2015/02/10 - 2015/02/10
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chiaki-kさん
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通常、物を作り出す工場や機械は、終わりの無い技術革新により、古くなっては壊し、新しく造っては、また壊しの連続である。役目の終わった工場や、そこにある古い機械などは、廃棄され、スクラップとなるのが運命なのだが、ごく希に奇跡的に残ることもある。その一例が今回訪れた世界遺産、富岡製糸場である。
富岡市は過去、何度も通過した街で富岡製糸場の名前くらいは知っていたが、ついぞ寄ろうとは思わなかった。そもそも製糸場は私の街をはじめ日本全国、何処にでもあったので、何故、富岡だけが特別なのか全く関心が無かったというのが本音である。ところが、2014年6月に世界遺産に登録されたことで、まあ一度位は話の種に行ってみるかと軽い気持ちで、出かけたのだが、その歴史の重みと毎年1億円近い維持費を18年間負担し続けた片倉工業(現)の情熱に感銘せざるを得なかった。
表紙の写真は富岡製糸場にある操糸場(そうしじょう)の内部。床に置かれた自動操糸機は1965年(昭和40年)のものだが、木造トラス構造の建物は1872年(明治5年)に建てられた建物そのものである。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
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富岡製糸場は富岡市の真ん中にあり、製糸場には観光客用の駐車場は無い。車で行く場合、市内にある有料駐車場に駐車するのが一般的だが、市営・民間と数多くある。なお、近くにある駐車場ほど料金は高め。 -
道路には、このように製糸場への道順がペイントされているので迷うことは無い。
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市営宮本町駐車場から5分ほど歩くと、世界遺産富岡製糸場の建物が見えてきた。
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これが正門。なお、富岡製糸場は2005年より富岡市の所有となっている。
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2015年2月10日現在は大人500円だが、4月1日から大人1000円になった模様。
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無料のガイドツアーもある。あいにく12時前の入場だったのでガイド無しで見学する。なお、200円でガイドフォンも借りられる模様。
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一番最初に見るのは東繭倉庫。説明にある通り1階は事務所、作業所などで、2階は乾燥させた繭を貯蔵した倉庫となっている。
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正門から入って目の前にある赤ンガの建物が東繭倉庫。
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1872年(明治5年)の建築。ここで富岡製糸場の歴史についてスタディ。
日本は江戸時代末期に開国した際、生糸が主要な輸出品となっていたが、粗製濫造の横行によって国際的評価を落としていた。そのため、官営の器械製糸工場建設が計画されるようになる。
富岡製糸場は1872年(明治5年)にフランスの技術を導入して設立された官営模範工場であり、器械製糸工場としては、当時世界最大級の規模を持っていた。そこに導入された日本の気候にも配慮した器械は後続の製糸工場にも取り入れられ、働いていた工女たちは各地で技術を伝えることに貢献した。
1893年(明治26年)に三井家に払い下げられ、1902年(明治35年)に原合名会社、1939年に片倉製糸紡績会社(現片倉工業)と経営母体は変わったが、1987年(昭和62年)に操業を停止するまで、第二次世界大戦中も含め、一貫して製糸工場として機能し続けた。
第二次世界大戦時のアメリカ軍空襲の被害を受けずに済んだ上、操業停止後も片倉工業が保存に尽力したことなどもあって、繰糸所を始めとする開業当初の木骨レンガ造の建造物群が良好な状態で現代まで残っている。2005年に敷地全体が国の史跡に、2006年に初期の主要建造物(建築物7棟、貯水槽1基、排水溝1所)が重要文化財の指定を受け、2007年には他の蚕業文化財とともに「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産の暫定リストに記載された。2014年6月に世界遺産登録の可否が審議され、6月21日に日本の近代化遺産で初の世界遺産リスト登録物件となった。
(Wikipedia参照) -
内部はこんな感じで製糸場の歴史や製糸の仕組みなどをパネルや実物を置いて解説している。ビデオもあり。
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順路に一部変更があり(後述)2番目は操糸場。創業当初はフランス式操糸機300機を設置した世界最大(当時)の操糸場だった。
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木造、トラス構造の工場は明るく、広い空間が確保されている。なお、建物の内部に柱をもたない構造は、明治時代に続々と建てられた日本全国の工場のモデルともなった。
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今、見られる自動操糸機は1965年(昭和40年)製のものだが、綺麗に保存されている。片倉工業のHPによると日産自動車製!だそうだ。 そういえばトヨタ自動車も豊田自動織機自動車部がルーツだったね。
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操糸機がうなりをあげて回っていた頃が想像される。
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ブリュナ館とは、1970年(明治3年)に指導者として明治政府に雇われたフランス人、ポール・ブリュナが家族とともに暮らしていた建物のこと。ブリュナは1975年(明治8年)に富岡を去り、その後は工女の学校や、後の片倉富岡高等学園の校舎として利用された。なお見学当日、内部では特別展示がなされており撮影禁止だった。
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大きな建物で、地下には地下室もある模様(非公開)。
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浅間寮、妙義寮と呼ばれた寄宿舎も残っている。
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昔の小学校を思い出す。
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庭の南側には鏑川が流れている。工場は高台のような場所にあるのだが、もともと農業には適さない土地だったようだ。
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遠くにはボートをひっくり返したような荒船山を見ることが出来る。
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庭園には桜の古木があるのだが、開花の頃は一段と賑わいそう。
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富岡製糸場には当初から診療所が造られフランス人医師が診療にあたっていた。
