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北海道旧212市町村を自転車で走破することを目標に、未走破の町を少しずつつないでいく旅。今回は十勝帯広空港をスタートし、狩勝峠を越えて富良野へ。その後、美瑛、旭川を経由し、石狩川沿いに空知地方を南下して美唄を目指す。十勝の広大な畑、富良野の花畑、狩勝峠の山越え、神居古潭の秘境、深川の黄金色の稲作地帯、日本一の直線道路など、海沿いとは違う北海道内陸の風景を楽しみながら走破自治体を増やしていく4日間の自転車旅。<br /><br />狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(1/4)	https://4travel.jp/travelogue/12078248<br />狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(2/4)	https://4travel.jp/travelogue/12078249<br />狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(3/4)	https://4travel.jp/travelogue/12078251<br />狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(4/4)	https://4travel.jp/travelogue/12078253

狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(2/4)

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2015/09/07 - 2015/09/07

1816位(同エリア1858件中)

Yohei

Yoheiさん

北海道旧212市町村を自転車で走破することを目標に、未走破の町を少しずつつないでいく旅。今回は十勝帯広空港をスタートし、狩勝峠を越えて富良野へ。その後、美瑛、旭川を経由し、石狩川沿いに空知地方を南下して美唄を目指す。十勝の広大な畑、富良野の花畑、狩勝峠の山越え、神居古潭の秘境、深川の黄金色の稲作地帯、日本一の直線道路など、海沿いとは違う北海道内陸の風景を楽しみながら走破自治体を増やしていく4日間の自転車旅。

狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(1/4) https://4travel.jp/travelogue/12078248
狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(2/4) https://4travel.jp/travelogue/12078249
狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(3/4) https://4travel.jp/travelogue/12078251
狩勝峠越えの北海道内陸自転車旅 帯広から富良野・旭川経由で美唄へ(4/4) https://4travel.jp/travelogue/12078253

旅行の満足度
5.0
  • 朝からモール温泉に浸かり、たっぷり朝飯を食べた。焼き魚にご飯、味噌汁といった日本らしい朝食。シンガポールでの生活が続いているだけに、こういう何でもない日本の朝飯がやたらとうまい。今日は帯広から富良野まで120km以上を走るので、食べられるうちにしっかり腹へ入れておく。<br /><br />帯広行きの列車は7時48分発。宿の人からは札内駅まで徒歩10分ほどと聞いていたので、15分前に出れば十分だと思っていた。確かに地図上の直線距離だけを見れば、駅はすぐそこにある。しかし実際に歩いてみると、途中の川を渡るために大きく迂回しなければならなかった。思ったより時間がかかり、最後はかなり急いだものの、駅へ着く直前で帯広行きの列車を逃してしまった。<br /><br />朝からいきなり予定が狂ったが、落胆しても仕方がない。次の列車までは約45分。札内駅の待合室で待つことにした。朝は帯広や池田方面へ通学する学生も多いようで、この時間帯は地方の駅にしては比較的列車の間隔も短い。札内は有人駅で、朝の駅らしい人の出入りがある。

    朝からモール温泉に浸かり、たっぷり朝飯を食べた。焼き魚にご飯、味噌汁といった日本らしい朝食。シンガポールでの生活が続いているだけに、こういう何でもない日本の朝飯がやたらとうまい。今日は帯広から富良野まで120km以上を走るので、食べられるうちにしっかり腹へ入れておく。

    帯広行きの列車は7時48分発。宿の人からは札内駅まで徒歩10分ほどと聞いていたので、15分前に出れば十分だと思っていた。確かに地図上の直線距離だけを見れば、駅はすぐそこにある。しかし実際に歩いてみると、途中の川を渡るために大きく迂回しなければならなかった。思ったより時間がかかり、最後はかなり急いだものの、駅へ着く直前で帯広行きの列車を逃してしまった。

