さいたまさんのクチコミ(10ページ)全2,813件

馬込勘解由の碑が、えびす通り西側にあります。べったら市、恵比寿神社と縁があります。
馬込勘解由の碑には、べったら市の由来の表題があり、べったら市ができた所以が記されています。べったら市は、恵比寿神社の境内で、べったら漬けが人気を博したことから、定期的に位置が開かれ、栄えていった経緯があります。
恵比寿神社は、もともと宝田村にあったのですが、江戸城拡張のため大伝馬町の馬込勘解由の屋敷内に移転しました。
馬込勘解由と宝田恵比寿神社は、縁が深く、べったら市も恵比寿神社の市から発展したことが、絆となっています。
このため、馬込勘解由の碑には、べったら市の記述があり、馬込勘解由の碑の横には、宝田恵比寿神社の石柱が立てられています。
縁は、異なものと味なものとの言葉がありますが、まさにその絆の通りです。

日本橋に日本和紙の専門会社の小津和紙があります。江戸初期に創立され、広い分野で活動しています。
小津和紙は、紙製品はもとより、銀行業、茶業、水産業等、多方面に業務を拡大してきました。
現在は、不織布の分野に、力を注いでいます。
本来の和紙の生産を主としていますが、美術館、博物館等を開設し、紙関係の発展について紹介しています。
今回訪れた際には、和紙の作り方について講習会を開催していて、多くの参加者に、和紙の奥深さを紹介していました。
博物館では、豊富な資料を展示して、和紙に関する知識や新たなる分野を紹介していました。
小津和紙は、国内における新たな工芸品の開発に力を注ぐとともに、中国やタイにおける不織布の生産、普及に努めています。
和紙の新たな分野における活用を模索しているようです。

大日如来の生まれ替わりとされた於竹が、馬込家に奉公していた際、利用していた井戸の跡が残っています。
大伝馬町のえびす通りの馬込勘解由屋敷跡の西側に、於竹大日如来井戸の跡があります。
黒色の陶板に白色に刻された史跡の表示板と、その横に解説板があります。
赤色の幟が掲げられていますので、比較的、判りやすい場所だと思われます。
周囲は、石レンガの囲いがあり、、石燈籠も置かれています。
当時の市中の庶民が、大日如来の生まれ替わりとされる於竹を見ようと、やってきて、井戸の周りで働く姿を目にしたそうです。
於竹の誠実な働きぶりを見て、感心したとのことですが、簡素な井戸の後です。
標示や解説板がなければ、見過ごしてしまうような場所です。
簡素な中にも、ひたむきに働く姿を想像できる感じがします。

宝田恵比寿神社は、大伝馬町のえびす通りにある神社です。江戸城拡張に際して、移転してきました。
移転に際して、馬込勘解由が、宝田村にあった恵比寿神社を移すとともに、地域住民を引率し、伝馬町に居住するようになりました。
徳川家康は、馬込勘解由の功績を認め、徳川家に伝わる繁栄御祈念の恵比寿様を勘解由に授け、勘解由は、恵比寿様を、恵比寿神社内に安置したとのことです。
村民は、金銀為替、駅伝、水陸運輸、それぞれ重要な役を賜り、勘解由は名主となって三伝馬取締役に出世し、役名に因んで大伝馬町の町名を授けられ、栄えていったと言われています。
このように、宝田恵比寿神は、商売繁盛、家族繁栄の守護神として崇敬されていて、その名前は、江戸中に広まったそうです。
宝田恵比寿神社には、ありがたい話が伝わっています。霊験あらたかな感じがします。

馬込勘解由は、徳川家康の江戸開府以来、大伝馬町で物資や人の往来のための手配を担当していました。
街道沿いの交通の馬や人足の手配のための拠点として、馬込勘解由の屋敷及び手配所がありました。
馬込勘解由の名称と役割は、世襲として代々継承され、身分として、名字帯刀を許されていたそうです。
馬込勘解由は、大伝馬町ばかりでなく、周囲の街道筋に、支配の区域を広げていたようで、それらのうちの大伝馬町の屋敷跡の記録が、沽券図として残されています。
大伝馬町の屋敷跡の沽券図には、合計５筆の区域が馬込勘解由の土地として明記されています。
関連する資料によりますと、土地ばかりでなく、地域役人としての収入も多いようで、伝馬町周辺の実力者だったことがわかります。
現在で言えば、地域の手配師として、大きな力をもっていたと理解できます。

