2025/04/22 - 2025/04/22
76位(同エリア411件中)
mitsuさん
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本日はロッテルダムを出発し,ハーグに向かい,マウリッツハイス美術館とマドローダム観光,その後ロッテルダムに戻ります
今回は,プリンスウイリアム V ギャラリー-4(最終)となります
全体の大まかな行程は以下になります
今日は,★☆★です (^^)/
4/13(日) 成田⇒ドバイ⇒
4/14(月) ⇒アムステルダム フォーレンダム観光
4/15(火) アムステルダム,ホールン,エダム観光
4/16(水) アムステルダム国立美術館,市内観光
4/17(木) ギートホルン観光
4/18(金) キューケンホフ観光
4/19(土) ザーンセ・スカンス観光⇒ロッテルダムへ移動
4/20(日) デハール城,ユトレヒト観光
4/21(月) キンデルダイク,デルフト観光
★☆★ 4/22(火) ハーグ観光
4/23(水) プラハへ移動
4/24(木) プラハ観光
4/25(金) プラハ観光
4/26(土) プラハ観光
4/27(日) プラハ観光
4/28(月) プラハ観光
4/29(火) チェスキー・クルムロフへ移動⇒観光
4/30(水) プラハへ移動・観光
5/1(木) パリへ移動,観光
5/2(金) パリ観光
5/3(土) ヴェルサイユ宮殿観光
5/4(日) パリ観光
5/5(月) 体調不良により観光無し
5/6(火) 体調不良により観光無し
5/7(水) パリ観光
5/8(木) シャルトルへ移動・観光
5/9(金) パリ観光
5/10(土) パリ観光
5/11(日) パリ観光
5/12(月) ベルノンへ移動・観光,パリ観光
5/13(火) パリ観光
5/14(水) パリ観光後⇒ドバイへ移動
5/15(木) ドバイ観光⇒成田へ向けて出発
5/16(金) 成田着
7/11(火) チューリッヒプチ観光後,ドバイへ出発
★☆★7/12(水) ドバイ入国・観光
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
プリンス・ウィリアム5世ギャラリーの続きです。
写真には反射等の影響により見づらい箇所がございます。恐れ入りますが、ご了承のほどお願いいたします。
ギリス・ファン・ティルボルフの《家族肖像画》(1665年頃)は、裕福な市民の家庭を描いた作品です。
家族が室内で食事や会話を楽しむ様子が丁寧に描かれており、当時の衣装や家具、食卓のごちそうから、17世紀オランダの暮らしぶりが伝わってきます。
自然光が差し込む室内には、壁に絵画が飾られ、暖炉の上には大きな風景画も見られます。人物の表情やしぐさから、家族の親密な雰囲気が感じられる作品です。 -
ヨハネス・リンゲルバッハの《干し草の収穫》(制作年:1637~1674年頃)は、17世紀の農村風景を描いた風俗画です。
リンゲルバッハはドイツ生まれで、後にオランダで活躍した画家で、人物や動物を巧みに描くことで知られています。
この作品では、干し草を積み上げる農民たちや、馬に乗る人々、犬などが登場し、収穫作業のにぎやかで活気ある様子が表現されています。
中央の干し草の山に立つ人物が腕を振り上げており、作業の指示を出しているようにも見えます。空には動きのある雲が広がり、自然のダイナミズムも感じられます。
リンゲルバッハは、風景画家と協力して背景を描いてもらい、自身は人物や動物を担当することも多かったため、この作品でもその特徴がよく表れています。
農村の日常を生き生きと描いた、温かみのある一枚です。 -
アドリアーン・ファン・デル・ヴェルフの《エジプトへの逃亡》(1710年)は、新約聖書の「マタイによる福音書」に基づいた宗教画です。
この場面は、幼子イエスの命を狙うヘロデ王から逃れるため、ヨセフがマリアとイエスを連れてエジプトへ向かう旅の途中を描いています。
作品には、マリアが幼子イエスを抱き、ヨセフがその手を引いて導く姿が描かれています。
二人とも裸足で、岩の多い道を慎重に歩いています。背景には古代建築の柱や木々が見え、静けさと荘厳さが漂っています。
