古都京都の四季をゆく・秋編【６】～洛東の巨刹・南禅寺をゆく②（南禅寺塔頭 天授庵・金地院編）～

2012/11/23 - 2012/11/25

【２泊３日の旅。秋の京都紅葉スポット巡り⑥】

秋の京都・紅葉巡りの第六弾は、東山の麓に位置する臨済宗の巨刹・「南禅寺」へ。
この南禅寺は、1291年に亀山法王が開基した日本最初の勅願禅寺で、京都「五山之上」に列せられた別格扱いの寺院です

（旅行記は二編に分かれますが）後半は、その南禅寺の２つの塔頭を訪れることに。
「天授庵」は、南禅寺を開山した無関普門禅師をお祀りする塔頭で、江戸時代初期に細川幽斎によって再興されています。
対して「金地院」は、徳川家康公の帷幕にあって「黒衣の宰相」として畏怖された金地院崇伝ゆかりのお寺です。

それぞれ著名なお庭があるのですが、特に紅葉の時期だったためか、天授庵の庭園の色とりどりに彩られた様と、金地院庭園の白砂に配された石組の様相は、まさに光と陰といった正反対の美しさを醸し出していました｡｡｡

〔旅の行程〕
・天授庵 ～ 金地院

【旅行記その１】～秋雨に濡れる門跡寺院・毘沙門堂へ～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10728892/
【旅行記その２】～林泉の水面を紅く染める醍醐寺へ～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10730075/
【旅行記その３】～2012 清水寺・秋の夜間特別拝観～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10730484/
【旅行記その４】～「もみじ」に染まる永観堂禅林寺～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10730792/
【旅行記その５】～洛東の巨刹・南禅寺をゆく①（三門・方丈庭園・南禅院編）～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10730975/
【旅行記その７】～紅く彩られた門跡寺院・青蓮院へ～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10732800/
【旅行記その８】～紅葉の絶景が広がる「清水の舞台」へ～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10735253/
【旅行記その９】～「ねね」の想いが今も残る終の棲家・高台寺へ～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10735365/
【旅行記その10】～京都五山の大伽藍・東福寺で「通天のもみじ」を眺める～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10736997/
【旅行記総集篇】～やっぱり京都の紅葉は凄かった！～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10737359/


〔古都京都の四季をゆく・春編〕
・銀閣寺から哲学の道を歩き平安神宮へ
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10661369/
・桜咲きほこる嵐山渡月橋と天龍寺のしだれ桜
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10662752/
・春爛漫の嵯峨野古寺巡り（常寂光寺から大覚寺まで）
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10665086/

〔古都京都の四季をゆく・夏編〕
・緑に彩られた門跡寺院・三千院へ～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10716979/
・（さらに）大原の由緒ある寺院（宝泉院・勝林院・来迎院）を訪う
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10719249/
・（最後は）大原の里を横断し、建礼門院の御閑居・寂光院へ
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10721270/

エリア 下鴨・宝ヶ池・平安神宮(京都)

• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

〔天授庵〕

最初に訪れた塔頭は、この南禅寺を開山した無関普門禅師をお祀りする南禅寺の開山塔である「天授庵」です。
室町時代の1339年に光厳上皇の勅許を得て翌年建立されたものの、戦国時代には荒廃してしまい、1602年に細川幽斎（藤孝）によって再建されたそうです。

（南禅院三門の楼上から見下ろすとこんな感じ）

※古都京都の四季をゆく・秋編【５】～洛東の巨刹・南禅寺をゆく①(三門・方丈庭園・南禅院編)～
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10730975/　