    朝からいきなり予定が狂ったが、落胆しても仕方がない。次の列車までは約45分。札内駅の待合室で待つことにした。朝は帯広や池田方面へ通学する学生も多いようで、この時間帯は地方の駅にしては比較的列車の間隔も短い。札内は有人駅で、朝の駅らしい人の出入りがある。

    幕別温泉パークホテル 悠湯館 宿・ホテル

  • 今日の目的地は富良野市。帯広から約120km。途中には狩勝峠がある。北海道内陸部を自転車で走るうえで避けては通れない大きな山越えだが、日勝峠に比べれば標高も低く、はるかに走りやすいと聞いている。久しぶりの長距離走行でいきなり峠越えというのも少々不安ではあるが、旧212市町村完全走破を進めるためにも、このルートは通っておきたい。<br /><br />ようやく来た列車に乗り、一駅だけ戻って帯広駅へ。昨日駐輪場に置いておいた自転車を回収し、サイクルメーターをリセットする。ここからが今日の本当のスタートだ。

    今日の目的地は富良野市。帯広から約120km。途中には狩勝峠がある。北海道内陸部を自転車で走るうえで避けては通れない大きな山越えだが、日勝峠に比べれば標高も低く、はるかに走りやすいと聞いている。久しぶりの長距離走行でいきなり峠越えというのも少々不安ではあるが、旧212市町村完全走破を進めるためにも、このルートは通っておきたい。

    ようやく来た列車に乗り、一駅だけ戻って帯広駅へ。昨日駐輪場に置いておいた自転車を回収し、サイクルメーターをリセットする。ここからが今日の本当のスタートだ。

  • まずは国道38号、通称「狩勝国道」へ。帯広市街は札幌と同じような碁盤の目状の街路なので、とにかく信号が多い。長距離を走る日は、こういう信号の多い市街地を抜けるまでが意外と面倒である。<br /><br />十勝川を渡るところで、大きな十勝大橋をカメラに収める。天気予報では富良野方面は快晴とのことだったが、芽室方面へ伸びる国道38号の先には昨日と同じような灰色の雲が広がっている。

    まずは国道38号、通称「狩勝国道」へ。帯広市街は札幌と同じような碁盤の目状の街路なので、とにかく信号が多い。長距離を走る日は、こういう信号の多い市街地を抜けるまでが意外と面倒である。

    十勝川を渡るところで、大きな十勝大橋をカメラに収める。天気予報では富良野方面は快晴とのことだったが、芽室方面へ伸びる国道38号の先には昨日と同じような灰色の雲が広がっている。

    十勝大橋 名所・史跡

  • 道路標識には富良野まで約120km。数字で見ると、やはり遠い。

    道路標識には富良野まで約120km。数字で見ると、やはり遠い。

  • 帯広広尾自動車道の高架との交差点手前で芽室町へ入った。カントリーサインにはゲートボールが描かれている。芽室町はゲートボール発祥の地として知られているらしい。北海道旧212市町村を走破する旅では、このカントリーサインを一枚ずつ越えていくこと自体が、小さな達成感になる。

    帯広広尾自動車道の高架との交差点手前で芽室町へ入った。カントリーサインにはゲートボールが描かれている。芽室町はゲートボール発祥の地として知られているらしい。北海道旧212市町村を走破する旅では、このカントリーサインを一枚ずつ越えていくこと自体が、小さな達成感になる。

  • 走っているうちに、だんだん空に占める青色が増えてきた。朝は肌寒かったのに、太陽が顔を出すと今度はじわっと汗をかくくらいまで気温が上がる。<br /><br />帯広の市街地を離れるにつれ、周囲から住宅がなくなっていく。代わりに現れるのは、トウモロコシやジャガイモなどを育てる広大な畑。道路の左右いっぱいに農地が広がり、その中を国道38号が真っすぐ延びている。芽室まではほとんど一直線。しかも今日は風がない。北海道を自転車で走るうえで、これ以上ないくらい好条件である。

