カンボジア・アンコールトム　∞ アジア・グランドサークル・ツアー(9) ∞

2009/02/07 - 2009/02/28

シンガポール・チャンギ空港を朝6時に出発し、1時間でカンボジア・シエムリアプに到着しました。
丸々3日間、セミオーダーメイドしたプライベート・ツアーでアンコール遺跡見学を満喫しました。

初日はアンコール遺跡のハイライトともいえるアンコール・トムとアンコール・ワットの見学です。空港から一旦ホテルによってチェックインを済ませ、そのまま見学に出かけました。

＊カンボジアへの入国はビザが必要です。オンラインで取得しました。
http://www.cambodiaonarrival.com/index.php?language=ja_JP

＊今回のカンボジアでの全日程は、現地日系旅行代理店のロコモトラベルさんにお願いしました。

いろいろなツアーパッケージ（アンコール・トムとアンコール・ワットの1日観光やベンメリア半日ツアーなど）の中から、行きたいところを予めメールで伝えたところ、時間的に無理がある場合はここを減らした方がいい等のアドバイスを入れてツアーの組み合わせを調整してくれました。

最初から最後まで同じガイドさん（カンボジア人。日本語）と運転手さんがプライベートに付いてとても親密に案内をしてくれて大満足でした。

Locomo Travel　ロコモトラベル
シエムリアプ事務所
No.103, Mondol I Svay Dangkum,Siem Reap
Tel.[phone]
Fax.[phone]
http://www.locomo.com/travel/

シンガポール-カンボジアの航空券はオンラインで予約しました。
ジェットスター航空
http://www.jetstar.com/jp/ja/index.aspx

エリア シェムリアップ(カンボジア)

• 同行者: カップル・夫婦
• 航空会社: ジェットスター航空

回回回回回回回回回回回回回回回回回
アジア・グランドサークル・ツアー
回回回回回回回回回回回回回回回回回

☆　(1)　午前、【サンフランシスコ】発。
☆　(2)　午後、【成田】着。〔泊〕千葉
☆　(3)　午前、【成田】発。
　　　　 午後、【シンガポール】着。
　　　　〔泊〕シンガポール
☆　(4)　シンガポール動物園
☆　(5)　午前、チャイナタウン
　　　　 午後、プラナカン博物館
　　　　 夜、セントーサ島
☆　(6)　【マレーシア・マラッカ】日帰りツアー
☆　(7)　午前、リトルインディア
　　　　 午後、ブギス、アラブストリート
☆　(8)　ゲイランセライ〜カトン
★　(9)　早朝、【シンガポール】発、
　　　　　　　 【カンボジア・シエムリアップ】着。
　　　　 午前、アンコールトム見学
　　　　 午後、アンコールワット見学。　
　　　　〔泊〕シエムリアップ
☆ (10)　午前、バンテアスレイ、クパールスピアン
　　　　 午後、小回りコース(バンテアイクデイー
　　　　　　　　スラスランータプロムータソム
　　　　　　　　ータケウ)
　　　　 夕方、バケン山の夕日
☆ (11)　午前、ベンメリア
　　　　 午後、シエムリアップ市内
　　　　 深夜、【シエムリアップ】発　〔泊〕機内
☆ (12)　早朝、【ソウル】着。
　　　　 南大門〜明洞。　〔泊〕ソウル
☆ (13)　景福宮〜三清洞〜仁寺洞
　　　　 夜、NANTA観劇
☆ (14)　午前、東大門〜三豊商街〜南大門
　　　　 【ソウル】発。【成田】着。
☆ (15)〜(21)　日本滞在。【サンフランシスコ】へ。

アンコール・ワット、アンコール・トムへはシエムリアプ市内から3km（車で約20分）です。

陽の向きから、午前はアンコール・トム、午後はアンコール・ワットというのが定番のようです。

アンコール・トムの東側にも小さな遺跡群が集まり、半日の「小回りコース」（英語ツアーでは”Small Tour"）として整備されています。こちらは2日目の午後に行きました。

