少しでも希望を持てそうな事を書いてあって欲しいなぁなんて思ってしまいました。
山登りの時の荷物の重さにも結構気をつけているんですね。
それを読んでいてふと思ったのですが、カメラもレンズをつけると結構重いですよね。
普段でも暑い時や疲れた時などカメラの重さにゲンナリして投げ捨てたくなる衝動にかられる備前屋ですが、山登りの荷物+カメラもと思うと大変そうですね。
3ヶ月も前からこの日の為に基礎トレーニングを続けたウェンディさん、9合目までがんばったお母様、どちらにも拍手喝采です♪
備前屋ねこ
- ウェンディさん からの返信 2016/08/02 22:08:17
- RE: お母様に拍手 ( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ
- 備前屋ねこさん こんばんは。
夏旅の計画をたてた時は、お気楽な女子旅風になる筈だったのに、蓋を開けてみたら、どう見てもガテン系の旅となってしまいました。
普通、72歳のおばあちゃんが日帰りで10時間以上もかかる山に登りたい!と言い出すとは想像しないですよね。
初めてその言葉を聞いた時に私自身も【やはり私の母だけある。常識以上の事をやりたがる…】と思いました。
でも、登りたいと云ったからには女に二言はない…ので、頑張りましたよ。
私も母も。
3か月間、毎朝スクワットをして脹脛と腿の筋肉を強化して…。
確かに筋肉はつきました。
でもね…。帰ってきてスクワットを止めたら、あっという間にしまっていた筋肉は無くなってしまったみたいです。
私の3か月間の結晶は、夏の露と消えてしまいました。
利尻岳の9合目の標にあった「ここからが正念場!」の言葉。
確かに私自身もあの場に立った時は、こんなこと書かれていたら行くのが嫌になってしまうと思ったのですが、多分あの看板の狙いは正にそこにあるようです。
次の旅行記でも紹介するのですが、9合目から頂上まではかなり急な登りで、崖崩れを起こした部分が登山道へと食い込み道幅が細くなっているところもあり、疲れすぎている足で歩き、足を引っかけて体制を崩し転びでもしたら、あっという間に奈落の底へ…と落ちてしまいます。
だから、もう体力を消耗しきっている人が、頑張りすぎないように、危険な目に合わない様に敢て厳しめの言葉を書いているように思いました。
私の深読みのし過ぎかな…。
今回の母の【9合目が自分の頂上】という選択肢。
結果論から言えば、コレが正解だったようです。
登山の事故が起きるのは圧倒的に下りの時で、しっかりと足を踏ん張って降りることの出来る体力を残しておかないと、大怪我をすることになります。
今回は下りだけでも5時間を要するので、頂上へと登り切ってへたっていたら、下りは危ないですね。
9合目で1時間半の休憩をとり、体力回復を図った母の選択肢はただしかったようです。
山猫より
-
- fujickeyさん 2016/08/01 15:52:56
- 立派です!
- ウェンディさん、こんにちは。
お母さまの決断、潔くてご自身と周りにも気を配られていて立派の一言です。
帰り分の余力を考える冷静さと心の余裕があったからこその決断ですよね。
旅行記を読みながら、
お母さまには何とか頂上を目指してほしいと思っていましたし、
きっとウェンディさんもガイドさんも一緒に頂上へ!という
気持ちは強かったと思います。
でも登山は登っておしまいではないのですよね。
やはり、お母さまは考えが深いというのか先のことまで考えてらっしゃる。
それにしてもいい眺めですね〜お天気にも恵まれて。
簡易トイレは以前に屋久島へ行った際に携帯をしましたが
使用することはありませんでした。
確かに。状況に慣れていないと出来ないかもしれませんね。
ウェンディさんが眺めた頂上からの景色がどんなだったか、楽しみです。
fujickey
- ウェンディさん からの返信 2016/08/02 21:48:26
- RE: 立派です!