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治療費、薬代は工場持ちであった。
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東繭倉庫の向かいにある建物は女工館とよばれるブリュナがフランスから連れてきた女性指導者達の宿舎。
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当時の言い方でいうと”ハイカラ”な建物である。
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東繭倉庫の裏手に廻ると、こんな壊れた工場が目に飛び込んできた。
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ここは製糸場の心臓部とも言える繭乾燥所なのだが、2014年2月14〜15日の大雪で半壊してしまい目下、復旧工事中。このせいで見学順序も変更に。
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次に訪れたのは西繭倉庫。当時北半分は蒸気エンジンを動かす石炭置き場となっていた模様。
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ブリュナはレンガ造りも指導した。
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工場の中心にそびえる煙突は1939年(昭和14年)に建て替えられた物だが、工場のシンボル的存在。
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最後に見た(外観のみ)のは社員住宅。ちなみにこの家は工場長の家。
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女子寮や社員住宅、そして診療所など福利厚生施設も充実しており、戦後は、社内に高校卒業資格を取得できる片倉学園まで設置した。
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しかし、和服の需要減少など社会情勢の変化に加え、1972年(昭和47年)の日中国交正常化により中国産の廉価な生糸の輸入の増加により、生産量は減少に向かい、1987年(昭和62年)2月26日に操業を停止、同年3月5日に閉業式が挙行された。
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工場が廃止されると、建物は解体され、機械はスクラップとなり、そして土地は売却されるのが通常だが、片倉工業のトップ達は、この建物の歴史的価値を理解していたので、毎年約2000万円の固定資産税と、維持管理費約8000万円を18年間にわたって支出し製糸場を守った。
片倉工業は2005年に富岡市に土地建物を一括寄贈、その後、製糸場は重要文化財や国宝に指定されたり、街ぐるみで世界遺産への運動や準備を行った結果、2014年6月「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産に登録された。
現在、老朽化や大雪の被害などのため、内部が公開されている建物は繰糸所と東置繭所、ブリューナー館の一部のみである。製糸場全体を公開するための修復工事には期間30年、費用100億円を費やす必要があると見積もられているが、工事の進捗を見ながら是非、再訪問したい気持ちになった。 -
富岡製糸場の見学を終え、車で10分ほど移動した甘楽町にある「こんにゃくパーク」へ初めて寄ってみた。
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こんにゃくパークは(株)ヨコオデイリーフーズが経営する体験型テーマパークで、こんにゃく造りなどが体験(有料)できるのだが、なんといってもここを有名にしたのは無料こんにゃくバイキング!
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歴史パネルやこんにゃく体験コーナーなどは全て無視!して無料バイキングコーナーへ直行。
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バイキングカウンターは手前が個人用、奥が団体用に別れている。
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こんな屋台風のコーナーもある。田楽みそおでん、おいしかったです。
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こちらはこんにゃく寒天ゼリーのデザート。言われなければこんにゃく入りとは解らない。
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こんにゃく料理はこのようなプレートに自分で取って盛りつけるのだが、飲み物は水だけ。飲食物の持ち込みは出来ない。
なお、独断と偏見によりこんにゃく料理の採点を勝手にさせていただきます。
◎:とてもおいしい ○:まあまあ △:微妙 ×:こりゃだめ
最初のプレートの料理は
左上から ○ごぼうこんにゃく、○白玉こんにゃく & △カレーこんにゃく、○ピリ辛こんにゃく、
左下から ◎こんにゃく寒天ゼリー、◎味噌田楽(何故か2本)。 -
おかわり(^^;; のプレートは
左上から ◎焼きそばこんにゃく、○油揚こんにゃく、×???、
左下からまたまた ◎寒天ゼリーこんにゃく、△サラダこんにゃく、×???。 -
あくまでも建前は試食ということですので、食堂と勘違いしないようにね。
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食べ残しもルール違反ですよ。
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3杯目(^^;;; はこんな感じ。
左上から △レバーこんにゃく、○刺身こんにゃく、△冷やし中華こんやく、
左下から ◎おでん、◎こんにゃく寒天ゼリー(好きだね)、◎こんにゃく寒天プリン?。 -
そして こんにゃくラーメン 評価は◎。
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バイキング会場はこんな感じ。
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モニターでは、TV番組で取り上げられた映像を流していた。
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こんにゃく製品人気ベスト5 & お土産ベスト5
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バイキング会場の隣には当然のごとくお土産のこんにゃく製品が、結構強気の値段で売られていたが、まあ試食代込みだと思えば許容範囲。
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と、いうことで購入したのは こんにゃくラーメン、玉こんにゃく、冷やし中華こんにゃく、刺身こんにゃく、こんにゃくブドウパン、そしてこんにゃく寒天プリンが3種類。値段はこんにゃくブドウパンが750円と高かったが、後は100円から200円程度のものなので、総額2000円ほどのお買い上げ。玉こんにゃくは、さっそく夕食の鍋に投入したが、歯ごたえがちょうど良いあんばいでおいしかったです。
これで「2015年 富岡市・甘楽町旅行記:奇跡の世界遺産、富岡製糸場&こんにゃくパーク」は終了です。本日も最後までご覧いただきありがとうございます。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- わんぱく大将さん 2015/03/26 09:11:25
- ええあんばいでしたか
- chiaki-kさん
お久しぶりで。 元気にコニャック、いや、こんにゃくを召し上がってらっしゃるのでおげんきでしょう?
