112。*:.。オランダ，チェコ，フランス34日間の旅　☆ハーグ-9　マウリッツハイス美術館-8(最終)☆.。.:*

2025/04/22 - 2025/04/22

本日はロッテルダムを出発し，ハーグに向かい，マウリッツハイス美術館とマドローダム観光，その後ロッテルダムに戻ります

今回は，ハーグ-9　マウリッツハイス美術館-8(最終)となります

全体の大まかな行程は以下になります

今日は，★☆★です　(^^)/

4/13(日） 成田⇒ドバイ⇒
4/14(月) ⇒アムステルダム　フォーレンダム観光
4/15(火) アムステルダム，ホールン，エダム観光
4/16(水) アムステルダム国立美術館，市内観光
4/17(木) ギートホルン観光
4/18(金) キューケンホフ観光
4/19(土) ザーンセ・スカンス観光⇒ロッテルダムへ移動
4/20(日) デハール城，ユトレヒト観光
4/21(月) キンデルダイク，デルフト観光

★☆★　4/22(火) ハーグ観光

4/23(水) プラハへ移動
4/24(木) プラハ観光
4/25(金) プラハ観光　
4/26(土) プラハ観光
4/27(日) プラハ観光
4/28(月) プラハ観光
4/29(火) チェスキー・クルムロフへ移動⇒観光
4/30(水) プラハへ移動・観光
5/1(木) パリへ移動，観光
5/2(金) パリ観光
5/3(土) ヴェルサイユ宮殿観光
5/4(日) パリ観光
5/5(月) 体調不良により観光無し
5/6(火) 体調不良により観光無し　
5/7(水) パリ観光
5/8(木) シャルトルへ移動・観光
5/9(金) パリ観光
5/10(土) パリ観光
5/11(日) パリ観光
5/12(月) ベルノンへ移動・観光，パリ観光
5/13(火) パリ観光
5/14(水) パリ観光後⇒ドバイへ移動
5/15(木) ドバイ観光⇒成田へ向けて出発
5/16(金) 成田着
7/11(火) チューリッヒプチ観光後，ドバイへ出発
★☆★7/12(水) ドバイ入国・観光

エリア ハーグ (デン･ハーグ)(オランダ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

マウリッツハイス美術館の絵画の続きです
一部に映り込みや撮影の不備がございますが、記録としてご理解いただけますと幸いです

「Adriaen Brouwer《居酒屋の酔っぱらった農民たち》」（1625～1626年頃）

フランドル出身の画家ブラウエルが北部オランダで数年間過ごした際に描いたものです
この絵では、居酒屋の中で誰一人として正気を保っていない様子が描かれています

酒、タバコ、騒ぎによって全員が酔いしれており、前景の女性は酔いつぶれてスツールから転げ落ちています

周囲の人物たちも、叫んだり、煙草を吸ったり、眠っていたりと、乱れた様子が強調されていて、当時の「七つの大罪」のひとつである怠惰を象徴するような描写も見られます

ブラウエルは、限られた色彩と筆遣いでこうした農民たちの粗野な振る舞いを巧みに表現しました
赤やピンクのアクセントが効いた色使いと、ブリューゲル風の風刺的な人物描写が特徴です

