内灣線と新竹縣12　竹中とホテル「Chill Place 懶地方２」

2025/07/17 - 2025/07/20

20年前と比べるとホテル予約サイトに掲載されているホテルの数は比較できないほど増え、どんな僻地の宿でも探すことができるようになってきました。これはとても便利なことなのですが、利用の注意点も増えています。昨年の旅行でうっすら感じていたので、注意事項などをしっかり確認したつもりだったのですが、今回は少々面倒なことがありました。

竹中で２泊した「ChillPlace 懶地方２」というホテル。Booking.comで予約しました。
支払いの注意の欄に「事前にホテルの任意のタイミングで請求があります」という文言があったのですが、クレジットカード番号を入力しているのでそこから引き落とされるものだと勝手に思っていました。しかし、宿泊前日9：36に「ホテルの公式LINEに登録して今日の午後３時までに支払ってください、そうしないと予約取り消しです」というメール（中国語）が来ました。
予約仲介サイトを経由している意味がない気がするのですが、どういうこと？
そう思いつつも、もう無料キャンセルはできないタイミングだし、何とかするしかありません。もし午後３時までにこのメールに気づかなかったらどうなってたんだろう？勝手に取り消されてキャンセル料だけ取られる？

そもそもBooking.com経由で質問したことに何も回答がなかったので、公式LINEはすでに登録してありました。そこでどうしたらいいか質問すると、「予約名、チェックイン日、予約番号」を知らせるようにとの返事。それらを送ると予約の有無を確認してくれ、支払い方法をどうするか聞かれました。クレジットカードで支払いたいと言うと、支払いサイトのリンク送りますとのメッセージ。30分くらいでECPayのURLが送られてきて、クレジットカード情報を入力。すると…
「この会社は台湾で発行されたクレジットカードのみ受け付けています」という英語のメッセージが出てそれ以上手続きを進めることができませんでした。
これをホテル側に報告すると、「じゃあ当日現金で払ってください」と…。
Booking.comの「この宿泊施設で利用可能なクレジットカード」の欄にVisaやMasterのロゴが並んでおり、最後に「現金での支払いはできません」と書いてあったのに？
かなり腹が立ちました（←迂闊だった自分にも）が、キャンセルするにもいろいろ（やり取りが中国語なので）ありそうだし、仕方なく現金払いすることにしました。金額が変わるわけではないしね。
宿泊施設としては立地もよく快適で素晴らしかったのですが、予約仲介サイトを通しての利用には向いてませんでした。台湾の宿は先払いが基本。入金してやっと宿泊が確保されるのが普通です。ここは予約仲介サイトでの予約でもそのやり方を踏襲しているだけなのでしょう。この件はこのやり方を容認し何の情報も提供していない仲介サイトにも問題あり。あんなに注意事項を書き連ねているのに、肝心な情報がないなんて…。

ホテル予約仲介サイトは便利だけれど注意して使わないといけないですね～。今回の件もBooking.comだからダメだったとかじゃない気がします。
自国民以外の口コミが少ない宿は要注意なのかな、というのが今回の教訓。

エリア 新竹(台湾)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

7月18日金曜日　旅行二日目
17：27、竹中站着。

竹中駅 駅

17：33、竹中國小。
昨日時間が合わなくて見られなかった石碑を見に行きます。

授業がある日は16：10～18：00、休日は13：00～18：00に校庭が開放されています。７月は夏休みのはずですが休日には当てはまらないようで、16：10までは入れませんでした。
よほど不審者でない限り開放時間なら自由に入れます。前を歩いていたカップルも普通に歩いて入っていきました。

校門のところの地面にかわいい足跡が。コンクリートが生乾きの時についたんでしょうね。犬？

校庭を通り抜けたところに、

石碑。

通称「頭重並禁・示禁二碑」、頭重は地名です。
正式には「申約併禁碑」と「奉憲示禁碑」で、どちらも清の乾隆年間におこった土地のもめ事を収めた際の契約内容を示したもの。

「申約併禁碑」
文化資産局ＨＰの説明文を私が解読する限りでは、土地を買い取った客家人と土地を実際に耕作する人々らの間のもめ事について、改めて契約を交わしそれを侵してはならないと書かれているようです。

「奉憲示禁碑」
こちらも、土地の境界線をはっきりさせた契約について書かれているようです。勝手に土地を奪ったり占有してはならないとされ、貧しい人のための墓地を残すことなども決められていたらしいです。

もめ事が起こったのは乾隆41～42年（1776～1777年）のようですが、碑が建てられたのは咸豊2（1852)年。契約当時から世代が移った頃にまたもめたんでしょうか。そこで「こう決まってたよね！」と石碑を立てた？

石碑裏側。
これらの石碑は、日本時代に鉄道を整備する際に打ち捨てられ地中に埋められていたんだそうです。1959年に学校の後門周辺を工事した際に発見され、のちに文化財となってここに安置されました。

碑文の最後には「先祖の墓を壊すこと、徳を損ない他者に害を及ぼすことは、道徳の名のもとに行ってはならない。侵した者は罰金を科され、それは福徳爺に納められ香や供物とする」という立碑の志が書かれているそうです。

後門から退出。
そろそろ晩御飯かな。

ホテルの近くには一人で入れそうなお店がないので、中興路を新莊方面へと歩きながら店を探します。
八牛匯經典牛肉麵。新しそうな（＝涼しそうな）このお店にしました。

モバイル注文の店だった。
実は日本でも自分一人でモバイル注文したことないんですよね。
客は私一人だったので、思いっきり店員さんを引き留めて注文方法を教えてもらいました。