    走っているうちに、だんだん空に占める青色が増えてきた。朝は肌寒かったのに、太陽が顔を出すと今度はじわっと汗をかくくらいまで気温が上がる。

    帯広の市街地を離れるにつれ、周囲から住宅がなくなっていく。代わりに現れるのは、トウモロコシやジャガイモなどを育てる広大な畑。道路の左右いっぱいに農地が広がり、その中を国道38号が真っすぐ延びている。芽室まではほとんど一直線。しかも今日は風がない。北海道を自転車で走るうえで、これ以上ないくらい好条件である。

  • 国道38号は清水町へ入ったあたりで十勝川に沿うように北西へ進路を変える。清水町のカントリーサインに描かれているのは、町の鳥であるウグイスをモチーフにしたキャラクター「うっちゃん」。くちばしには町の花であるスズランをくわえている。芽室町のゲートボール、新得町のスキーと、町ごとに特色の違うカントリーサインが続くのも、この区間を走る楽しみのひとつである。

    国道38号は清水町へ入ったあたりで十勝川に沿うように北西へ進路を変える。清水町のカントリーサインに描かれているのは、町の鳥であるウグイスをモチーフにしたキャラクター「うっちゃん」。くちばしには町の花であるスズランをくわえている。芽室町のゲートボール、新得町のスキーと、町ごとに特色の違うカントリーサインが続くのも、この区間を走る楽しみのひとつである。

  • 道路標識の「富良野」の数字もついに100km。まだ三桁ではあるが、少しずつ近づいている。十勝平野らしく道路は平坦で、向かい風もない。サイクルメーターの数字も気持ちよく伸びていく。<br /><br />やがて道路は完全に北向きになり、正面に清水町の市街地が見えてきた。ここでイエローグローブへ立ち寄り、峠越えに備えてレインコートを購入。狩勝峠方面の山を見ると、依然として雲をかぶっている。今いる場所では青空が広がっているのに、峠だけは天気が違うということもありそうだ。果たしてこのレインコートを使うことになるだろうか。

    道路標識の「富良野」の数字もついに100km。まだ三桁ではあるが、少しずつ近づいている。十勝平野らしく道路は平坦で、向かい風もない。サイクルメーターの数字も気持ちよく伸びていく。

    やがて道路は完全に北向きになり、正面に清水町の市街地が見えてきた。ここでイエローグローブへ立ち寄り、峠越えに備えてレインコートを購入。狩勝峠方面の山を見ると、依然として雲をかぶっている。今いる場所では青空が広がっているのに、峠だけは天気が違うということもありそうだ。果たしてこのレインコートを使うことになるだろうか。

  • 清水町を抜けると、富良野まで残り85km。相変わらず大きなアップダウンはなく、快適な道が続く。そして新得町へ。カントリーサインに描かれているのは、スキーをする人と町の木であるエゾヤマザクラ(消えかけているが)。新得町はサホロリゾートで有名である。これから狩勝峠を越えるこちらとしては、「いよいよ山の町に入った」という感じのするカントリーサインだ。

    清水町を抜けると、富良野まで残り85km。相変わらず大きなアップダウンはなく、快適な道が続く。そして新得町へ。カントリーサインに描かれているのは、スキーをする人と町の木であるエゾヤマザクラ(消えかけているが)。新得町はサホロリゾートで有名である。これから狩勝峠を越えるこちらとしては、「いよいよ山の町に入った」という感じのするカントリーサインだ。

  • しばらく走って新得の市街地へ入った。ここで食料と水分を補給するつもりだったが、「せっかく新得まで来たのだから、名物の新得そばを食べたい。狩勝峠の頂上にも峠の茶屋くらいあるだろう」と考え、そのまま市街地を通過することにした。<br />これが大きな間違いだった。<br /><br />市街を離れてからも、道沿いには何軒かそば屋があった。しかし、なぜか「ここじゃない感」がして、そのままスルーしてしまう。もう少し先にもっとそれらしい店があるだろうと思っていた。

    しばらく走って新得の市街地へ入った。ここで食料と水分を補給するつもりだったが、「せっかく新得まで来たのだから、名物の新得そばを食べたい。狩勝峠の頂上にも峠の茶屋くらいあるだろう」と考え、そのまま市街地を通過することにした。
    これが大きな間違いだった。

