2008/01/04 - 2008/01/04
128位(同エリア418件中)
ぬいぬいさん
富岡製糸所、ついに世界遺産になりましたね。
この旅行記は6年前に訪れた時のものですが、改めて当時の旅行記をリニューアルしてみました。。
これでしばらくは混雑が続きそうなので、落ち着いた頃にはもう一度行って構成遺産の田島弥平邸や高山社跡や荒船風穴も見に行ってみたいものですね。
明治政府の掲げた2大国策であった「富国強兵」「殖産興業」の一翼を担うべく、日本初の官営工場である富岡製糸場が設立創業されたのは、明治5年(1872年)の事。
フランスより指導者として雇われたポール・ブリューナは、フランスの技術を日本の風土に合わせて、世界最大規模の製糸工場をつくりました。
百三十数年を経過した今でも圧倒的存在感を持って迎えてくれました。
早いところ世界遺産になってもらいたいものですね。
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
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高崎から上信電鉄に乗り換え、2両編成のワンマン電車で上州富岡に着いたのは2時44分。3時から今日最終の案内が始まるため、富岡製糸場へと急ぎました。商店街を抜けて歩くこと10分。製糸場へ着きました。
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門を入って左側の3号館で入場券を買って中に入ります。入場料は大人500円
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イチオシ
レンガ積みの建物はこの東繭倉庫、奥の西繭倉庫、繰糸場の3つの建物があり、このレンガはブリューナが瓦職人に教え込み焼き上げたもので、フランス積みとなっています。
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東繭倉庫の中央の通用口の両サイドには木製のガラス建具が付いています。
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東繭倉庫の真中の通路の右側はパネル展示とビデオのコーナー、みやげ物売り場があります。
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4m以上の高さがある中央の通路。天井はアーチ型に切ってあります。
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手前が3号館、奥が2号館 いずれも明治6年に建てられたものです。
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3時から今日の最後の案内が始まりましたが、説明のおじさんの話長すぎる。3号館の前で富岡製糸場の説明を始めて10分を過ぎても話をしたまま動かない。待ちきれず一人で勝手に見学を開始。
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東繭倉庫
明治5年に建てられた木骨煉瓦造の切妻屋根の乗った2階建ての倉庫。倉庫なので天井が高く、現在の建物に換算すると5階建ての高さをとっています。 -
1年間の繰糸分の繭を確保するため大規模な建物になっています。この倉庫に一杯になるだけの繭といったらどれだけの蚕が必要になるのか? 想像もつきませんね。
明治5年といえばわずか5年前までちょん髷を結った侍が闊歩していた江戸時代
そんな時代にフランス人の指導があったとはいえ、これだけの規模の建物をつくり、140年以上もその姿が保たれているのだから、これだけでも十分に世界遺産の価値がありますよね。 -
この観音開きの鉄扉は後から付け替えられたもので、もともとは木の扉がついていたそうです。下のアーチ状の中央にあるキーストーンには明治5年と刻まれています。
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東繭倉庫の真ん中の通路を挟んで両側にあるこの木製の扉。柔らかな雰囲気でなかなかいいですね。
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説明のおじさんまだここで話しています。20分は経過。さすがに付き合いきれないのか説明を聞く人半分に減ってました。
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木骨煉瓦造の建物の構造材は、軒桁まで伸びる1本の通し柱。柱は33cm角で14m以上あるそうです。
木材の骨組みの間に煉瓦を積んだ構造ですが、120年近く良く持ちこたえていますね。 -
門を入った正面の行啓記念碑。英照皇太后と照憲皇后が創業直後に、この工場に行啓されたこと記念するため、その70周年にあたる昭和18年に建てられたものです。
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2号館と3号館を結ぶ渡り廊下部分は、後から付けられたものです。
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繰糸工場
明治5年に建築された木骨煉瓦造平屋の建物。 -
入り口の室名札 レトロです。
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イチオシ
繰糸場は、長さ140.4m 幅が12.3m 高さ12.1mもある、とてつもなくでかいもので、当時世界最大規模のものでした。
140mの工場の空間の中に柱が一本のないトラス構造 この建物が140年も持っているわけですから、それを考えたらすごいですね。 -
イチオシ
この窓は、フランスからの輸入品を取り付けています。
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日本の木造建築と西欧のレンガ造りを取り入れた「木骨レンガ造り」の建築は、ほぼ明治初期のまま良好な状態で保存されています。
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繭を生糸にする繰糸工場には300台の繰糸器が置かれ、明治6年の創業時には、全体で556人の工女達の手によって本格的な 器械製糸が始まりました。
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小屋組みはキングポストトラスト工法になっています。
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日本と西欧の技術をおりまぜた建築様式を取り入れています。
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この2号館はもともとフランス人女性指導者たちの宿舎として明治6年に建築されましたが、その後食堂と休憩室に改装されました。
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回廊式のベランダがついた住宅です。
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この製糸場、明治5年に官営工場として稼動して明治26年に、その経営は三井財閥に譲渡され、三井製糸と変わりました。
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その後、明治35年から原製糸に経営譲渡され、昭和14年より平成17年9月まで片倉工業による経営となり、工場としての機能は昭和62年を持って操業停止となって、工場としての115年の歴史を閉じました。
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片倉工業の工場だった時代の診療所。 もともとこの工場は、工女たちの就労条件や福利厚生まで考慮され、工場の近代化のモデルとなっていたそうです。
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このブリューナ館は、工場を指導していたポールブリューナが家族と居住していた建物。