この作品は、道徳的な教訓や社会風刺を込めた風俗画として、当時の観客に強い印象を与えたと考えられます

アドリアーン・ブラウワー　《　喧嘩する農民たち　》 （1625～1626年頃）

このジャンルは、農民や田舎の人々の生活を戯画的に描くもので、当時のオランダの裕福な購入者たちにとっては滑稽で面白いものとされていました

絵の中では、居酒屋の外でカード遊びをしていた農民たちが酒に酔って気分が高まり、ついには喧嘩を始めてしまう様子が描かれています

この作品は、ブラウワーが得意とした日常の騒動や感情の爆発を巧みに捉えた例です

ジェイコブ・ファン・フルスドンクは17世紀のフランドルの静物画家で、花や果物を細密に描くことで知られています

《ガラスの花瓶の中のバラ》では、バラの質感やガラスの透明感が丁寧に描かれ、静かで気品ある雰囲気が特徴です

構図も美しく、自然の美しさを静かに讃える作品です

ハンス・ロッテンハンマーの《フェートンの没落》は、ギリシャ神話のフェートンが太陽の馬車を暴走させ、ゼウスに撃たれて墜落する場面を描いた作品です

劇的な構図と緻密な描写で、神話の緊張感と悲劇を表現しています

ヤン・ブリューゲル(長老)とハンス・ロッテンハンマー
キリストのリムボへの降下　1597年

キリストは死後、冥界に降りてアダムとイブ、そしてすべての義人を解放し、天国へ連れて行ったとされていました

この降落は、しばしば共に働いたブリューゲル1世とロッテンハンマーによって描かれています

ハンス・ボル　《パトモス島の聖ヨハネと共に描かれた想像上の風景》
（1564年）

聖ヨハネが黙示録を受けたとされるパトモス島を舞台にした作品です

絵には、荒れた海、幻想的な山々、賑やかな港が広がり、黙示録の神秘的な雰囲気を背景にしています

この風景は実在のものではなく、画家の想像によるもので、深い空間の広がりが印象的です

「　山の風景と聖ヒエロニムス　」　1592年

画面には、険しい岩山や深い森が広がっていて、自然の力強さと静けさが感じられます
左下には、聖ヒエロニムスが洞窟のそばに座っていて、祈っているように見えます

彼はキリスト教の聖人で、荒野で瞑想や聖書の翻訳をしていたことで知られています
空には青と白の雲が広がり、やわらかな光が山や木々を照らしています

奥へ続く小道が、見る人の目を自然と絵の中へ引き込んでいきます

クリストッフェル・ファン・デン・ベルヘの《Paesaggio estivo（夏の風景）》は、17世紀初頭に描かれた理想的な田園風景です

明るい色彩と細密な描写で、穏やかな夏の自然と人々の営みを表現しています

実在の風景ではなく、自然の美しさを讃える想像上の風景です

ヤコブ・ファン・ヘール　《　想像上の森の風景　》（1636年頃）

幻想的な森を描いた作品です

荒々しい木々や奥行きのある構図が特徴で、現実ではなく物語の舞台のような自然の広がりを表現しています

クリストフェル・ファン・デン・ベルゲの《冬の景観》は、17世紀のフランドル地方の冬を描いた風景画です

凍った川では人々がスケートやそり遊びを楽しみ、雪に覆われた村や木々が静かな季節感を伝えています

細密な描写と奥行きのある構図で、寒さの中にも温かみのある日常が表現されています

ヨアヒム・ウテワールの《エマオの晩餐》は、復活したキリストが弟子たちに正体を明かす瞬間を描いた宗教画です

誇張されたポーズと鮮やかな色彩で、緊張感と神秘性を表現しており、マニエリスム様式の特徴がよく表れています

ロエラント・サヴェリーの《石のニッチに花の花瓶》は、石のくぼみに置かれた花瓶と色とりどりの花を描いた静物画です

細密な描写と奥行きのある構図で、自然の美しさと静けさを表現しています

ルーベンスの《マリアの被昇天（モデルロ）》は、祭壇画のための油彩スケッチです

マリアが天使に導かれて天に昇る場面を、旋回するような動きと力強い筆致で描いています

構図の計画段階ながら、すでに迫力と躍動感に満ちた作品です

ヤン・ダヴィス・デ・ヘームの《花瓶の花》は、17世紀オランダの華やかな静物画です

花瓶からあふれる色とりどりの花々が画面を埋め尽くし、ガラスの反射には窓や小物まで描かれ、臨場感があります

細密な描写と豊かな色彩が魅力の一枚です

ニックとロブ・カーターの《1618年の窓の中の花瓶》

アンブロシウス・ボスチャートの静物画をもとに、現代的な技術で再構成した作品です

花の変化や光の移ろいを通して、静物画に時間と命の流れを加えています

伝統と現代の表現が融合した意欲的な作品です

デイヴィッド・テニエルス2世の《台所の内部》は、17世紀の家庭の台所を描いた作品です

料理をする人々や豊富な食材が細かく描かれ、当時の暮らしの様子がよく伝わります

温かみと生活感にあふれた一枚です

ヤーコプ・サーフェリー（父）　《　聖セバスティアヌスの日の祭り　》

教会周辺で村人たちがにぎやかに祝う様子を描いた作品です

恋人たちや酒を楽しむ人々の姿が細かく描かれ、祭りの雰囲気が伝わります

サーフェリーはこの農民の祭りという主題をオランダに紹介した画家のひとりです

ヤコブ・ヨルダンス《羊飼いの礼拝》（1617年頃）

この作品は、眠るイエスを抱くマリアと、それを礼拝する羊飼いたちを描いた宗教画です
画面は観客がすぐそばにいるような構図で、子どもや銅の壺に映る反射まで細かく描かれています

ヨルダンスはイタリアに行ったことはありませんが、ルーベンスなどを通じてカラヴァッジョの影響を受け、強い光と写実的な表現を取り入れました

劇的な明暗の対比が特徴の一枚です

ペーター・パウル・ルーベンス
『ローマの凱旋:若き皇帝コンスタンティヌスがローマを称える』
約1622年-1623年

ローマの都市の乙女は玉座に座っています
彼女の足元には、ローマの象徴である雌オオカミの乳を授ける双子が横たわっています
右側には輝く鎧をまとった若き皇帝コンスタンティヌスがいます