- fujickeyさん こんばんは。
無謀とも思えた母の利尻岳への挑戦。
てっぺんへは行くことはできませんでしたが、母は9合目まで登ることができ、貴婦人の様な美しい稜線を間近で見ることができたことを喜んでいました。
ガイドトレッキングは日本では初めての利用だったので、ちょっとだけ不安だったのですが、思っていた以上に良いですね。
特に今回は高山植物の開花時期だったので、咲いているお花の名前を殆ど全てと言っても過言ではないくらい沢山教えてもらいました。
勿論、お花が大好きな母にとっては、山に登れて、沢山の珍しい花が見られて…と楽しいことだらけだったみたいです。
7月の中旬は頂上付近には9合目まで以上に沢山の花が咲いているのですが、ガイドさんはその中でも一番の見頃を教えてくれました。(ガイドさんは週に3日は登っているので、どこの花がその日に開花しそうか…なんてことはしっかりインプットされているのですね)。
登山道わきにも沢山の小さな花が咲いているのですが、それはなかなか普通の登山者には見つけにくい場所。
パッと見たら大きな岩にしか見えない大きな岩なのですが、そのそばに近づくと、そこは小さな箱庭!
山頂近くにはそんなところがたくさんありました。
(その景色を母に見せてあげられなかったのが、唯一の心残りです)
私も屋久島へ行った時は携帯トイレを持って行きましたが、使用せずに終わりました。
夏の屋久島は浴室の中の様な暑さで、体の中の水分はあっという間に汗に変わり、体にまとわりついてきますね。
あの湿度の中で携帯トイレと格闘するのは、それはそれでものすごく大変だったかも…と思います。
利尻岳後篇−登頂編では、山頂付近のお花畑を沢山紹介する予定です。
母も楽しみにしているので、出来るだけ早くアップできれば…と思っています。
ウェンディ
P.S.
旅行記の生信玄餅、美味しそうですね。
私も6月頃にTVで紹介されているのを見て、行きた〜い!と思っていました。
- fujickeyさん からの返信 2016/08/03 10:07:19
- ガイドさん必要ですよね。
- ウェンディさん、こんにちは♪
屋久島の話になってしまいますが、
縄文杉へ行くのにガイド付きで申し込んだんです。
そしたら何度も屋久島に行ったことのある人から
「個人で行けるよ」と言われました。
個人でも行けるでしょう。道標もあるし。
でもただ歩いているだけになってしまうんですよね。
そこに生えている植物や、先に見える景色や、その場所の歴史とか・・・
ガイドブックにも載っていない情報がたくさん聞けるのになぁと思うんです。
ガイド会社の確執みたいな裏話も聞けたり・・・(笑)
何度も行っている「みなかみ」はもうガイドさんに会うために行ってますから。
ガイドさんとの相性もありますけどね・・・
おぉ。生信玄餅!
あのビジュアルを見てしまうと実際に行って確かめたくなりますよね。
埼玉からだと混雑する中央道を通らなくてはならないですが・・・
ウェンディさんは早起きが得意だから!大丈夫ですね。
fujickey
- ウェンディさん からの返信 2016/08/03 19:15:09
- RE: ガイドさん必要ですよね。
- ガイドトレックには良い部分とイマイチな部分、色々ありますがチャンスがあるならば利用してみると面白いですね。
私の初めてのガイドトレックは、何とパタゴニアのフィッツロイという山の麓のトレッキングでした。
その時にガイドをしてくれた方がプロのクライマーの方で、植物や山の知識にも詳しく、非常に楽しかった記憶があります。
その後は、マチュピチュのインカ道のトレッキングでガイド付でしたが、この時のガイドさんは山岳ガイドというよりも観光メインのガイドさんで、観光案内は上手でしたが、それ以外はまぁ…こんなとこかな…という感じでした。
今回の利尻のガイドさんは、ほぼ1年を北海道で過ごしている方で(でも御出身は何と埼玉!)北海道に関する知識も豊富な方で、いろんな話を聞けて面白かったです。
トレッキングガイドさんに関しては当たり外れと相性があるので一概につけるべき!とは言い切れませんが、今回の様に年配の方と登る場合などは、経験豊富なガイドさんがいると心強いですね。
-
- らびたんさん 2016/08/01 12:27:00
- 勇気ある撤退
- ウェンディさん、こんにちは^^
利尻登山編、楽しみにしていました!