ドラマチックな光と影の表現が、緊張感と神聖さを際立たせています。
ファン・デル・ヴェルフは、洗練された技巧と理想化された人物表現で知られ、18世紀初頭のヨーロッパで高く評価されました。この作品も、彼の特徴である滑らかな筆致と劇的な構図がよく表れています。 -
アーネムのラインポート外のパノラマを含む油彩画。
1530年頃、ライン川はアーネムを越えず、市の近くで大きく南へ曲がりました。ゲルダー公シャルルは1530年から1536年の間にこの曲がりを切り開き、川が再び市のそばを流れるようにしました。
1603年には、船の積み下ろし用の埠頭とクレーンを備えた風のあふれた港が建設されました。この旧港は、市壁とライン門の右側にあり、この絵画の主な主題と思われます。
さらに、左岸にはライン川南岸の美しい眺めがあり、その背後にはマイナースワイクと平坦なベトゥーヴェが広がっています。遠くの右、川が左に曲がると、オースターベーク近くのウェスターバウイングのモレーンが見えます。 -
サミュエル・ファン・ホーグストラテンの《女性が手紙を読む視点》(約1670年)は、遠近法と視覚効果を巧みに活用した作品で、見る者を絵の中へと引き込むような構図が特徴です。
この作品では、壮麗な建築空間の中に立つ女性が描かれています。彼女は階段の上に立ち、手紙を読んでいるような仕草を見せています。
足元には小型犬がいて、鑑賞者の方を見つめています。建物の奥行きや光の使い方が非常に巧みで、まるで実際にその場に立っているかのような錯覚を覚えます。
ホーグストラテンは、レンブラントの弟子として修行を積み、後に遠近法や視覚の錯覚を活かした「トロンプ・ルイユ(だまし絵)」の名手として知られるようになりました。この作品も、建築的な構造や光の導線を使って、視線を自然に奥へと誘導する技術が光っています
また、女性が手紙を読むという主題は、当時のオランダ絵画で人気のあったテーマで、個人の感情や内面を静かに表現する手段として好まれていました。手紙を読む姿は、恋愛や家族とのつながりを暗示することも多く、見る人にさまざまな想像を促します。
この作品もまた、日常の一瞬を切り取ることで、17世紀の暮らしや感情を豊かに伝える名作のひとつです。 -
ヨリス・ファン・デル・ハーゲンの《アーネム近郊のパノラマ》(1649年)は、オランダ東部の自然豊かな風景を描いた風景画です。
彼はアーネム出身の画家で、17世紀オランダ黄金時代に活躍し、主に風景画を専門としていました。この作品では、なだらかな丘陵地帯や木々、牧草地に広がる家畜や人々の姿が描かれています。
前景には休む人物や馬、家畜が見られ、穏やかな農村の暮らしが感じられます。空には雲が広がり、奥行きのある構図と柔らかな光の表現が、静かで詩的な雰囲気を生み出しています。
ファン・デル・ハーゲンは、自然の広がりや空気感を繊細に描くことで知られ、同時代のヤーコプ・ファン・ロイスダールらと並び称されることもあります。彼の作品は、都市や田園の風景を通して、当時のオランダの豊かな自然と人々の暮らしを伝えています。
この絵も、アーネムという土地の地形や生活の様子を、静かに、しかし力強く描き出した一枚です。 -
ゲリット・ファン・ホントホルストによる《ウィリアム3世とその叔母マリア・オレンジ公女の子供時代の二重肖像画》(1653年)は、オランダの名門オラニエ家の子どもたちを描いた記念的な肖像画です。
この作品には、のちにイングランド王となるウィリアム3世と、その叔母であるマリア・オレンジ公女が、幼い姿で描かれています。
ウィリアムは3歳、マリアは11歳頃とされ、2人は華やかな衣装をまとい、自然の中で穏やかに過ごす様子が表現されています。
ホントホルストは、カラヴァッジョの影響を受けた明暗法(キアロスクーロ)を得意とし、人物の表情や衣服の質感を豊かに描き出す技術に優れていました。この作品でも、柔らかな光が子どもたちの顔や衣装を照らし、優雅で親密な雰囲気を生み出しています。
このような肖像画は、家系の威厳や血統の正統性を示すために描かれることが多く、政治的・社会的な意味合いも持っていました。
背景の自然や花々は、子どもたちの純真さや希望を象徴していると考えられます。 -