富岡製糸も日本に帰ってた時に日帰りで姫路から行きましたがな。その時も人が多かったですが、世界遺産に登録されてから増えたでしょうね。
あそこから日航機が墜落した山が近いとガイドさんの説明。今回、ドイツの飛行機も同じようだったのかわかりませんが残念です。
大将
- chiaki-kさん からの返信 2015/03/26 17:55:14
- 御巣鷹山は家から20kmほどです
- ・
大将さん、お久しぶりです。
>元気にコニャック、いや、こんにゃくを・・・
最近強い酒は控えて、ワイン中心です。昨晩はリオハを飲みました。
>富岡製糸も日本に帰ってた時に日帰りで姫路から行きましたがな・・・
大将さんらしいエピソードですね。想像通り大人気の観光地になりました。
> あそこから日航機が墜落した山が近いと・・・
御巣鷹山は家から20kmほどの場所にあります。今回のドイツのLCC事故はパイロット
の問題のようですが、あの日航機事故では、圧力隔壁の破裂によりコントロール
系が全て失われた状況で井出機長がエンジン出力の調整だけで、数十分飛行を
続けたのは今でも奇跡だと言われています。
閑話休題
「桃源郷の織りなすパッチワーク − Aitona」拝見しました。
*コウノトリ・・・動く被写体は難しいのですが、流し撮りバッチリです。
*「汽車の窓からハンケチ振れば〜」の歌声・・・誰が教えたんでしょう。
*花言葉は「恋のとりこ」「あなたに夢中」・・・知りませんでした。
*奥村ちよとか、ザ・ピーナッツ・・・う〜ん、キャンディーズかな(^^;;
10年分の桃の花を堪能させていただき、ありがとうございました。
では、また。
chiaki-k
-
- ろこままさん 2015/02/22 18:05:28
- はじめまして
- chiaki-kさん
はじめまして、ろこままと申します。
ダイヤモンド富士の旅行記への訪問、投票をありがとうございます。
お天気に恵まれ、感動の時間でした〜
chiaki-kさんの富岡製糸場の旅行記を拝見させていただきました。
やはり、世界遺産、見応え充分なんですね。
詳しい説明で、歴史や維持の大変さが解り、よくぞ残していただいたと感慨深く拝見させていただきました。
また、他の旅行記へもお邪魔させて下さいね。
ありがとうございました。
。。ろこまま。。
- chiaki-kさん からの返信 2015/02/22 21:50:28
- カナディアン・ロッキーの風景、言葉無しです。
- ・
ろこままさん、はじめまして。富岡・甘楽旅行記に投票ありがとうございます。
> 詳しい説明で、歴史や維持の大変さが解り、よくぞ残していただいたと
感慨深く拝見させていただきました。
プロローグにも記述しましたが、ただの製糸工場がなんで世界遺産になったのか
不思議に思っていたんですが、いろいろ調べてみると、片倉工業の経営者さんや
地元の人達の熱い思いにより奇跡的に取り壊されずに残ったことを知りました。
坂の上の雲を追いかけて近代化の道を突き進んだ日本ですが、その日本の近代化を
支えた工場や機械などの遺産は、もう、ここしか残っていないそうです。
> また、他の旅行記へもお邪魔させて下さいね。
お待ちしてま〜す。
ところで、「2015ダイヤモンド富士に逢えました」そして「感動のアメリカ
カナダ周遊の旅9日間」、拝見しました。
*デジカメで、手持ちで、オートで・・・私もだいたいそうです。
今のデジカメは手ぶれはもちろん、逆光も自動的に補正してくれますので
基本的に手持ち、オートでOKだと私は思っています。あとはたくさん
撮ることですかね。
ダイヤモンド富士も素晴らしいんですが、カナディアン・ロッキーの風景には
言葉が無いです。
ロッキーの宝石・ルイーズ湖、テンピークスとモレーン湖、そしてボウ湖など
まるで夢の世界です。
ツアーでこれだけの好天に恵まれたなんて、よほど強力な運を、お持ちと拝察
いたします。良い物を見せていただき、ありがとうございました。
では、また。
chiaki-k
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