通用門の受付から入った目の前にあるのが、こちらの庫裡。
入口まで行けますが、中に上がることはできませんでした。

ギリギリまで近づいて眺めてみると、大書院の先にあるお庭を見ることができます♪
いきなりの絵に描いたような光景です｡｡｡

いったん引き返し、お庭の方へまわってみます。
方丈（本堂）の横から入ってゆくと｡｡｡

白州の中に菱形の石畳が続く「本堂前庭（東庭）」。

黄葉した背景に緑の松の木が映えますね〜。

（天授庵の紅葉の風景①）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

こちらの東庭は枯山水庭園となっています。

（天授庵の紅葉の風景②）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

さらに奥にある「書院南庭」に向かってゆくのですが、見上げてみると…このあたりの色づきは特に見事！

皆足を止めていました。

（天授庵の紅葉の風景③）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

（天授庵の紅葉の風景④）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

「大書院」を横目に見ながら進み…。

（天授庵の紅葉の風景⑤）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

池にかかる小さな橋を渡って｡｡｡
（皆さん黄葉を見上げるので渋滞します…）

水面の上にまで伸びた枝に、黄葉した葉が広がって｡｡｡

このあたりが「書院南庭」の中心でしょうか。
こちらは池泉回遊式の庭園なので、またまたぐるっと廻ってみましょう☆

緑の竹林の奥に紅葉した木々を眺めてみます｡｡｡

（天授庵の紅葉の風景⑥）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

反対側から見てみると、お庭の全景が分かりやすいでしょうか。

（天授庵の紅葉の風景⑦）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

一番奥の「求巳庭」の方まで来てみました。

（天授庵の紅葉の風景⑧）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

すごいねじりの樹｡｡｡

（天授庵の紅葉の風景⑨）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

（天授庵の紅葉の風景？⑩）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

こんな感じで、「書院南庭」を廻ってきました｡｡｡

とても落ち着いた品のあるお庭に、見事な紅葉が広がっていました。
一歩外に出れば、南禅寺境内の喧噪があるのですが、ここだけは全くの別世界のように静まりかえっていて、ゆっくりと紅葉見物をしたいときは、こういう場所の方がいいかもしれませんね〜。

南禅寺 寺・神社・教会

（天授庵の紅葉の風景⑪）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

最後に…もう一度「庫裡」からのお庭を｡｡｡

（天授庵の紅葉の風景⑫）

天授庵 (南禅寺塔頭) 名所・史跡

〔金地院〕

次に訪れたのが、こちらも南禅寺の塔頭である「金地院」です。

元々は、室町時代に４代将軍足利義持公の帰依を得て創建したと伝えられていますが、1605年に、徳川家康公の信任篤く「黒衣の宰相」と呼ばれた金地院崇伝がこの地に移設して現在に至っているそうです。

こちらが境内の全体図。

最初に見えてくるのが「明智門」。
1582年に明智光秀が母の菩提のために別の場所に建立したものを、明治時代に移築したそうです。

明智門を入った先に「方丈」（国指定重要文化財）がありますが、まずは境内を一回りしてからにしましょう。

「弁天池」のあたりにいくらか紅葉した木々も見られますが、これまで訪れてきたスポットと比べるとかなり控えめな感じ。
（そもそも、こちらのお寺は「紅葉の名所」とは違いますので…）

（金地院庭園の風景①）

金地院 寺・神社・教会

苔に覆われた静かな庭園。。。こちらも外の喧騒が嘘のよう。

こちらは「楼門」の裏側。
正面は道路に面していて、通りがかりの人が覗いていました｡｡｡

（金地院庭園の風景②）

金地院 寺・神社・教会

そして、東照大権現・徳川家康公を祀った「東照宮」（国指定重要文化財）が。
金地院崇伝が徳川家康公の信任篤い側近だったので、自らのお寺にも建てたのでしょうか｡｡｡

〔他に訪れた東照宮〕
・上野東照宮（東京都台東区上野）
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10701512/
・滝山東照宮（愛知県岡崎市滝町）
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10642849/
・日吉東照宮（滋賀県大津市坂本）
　http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10676888/

金地院 寺・神社・教会

有名な家康公の遺訓も掲げられています。
私的に特に骨身にしみるのが、「堪忍は無事長久の基。怒は敵と思へ」でしょうか…。

（金地院庭園の風景③）

金地院 寺・神社・教会

さらに順路を進んでゆくと、「方丈」とその前に整えられた「金地院庭園」（国指定特別名勝）が！

金地院 寺・神社・教会

しばしこの縁側で、お庭を眺めながらひと休み♪

この金地院庭園は、1630年に小堀遠州が作庭した桃山時代の風格を備えた江戸初期の代表的な枯山水庭園だそうです。

金地院 寺・神社・教会

中央に置かれた長方形の大きな平面石が東照宮の遙拝石で、その右に「鶴島」・左に「亀島」という配置とのこと｡｡｡
ほほ〜〜う…。

（金地院庭園の風景④）

金地院 寺・神社・教会

（お庭のテクニカルな見どころなどは、正直分かりませんが）こうやって静寂の中ゆっくり眺めていると、心が落ち着く感じに｡｡｡
これまで、大勢の人がいる場所ばかり廻ってきたから、余計そう感じてしまうのでしょう。

（金地院庭園の風景⑤）

金地院 寺・神社・教会

最後に、ご本尊の地蔵菩薩にお参りして、金地院の散策を終えることに。
何かこう、紅葉ばかり見てきた中で一服の清涼剤のような位置づけになりましたかね〜。

これでリセットできたので、また紅葉巡りを復活させましょう！
さて、次はどちらの紅葉を愛でに行きましょうか｡｡｡

金地院 寺・神社・教会