Sokha Angkor Resort

広くてエレガントなホテルでした。敷地内に水路が流れていたり、ロビーにさりげなく飾られている花々が素敵で、観光で疲れて帰った時にほっとします。

館内はとても静かで、従業員の方たちのサービスも素晴らしかったです。

オンラインで予約しました。
http://www.sokhahotels.com/

Sokha Angkor Resort

Sokha Angkor Resort

蓮の花をきれいに折りたたんでいました。

Sokha Angkor Resort

チェックインを済ませ、荷物を落ち着けたらアンコール・トムへ出発です

町はまだ朝の通勤時間でした。

超バブルなカンボジア

物価の安いカンボジアで1ユニット、3000万円超の億ションがこの数年で建ち始めているそうです。

アンコール遺跡群のゲートに到着

ここで入場パスを買いました。

ホテルのショップで買いました。いい参考資料になります。

歴史のあるところに行っても予習が間に合わず、後から本を見返すことが多いです。特にカンボジアは入り組んでいて難しい…。

図説が豊富で、読み応えがありました。タイの出版社から出されたので、日本では入手が難しいかもしれません。

『悠かなるアンコール』
英語版は米国アマゾンで購入可能。
Ancient Angkor (River Books Guides) (Paperback)
ISBN-10: 974986381X
http://www.amazon.com/Ancient-Angkor-River-Books-Guides/dp/974986381X/ref=pd_sim_b_5

アンコール・ワットのお堀を通り過ぎて…

南大門を通って

初めて見るアンコール遺跡にまず圧倒されました。門の上から見下ろす顔が大きいこと！
独特の微笑みをたたえていて、頭の上にはよく写真で見たアンコール・ワットの尖塔と同じものが載っています。

門にはポル・ポト時代の無数の銃痕が残っていました。

道の両端では、蛇神ナーガの頭を先頭に阿修羅と神々が1列になって胴体を引き合っています。

所々胴体は崩れてしまっていますが、なにかユーモラスな感じもします

1体ごとに顔が違う。兵馬俑や埴輪と同じアジア的なものがありながらやはりカンボジアのお顔。

象さん観光をしている人も…

私たちの28歳の若いガイドさんが子供の頃には、このジャングルでも戦闘があって、危険なので一般人は入ってこなかったそうです。

バイヨン　Bayon　12-13世紀

正面から見ると小さな建物のようでしたが、中は入り組んでいて何階にも分かれている迷路でした。

狛犬みたい

まず入り口でとても細かく彫られた妖艶な神様が踊っていました

修復の足場が無いと崩れそうです

まだまだ時間はかかりそう

一面に物語が彫られた壁が取り囲んでいます

船を漕いで戦いに向かう兵士もいれば

バナナの葉っぱを取って動物を煮ようとしている人たちがいたり…

碁を打っている人もいます


長い長い回廊の物語をガイドのビリヤさんは淀みなく話してくれました。
ガイド歴10年、歴史も語れて山も登るガイドは私だけと豪語するキャリアウーマン。初期からの日本語ガイドでしかも女性が少なかった頃の魁けです。
そして厳しい。時々テストするんです。「昨日行ったところの神様とどう違う？」なんてね。

そのビリヤさんが言いました。
「普段、私は個人客に付かないよ。でも事務所で『今回のお客さんは大変だから、ビリヤさんじゃなきゃ無理』って言われたよ」
えっ、そんなに大変なスケジュールを組んだっけ…。

上にいくほど彫りが粗い

本に書いてある通りに見えないところは手抜きがしてある。
歴史からいいことを学びました。

さらに奥の回廊へ進みます

いくつもの巨大像がそびえていました

四面塔X57塔(現存37塔）＝228のお顔

最も美しいと言われる観世音菩薩像

カンボジア紙幣にもなっているそうです。ビリヤさんはどうして知っているのか「カンボジアの京唄子」と呼んでいました。

本で「最も美しいデバダー像」とか「最も有名な天女像」とかありますが、ひとつの遺跡の中でちょっとした衣服の違いだけや表情が違う像がたくさんあって、「これだ！」と探し出すのは大変です。