カエサル・ファン・エヴェルディンゲンの《ディオゲネスは人物を探している(ステイン家の肖像)》(1652年)は、寓意的な集団肖像画として知られています。
この作品は、古代ギリシャの哲学者ディオゲネスの逸話をもとに、当時の裕福なステイン家の人々を描いたものです。
ディオゲネスは、昼間にランプを持って「本当の人間(正直者)」を探していたという逸話で有名です。この絵では、そのディオゲネスがランプを手にして登場し、周囲にはステイン家の人々が集まっています。
彼らは当時の上流階級の衣装をまとい、さまざまな表情やしぐさで描かれています。
この作品は、単なる家族の肖像画ではなく、道徳的なメッセージを含んでいます。つまり、「正直さとは何か」「真の人間らしさとは何か」といった問いを、鑑賞者に投げかけているのです。ファン・エヴェルディンゲンは、人物の表情や衣装の質感を丁寧に描き、寓意と写実を融合させた構成力に優れていました。
満さんが撮影された絵も、まさにこの作品のようですね。ディオゲネスの姿や、周囲の人々の反応に注目すると、さらに深い意味が見えてくるかもしれません。どの人物に目が留まりましたか? -
ルドルフ・バクハイゼンの《1691年1月31日、オランイェポルダーに到着した総督ヴィルヘルム3世》(1692年)は、歴史的な出来事を記録した海洋画です。
バクハイゼンは17世紀後半のオランダを代表する海洋画家で、嵐や港、船の描写に優れた技術を持っていました。
この作品では、イングランド王でもあったウィリアム3世が、オランイェポルダーに到着した場面が描かれています。画面には、帆船が停泊する港と、上陸する人々の様子が細かく描かれており、中央には馬に乗ったウィリアム3世と見られる人物が登場します。
周囲には彼を迎える群衆や兵士たちが集まり、歴史的な瞬間の緊張感と荘厳さが伝わってきます。空には厚い雲が広がり、光と影のコントラストがドラマチックな雰囲気を生み出しています。
バクハイゼンはこのような天候の変化や海の表情を巧みに描くことで知られており、この作品でもその力量が発揮されています。
この絵は、政治的・歴史的な意義と芸術的な完成度を兼ね備えた一枚です。 -
ヤン・シュティーン(Jan Steen)の《コードル・メーカーズ》は、17世紀オランダの市民生活を描いた風俗画の一例です。
ヤン・シュティーンは、ユーモアと人間観察に優れた画家で、日常の一場面を生き生きと描くことで知られています。
この作品では、室内で男女が金銭を扱っている様子が描かれています。女性はテーブルに座り、小物を手にしており、男性は帽子とマント姿で、硬貨を数えているように見えます。
二人の間には緊張感や駆け引きが感じられ、金銭や商取引にまつわる人間関係を暗示している可能性があります。
シュティーンの作品には、しばしば寓意やことわざが込められており、この絵も「金銭にまつわる教訓」や「男女の駆け引き」をテーマにしていると考えられます。
光の使い方や衣装の描写も丁寧で、当時の生活感がよく伝わってきます。 -
アドリアーン・ファン・オスターデの《ペザント・イン》は、17世紀オランダの農民たちの日常を描いた風俗画です。
彼はハールレム出身の画家で、農民や庶民の生活をテーマにした作品を多く残しています。この作品では、宿屋のような室内で人々が談笑したり飲んだりしている様子が描かれています。
子どもや犬も登場し、にぎやかで親しみやすい雰囲気が漂っています。人物の表情やしぐさが細かく描かれており、当時の庶民の暮らしぶりが生き生きと伝わってきます。
オスターデは、レンブラントの影響を受けた明暗法を取り入れ、光と影のコントラストで空間の深みや人物の存在感を強調しました。この絵でも、室内の暗がりと人物の明るい部分が巧みに描かれ、視線を自然に誘導します。
このような作品は、当時の社会の一面を記録すると同時に、見る人に親しみやユーモアを感じさせるものです。 -
この作品は、ヘンドリック・ヘールスショットによる19世紀の油彩画で、タイトルは《若い女性が持ってきた尿筒を調べる医師》とされています。
この絵は、かつての医療現場で行われていた「尿診(うろしん)」を描いたものです。尿診とは、患者の尿の色や沈殿物を観察することで病気の診断を試みる方法で、特に中世から近世にかけて広く行われていました。
