はちのすけさんのクチコミ(100ページ)全3,564件

　春日大社の若宮十五社巡りの一社だ。神社名からうかがえるように金運向上がご利益。現地に行って初めて分かったが、後醍醐天皇伝説の一翼を担っていた。元弘の変で笠置山へ都落ちする途中、この地に鏡を奉納した。それがこの神社のはじまりだという。禁裏の鏡を奉納したので「禁裏殿」と呼ばれ、それがなまって金龍神社になった、とも。

　もともとは人造のため池だ。河川があまりない奈良は明治期の大干ばつで打撃を受けたことから豊臣秀吉が築いた池を拡充し、水源とした。これが荒池の発祥だ。池の中央を中堤がよぎり、国道が堤防の上を走る。このため、池が二つあるような印象を受ける。平成に入って水害時の調整池の機能も併せ持つようになった。この日は春日大社から歩いて向かったが、水辺は公園が整備されているほか、古い寺院の壁が残っているなど心が落ち着くような散策だった。

　大国主と妻の須勢理姫を祭る神社。平安時代に出雲大社から二柱の神様をお迎えしたという。夫婦神を祭る神社は国内唯一だとか。当然、ご利益は夫婦円満、縁結び、家内安全など家庭生活に関するもので、現在は恋愛のパワースポットとしてカップルや女性の参拝客が多い。建物は神社本殿というイメージではなく、社務所のような感じだ。休日に訪れたが、他の摂社に比べて結構な人出だった。参拝や御朱印をいただくばかりでなく、若宮神社を中心とする春日大社の摂社を参拝する「若宮15社めぐり」や金龍神社のお百度参りの申し込み受付場所になっているからだ。縁結び神社でよく見かける水占いも。

　近鉄奈良駅からほど近いやすらぎの道沿いにある比較的小ぶりな神社だ。建立は推古天皇の時代とされるから相当古いが、あまり観光的なイメージはないのでそれほど知名度は高くない。むしろ観光的には、境内社で国内唯一のまんじゅうの神社である林神社の方が有名かもしれない。日本で初めての饅頭の製造を始めた林浄因（リン・ジョンイン）を祭る。林は中国淅江省の人で1349年に来日。漢國神社の社殿に住まいし、まんじゅうをつくって評判を呼んだという。現代でも菓祖神と信仰され、菓子業界の繁栄を祈るまんじゅうまつりが行われる。

　薬師寺の中央にある回廊の南側に建築された門だ。回廊と同じく1984（昭和59）年に再建されたもので、朱色がとても鮮やか。門の両脇には仁王像ではなく「二天王像」が置かれている。四天王のうち二体が置かれたものだと思われるが、裸形ではなく武装した仏像だ。エイジングが施されているがこれも新しい像で、平成に入って設置された。薬師寺に南側から入ると、印象的な門だ。

　２月の節分と８月14、15日の年３回、春日大社にあるすべての燈籠に火をともす「春日万燈籠」を部屋の中の暗闇で再現する施設だ。現地の説明版によると、春日大社には平安時代から現在まで約３０００基が奉納されており、国内にある室町時代以前の燈籠の6割以上がここに集中しているという。歴史的な史料としても評価が高い。中は真っ暗で、少し傾斜が。天井から違う高さに数多くの燈籠がともされており、金属に施された透かし彫りの模様や文字が幽玄な雰囲気を醸し出している。会場の「藤浪之屋」は江戸時代まで神職の詰所だった場所。春日大社の本殿内にあるため、年末年始など本殿の非公開に注意だ。

　東向商店街がすっかり観光商店街と化した現在、奈良の町を知ろうと思えばこの商店街だろう。近鉄奈良駅から道路を渡った北側にあり、東向北商店街と続く花芝商店街は地元の人たちが楽しむ飲食店が並んでいる。近くに奈良女子大もあることから、女性向けに振った店が多い。観光資源から少し離れてはいるが、足を運んでみたい商店街だ。

　猿沢池から奈良町方面に向かうと東側にある。小さな社がある朱塗りの神社だ。よくある例で、猿田彦神社と道祖神が習合している。が、少し調べると、橘奈良麻呂の乱で悲劇の死を遂げた道祖王（ふなどおう）を祭ったとも。御霊信仰も習合しているかもしれない。参拝した時は近所の男性だろうか、日課のように長時間読経していた。

　奈良市の中心部を南北に貫く通りだ。高度成長期に整備された現代的な通りで、自動車であまりスピードを出さないで走ってほしいーとの願いで「やすらぎ」の名がついたという。奈良駅から奈良公園に向かうと必ずよぎる道だ。観光的には奈良駅から奈良公園に伸びる三条通りや大宮通りの周辺が便利だ。奈良市の観光センター「ナラニクル」や率川神社、カフェ、柿の葉ずしの店などが集積している。

