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”湯尾峠”の時と違い、バスは”木の芽峠”の登り口の真下に止まる。<br /><br />「言奈地蔵」の案内板に沿って細い古道の北陸道を登る。<br /><br />上り坂が一段落し、開けた視野の先に、案内板にあった茅葺の「言奈地蔵」の祠が見えてくる。<br /><br />祠の中を目を凝らして覗くと、地蔵像を刻んだ岩が納められている。<br /><br />「言奈地蔵」は”言うなじぞう”のことで、左脇にそのいわれを記した案内板が立っている。<br /><br />その辺りから眺望が開け、目の前の谷状の低地を隔てて鉢伏山が見え、鉢伏山を取り囲むように山々が連なる。<br /><br />山の中腹を削り取って作ったような小道をさらに進むと、「木ノ芽峠」の案内板が立ち、その奥に茅葺屋根の民家が現れる。<br /><br />この辺りには峠に建つこの民家一軒しかなく、家のご主人が珍しい胡桃の実で歓待してくれ、「木ノ芽峠」と当家とのなりわいについての説明を頂いた。<br /><br />「木ノ芽峠」は今庄町と敦賀とを結ぶ唯一の道の境にあり、それは旧北陸道の”越の国”と”美濃の国”の境をも意味した。<br /><br />奥の細道には「木ノ芽峠」の記述はないが、芭蕉もここで越中から美濃へ足を踏み入れたに違いない。<br /><br />昔から要衝として「木ノ芽峠」は往来も多く、そのため幾多の戦乱の歴史を刻んだ。<br /><br />当家の前に当時の要塞を鳥観的に描いた「木ノ芽要塞群図」があった。<br /><br />当家の祖先は峠に建つ茶屋を営んでいたが、単なる茶屋だけでなく、この辺りの見張り役も兼ねていたらしい。<br /><br />隣の部屋に秀吉から拝領したという大茶釜が置かれていた。<br /><br />現在は「木ノ芽峠」の真下にトンネルが掘られ、現在の北国街道が走り、旧道は絶好のハイキングコース。<br /><br />

奥の細道を訪ねて最終回(第16回)08”越の国”と”美濃の国”の国境の難所”木の芽峠”

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2012/10/19 - 2012/10/19

85位(同エリア98件中)

WT信

WT信さん

”湯尾峠”の時と違い、バスは”木の芽峠”の登り口の真下に止まる。

「言奈地蔵」の案内板に沿って細い古道の北陸道を登る。

上り坂が一段落し、開けた視野の先に、案内板にあった茅葺の「言奈地蔵」の祠が見えてくる。

祠の中を目を凝らして覗くと、地蔵像を刻んだ岩が納められている。

「言奈地蔵」は”言うなじぞう”のことで、左脇にそのいわれを記した案内板が立っている。

その辺りから眺望が開け、目の前の谷状の低地を隔てて鉢伏山が見え、鉢伏山を取り囲むように山々が連なる。

山の中腹を削り取って作ったような小道をさらに進むと、「木ノ芽峠」の案内板が立ち、その奥に茅葺屋根の民家が現れる。

この辺りには峠に建つこの民家一軒しかなく、家のご主人が珍しい胡桃の実で歓待してくれ、「木ノ芽峠」と当家とのなりわいについての説明を頂いた。

「木ノ芽峠」は今庄町と敦賀とを結ぶ唯一の道の境にあり、それは旧北陸道の”越の国”と”美濃の国”の境をも意味した。

奥の細道には「木ノ芽峠」の記述はないが、芭蕉もここで越中から美濃へ足を踏み入れたに違いない。

昔から要衝として「木ノ芽峠」は往来も多く、そのため幾多の戦乱の歴史を刻んだ。

当家の前に当時の要塞を鳥観的に描いた「木ノ芽要塞群図」があった。

当家の祖先は峠に建つ茶屋を営んでいたが、単なる茶屋だけでなく、この辺りの見張り役も兼ねていたらしい。

隣の部屋に秀吉から拝領したという大茶釜が置かれていた。

現在は「木ノ芽峠」の真下にトンネルが掘られ、現在の北国街道が走り、旧道は絶好のハイキングコース。

同行者
一人旅
交通手段
観光バス 新幹線 JRローカル
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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