絵の中では、医師がガラス製の尿筒(フラスコ)を手に取り、真剣な表情で中身を観察しています。隣には若い女性が立っており、彼女がその尿筒を持参したと考えられます。背景には開かれた書物や器具が置かれ、医師の学識や診察の様子が丁寧に描かれています。
ヘールスショットは、17世紀オランダ絵画の伝統を受け継ぎながら、日常の一場面に寓意やユーモアを込めることを得意とした画家です。この作品も、当時の医療知識や社会的な風習を反映しつつ、どこか人間味のある温かさを感じさせる一枚です。 -
コルネリス・ド・ヘームによる《果物のある静物》(1670年頃)は、17世紀オランダの静物画の伝統を受け継ぐ、緻密で豊かな表現が特徴の作品です。
この絵には、桃、ブドウ、ザクロ、柿のような果物が、籠やテーブルの上に美しく配置されています。果物の一部は皮がむかれたり、割れて中身が見えていたりと、質感やみずみずしさが巧みに描かれています。暗い背景と鮮やかな果物の対比が、立体感と深みを生み出しています。
ド・ヘームは、著名な静物画家ヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘームの息子で、父の影響を受けながらも独自の色彩感覚と構図で知られています。特に、青や赤のアクセントを効かせた色使いが特徴的です。 -
ゲリット・アドリアーンス・ベルクヘイデの《ハーグのホフフェイファーでの狩猟行列、ブイテンホフから見た様子》は、17世紀オランダの都市景観と宮廷文化を見事に描き出した作品です。
ベルクヘイデは都市景観画の名手として知られ、アムステルダムやハールレム、ハーグなどの街並みを精密に描きました。この作品では、ハーグの中心にあるホフフェイファーとブイテンホフを背景に、狩猟行列が進む様子が描かれています。
画面には、壮麗な建物と水辺の風景、そして馬に乗った貴族たちや見物する市民の姿が細密に描かれ、当時の都市の活気と格式ある行事の雰囲気が伝わってきます。空の光や建物の陰影、人物の配置など、遠近法と構図の巧みさが際立っています。
このような作品は、単なる風景画にとどまらず、都市の誇りや政治的・文化的な象徴としての意味も持っていました。 -
アブラハム・ブローマールトによる《ペレウスとテティスの結婚式における神々の祭り》(1638年)は、ギリシャ神話に基づいた壮麗な歴史画で、神々と人間の世界が交差する祝宴の場面を描いています。
この作品の主題は、英雄アキレウスの両親である人間の王ペレウスと海の女神テティスの結婚式です。この結婚は、神々が一堂に会する特別な祝宴として知られ、後のトロイア戦争の発端となる「黄金の林檎」の事件が起きた場面でもあります。
ブローマールトは、マニエリスム様式の影響を受けた画家で、豊かな色彩と流れるような人体表現、幻想的な構図を得意としました。この絵でも、神々の優雅な姿や天上のキューピッドたち、豪華な衣装や器物が細密に描かれ、祝宴の華やかさと神話的な雰囲気が見事に表現されています。
画面中央には、半裸の男性(おそらくペレウス)と背を向けたテティスが描かれ、周囲にはオリュンポスの神々が集っています。上空には雲の中に神々しい存在が浮かび、神話の世界観を強調しています。
この作品は、神話の壮大さと人間の感情を融合させた、ブローマールトの代表的な歴史画のひとつです。 -
アドリアーン・ファン・デ・フェルデの《家畜と共に森林に覆われた風景》(1663年)は、17世紀オランダ絵画における風景画と動物画の融合を見事に体現した作品です。
ファン・デ・フェルデは、アムステルダム出身の画家で、父と兄が海洋画家であったのに対し、自身は穏やかな田園風景や家畜を主題とする作品を多く手がけました。彼は風景画家ヤン・ウェイナンツのもとで学び、他の画家の作品に人物や動物を描き加える「スタッフェージ」の名手としても知られています。
この作品では、森林に囲まれた静かな牧草地に、牛、羊、山羊などの家畜がゆったりとたたずんでいます。柔らかな光が動物たちの毛並みや木々の葉を照らし、自然の静けさと調和が感じられます。ファン・デ・フェルデは、動物の姿勢や表情を非常に丁寧に描写し、まるでその場にいるかのような臨場感を生み出しています。