　この日は春日大社へ参拝後に立ち寄ったが、奈良公園に広がる梅林だ。奈良国立博物館の南側で、眼下に鷺池と浮見堂が見える。全体で250本ほどの梅が植わっているという。春日大社の経庫を改造した円窓亭を取り囲むように梅林があり、鹿も闊歩している。2月下旬の時点で満開ではなかったが、花見客は繰り出していた。

　二度、天皇についた女帝として知られ、最初の孝謙天皇時代は藤原仲麻呂を重用したが、重祚した称徳天皇時代は僧の道鏡を重く用い、政争を招いた。商業施設「ならファミリー」や近鉄の大和西大寺駅近くにある古墳だ。周辺は古墳が密集したエリアで、「佐紀盾列古墳群」に含まれるという。古墳はほとんどが南向きだが、ここは西向きに造られている。吉野山の後醍醐天皇陵が京都への思いを表現して北向きに造られたというが、この古墳でも向きに理由があるのだろうか。

　聚楽第は天下人としての豊臣秀吉が京都で政務を執る場所として建築し、のちに関白を譲った秀次の邸宅となった。秀次を死に追いやった後に徹底的に破壊されたことや築後8年で消滅したことから全容は分かっていない。石碑がぽつねんと立っているだけだ。京都の石碑は面白いもので、歴史の変遷をたどることができる。秀吉は聚楽第の前に妙顕寺城にいたが、この跡地を示す碑もANAホテル近くの通り沿いに立っていた。また、聚楽第の跡を示す碑がいくつかあり、ここは「大内裏及聚楽第東濠跡」だった。「本丸西濠跡」なども見かけたこともある。

　現地の説明によると、全国で唯一の商売繁盛の神様だという。弁財天を祭神としており、地域でも弁天様として信仰を集めている。繁昌という名前に行き着いたのはもともとの名前がなまったなどの説があるが、エリア全体に繁昌町という地名が残っており、信仰の深さがわかる。

　醍醐寺は京都駅から行くのに時間がかかるが、全山を見るとさらに時間がかかる。どうしても有名な五重塔や三宝院庭園を重視してしまい、こうした寺宝は省略しがちだが、ここは鑑賞したほうがいいと思う。重厚な建物に本尊の薬師如来像や絵画など重要な文化財が多数収納されており、庭園や五重塔に比肩する内容だからだ。門前の桜も見事だ。

　御朱印をいただいた際、神職の方が神社の由来や祭神の武内宿禰、拝殿が紙幣のデザインに採用された歴史などをジョークを交えながら説明してくれた。ＪＲ鳥取駅から車で２０分ほど。無料駐車場が近くにあり、アクセスはいい。毎年、正月三が日は大勢の参拝客でにぎわう。周辺には国指定史跡「鳥取藩主池田家墓所」や最古の石造建築物といわれる「岡益の石堂」など遺跡が多い。

　鳥取城跡にあるルネッサンス風の名建築だ。真っ白な全景が印象的。大正皇太子の宿泊所として建築されたものだが、当時、鳥取城は取り壊されたばかり。天守閣の代わりに鳥取城跡を守っているような存在だったのではないか。内部は公開されており、鳥取城跡の散策とあわせて時間消費ができる観光スポットだ。

　戦国期の山城として知られる鳥取城跡を中心に広がるのが久松公園だ。エリアには大正皇太子の行宮用に建築された仁風閣、鳥取県立博物館がある。火事の影響で歴史的な資源が少ない鳥取市内を代表する観光資源だ。さらには春の桜、秋の紅葉の名所でもある。JR駅からそう遠くはないので散策にぴったりだ。

　友人とともに久しぶりに訪問した。めったにない機会だからとリフトで砂丘に入った。友人の一人はリフトで貸してくれた長靴に履き替えて、砂に足を踏み入れた。最初はほんの少し歩けば十分だと思っていたはずだが、大自然の中で誰もが少年になったらしい。一人が歩き始めると、誰もが引かれるようにすたすたと馬の背まで向かった。この日は青空で気持ちがいい秋の日だ。馬の背に近づくと、足跡で踏み荒らされた場所には見えない砂簾（されん）を見つけた。頂上に立つと、誰もが木のてっぺんに上った子供の顔で日本海を見やっていた。1時間ほどあれば行って帰れるはずだ。

　月桂冠と黄桜といった大手メーカーのほか、地元系の酒蔵が並ぶ。公共交通で出かけて、できれば試飲しながら好みの日本酒を見つけることができるといい。また、両メーカーのショップのほか、地元の酒屋も品がそろっているので足を運びたい。エリアはそんなに広くないので楽しく散策ができる街だ。

　黄桜酒造が運営する企業博物館的ミニテーマパークだ。日本酒や地ビールレストランのほか、黄桜の商品を集めた黄桜商店、企業としての歴史を集めた黄桜記念館などが併設されている。個人的には記念館のCMを特集したコーナーが懐かしく、面白かった。「♪カッパッパー、カッパッパー」の音楽やアニメ、歴代のキャラクターなどが上映されており、しばし見入った。