はちのすけさんのクチコミ(98ページ)全3,564件

　菅原道真の京の邸宅に植わっていた梅が主人を慕って大宰府に飛んできた－という伝説に基づく太宰府天満宮のご神木だ。本殿の両脇に紅白梅がそろっていたが、向かって右側の白梅が「飛梅」だ。梅の時季に出かけたが、巨木に白梅が咲きそろい、朱塗りの本殿によく映えていた。説明版によると、境内にある二百種六千本の梅の中で真っ先に咲くという。

　当初は菅原道真が埋葬された地だったが、後年、名誉が回復されるにつれて天満宮が整備されていった。本殿は焼失を繰り返し、現在の建物は安土桃山時代の建築だが、いい意味での流麗さ、華やかさがあり「天神さま」の総本山としての貫禄を醸し出している。

　境内の中ごろにある国指定の重要文化財だ。社殿は長禄二（１４５８）年の建築とされ、意外だが九州では最も古い木造建築だという。釘を一本も使っていない組木細工でできており、優れた工芸品だと高く評価されている。見落としがちだが、順路上なので一見を。

　光明とはよく名づけたもので、光がきれいに見える庭園だった。西鉄太宰府駅裏手の国博通りをしばらく歩くと右手に見えてくる寺院。門構えは小ぶりだが、意外と庭が開けている。地元では苔寺と呼ばれているらしい。入り口は無人だが入場料として２００円を納める。門をくぐると左手に見えるのが「仏光石庭」。京都の竜安寺を連想させるような石庭で、庭石が「光」の字に配置されているそうだ。裏庭が「一滴海の庭」。樹木と白砂と石の配置の妙が見るものを魅了する展観で、白砂の上に描かれた箒目と苔むした木々に反射して緑に見える光が印象的だ。紅葉の時季の写真があったが、再訪したくなるほど十分な説得力があった。

　西鉄太宰府駅前から太宰府天満宮までの道すがらだ。初めてで目当てがなければ、駅前にある観光案内所でマップを入手すると便利だ。修学旅行や団体客向けの土産物店や飲食店が軒を連ね、ほぼ平坦な道のりだ。名物として知られる梅ケ枝餅は複数店舗で売っており、どこで買ったらいいか迷う。一往復して迷った挙句、一番行列が長かった「かさの家」で購入した。

大宰府市を初めて訪れてよくわかったが、一日がかりでぐるりと歩く観光地だ。大宰府天満宮周辺と観世音寺周辺をぐるりと周回すれば有意義な観光ができそうなルートだ。その中心は、やはり大宰府天満宮だ。長大な門前町をぶらぶらと寄り道しながら歩き、多くの摂社、本殿に参拝し、お守りや御朱印をいただき、さらには近くの寺院に参り、梅が枝餅などの食を堪能すると、あっという間に半日は過ぎる。ちょうど梅の時季に訪れたが、しだれ梅が印象的だった。

　六郷満山の第23番札所。六郷満山を含む国東半島の寺院は天台宗が多いが、ここは珍しく曹洞宗だ。江戸時代は九州の曹洞宗総本山だったという。風格がある石段の先には二重門の山門がそびえ、石仏の仁王像がある。正面の仏殿は室町時代の建築で、かやぶきの大きな屋根が珍しい。仏殿と開山堂は国の重要文化財だ。ご朱印をいただく間に本堂などを見学させてもらったが、壇上の本堂と寺務所が渡り廊下でつながっているなど、かなり大ぶりな構え。九州の曹洞宗総本山だった片鱗がよくわかった。

　八幡宮を勧請した神社で、戦後、温泉神社も合祀したことから二つの神社の行事を執り行う。朝見は地名だが、熱海がなまったものだという。女子に人気の神社らしく、お守りの数の多さには圧倒される。授与所もインスタ風のPRがされており、いかにも、だ。縁結びでも人気でおみくじを結ぶのはハート形の場所が用意されている。御朱印は八幡朝見神社と温泉神社の両方が用意されており、行った時は令和の特別御朱印が頒布されていた。御朱印帳を手渡す時に巫女さんが御神楽の鈴でおはらいをしてくれた。

　まるで合掌造りの屋根が地面に置かれているようで、明礬温泉独特の風景を構成している。「天然の化学工場」とは言い得て妙な表現だ。明礬温泉のエリアは地下30センチには温泉脈があり、地表から勢いよく温泉ガスの蒸気が噴出する。これを利用して湯の花をつくるのだが、江戸時代から約300年、製造し続けているという。噴気と独特の小屋を見ていると、別府に来た、という感じがひしひしとする。見学無料で、そんなに時間はかからない。

　大型連休の最中に行ったが、営業時間が始まる前から長蛇の列ができており、びっくり。まるで人気のラーメン店みたいだ。宿泊施設やタクシーの予約手配、定期観光バス、路線バスの案内などが人気のようだ。別府の観光地はJR駅から放射線状に広がっているだけに、交通を中心とする観光案内は頼りになる。パンフレットや地図も充実している。

