2013/03/04 - 2013/03/04
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kojikojiさん
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少し前にNHKのBSの番組を見ていると沢木耕太郎がロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」の謎について探求してゆく番組がありました。沢木耕太郎は「深夜特急」を読んだ程度ですが好きな作家なので引き込まれるように見入ってしまいました。ロバート・キャパについては一般的な知識しかなかったのですが、ゲルダ・タローという女性の存在はこの番組で初めて知りました。NY州立大学で映像を勉強していた弟に聞いたら笑われましたが。そんなキャパとタローの展覧会が仕事先の横浜で開かれているので「日曜美術館」を見てから行って来ました。平日の午前中に時間があったので詳しく調べずに行くとシャッターが下りていました。何で?と思っているとこの美術館は休館日が木曜日でした。何の疑問も無く月曜休館と思い込んでいました。
と言う事で翌週仕事の合間にもう一度行く羽目になりました。写真展も良かったのですが、この美術館についての知識もあまりなかったのですが、常設展示でモローの作品に出合えたり、シュールレアリスムの絵画や彫刻が多く所蔵されているのを知り嬉しい誤算にも出会えました。ちょうどオークションに参加していた平櫛田中の木彫があったのにもびっくりしました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
-
仕事先の横浜からみなとみらい線で美術館に行きました。前の週の木曜日に下見(休館日を知らずに)していたので出口を間違えることも無くたどり着きます。
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高層ビルに囲まれた中にある低層の美術館です。
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中に入ってビックリ広い空間の右手が特別展示、左手が常設展示、シュールな彫刻がたくさん並んでいます。何となくパリのルーブル美術館のビュジェの中庭を思い出しました。写真展はもちろん撮影禁止ですがその後の常設展示は撮影出来るようでした。特に何かを撮りたいという気が無かったのでカメラはバックに入れて入り口のコインロッカーに入れてありました。ところがモローがあったり、ダリの作品が見えてくると撮りたい気持ちが膨らんで、係員さんに事情を話してスタンプを押してもらいカメラを持って再入場しました。係員さん達の気持ち良い応対が印象に残りました。
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「二人の踊女」オディロン・ルドンの小さな作品がありました。
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象徴主義なんて難しい事はよく分かりませんが、一昨年のパリ旅行でモロー美術館で魅了されて以来ルドンにも興味を持ちました。
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「岩の上の女神」ギュウスターブ・モローの小品も並んで展示してあります。この2枚は個人の方の寄贈でした。モローの絵は反射するガラスでカバーされているので写り込みが…。作品も素晴らしいですが額も良いです。一昨年パリのモロー美術館へ行きましたが、溢れんばかりの作品群に囲まれ圧倒されました。
モロー美術館:http://4travel.jp/traveler/koji0714/album/10624901/ -
円形のトップライトからの光が優しい部屋にはシュールレアリスムの作品が並んでいます。
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その部屋の中央にはサルヴァドール・ダリの巨大な作品が並んでいます。ヘレナ・ルビンシュタンが注文した作品だそうです。左から「暁」「正午」「夕べ」。作品の構成からスイスのサン・モリッツのセガンティーニ美術館のアルプス3部作を思い出させます。
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幻想的風景 暁(ヘレナ・ルビンシュタインのための壁面装飾)何処が暁なのかどう解釈すればよいのか分かりません。
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幻想的風景 英雄的正午(ヘレナ・ルビンシュタインのための壁面装飾)
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ローマ兵士のサンダル御部分が英雄的なのかしら。
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へのへのもへじに見えるのは私だけではないでしょう。諸星大二郎の描く女性のようでもあります。
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幻想的風景 夕べ(ヘレナ・ルビンシュタインのための壁面装飾)
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サルバドール・ダリの《幻想的風景》では、光に満ちた中央画面に対し、左右には朝焼けと夕暮れの情景が描かれ、太陽の動きに伴う空の変化が表されます。この一日の流れは、本作の発注主であるヘレナ・ルヴィンシュタインの生涯を象徴していると考えられています。一方で、青い球体は、あたかも中央画面の光を受けているかのようです。こうした不合理な光の設定により夢幻的な世界が創出されています。
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「ニュートンを讃えて」こちらもダリの作品です。ぶるさがっているのはリンゴを意味するのでしょうか?万有引力と思わるには球体は少し曲がっているように見えます。昔スペインを旅行した際に、バルセロナに1週間ほど滞在しました。その時はカタルニア・ロマネスクの教会巡りとモデルニスモ建築巡りに終始してカダケスのダリの卵の家に行きませんでした。