    市街を離れてからも、道沿いには何軒かそば屋があった。しかし、なぜか「ここじゃない感」がして、そのままスルーしてしまう。もう少し先にもっとそれらしい店があるだろうと思っていた。

  • そうこうしているうちに、SL広場へ到着。屋根の下には大きなD51が保存されていた。車番はD51 95。かつてこの狩勝越えを走っていた蒸気機関車らしい。自転車でさえこれから大変な坂を登るのだから、重い列車を引いて峠を越えた蒸気機関車の苦労は相当なものだったに違いない。

    そうこうしているうちに、SL広場へ到着。屋根の下には大きなD51が保存されていた。車番はD51 95。かつてこの狩勝越えを走っていた蒸気機関車らしい。自転車でさえこれから大変な坂を登るのだから、重い列車を引いて峠を越えた蒸気機関車の苦労は相当なものだったに違いない。

    新得町SL広場 公園・植物園

  • SL広場から先には旧狩勝線の廃線跡を利用した遊歩道が整備されている。約10kmにわたって続き、ホーストレッキングにも利用されているとのこと。

    SL広場から先には旧狩勝線の廃線跡を利用した遊歩道が整備されている。約10kmにわたって続き、ホーストレッキングにも利用されているとのこと。

  • 少し先には旧狩勝線の小笹川橋梁も残っていた。山の中に古いレンガ造りの鉄道構造物が突然現れる。近代化産業遺産にも指定されているという。

    少し先には旧狩勝線の小笹川橋梁も残っていた。山の中に古いレンガ造りの鉄道構造物が突然現れる。近代化産業遺産にも指定されているという。

  • 鉄道の旧線跡を横目に進んでいると、道路は徐々にはっきりと登り始めた。そして「狩勝峠1合目」の看板が現れる。標高280m。いよいよ本格的な峠越えだ。<br />先の見えない登り坂をただ延々と登るのは精神的にもきついが、「1合目」「2合目」と目標が表示されていると、少し気持ちが楽になる。とりあえず次の看板まで行けばいい。

    鉄道の旧線跡を横目に進んでいると、道路は徐々にはっきりと登り始めた。そして「狩勝峠1合目」の看板が現れる。標高280m。いよいよ本格的な峠越えだ。
    先の見えない登り坂をただ延々と登るのは精神的にもきついが、「1合目」「2合目」と目標が表示されていると、少し気持ちが楽になる。とりあえず次の看板まで行けばいい。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • 1合目を過ぎてまだ数百メートルほどしか走っていないのに、すぐ2合目が現れた。標高320m。距離としては短いのに、看板を見るとすでに40mも高度を上げている。

    1合目を過ぎてまだ数百メートルほどしか走っていないのに、すぐ2合目が現れた。標高320m。距離としては短いのに、看板を見るとすでに40mも高度を上げている。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • さらに進んで3合目。標高350m。先ほどまで峠を覆っていた雲はいつの間にかどこかへ消え、今度は太陽が直接照りつける。朝は寒かったのに、坂を登っていることもあってかなり暑い。

    さらに進んで3合目。標高350m。先ほどまで峠を覆っていた雲はいつの間にかどこかへ消え、今度は太陽が直接照りつける。朝は寒かったのに、坂を登っていることもあってかなり暑い。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • 5合目、標高420mまでは思っていた以上にスムーズだった。この調子なら狩勝峠もそれほど苦労せず越えられるのではないか、などと思い始める。しかし、このあたりから次第につらくなってきた。<br /><br />脚だけではない。腹が減った。新得で食事を取らずに来たのに、ここまで来てもレストランどころか自動販売機すらない。峠の茶屋をあてにしていたので、まともな補給食も持っていない。そしてドリンクホルダーに刺しているペットボトルのお茶も、確実に減ってきている。やばい。

    5合目、標高420mまでは思っていた以上にスムーズだった。この調子なら狩勝峠もそれほど苦労せず越えられるのではないか、などと思い始める。しかし、このあたりから次第につらくなってきた。