身延別院は、小伝馬町の牢獄で亡くなった囚人等の霊を慰めるために設立された日蓮宗のお寺です。
江戸時代、伝馬町の牢屋敷には、吉田松陰、橋本左内等の幕末の志士の他、盗賊や殺人鬼も収監されていました。八百屋お七のような乙女もいたのでした。
その跡地は誰も住む人もなく放棄されていましたが、法華の道場を建立して、大勢の亡霊たちを慰めようと開設されのが日蓮宗の身延別院です。
伝馬町の牢屋敷跡は、現在、十思公園となっていますが、身延別院は、公園の南側にあります。
身延別院は、牢獄で獄死や処刑された囚人の霊を慰めるためか、赤色とか金色の色彩が目立っています。
一般的には、黒色とか茶色のような落ち着いて色が適切かと思われますが、赤色や金色が目につきます。牢獄という暗黒の世界の中で、希望を見出すためなのかもしれません。
囚人たちの気持ちをおもんばかったのかもしれません。

日光街道の標石柱が、日本橋の大伝馬本町通りにあります。徳川将軍の日光詣りの御成道でした。
伝馬本町通りの標石柱は、旧日光街道の本通りにあります。
標石柱の側面には、徳川家康公江戸開府に際し、御傳馬役支配であった馬込勘解由が名主としてこの地に居住していたため、大傳馬町と称されていたとのことが記されています。
同じく、標石柱には、江戸名所図絵や広重の錦絵に画かれている著名な場所で、この地域は、将軍御成道として繁華な本街道であり、木綿問屋が軒を連ねて殷賑を極めていた歴史が刻まれています。
江戸時代の日光街道の隆盛ぶりが伝わってきます。
江戸時代の将軍御成道には、各所に、記述が残されていて、日光街道を経た、将軍の日光詣では、重要な行事であったことが窺い知れます。

江戸通りは、東京駅から浅草の言問橋までの間の道路を言います。ビジネス街と観光の通りの観がします。
現在の国道６号線の経路と重なっている区間が多いですが、国道４号線にも、近い関係かあります。
また、江戸時代の水戸街道に連接しています。
江戸時代においては、奥州の大名が参勤交代で、江戸に向かう際、日光街道、水戸街道等を利用していたようでしたので、混みあっていたとの資料の記録があります。
参勤交代時の混雑を避けるため、江戸通り等を含め脇街道も多く利用されていたようです。
江戸時代の江戸通りの近くには、日光街道の標石柱もあり、歴史の移り変わりと当時の様子が記されています。
現在は、主として国道となっていて、商業、観光、交通の幹線となっています。

小伝馬町の大安楽寺は、牢獄処刑場で処刑又は亡くなった者たちを慰霊するため建てられたお寺です。
小伝馬町駅の北側一帯は、伝馬町牢屋敷の跡地でした。
その一角に大安楽寺があります。
大安楽寺の敷地内にも「江戸伝馬町処刑場跡」の碑が残っています。
伝馬町牢屋敷は、多くの囚人が処刑された経緯があり、跡地は処刑場跡であることが嫌われ、荒れ果てたままでした。
この地域に、処刑者の亡霊の燐火が燃えるのを見た五大山不動院の住職が、刑場で亡くなった者たちを慰霊しようとして大倉喜八郎、安田善次郎らの寄進を受け創建されたのが大安楽寺です。
お寺の名称は、通常３文字なのですが、大安楽寺の寺名は、４文字です。
大安楽寺の「大」は大倉、「安」は安田という、支援してした財閥の名に由来しています。
悲しい運命を背負った大安楽寺の歴史です。

杵屋勝三郎歴代記念碑が、小伝馬町駅北側の十思公園にあります。長唄や三味線の一派を成す名家の代々世襲の記念碑です。
記念碑は、２基の石碑からなっています。
江戸の長唄三味線の名家の記念碑にしては、真四角な石碑となっていて、堅苦しい感じがします。
２基の石碑は、いずれも真四角です。台座も真四角です。
長唄や三味線の世界において、真四角という形は、遊びの気持ちから来る、こころの余裕がないのではないかと、心配になります。
長唄や三味線の名家の記念碑が、伝馬町牢屋敷の在った場所、しかも、囚人が多く投獄され、その上、処刑されていた場所に、代々世襲の石碑を建てた理由が、よく判りませんでした。
聞くところによると二代目の杵屋勝三郎が、伝馬町牢屋敷の近傍に住んでいたことが、記念碑を建てる場所にした理由だそうです。よく解りませんが、当時としては、それなりの理由だったのでしょう。

