2012/10/14 - 2012/10/14
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kojikojiさん
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氷川丸に続いて横浜観光が出来たのは約1か月後でした。仕事の合間で宿泊も横浜駅周辺だったのでなかなか自由も聞きませんでした。この頃になってだいぶ仕事にも慣れてきたので週末に家に帰る前に半日観光したりする余裕も出来てきました。手始めに馬車道辺りの洋館の見学から始めました。以前は横浜の洋館を見て回ると言う気は無かったのですが、「坂の上の雲」のテレビドラマを見て実際に旅順や大連、瀋陽に長春や哈爾濱まで足を伸ばすにつれて日本が現地に建てた建築に興味が湧きました。大連には現在も横浜正金銀行の建物が残っているので本店と見比べたいと思いました。以前大連駅とモデルになった上野駅を見比べに行った事がありましたが、大連の駅の方が立派だったことがありました。正金銀行も正直外観は大連の方が素晴らしかったです。デザインがとても似ているのには驚かされました。東京駅も完成したので瀋陽駅と見比べてみたいと思ってます。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
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土曜日の午前中に仕事を済ませ、横浜駅からみなとみらい線に乗って馬車道駅まで移動。地下の駅構内は煉瓦タイル貼りの壁面で明治時代の雰囲気を醸し出しています。地上に出るとすぐに神奈川県立歴史博物館に到着です。
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歴史博物館の展示品では横浜を代表する焼き物、真葛香山の作品を見たいと思っていました。宮川長造の四男真葛寅之助は有栖川宮の勧誘と薩摩藩士小松帯刀の後援により横浜へ移住して大田村字不二山下に築窯します。 明治九年から明治十四年にかけて、数々の万国博覧会において受賞します。明治二十六年シカゴ万国にも出品してMAKUZUの名前が世界に知られるようになり、明治二十九年帝室技芸員、現在の人間国宝となります。その作品が常時10点ほど展示されています。
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館内の撮影は受付でお願いすると可能ですが、真葛香山の作品は撮影禁止です。また、展示品の接写も禁止でブログなどにアップするのも禁止されています。建物の内装も銀行時代の面影はほとんど残っていないのであまり写真は撮りませんでした。
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横浜正金銀行は香港上海銀行、チャータード・マーカンタイル銀行と並ぶ世界第3位の外国為替銀行へと発展しましたが、第二次世界大戦において日本の軍需に必要な外国通貨収集の為の機関と看做されたために、敗戦後にGHQの指令によって解体・清算されたそうです。
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妻木 頼黄の設計になる横浜正金銀行本店建物は1904年に落成しました。
妻木 頼黄(つまき よりなか)の作品は横浜だと赤レンガ倉庫があります。 -
正金銀行は国内外に数十の支店があったそうです。
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この本店に一番似ているのは大連支店でしょう。
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広場を挟んだ旧大和ホテルに泊まってスケッチもしたのでよく覚えています。特にドームの形状は良く似ています。大連支店も妻木の作品です。
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展示品ではないと思うのでアップします。往時の正金銀行の支店マップです。
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こちらは大連支店。現在は中国銀行大連分行です。横浜本店より立派に残されています。
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夜になるとライトアップされて特に美しいです。
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後ろに光っているのも中国銀行の建物です。CHINAの文字が浮かんでいます。
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こちらは哈爾濱(ハルピン)支店。
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現在は一部が黒竜江省博物館になっています。
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上海支店は現在中国工商銀行上海分行になっています。外灘(バンド)の和平飯店の2件右隣のあまり大きくない建物です。グランドハイアットからの眺めです。
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10年前には入ることも出来なかった外灘の建物群もいくつかは商業施設に変わって入ることが出来るようになりました。これはエムオンバンドのテラスから。
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旅先で訪ねた先々に正金銀行があったとは、当時の日本の勢いを感じます。
博物館の展示物はほとんど記憶に残っておらず、そんな当時の事に思いを巡らせていました。 -
1階の廊下にあったパネル。明治時代の横浜馬車道の風景です。
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博物館のショップから喫茶室を抜けて正面入口あたりだけが銀行時代の面影を残しているようです。
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入口ホールのステンドグラス。
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以外に小さなエントランスに驚いてしまいます。
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馬車道側の入り口から表に出ます。
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土曜日の昼過ぎだと言うのに常設展を訪れる人も無く、ボランティアの係員さんも手持無沙汰のようでした。
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大連のように引いた場所から建物を眺められないのが残念です。周辺に同じような洋館もほとんど無いのも。