    脚だけではない。腹が減った。新得で食事を取らずに来たのに、ここまで来てもレストランどころか自動販売機すらない。峠の茶屋をあてにしていたので、まともな補給食も持っていない。そしてドリンクホルダーに刺しているペットボトルのお茶も、確実に減ってきている。やばい。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • ここからは各合目ごとに自転車を止め、息を整えてから登ることにした。8合目。標高580m。

    ここからは各合目ごとに自転車を止め、息を整えてから登ることにした。8合目。標高580m。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • このあたりまで来ると景色が一気に開ける。振り返ると、眼下には新得方面の広大な田園風景が広がっていた。朝から走ってきた十勝平野が、今ではずいぶん低い場所に見える。空は真っ青。眺望だけなら最高である。ただし、ペットボトルのお茶はもうほとんど残っていない。<br /><br />頂上まではあと少し。残ったお茶を一気に飲んでしまわないよう、ちびちび口にしながら登る。標高が上がるにつれて、序盤より明らかに勾配もきつくなってきた。息も切れる。

    このあたりまで来ると景色が一気に開ける。振り返ると、眼下には新得方面の広大な田園風景が広がっていた。朝から走ってきた十勝平野が、今ではずいぶん低い場所に見える。空は真っ青。眺望だけなら最高である。ただし、ペットボトルのお茶はもうほとんど残っていない。

    頂上まではあと少し。残ったお茶を一気に飲んでしまわないよう、ちびちび口にしながら登る。標高が上がるにつれて、序盤より明らかに勾配もきつくなってきた。息も切れる。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • 長い隧道を抜け、大きく右へカーブすると、その先で道路が少し開けた。<br /><br />狩勝峠 頂上 標高644m。<br />やっと登り切った。「温かくて、うまいものを食べよう」<br />それしか考えていなかった。

    長い隧道を抜け、大きく右へカーブすると、その先で道路が少し開けた。

    狩勝峠 頂上 標高644m。
    やっと登り切った。「温かくて、うまいものを食べよう」
    それしか考えていなかった。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • 峠の展望台では、ドライブ途中の観光客が景色を眺めたり、記念写真を撮ったりしている。こちらも本来なら十勝平野を眺めて達成感に浸るところなのだろうが、まずは腹を満たしたい。<br /><br />目の前にはドライブイン。これでようやく食べられる。そう思って近づいたところ、シャッターが下りていた。なぜ…。疲れ切って腹ペコの人間に、この仕打ちはなかなか痛い。<br />

    峠の展望台では、ドライブ途中の観光客が景色を眺めたり、記念写真を撮ったりしている。こちらも本来なら十勝平野を眺めて達成感に浸るところなのだろうが、まずは腹を満たしたい。

    目の前にはドライブイン。これでようやく食べられる。そう思って近づいたところ、シャッターが下りていた。なぜ…。疲れ切って腹ペコの人間に、この仕打ちはなかなか痛い。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • 自動販売機とトイレだけは、かろうじて使うことができた。仕方なく温かいコーヒーと、新しいペットボトル飲料を購入する。固形物はないが、とりあえず飲み物だけでも確保できたので助かった。<br /><br />峠で休んでいると、通りすがりのおじさんと立ち話になった。「このまま富良野まで行く」と話すと、「この先でもう一つ峠を越えないといけないよ」と教えられた。もう一つあるのか。ただし、狩勝峠ほどではないらしい。

    自動販売機とトイレだけは、かろうじて使うことができた。仕方なく温かいコーヒーと、新しいペットボトル飲料を購入する。固形物はないが、とりあえず飲み物だけでも確保できたので助かった。