吉田松陰終焉之地の石碑が、十思公園内にあります。国を思う偉大な指導者の覚悟がしのばれます。
列強のアジア支配の圧力の中、明治維新に先立ち、有為の人材の育成に努めた吉田松陰が、伝馬町牢屋敷で刑死した終焉の地である十思公園の北側に、３基の石碑が立てられています。
吉田松陰終焉之碑、辞世の碑、そして吉田松陰顕彰碑の３基の石碑が、ひっそりと置かれています。
３基の石碑は、樹々の間に静かに並んでいます。

伝馬町牢屋敷跡の遺跡が、小伝馬駅北側の十思公園内にあります。十思スクエア内に展示されています。
伝馬町牢屋敷は、慶長年間から明治初期まで、約２７０年間にわたり、延べ数十万人もの囚人を収容していたそうです。
伝馬町牢獄は、常盤橋にありましたが、伝馬町に移転し、明治８年に、市ヶ谷監獄ができるまで、伝馬町に存在し続けたそうです。
十思スクエアには、当時の牢屋敷を復元した牢の模型が展示されているとともに、発掘調査の折に、出てきた石垣が保存されています。
当時の牢屋敷は、現在の十思公園の数倍にもわたる広大な規模であったことが、理解できます。
幕末の頃、江戸幕府に抗した勤王の志士９６名が処刑されたことが記録に残されています。
悲しい歴史とその現実を記した伝馬町牢屋敷の跡地です。

時刻を知らせる石町の時の鐘は、当初室町にありましたが、火災にあったため、石町に移転されました。
石町の時の鐘は、小伝馬町駅の東北側の十思公園のほぼ中央にあります。
現在の石町の時の鐘は、高いコンクリート製の櫓の上にあり、迫力があります。
以前の時の鐘の鐘撞堂は、木造だったため、火災に弱かったようですが、石町に移った時の鐘の櫓は、火災に強かったのでしょう、戦火にも耐え、現在まで残っています。
戦時中の鉄類の供出命令の中、どのような理由で残されたかは、詳らかではありませんが、昭和５年以来、現在まで、残っています。
石町の時の鐘は、都の重要文化財に指定されています。
石町の時の鐘が、現在も生活の中で、時を知らせることは、ないと思われますが、江戸時代には大切な役割を担っていたと思われます。時代の変化を感じます。

小伝馬町にある十思湯 は、十思公園の西側にある十思スクエアの２階にあり、だれでも入れる公衆浴場です。
十思湯周辺は、旧十思小学校の在った場所で、十思スクエア等の施設は、小学校の校舎跡を活用している部分があるようです。
十思湯は、十思スクエアの２階にあるため、階段を利用する場合は、注意が必要です。
大人５００円、子供１００円の入場料は、昨今の公衆浴場として普通なのでしょう、利用客は、少なくはないようです。
料金から見ると、温泉としての湯質まで満たしているようには思えません。
いずれにしましても、十思湯は、都会における公衆浴場が少なくなっている現状の中で、地域住民の健康管理の一端を担っているようです。
豊島区、板橋区や北区のように、清掃工場の排熱を利用した公的浴場施設を思い起こしています。

十思公園は、地下鉄小伝馬町駅の北西にあり、吉田松陰終焉の地の石碑等があり、有名な公園です。
園内には、吉田松陰終焉の地の石碑、時の鐘、杵屋勝三郎代々の墓、伝馬町牢屋屋敷石垣遺構、十思スクエア、十思湯等　の名所旧跡があります。
それぞれの名所旧跡は、園内の端の区域にありますので、公園としては、トイレ、ベンチ等との主要な施設の使用には、支障がありません。
十思公園は、比較的広い公園で、他の公園に比し、遊具等も大きなものがあり、かつ種類も多いです。
子供たちも、園内を走り回ったり、遊具で遊んだりしています。付き添ってきている母親等は、安心して子供が走るさまを眺めています。小伝馬町駅周辺の厳しい交通状況から見ると
心配することも少ないのでしょう。
それらの安心感を含め、十思公園は、周辺の住民にとって、憩いの場となっているようです。