　駅前の銅像はそのまちのヒーローが建立されるものだ。岐阜駅の織田信長、甲府駅の武田信玄、赤穂駅には大石内蔵助、お隣の大分駅には大友宗麟とフランシスコ・ザビエルが威風堂々と立っていた。一風、変わったところでは津山駅は箕作阮甫という蘭学者だったが、若い日の旅立ちの姿だった。普通はそうなのだが、油屋熊八の像のようなポーズは見たことがない。芸術家は自由な像を造りたがるものだが、発注者がよく許したものだと思う。と、いうか、地域がよく認めたと思う。よっぽど、こうしたポーズをとっても違和感のない人物でなければ、この格好で駅前の一等地に鎮座できまい。この人の生涯は有名なので、ここでは省く。行った時はラグビーのW杯PRのため、ラガーシャツを着ていた。らしいといえば、らしい。

　JR大分駅の南側にある施設だ。大ホールのほか、会議室、図書館、福祉関連施設などが入居している。変わった名称だが、大分市の木がホルトノキであることにちなんだという。ケーブルテレビのジュピターテレコムが命名権を獲得しているが、ホールの一角にサテライトスタジオがある。駅に近いが観光施設というわけではない。

　府内城址近くの公園だ。１９５１（昭和２６）年に戦後復興計画の一環として建設されたという。それこそ市中の緑スポットという感じだ。ここの公園が遊歩を誘うわけは一連の彫刻群だろう。フランシスコ・ザビエルや伊東マンショ、滝廉太郎のほか、音楽、医術が渡来した様子を描いた作品が並んでおり、それらをたどっていると自然に遊歩してしまう。

　駅前にはその街のヒーローの像が立っているものだ。岐阜駅前の織田信長、甲府駅前の武田信玄、静岡駅前の徳川家康。そして大分駅前には大友宗麟像が立っていた。２０１１年にも訪れたことがあるが、今よりも台座がかなり高く見上げるような感じだった。今回、久し振りに訪れたが、駅も建て替わり、像の位置も変わっていた。また、見上げるような場所にあった像も、台座がだいぶ低くなり、印象も随分違った。親近感が増したような感じだ。洋装の戦国大名はいかにも時代の転換期にふさわしい。

　外壁は赤レンガに白い石の帯、屋根にはドーム。典型的な「辰野式」の建築だ。旧二十三銀行の本店として大正年間に建設された。改修を重ねているが、建設当時の赤レンガなどを使用しているという。すでに銀行の機能はなく、県産品の販売やコーヒーショップが入居していた。京都の三条通にあるようなレトロ建築だ。

　同じ敷地にNHK大分放送局やホールがある複合施設のホテルだ。大型連休に２泊したが、日航系のホテルだけにサービス、部屋ともに満足できた。立地もいい。大分市のアーケード商店街であるセントポルタ中央町と道路をまたぐ通路で直結しており、雨天時も濡れずに同商店街やJR大分駅にも行ける。大分きっての繁華街である都町もすぐそば。コンビニも近い。中心地の割には静かな環境で、すぐそばに県立美術館があった。

　伊勢神宮外宮の豊宇気比売大神と同神とされる若宇加能売命を祭る神社で、外宮と同じく五穀豊穣、衣食住のご利益として知られる。また、すぐ近くを大和川が流れることから水の神様として信仰を集め、龍田神社の風と併せ、この地域の風水を治めてきたとされる。境内は小ぶりだが、参道がとても長く、印象的だ。この日は雨だったので大変だったが、晴れの日に歩けば気持ちがいい場所だろう。

　法隆寺から少し離れた斑鳩の町にある神社だ。龍田大社と混同しがちだが、法隆寺の立地を導いた神様として知られており、混同しては失礼か。聖徳太子が法隆寺の場所を探していたところ、龍田大神がこの地に導いたという。手水場の注ぎ口が鶏の形をしていることから、ここの神使は鶏かもしれない。境内には能楽の「金剛流発祥の碑」も。駐車場に少し困ったが、横から入る場所があり、境内の片隅に止めることができた。

　すぐ近くにある藤ノ木古墳の出土物を展示するほか、古墳の意義を解説してくれる施設だ。古墳そのものは近くに保存してあるため、円墳のその姿を見ることはできるが、日本の歴史の中でこの古墳がどんな位置にあるのかはわからない。そこを解説してくれるのがこの施設だ。馬具類や刀剣類、石棺の、レプリカだが、実物が展示されている。

　龍田神社前の交差点を南側に曲がり、しばらくして左折すると見えてくる。門前に駐車場があり、そこからしばらく歩くと山門がある。長患いせずに往生できる「ぽっくり往生の寺」として信仰を集めている。山門の入り口で参拝料300円が必要だ。小ぶりだが、緑に囲まれた静かなお寺だ。