彼の作品は、自然と人間の営みが穏やかに共存する世界を描き出し、見る人に安らぎと詩的な感覚を与えてくれます。 -
カスパー・ネッシェルによる《モーリッツ・ル・ルー・ド・ヴィルヘルムの肖像》(1677年)は、17世紀後半のオランダ肖像画の典型的な作品で、貴族の威厳と洗練された身なりを見事に描いています。
この肖像画のモデル、モーリッツ・ル・ルー・ド・ヴィルヘルム(1643?1724)は、オランダ貴族であり、外交や軍事の分野でも活躍した人物です。ネッシェルは、彼の堂々とした姿を、建築的背景とともに描くことで、社会的地位と教養を強調しています。
画面では、モーリッツが黒い衣装に身を包み、白いレースの襟と袖がアクセントとなっています。片手を腰に、もう一方の手を優雅に伸ばすポーズは、当時の貴族肖像画に見られる典型的な構えで、威厳と自信を表しています。背景の柱やアーチは、彼の地位や知性を象徴する要素として機能しています。
ネッシェルは、細密な筆致と柔らかな色調で知られ、特に布の質感や肌の表現に優れていました。この作品でも、衣服の重厚感や光の反射が丁寧に描かれ、人物の存在感を際立たせています。 -
この絵は、ヨハン・ハインリヒ・ルースによる作品と考えられます。
ルースはドイツ出身で、17世紀に活躍した画家です。特に田園風景と家畜の描写に優れ、オランダ絵画の影響を受けた柔らかな光と自然な構図で知られています。
この作品でも、前景に描かれた牛や水辺の描写、背景の人物たちの穏やかな動きが、彼の特徴をよく表しています。 -
この絵は、ゴルツィウス・ゲルドルプによる《悔い改めるマグダラのマリア》と考えられます。
ゲルドルプは16世紀後半から17世紀初頭にかけて活躍した画家で、特に肖像画と宗教画で知られています。
この作品では、マグダラのマリアが胸に手を当て、天を仰ぐような表情で描かれています。彼女はイエス・キリストに赦しを求めた罪深き女性として、キリスト教美術では「悔悛」の象徴として頻繁に描かれます。
長い髪、香油壺、涙を浮かべた瞳などが、彼女の典型的なアトリビュート(象徴)です。ゲルドルプの作風は、柔らかな光と写実的な人物描写に特徴があり、この絵でも肌の質感や表情の繊細さが際立っています。
背景の暗さと人物の明るさの対比が、内面の葛藤と神への祈りを強調しています。 -
この作品は、ヤン・ファン・デル・ハイデンとアドリアーン・ファン・デ・フェルデによる共作とされる《中央に聖アンドレイ教会があるデュッセルドルフの眺め》です。
ヤン・ファン・デル・ハイデンは、オランダ黄金時代の都市景観画家として知られ、精密な建築描写と遠近法の巧みな操作で高く評価されました。彼はまた、消防設備や街灯の発明でも知られる多才な人物でした。
この作品では、ドイツの都市デュッセルドルフの中心にある聖アンドレイ教会が描かれています。教会はバロック様式の建築で、双塔とドームが特徴的です。画面には、石畳の通りを行き交う人々や馬車、周囲の歴史的建築物が丁寧に描かれ、当時の都市の活気と秩序が感じられます。
アドリアーン・ファン・デ・フェルデは、人物や動物の描写を得意とした画家で、ヤン・ファン・デル・ハイデンの風景画にしばしば人物や動物を描き加える「スタッフェージ」の役割で共作していました。
今回の作品でも、街の生活感を伝える人物たちの存在が、画面に温かみと動きを与えています。 -
この作品は、カスパー・ネッチャーによる《マリア・ティマーズの肖像》(1683年)とされるものです。
ネッチャーはオランダ黄金時代の画家で、特に上流階級の女性の肖像画や室内風俗画で高い評価を受けました。彼の作品は、繊細な筆致と洗練された色彩、そして人物の優雅な表情や衣装の質感描写に優れており、当時の宮廷文化や市民の美意識をよく伝えています。
《マリア・ティマーズの肖像》では、モデルの女性が豪華なドレスに身を包み、落ち着いた表情で描かれています。背景には庭園風の装飾や彫像が配され、彼女の教養や社会的地位を象徴しています。ネッチャーは、人物の肌の輝きや布の光沢、宝飾品のきらめきを巧みに表現し、見る者に強い印象を与えます。
マリア・ティマーズ(1658-1753年)は、長寿を全うした人物であり、この肖像が描かれた1683年にはまだ若年期にあったと考えられます。彼女の身なりや姿勢からは、当時の女性像や理想的な美の基準がうかがえます。 -