４年半ぶりに、日本橋とやま館を訪れました。相変わらず、明るくきれいな店内で、懐かしいです。
日本橋の橋の北側にある日本橋とやま館は、富山県の山海の珍味や工芸品等を販売するアンテナショップです。有楽町にも、いきいき富山館があり、訪れたことがあるはずなのですが、記憶に残っていません。なぜか日本橋とやま館のことを覚えているかと言えば、スタッフに富山のことを尋ねた折に、親切に教えて貰った印象が、記憶として鮮明に残っているためです。印象という感覚的なものは、何かのきっかけを介して、記憶に残るものだと感じた次第です。翻って、自分のことについて、注意したいと思いなおしています。
いずれにしましても、明るくきれいな店内とスタッフの親切さは、日本橋とやま館の良き印象として、長く記憶に残っています。
他山の石として、留意しておきたいと思っています。

三浦按針の屋敷跡が、史跡として、日本橋三越の東側にあります。見逃してしまいそうな石碑です。
英国人のウイリアムアダムスが、豊臣政権時の筆頭五大老であった徳川家康に重用され、江戸に屋敷を与えられ、居住した場所に、三浦按針屋敷跡として残されています。
アダムスは、ロッテルダムを５隻の船団で出発しましたが、日本に漂着したのは、１隻になってしまいました。船大工の修行の後、航海士となったアダムスは、家康の庇護のもと旗本扱いの通訳や助言者として、家康の諮問に応えていきました。
船の建造を命ぜられたアダムスは、１２０トンの船を建造したことから、相模国逸見に領地を与えられ、三浦按針の名称を得ました。
家康の没後、不遇な時期を過ごし、日本に骨をうずめました。
数奇な運命の連続は、まさにドラマと言えそうです。

三越日本橋本店の屋上に漱石の越後屋という石碑があります。漱石のお気に入りの越後屋への思いです。
夏目漱石は、日本橋への思い入れは、かなりのものだったようです。
夏目漱石の代表作と言われる「虞美人草」や「こころ」の中に越後屋が登場しています。
早稲田大学で教鞭をとっていたことから、早稲田大学総長以下の有志が記念事業として漱石の越後屋という石碑を建てました。
石碑の横には、紹介文を記した顕彰碑があります。
漱石の越後屋の石碑の刻銘は、早稲田大学総長によるものです。
漱石の作品の「虞美人草」には、小学校へ上がる前に黄八丈や縮面を買いに越後屋へ連れられて来たとのくだりがあります。また、「こころ」には、奥さんと娘の三人で、反物を求めに日本橋へ行き、買いたいものを買いましたとの記述があります。

三越本店の屋上に、活動大黒天が祀られています。商売繁盛と幸運をもたらす神として崇められています。
高村光雲の作によるとのことですが、本当に彫刻なのか、よくわからないのですが、三越本店がいうことですので、信用ができます。
信頼関係は、心の繋がりですので重要なことです。
大黒天の神様のご利益も、商売繁盛ということですので、特に信じたいと感じます。
大黒天は、暖かい表情で、俵の上に立ち上がり、右足を踏み出して打出の小槌を振り上げ、福徳を授けようとする活動的な姿をあらわしているようです。
商売繁盛と幸運をもたらす神として、広く一般に親しまれていますが、三越本店の三囲神社の横の活動的な大黒天は、そのご利益でなお一層、敬愛されていくことを心から念じています。

三圍(囲の旧漢字でミメグリと読む。)神社は、日本橋三越の屋上に祀られている神社で、三越越後屋を興した三井家の守護神とされています。
白狐の神像から白狐が現れて、三遍回って姿を消したことから、三巡りから「三めぐり」に由来するとされるそうです。
また、別の意味があり、「囲」が「（三）井」を囲んでいることから、「三井を守る」とも伝えられ、江戸時代から三井家の鬼門除けとして崇拝されてきたそうです。
いずれにしても三井の開祖である三井越後屋の守り神として、大切にされて来たようです。
現在は、三越本館の屋上の日本橋庭園の中央に置かれています。
神社としては、やや簡素な感じがしますが、三井家の守り神として扱われています。
できることならば、三井家と越後屋の関係を含め、江戸時代からの経緯を示す解説板を置いて頂きたいと感じています。