礼文では雨でしたが、登山の日はお天気がよく本当によかったですね。
私は2013年のやはり7月に同じルートを登りましたので、
変わらない景色を楽しませていただきました。
リシリヒナゲシを9合目付近で見つけられたのですね。
私はじっくり探したつもりが出会うことができなかったのです。
9合目より上は足場が悪く、混雑もあって私は50分ほどかかってしまいました。
お母様は無理なさらず勇気ある撤退を決意されたこと本当に素晴らしく思います。
続きの登頂編も楽しみにしています(^o^)
らびたん
- ウェンディさん からの返信 2016/08/01 23:05:49
- RE: 勇気ある撤退
- らびたんさん こんばんは。
利尻岳はそんなに難しくない山ですが、1日でかなりの距離を上り・下山しなければならないので登山自体は結構ハードですね。
今回は、礼文で足慣らしをしてから挑んだためか、トレッキング・ガイドさんのスピード調節が絶妙だったせいか、登りも下りも息が切れることもなく歩けました。
家族で登る山は、配偶者の歩くスピードが速いので、私はいつも必死で歩かされている感じでした。
だから、今回のノンビリ登山は却って新鮮でした。
お花の事も島の事も色々教えてもらい、ついでに下山の時の靴ひもの結び方や筋肉に負荷のかかりにくい歩き方等今まで自己流でやってきた部分を、より効率的にする方法も教わりました。
たまには、ちゃんとしたガイドトレックも良いものですね。
私が登った時期は、リシリヒナゲシの花は9合目あたりが多く、山頂部には姿が無かった気がします。
きっと、日当たりや気温などで開花時期や場所は毎年違うのでしょうね。
今回、9合目で体力回復を図った母ですが、たぶんそれが正解だったと思います。
現在、登山道の9〜10合目の一部の登山道はスコリア地帯の崖が大きくえぐれ登山道に食い込んでいます。
疲れていて集中力に欠ける時にスコリアのあたりで転んだとしたら、多分そのままガレガレの坂を滑り落ち、更にその下の崖下まで…となるかもしれません。
やはり、9合目以上は体力も気力も十分な状態で登らないと危険ですね。
ウェンディ
-
- デコさん 2016/08/01 00:59:42
- お母様とウェンディさに大拍手!♪
- ウェンディさん、お母様との登山、とても感動させていただきました!!
お母様の利尻山に登りたいというお気持ち、それを受けて、可能な道を探ったウェンディさん(*^_^*)
途中のお花や見晴台からの眺めも大変素晴らしく、私も一緒に歩かせていただいている気持ちに浸れました♪
そして何よりも最後の、「自分の山頂を決める」というお母様とそれを理解したウェンディさん、思わず拍手してしまいました(*^^*)
このあとの利尻山登頂編も楽しみにさせて頂いています(*´∀`)♪
デコ
- ウェンディさん からの返信 2016/08/01 21:05:48
- RE: お母様とウェンディさに大拍手!♪
- デコさん こんばんは。
初めは母のリハビリ旅のつもりで、礼文を軽くハイキングして、その後は小樽で観光したり乗馬をしたり…なんていう女子旅チックな事をプランニングしていた今年の夏旅。
母の【私でも利尻に登れるかな…】の一言で、旅の内容がガラリと山ガール旅へと変わりました。
母のリクエストは、最初は、礼文を歩けるかしら…に始まり、利尻の麓をハイキングできる?…そして、もしかして利尻に登りたいって思ったら登れる!?…という私の想定を超えた旅のリクエストに変わっていきました。
でも、やれば、できちゃうのですね。
私の周りの人達は母が利尻岳にチャレンジするというだけで驚いていました。
連れて行った私ですら、どこまでいけるかは母の体力次第。
ガイドさんと相談して、状況によっては途中で登頂をあきらめなければならないこともあるだろう…と考えていました。
しかし、母は根性で9合目まで登りました。
7合目から8合目の急な登りでかなり気力が萎えていたので心配だったのですが、それでも9合目まで歩き、自身でその進退を判断しました。
だから、母にとってのサミットは9合目なのですよね
利尻山後編【山頂アタック編】は母もまだ知らない世界。
彼女も楽しみにしていてくれています。
利尻岳の山頂から眺める世界は、青一色。
でも、そのブルーは私が今まで見たことのない透き通った青。
そんな景色を紹介していきたいと思っています。
ウェンディ
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