ルーベンスは、フランス王ルイ13世の依頼で皇帝コンスタンティヌスを題材にした一連のタペストリーのデザインの一つとしてこの油彩スケッチを描きました

デイヴィッド・ヴィンクブーンズ　《　カントリーフェア　》 （1629年）
村の祭りのにぎやかな様子を描いた作品です

踊る人々や屋台、教会などが細かく描かれ、17世紀フランドル地方の農民の暮らしと祝祭の雰囲気が伝わります
社交や娯楽の場面を生き生きと表現した一枚です

メアリーの幼少期の幻影
祝福されたアンナ・カトリーヌ・エメリッヒ

アン・キャサリン・エメリッヒ(1774年-1824年)は、ドイツ生まれの修道女であり、神秘主義者、そして聖痕主義者でした

長年にわたりキリストの生涯の幻視を体験し、ほぼ全て水と聖体に頼って生きていたと言われています

1813年に彼女は聖痕を授与されました

クララ・ピーターズ
『　チーズ、アーモンド、プレッツェルの静物画　』 1615年頃

この静物画では、チーズ、プレッツェル、イチジクがテーブルに並び、金箔を施したヴェネツィアのグラスや中国料理といった高価な品々が並んでいます

アントワープの画家クララ・ペーターズは最初期の食品静物画家の一人であり、彼女の「バンケチェス」(宴会画)は北ネーデルラントの画家たちに大きな影響を与えました

銀の花嫁ナイフにサインを施しただけでなく、ピーターズは自分自身の絵も描きました

陶器の壺のピューターの蓋には、白い帽子をかぶった女性の顔が映っています
これはクララの自画像です

ピーテル・パウル・ルーベンス
《ろうそくを持つ老女と少年》（Old Woman and Boy with Candles）
1616年-1617年

この絵には、ろうそくの光に照らされた老女と少年が描かれています

少年は赤い服を着て、ろうそくと火をつけるための細い棒（テーパー）を持っています
老女は炎を見つめながら、目を細めて微笑んでいるように見えます

特徴的なのは、カラヴァッジョ風の明暗法（キアロスクーロ）が使われている点です
強い光と深い影の対比によって、人物の表情や衣服の質感が際立っています

この技法は、ルーベンスがイタリアでカラヴァッジョの作品を見た影響によるものです

この絵は販売目的ではなく、ルーベンス自身が弟子の教育用に手元に残していたと考えられています

構図の一部には、最初に描いた手の位置を後から修正した跡も残っており、絵の完成度を高めるための工夫が見られます

マウリッツハイス美術館を出るところです

素晴らしい名作の数々に出会えて、まるで夢のようなひとときでした

静かな展示室で絵と向き合う時間は、心に深く残ります

この美術館の歴史や空間そのものも、とても印象的でした

この作品は、マウリッツハイス美術館のロビーに飾られていたユニークな展示のひとつです
クラシックな額縁に収められているのは、黄色いドレスと青いヘッドピースを身につけた編みぐるみのネズミ

背景は木のテーブルで、柔らかな光が作品全体を優しく照らしています

額の下には「Ben je zelf geïnspireerd geraakt? Deel jouw Meisje via（あなたもインスピレーションを受けましたか？あなたの“少女”をシェアしてね）」というメッセージがあり、フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》をモチーフにした参加型展示の一部のようです

伝統と遊び心が融合した、印象に残るひとコマでしたね
美術館の余韻がロビーまで続いていて、最後まで楽しませてくれる空間でした

この作品は、子どもが描いた《真珠の耳飾りの少女》のアレンジ版のようですね

黄色い紙にクレヨンやマーカーで描かれていて、青いターバンと赤い服が印象的です
背景には黒い線が大胆に描かれ、白い形が鳥のようにも見えます

下には「dean vermeer」という署名があり、フェルメールの名作にちなんだユーモアと敬意が感じられます

クラシックな額縁に収められて展示されていることで、子どもの自由な表現がまるで本物の名画のように扱われていて、とても微笑ましいですね

美術館のロビーでこうした作品に出会えるのは、来館者にとっても楽しいサプライズだったのではないでしょうか

静かな余韻の中に、ちょっとした遊び心が光っています

素敵な思い出の余韻を残しながら、マウリッツハイス美術館をあとにします

名作にたっぷり浸って、心がふわっと満たされたような気分です

旅はまだ続きますが、ここで過ごした時間はきっとずっと忘れません

つづく