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「吟遊詩人」ジョルジョ・デ・キリコの有名な作品です。
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ホメロスなど古代ギリシア時代の詩人の多くも吟遊詩人だったそうです。「ヘクトルとアンドロマケ」などギリシャ神話を題材にした作品が多いのはイタリア人でありながらギリシャのテッサリアで生まれたことも起因しているのでしょうか。
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「階段」ポール・デルヴォーの作品とここで出会えるとは思いませんでした。昨年府中市美術館で「夢をめぐる旅」を観に行きましたが良かったです。今は埼玉県立近代美術館へ巡回してます。埼玉の美術館は以前に澁澤龍彦の展覧会があり印象深く記憶に残っています。
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今夜は夢にデルヴォー。私のダジャレではありません。展覧会のサブタイトルですよ。
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この階段があるのは駅舎の一部のような気がします。いつ見ても不思議な雰囲気に浸れます。いつかベルギーのデルヴォー美術館に行ってみたいものです。
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「青春の泉」
La fontaine de jouvence
ルネ・マグリット。 -
バラ色に輝く空が印象的です。画面中央のRoseau(仏語で葦の意)という言葉には、石板頭部の鳥(Oiseau)と空の薔薇色(Rose)をかけているそうです。
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シュールレアリズムの部屋を出ると廊下に木彫が置かれています。
一目で岡倉天心と分かる風貌ですが、製作者を見てびっくり。
平櫛田中でした。中学生のころ京都の岡崎の美術館で「鏡獅子」
を観て衝撃を受けたことを覚えています。 -
最近のヤフーオークションでも小さな作品が数百万円でも落札できずに終了しています。いまだに人気のある作家なのだとわかります。周りを見渡してもこの彫像だけ異質ですが、岡倉天心は現在の横浜市開港記念館辺りが生誕の地なので置かれているのかなと思いました。
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階段状になったホールから特別展示側を望みます。ここから階段を下る途中にシュールレアリスムの作家による彫刻が並んでいます。手前のリングはイサム・ノグチの作品です。
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「ヘクトルとアンドロマケ」ジョルジョ・デ・キリコの作品です。
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ホメロスの「イーリアス」に出てくるトロイアの攻防で、トロイアを守備する皇太子のヘクトールが妻のアンドロマケーの懇願を振り切って最後の戦いに出る姿です。イーリアスの中でもっとも感動的なシーンですが、ヘクトールはアキレスに殺されてしまいます。
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「レカミエ夫人」ルネ・マグリットの作品。題名を見てあれ?と思いました。すると隣にまたキャプションがありました。ダヴィットの作品の絵葉書を元に造られたとあります。ルーブルの絵を見ても分かるように窮屈な姿をしていますが、棺桶も同じように屈折しています。
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「ジュリエット・レカミエ」ジャック=ルイ・ダヴィッドの作品です。当時ヨーロッパで流行していたギリシャ風の衣装をまとっています。当時絶世の美女と言われた女性ですが、ナポレオンと対立して夫が資産を失ない、離婚をしてプロイセンの王子と結婚しようとするも叶わず、晩年はパリの修道院に引きこもります。
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「女の頭部」観た瞬間にホアン・ミロの作品と分かります。
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どう解釈すればよいのでしょうか?
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「オルフェウス」オシップ・ザッキンの作品。ギリシャ最高のの吟遊詩人と呼ばれたオルフェウスは竪琴を奏でると動物達は聞き惚れて嵐や津波も鎮むと言われます。この琴は、ヘルメスが亀の甲羅に7本の糸を張って造ったと言われます。
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パリノモロー美術館にも数点のオルフェウスを題材にした作品があります。
モロー美術館:http://4travel.jp/traveler/koji0714/album/10624901/ -
「バラの頭の女性」ダリの作品です。素材がブロンズとプラスチックということはこの支柱のプラスチックも作品の一部なのですね。
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当初はキャパの写真展を観に来たのですがいつの間にかシュールレアリスムの絵画と彫刻にはまってしまいました。横浜の仕事が終わる前にもう一度訪れたいと思いながら仕事に向かいました。
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