ジャン・スティーンによる《占い師》(約1650年~1654年)は、17世紀オランダの風俗画の中でも、寓意と日常のユーモアが融合した作品として知られています。
この絵では、屋外の風景の中で、占い師が若い女性の手相を見ている場面が描かれています。周囲には興味津々な表情で見守る人々が集まり、会話や反応が生き生きと表現されています。背景には木々や建物があり、穏やかな田園風景の中で展開する人間模様が、ステーンらしい親しみやすさを感じさせます。
ステーンは、寓話やことわざを絵画に取り入れることが多く、この作品も「好奇心」や「迷信への警戒」といったテーマを含んでいる可能性があります。彼は居酒屋を営んでいた経験から、庶民の生活や表情を観察する力に長けており、それが絵の細部に反映されています。 -
この絵は、パウルス・モレールスによる作品である可能性が高いです。額縁に刻まれた「Pa. v. DUS」という表記と「1680-1753」という年号から、画家の略称と生没年が示されていると考えられます。
ただし、1680-1753という年号は、パウルス・モレールスの生没年とは一致しないため、別の画家、たとえばパウルス・コンスタンティン・ラ・ファージュ(Paulus Constantijn la Fargue, 1729-1782)や、パウルス・デ・フロール(Paulus de Vos, 1595-1678)など、同時代の画家の可能性もあります。
絵の内容から見ると、神話や宗教的な主題を扱ったバロック様式の作品で、左側の女性はおそらくサロメやスザンナ、あるいは聖母マリアなど、聖書や古典文学に登場する象徴的な女性像かもしれません。右側の人物は、預言者や聖人、あるいは誘惑者として描かれている可能性もあります。
このような作品は、17~18世紀のヨーロッパ絵画において、道徳的・宗教的な教訓を視覚的に伝える目的で描かれることが多く、衣装やポーズ、視線のやりとりなどに物語性が込められています。 -
この絵は、ヤン・ファン・ニッケレンによる《カントリーハウスと公園》とされています。制作時期は1690年から1700年頃と推定されています。
ヤン・ファン・ニッケレンは、オランダの風景画家で、特に建築と自然を組み合わせた構図に優れた才能を発揮しました。この作品では、広々とした田園風景の中に、整然としたカントリーハウスと手入れの行き届いた公園が描かれています。遠景にはなだらかな丘と空が広がり、穏やかな光が全体を包み込んでいます。
このような風景画は、17世紀末から18世紀初頭にかけてのオランダにおいて、都市生活から離れた理想的な自然と秩序ある暮らしを象徴するものとして人気がありました。ニッケレンは、建築の細部や自然の描写において非常に緻密で、鑑賞者に静けさと調和を感じさせる作風が特徴です。 -
この作品は、フランスの肖像画家ニコラ・ド・ラルジリエール(Nicolas de Largillière, 1656-1746)による《ウィレム・ヒヤシントの肖像》(制作年:おそらく1680年代~1690年代)とされるものです。
ウィレム・ヒヤシント(Willem Hyacinth, 1666-1743)は、ナッサウ=ジーゲン家の貴族で、神聖ローマ帝国の貴族階級に属する人物でした。彼は政治的にも波乱に富んだ生涯を送り、特に1707年に起きた暴動とその後の追放によって知られています。
ラルジリエールは、イアサント・リゴーと並ぶ18世紀初頭のフランスを代表する肖像画家で、王侯貴族や富裕層の肖像を数多く手がけました。彼の作品は、華麗な衣装、劇的な背景、そして人物の威厳あるポーズが特徴です。
この肖像画でも、ウィレム・ヒヤシントは豪奢な甲冑とサッシュを身にまとい、手には兜を持ち、夕暮れの風景を背景に堂々と立つ姿で描かれています。これは、彼の軍事的・貴族的地位を象徴する典型的なポートレートの構図です。 -
マウリッツハイスとプリンス・ウィリアム5世ギャラリー、どちらも見応えたっぷりで大満足。そろそろ次の場所へ移動します。
つづく
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