    峠で休んでいると、通りすがりのおじさんと立ち話になった。「このまま富良野まで行く」と話すと、「この先でもう一つ峠を越えないといけないよ」と教えられた。もう一つあるのか。ただし、狩勝峠ほどではないらしい。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • 狩勝峠の頂上で、今日の行程はほぼ半分。峠の頂上は南富良野町への入口でもある。カントリーサインに描かれているのは、かなやま湖でカヌーを楽しむ人。南富良野は山に囲まれた町で、かなやま湖を中心にカヌーやラフティングなどのアウトドアが盛んな地域である。<br /><br />ここから一気に富良野方面へ向かって峠道を下る。冷たい風を全身で浴びることになるため、一枚重ね着して南富良野側へ下り始める。あれほど時間をかけて登った狩勝峠も、ペダルをほとんど回さず、勾配に任せて約10km。自転車がどんどん加速する。登りではあれほど苦労したのに、下りは一瞬だ。

    狩勝峠の頂上で、今日の行程はほぼ半分。峠の頂上は南富良野町への入口でもある。カントリーサインに描かれているのは、かなやま湖でカヌーを楽しむ人。南富良野は山に囲まれた町で、かなやま湖を中心にカヌーやラフティングなどのアウトドアが盛んな地域である。

    ここから一気に富良野方面へ向かって峠道を下る。冷たい風を全身で浴びることになるため、一枚重ね着して南富良野側へ下り始める。あれほど時間をかけて登った狩勝峠も、ペダルをほとんど回さず、勾配に任せて約10km。自転車がどんどん加速する。登りではあれほど苦労したのに、下りは一瞬だ。

    狩勝峠 自然・景勝地

  • 山を下り切ると、狩勝山の南側を走っていた根室本線が再び国道38号のそばへ現れた。落合という集落に入る。久しぶりに家が並び、人が生活している場所へ戻ってきた。それだけで何となく気持ちが明るくなる。郵便局もあったので、ついでに現金を下ろしておいた。

    山を下り切ると、狩勝山の南側を走っていた根室本線が再び国道38号のそばへ現れた。落合という集落に入る。久しぶりに家が並び、人が生活している場所へ戻ってきた。それだけで何となく気持ちが明るくなる。郵便局もあったので、ついでに現金を下ろしておいた。

  • 南富良野町はとにかく広い。落合からひたすら西へ進む。空は完全に晴れ、天気は最高。時計を見ると14時を回っている。不思議なのは、今日はここまでほとんど自転車ツーリングをしている人に出会わないこと。9月上旬になると、もう北海道を自転車で走る時期としては遅いのだろうか。

    南富良野町はとにかく広い。落合からひたすら西へ進む。空は完全に晴れ、天気は最高。時計を見ると14時を回っている。不思議なのは、今日はここまでほとんど自転車ツーリングをしている人に出会わないこと。9月上旬になると、もう北海道を自転車で走る時期としては遅いのだろうか。

  • 根室本線と並行して十数キロ走ると、ようやく南富良野町の中心部が見えてきた。今度こそ、飯が食える。真っ先に道の駅へ向かった。

    根室本線と並行して十数キロ走ると、ようやく南富良野町の中心部が見えてきた。今度こそ、飯が食える。真っ先に道の駅へ向かった。

    道の駅 南ふらの 道の駅

  • 南富良野はポテトチップス用ジャガイモの一大産地らしく、館内には湖池屋の契約農家に関する展示があった。普段ならじっくり読むところだが、狩勝峠をほとんど何も食べずに越えてきた身としては、それどころではない。焼きトウモロコシと温かいそばを食べた。ようやく腹に食べ物が入った。生き返った。

    南富良野はポテトチップス用ジャガイモの一大産地らしく、館内には湖池屋の契約農家に関する展示があった。普段ならじっくり読むところだが、狩勝峠をほとんど何も食べずに越えてきた身としては、それどころではない。焼きトウモロコシと温かいそばを食べた。ようやく腹に食べ物が入った。生き返った。