塔には小さな空洞の小部屋が造られていました

「最も美しいデバダー像」も聞いていながら逃してしまったようです。これも充分美しいと思いますが…。

彫りが深くて躍動的です。

祭壇のあと

崩壊してしまったものもあるけど、建築途中で設計を変更したり止めてしまったりしたものも多いようです。

上からはかすかに光が漏れ…。

柱に彫り込められた像はかつて彩色されていたようです

人がやっと通れるか通れないかぐらいの通路もあったり

ぽつんと裏手に経堂があったり

瓦礫に埋もれた地階もありました

地階には降りられないようになっています。

民族衣装のモデルさんたち

カンボジアの方の笑顔はとっても素敵です。男性でも女性でも言葉の柔らかい雰囲気もよくて、とっても和やかな気持ちにさせられます。

ビリヤさんです。

豊富な知識とバイタリティには感服しました。
ご主人は官僚の日本出張に同行する通訳さんです。
最初はちょっと怖かったけど、出来るだけ多くのことを知ってもらおうと一生懸命になっているのと仕事に自信があるからだとわかりました。

打ち解けるにつれてカンボジアの暮らしを少しずつ話してくれたりすると、戦中、戦後に子供時代を過ごした私の両親を思い出したりしました。
自分が出来なかったことを自分の子供には出来るだけやらせてあげたい、食べさせてあげたいから一生懸命働く。
同じことを両親も言っていたと思います。

フランス・チームによる発掘調査

アンコール遺跡群内は海外の調査チームが国ごと、遺跡ごとに受け持っているようです。

バイヨンを通り抜けて北のバプーオンへ

バプーオン　Baphuon　11世紀

以前は周壁に囲まれたピラミッド型寺院だったと言いますが、現在は崩壊していてその形はわからなかったです。

172mの空中参道

円柱に支えられた参道がどうして空中参道なのか…？

両脇の池が満ちると天へ浮かぶ参道になるから

乾期のこの季節は小さな水たまりのようでしたが。

まだ修復されていない石柱が並べられていました

ナーガ（蛇神）のパーツ群

バプーオン正面

数年前まで木製の階段が掛けられていなかったので、不揃いな石段を年配の観光客が登るのは大変だったようです。

門の上部は何であったのかわからないぐらいになってますね

遺跡内は今でこそきれいに整地されていますが、塀の外側はジャングル。最近まで地雷の心配があったのもわかります。

象のテラス　Elephant Terrace　12世紀-13世紀

長いテラスの下にはずらりと象が並んでいました。

鼻を垂らす象たち

鳥神ガルーダと獅子神シンハが蛇神ナーガの欄干を支えているテラス

鳥神ガルーダ

支えているのかと思ったら、天敵ナーガを握っていました。

テラス上部（歩道部）

そのままライ王のテラスへ

ライ王のテラス　Leperking Terrace　12世紀

テラスの内部は迷路みたい

一部崩壊していたのを後世外壁を拡げて再構築されていました。修復時には外壁の内側に隠れていた崩壊以前の壁画も見学できるように、狭い通路を造ったとのことです。

上部の壁が新しく見えるのは、古い壁画を支えるために造られたもののようです。

北壁面、宮廷の王や女性たち

完璧な状態の像が多く、シエムリアプで見学した遺跡の中で彫りもこうも深いのはここだけでした。

９つの頭をもつ蛇神ナーガ

内壁をテラスから見ると…

テラスの上で鎮座するライ王像

新しいような…プノンペンの博物館にある象のレプリカでした。
苔で腐食した石がハンセン病を患っていたという伝説のクメール王を連想させたので、癩王と呼ばれたそうです。