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横浜正金銀行を象徴する盾飾り。
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後日ライトアップされているのを期待して再訪しましたが、残念な結果に終わりました。暗い建物に目を止める人も無く本当にもったいないと思いました。
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博物館で購入した「横浜洋館散歩」淡交社刊を持って、近くの洋館を散歩することにしました。
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山手の洋館くらいしか知らなかったのですが、数多くの建物が保存されていると知りました。こちらは「第一銀行横浜支店」。
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ランドマークタワーも望めます。
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残念ながらこの日は扉が全部閉まっていて見学できませんでした。
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正金銀行の前にも「馬車道大津ビル」というアール・デコの意匠のビルがありました。
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残念ながらビルは事務所として使われているので内部の見学は出来ませんでした。
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隣には「富士銀行横浜支店」の建物。
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現在は東京芸術大学大学院の管理となっていて内部は見学できませんでした。
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何かイベントでもあれば中に入れるのでしょうが。
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更に進むと「横浜銀行協会」
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アール・デコの意匠の美しい建物です。
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「横浜建築散歩」によると土日は休みですが、平日は見学が可能と書かれていたので再訪することにしました。
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写真によると素晴らしい建物なので楽しみにしていたのですが、後日仕事の合間に電車に乗って出掛けたのですが、簡単に断られてしまいました。
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現在は内部は公開していないとのことです。横浜に来て「横浜建築散歩」を購入していながら情報が違っているのに良い気分ではありませんでした。
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平日はこの扉が開いて美しい扉を見ることは出来ます。
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横浜らしい帆船の意匠です。
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ファサードの意匠も良いので、内部が見学できなかったのが残念です。
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この日の最後は「日本郵船歴史博物館」
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元々は日本郵船の本社ビルだったそうです。
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コリント式の柱が16本、約50メートルに渡って連なる美しい建物です。
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残念ながら内部の展示物は撮影禁止です。
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日本郵船の歴史を知ってもらうためにも撮影しても良いのにと思いました。
齢50にして日本郵船や日本の客船の歴史、太平洋戦争時の負の歴史を知ることが出来てよい勉強になりました。 -
徴用された貨客船が辿った運命や共に海に沈んで行った郵船の社員の方々の事実を初めて知りました。
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印象に残ったのはその事実と交換船についての展示でした。
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馬車道辺りだけを半日歩いただけでしたがかなり疲れました。
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馬車道駅に向かう途中に「横浜第2合同庁舎」の前を通ります。高層化された庁舎を守るように鎮座しています。
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庁舎になる前は生糸検査所だったそうです。氷川丸で見た輸出用の生糸の行李を思い出します。入り口上部の盾飾りは巨大な蚕蛾(さんが)をデザインしたものです。横浜の建築巡りには思った以上の時間がかかると思った半日でした。
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この旅行記へのコメント (1)
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- 一歩人さん 2012/11/13 06:31:59
- ふ、ふ、スケールの広い展開で感動しました。
- kojikojiさんへ
ふ、ふ、懐かしくて立ち寄りましたが、
とても、よかったです。
戦後処理の銀行や財閥の運命を考えさせられました。
日本が、小粒になっていくようで、悲しかったかも。
ふ、ふ、横浜たそがれ♪なんて秋に似合う演歌かも。
今度、また、行ってみようっと。
ランドマークから見る東京スカイツリーなんてね。
とても、興味が広がりました。
ありがとうございました。
失礼しま〜す♪
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