    道の駅 南ふらの 道の駅

  • 再び自転車にまたがり、富良野市を目指す。道の駅を出てしばらくすると、狩勝峠の頂上で聞いた「もう一つの峠」がやってきた。樹海峠というらしい。<br /><br />距離そのものは短いが、勾配はなかなかきつい。すでに100km近く走り、狩勝峠も越えた脚には十分にこたえる。何とか登り切ったところで富良野市へ入った。<br /><br />カントリーサインに描かれているのはブドウとワイン工場。富良野といえばラベンダーのイメージが強いが、富良野市はワインの産地としても知られ、市営の「ふらのワイン工場」がある。

    再び自転車にまたがり、富良野市を目指す。道の駅を出てしばらくすると、狩勝峠の頂上で聞いた「もう一つの峠」がやってきた。樹海峠というらしい。

    距離そのものは短いが、勾配はなかなかきつい。すでに100km近く走り、狩勝峠も越えた脚には十分にこたえる。何とか登り切ったところで富良野市へ入った。

    カントリーサインに描かれているのはブドウとワイン工場。富良野といえばラベンダーのイメージが強いが、富良野市はワインの産地としても知られ、市営の「ふらのワイン工場」がある。

  • 樹海と書かれた石碑。

    樹海と書かれた石碑。

  • 樹海峠という名前だけあり、頂上から眼下を見ると、うっそうとした深い緑の森が一面に広がっている。十勝側で見た広大な農地とはまったく違う景色だ。同じ一日の中で、ここまで風景が変わるのも北海道内陸を走る面白さなのかもしれない。

    樹海峠という名前だけあり、頂上から眼下を見ると、うっそうとした深い緑の森が一面に広がっている。十勝側で見た広大な農地とはまったく違う景色だ。同じ一日の中で、ここまで風景が変わるのも北海道内陸を走る面白さなのかもしれない。

  • 午後4時前。今日の長い行程もようやく残り30kmを切った。しかし富良野市は南北に長い。峠を越えたからといって、すぐ富良野市街へ着くわけではない。周囲には再び広大な田園風景が広がり、その中を通る一本道をひたすら北へ進む。

    午後4時前。今日の長い行程もようやく残り30kmを切った。しかし富良野市は南北に長い。峠を越えたからといって、すぐ富良野市街へ着くわけではない。周囲には再び広大な田園風景が広がり、その中を通る一本道をひたすら北へ進む。

  • 途中で国道38号は国道237号と合流。国道237号は日高方面から占冠を経由して富良野へやってくる道路で、この先は明日も旭川方面へ向かうために走ることになる。

    途中で国道38号は国道237号と合流。国道237号は日高方面から占冠を経由して富良野へやってくる道路で、この先は明日も旭川方面へ向かうために走ることになる。

  • 空知川に沿って富良野市中心部へ北上する。残りの距離は20kmを切った。日もだんだん傾き始め、道路脇にはメロンやトウモロコシの直売所が並んでいる。富良野らしい景色だが、今日はもう寄る余裕がない。明日、時間があればゆっくり味わうことにしよう。

    空知川に沿って富良野市中心部へ北上する。残りの距離は20kmを切った。日もだんだん傾き始め、道路脇にはメロンやトウモロコシの直売所が並んでいる。富良野らしい景色だが、今日はもう寄る余裕がない。明日、時間があればゆっくり味わうことにしよう。

  • そして、ようやく本日の目的地である富良野市街へ到着。スマートフォンで調べておいたレストランへ直行し、カレーを注文する。朝から120km以上走り、狩勝峠と樹海峠を越え、まともに食事を取れたのは午後になってから。最後に食べる温かいカレーは、それだけで十分にご馳走だった。<br /><br />総走行距離 128.79km<br />平均時速 20.4km/h<br />最高時速 51.7km/h<br />総走行時間 6時間18分25秒

    そして、ようやく本日の目的地である富良野市街へ到着。スマートフォンで調べておいたレストランへ直行し、カレーを注文する。朝から120km以上走り、狩勝峠と樹海峠を越え、まともに食事を取れたのは午後になってから。最後に食べる温かいカレーは、それだけで十分にご馳走だった。

    総走行距離 128.79km
    平均時速 20.4km/h
    最高時速 51.7km/h
    総走行時間 6時間18分25秒

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