プラサート・ソー・プラット

象のテラスの向かいに小さな祠が12基並んでいます。
ビリヤさんによれば、ライ王が12人の娘たちのために建てた祠とのことですが、実際の用途は定かではないようです。

13世紀にこの地を訪れた中国からの使者の記述によれば、
「2家族間で争いがあった時、それぞれ別の祠に閉じ込めると誤った方に発熱や潰瘍の症状が現れる」土地神の特別な効力を持つ祠と信じられていました。

プラサート・ソー・プラット

エリア内には猿がいっぱい。

車中からなのでブレていますが、お母さんにしがみついた赤ちゃんが可愛かったので。

シエムリアプに戻ってきました

アンコール・トム/アンコール・ワットの1日ツアーには昼食が付いていました。

Restaurant Moul

日本人向けツアーの昼食に使われるレストランのようです。
涼しくてくつろげるお店でした。

N° 412, Taphul Village, Svay Dangkum Commune, Opposite Salina Hotel
Tel: [phone]

カンボジア料理の数々

日本人の好みに合うようにアレンジしてあると思いますが、あっさりしていて暑い国でも食べやすい。

竹籠に入ったおこわが可愛いし、おいしいし…。
薩摩揚げ風のすり身も日本のものと似ています。

カンボジアも鶏がおいしかった

海老のビーフンスープ

酸味やハーブが抑えられていて、トムヤンクンが苦手な私でもOK。

かぼちゃプリン

こちらの名物だそうです。かぼちゃ自体が甘くてホクホク♪
練乳で作ったようなプリンに良く合います。

かぼちゃが苦手な夫の分まで2つ食べちゃいました。

一旦ホテルでお昼休み

ホテルではカンボジアの鉄琴ロネアト・ダエクを奏でるお嬢さんが迎えてくれました。
涼しげです。

さてちょっと昼寝をしてから、午後はアンコール・ワットへ


カンボジア・アンコールワット　∞ アジア・グランドサークル・ツアー(10) ∞へつづく
http://4travel.jp/traveler/muffin/album/10427492/

この旅行記へのコメント （2）

• momoyukiさん 2010/05/09 09:23:09

  あこがれのアンコール

  Muffin様
  
  ようやくカンボジア旅行記拝見できました。
  私にとっては憧れのアンコールワット（トム）
  そっか・・・上級者にはビリヤさんが付いてくれるのね（笑）
  
  カンボジアもバブルなのですね！！
  
  象や馬に乗っての観光も雰囲気が良さそうですね。
  でも２月でもやっぱり暑いんですね〜。
  細かな彫刻が素晴らしい。いつか実際に見てみたいです＾＾
  
  象さんのポシェット？もカンボジアらしくていいですね。
  それに料理が美味しそう＾＾
  
  息子が邪魔しにきたので、今日はグランドサークルツアー（11）
  まで拝見させていただきました。
  ゆっくり見たいのに〜（涙）
  
  momoyuki

  Muffinさん からの返信 2010/05/09 12:02:14

  RE: あこがれのアンコール

  momoyukiさん、
  
  書き終わって良かった〜(笑)　バタバタしていていろんなものがどこに行ったかわからなくなっちゃうし。
  長いものを読んでいただいてありがとうございます。
  
  ビリヤさんは面倒な客に付くベテランさんなんですよ〜(笑)　1日にどれだけ見たいんだ？って呆れてましたもの。いつもは日本の団体さんのガイドをするそうで、農協のおばあちゃんが一番好きと言っていました。
  
  シンガポールの後なのでカンボジアの暑さがそれほど苦ではなかったけど、その後の韓国の寒さが身に染みました。セットメニューしか食べていないので、本当のカンボジア料理をあまり味わっていないけど、優しいお料理で好きでした。お土産も手工芸品が可愛いですね。
  
  見どころいっぱいで楽しいところでした。
  
  Muffin