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ブリューナの帰国後は、工女の夜間学校である、片倉学園高等学校の施設として使用されていました。
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こちらの窓もフランスからの輸入品です。
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なんとなく学校の施設と言った雰囲気がまだ残っていますね。
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ここから先は立ち入り禁止ですが、奥に見える茶色い木造の建物はどうやら女子寮のようです。
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この講堂の床下には煉瓦造の地下室が3室現存しているそうです。
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ここは、乾燥場といって、繭を高熱で乾燥させていた場所です。
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三井家の次の経営者の原製糸の原富太郎は、横浜の生糸商であの三渓園をつくった人でもあります。
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煙突だけはさすがに建替えられているようです。
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屋根の中央に着いている避雷針
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東繭倉庫のアーチ型の通路を抜けた中庭の一部には日本庭園風の植栽が施されています。
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イチオシ
東繭倉庫のこの窓回り、ここでの一番のお気に入りポイントですね。
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130年前に建てられた当時のこの大きさ、世界一の規模だったそうですから、当時の人たちからするととてつもなくでっかく感じたのでしょうね。
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このアーチ型の通路、両サイドの窓がアクセントになってとてもいい雰囲気です。
かつての操業時はこのアーチの門をくぐって、繭や絹糸を積んだトラックが行き来していましたそうです。 -
中の硝子に微妙なゆがみがあって、それがまた長い歴史を感じさせます。
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3号館は純然たる木造に見えますが、木骨煉瓦造ベランダ付・住宅風建築。1階は竣工以来、事務所として使われています。
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中は見れませんが、バルコニーの回った2階には大理石のマントルピースのついた貴賓室があるそうです。
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昨年6月に世界遺産暫定リストに登載された、富岡製糸場は、これから5年から10年後に世界遺産に登録される予定ですが、1992年にリストに登載された、彦根城や鎌倉がまだ登録されていない所を見ると、もう少し時間がかかるかも知れませんね。
2014年6月に決定するようなので、結局暫定リストに登載後、7年かかったことになりますね。
私の大好きな鎌倉は結局没になってしまい、次は長崎の教会群になりそうですね。
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この旅行記へのコメント (6)
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- たらよろさん 2014/04/27 23:20:01
- 富岡製糸場
- こんばんは、ぬいぬいさん。
世界遺産に登録されたんですね。
関西の人間にとって、、、って私だけかもしれないけれど(笑)
富岡製糸場って何県かしら?
ぐらいの知識しか無くって、どんな場所なのか、
イマイチ知らなくて、、、
何と無く名前から製糸場なんだよなぁ、、、という漠然としたイメージだけで、
世界遺産に登録されるって、一体何がどう凄いのかしら?
なんて思った次第です。
すごく保存状態が良いんですってね。
確かに旅行記で拝見してても見応えありそうな建物がズラリだし、中も展示されているものの状態も良さそうですね。
でも、説明のおじさん、、、
興味を弾く程度の話で良いのですが、、、
ただ長いだけ!っていうのはいかがなものかと。(笑)
いつか機会があれば訪れてみたいです。
たらよろ
- ぬいぬいさん からの返信 2014/04/28 08:18:17
- 確かにどこにあるかわかりにくいかも
- たらよろさん おはよございます
富岡製糸場 今朝もニュースでやってましたが、すごいことになってるみたいですね。
去年の今頃と比べて100倍の見学客
受け入れ態勢が整っていないようで大変みたいですね。
車なら軽井沢からは近いので、ついでに見ることができますよ。
でも、しばらくは大混雑で、落ち着いてから行ったほうがゆっくり見れるかもね。
-
- sate8さん 2008/02/26 20:21:53
- 年末年始の旅行記自慢コンテスト受賞おめでとうございます
- こんばんは。
年末年始の旅行記自慢コンテストの結果発表からきました。
受賞おめでとうございます。
富岡製紙場、高速道路で近くを通ったあの日から
行ってみたいところなのです。
電車でアクセスできるんですね。
いいこと教えていただきました。
洋式建築好きなんです。
この写真、窓に青空とお庭の木が映っていて
それも素敵ですね。
- ぬいぬいさん からの返信 2008/02/27 09:48:14
- ありがとうございます
- sate8さん おはようございます
書込みありがとうございます。
何がもらえるのかなと思ったら、コアラクリップ? だそうです。
でも賞品ではなく、選ばれたことを栄誉と思わなければいけませんよね。
富岡製糸場は高崎から上信電鉄というローカル線に乗って電車で行くことができました。
でも、この電車利用者が少ないせいか、距離がない割りに料金が高く、JRの料金に換算すると倍位する電車でした。
私も西洋建築大好きで、特に明治、大正、昭和の初期にかけて建てられた建物を捜し求めて、全国を旅してます。
そんな旅行記ばかりですので、お暇なときにまた遊びに来てください。
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- 義臣さん 2008/01/21 20:06:18
- 富岡製糸工場
- 懐かしくて、、口惜しい 富岡の製糸工場です
以前は夏休み中数日だけ一般公開で、
飛んで行って見せてもらいましたが
撮影禁止、説明たっぷり、
正面を人物を入れての撮影は許可されましたが、
「見せてやる」、、そんな態度、、もう一度とは思うのですが
あのときの思い出が、足を止めます、
夏休みの小学生達のための一般公開のようでした。
義臣
- ぬいぬいさん からの返信 2008/01/22 10:17:24
- RE: 富岡製糸工場
- 義臣さん おはようございます
富岡製糸場今は自由に見学できるようになっていますが、説明は1時間おきに案内してもらえますが、話が長いのは一緒のようです。
私も、案内の最終の回に合わせて行ったのですが、あまりの話の長さにあきれてしまい、勝手に散策しました。
でも、今でも見れる場所は限られていて、内部には入れるのは東繭倉庫の一部と、繰糸場だけです。
世界遺産暫定リストに搭載されましたが、世界遺産になるまではまだまだかかりそうですね。
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