一番右にあるのが決済の機械。クレジットカードは台湾発行のものしか使えないので現金払いとなりました。
薬味とお茶がセルフサービス。

注文したのは台灣紅燒牛肉麵（醤油牛肉麵）のセットで、選べるおかずを韓式泡菜（キムチ）と芥末杏鮑菇（エリンギのワサビ菜和え）にしました。なんか全部塩辛いものにしてしまった…。
牛肉麵はおいしかったです。しかしトッピングの牛肉が多くて、一枚残してしまいました。薄切りで食べやすかったんですけど。すみません。238元（約1,260円）

19：15、ビール２缶と朝の野菜ジュースを調達してホテル戻り。

さて、最初にホテル予約について文句をタラタラ書きましたが、ここでまたホテルについて書きます。

この写真は出発前日に届いたメール。「LINE登録して今日午後３時までに支払いしてね」という内容。解読は翻訳アプリで何とかなるけど、正しい返信文を書くのは結構難しい（優秀なＡＩなら簡単？）。

ECPayからの「台湾以外のクレジットカードは使えません」のメッセージ。
最後の方にVisaなどは３Ｄセキュア（3D verification）登録してあれば使えるようなことが書いてありますが、パスコードなどが送信されることもなく、このメッセージが表示され何ともできませんでした。後日3Dセキュアの登録を確認したのですがちゃんと登録済み。どうすればよかったんでしょうね？

ホテル外観
早朝に撮ったのでより分かりにくいですが、建物に大きな看板はありません。

そういえばこのホテル、Booking.comでの地図表記が間違っているんです。グーグルマップの表示と異なっていたので、LINEで問い合わせて確認しましたが、Booking.comの地図が間違っていることについて何とも思っていないようでした。（2025年9月時点でも間違ったままです）
新しいホテルなのでストリートビューでの確認もできず、当時外観写真がどこにも掲載されていなかったしで、ちょっと見つけづらかった。

入口にある小さな看板だけが頼り。

手続きはこの端末で行います。言葉の壁がないので便利っちゃ便利。
最初に言語（日本語）を選んで「チェックインする」から始めればおおよそ困ることはないのですが、この時LINEで送られてくる予約番号が必要になります。Bookingのじゃなくてね。どうあがいても公式LINEでやり取りが必要なので、予約サイトを経由するのは面倒なだけ。
全宿泊分の料金とカードキーのデポジット100元を支払います。合計6,335元（約33,570円）。キャッシュレス時代に千元札を６枚も投入するとは…。

チェックアウト時にデポジットの100元は返ってきます。

無人であることはわかっていたので、荷物は預けられないのかと思っていました。預けなくてよい旅程になったため質問もしませんでしたが、行ってみて納得。なるほどね～、ロッカーを置いとけばいいわけよ。料金はかかるけど便利ですね。
竹中駅には荷物を預けられる場所がなかったけれど、ちょっと歩いてここまで来ればこれ使えるのでは？ロッカーがあるところまではカードキーなしで入れるので。

この先のエレベーターホールへはカードキーをかざさないと入れません。「ともづれ」されないように周囲を確認しないとね。

ロッカーと同じ場所に給水器もありました。熱いお湯も出ます。これもとっても便利。

部屋はツイン。一人なのでシングルでもダブルでもいいんですがこの部屋しか空いてなかったので。
入ったときにエアコンはついていませんでしたが、つけるとすぐ冷えました。

ベッドサイドの配置がほぼ完璧です。特に秀逸なのが３股になった充電ケーブル。ホテルに入ったらスマホに差すだけ。持ってきたケーブルをカバンから出す必要もない。タイプＣ、マイクロB、ライトニングを同時に充電できます（速度も速い！）。小さなことだけどすごく便利だった。手前のシロクマの置物のようなものはスマホスタンド。

テレビ放送は受信できないようでした。見られるのはYouTubeのようなネットサービス。そういう時代か～。そういうことに疎いのでうまく活用できず、YouTubeのニュースチャンネルばかり見ていました。
テレビの下には通信ケーブルもあるし、もちろんWiFiも快適でした。
冷蔵庫も冷えてましたよ。

シャワーの水温は熱いほうへ最大に回してもぬるかった。冬だったら相当寒いけど、たぶん夏だからの温度設定。
シャワーを使うと水がトイレの方まで行ってしまって、洗い流してもシャンプー成分で滑ります。乾くまでちょっと危険。
こういう仕切りもカーテンもないバスルームは、シャワー使用時にはバスマットを蓋をした便器の上にかけて濡れるのを防ぎ、終わったら浸水していない床に置いて足を拭いたら外へ。というのが最適と感じていますが、他の方はどう使ってるんでしょう？

2泊しましたがペットボトルの補充はありませんでした。入口の給水器で汲めば済むことなので問題なし。同様に湯沸かしもないけど大丈夫。
タオルの交換もごみの回収も、清掃もありませんでした。多分LINEで頼めばいいんだと思います。部屋に電話もないので、やり取りはすべて自前のモバイルが頼りです。ＡＩや翻訳機能を駆使できれば言葉の壁もないし、かえって便利なんだろうけど自分は追いついてないです。
写真を撮り忘れましたが、もう一つ秀逸だったのはハンガーのバー。使ったタオルもかけられそうな長さがあり、その下に除湿器が設置されているのです。20：00頃洗濯して手で絞って干しておいた洋服も朝にはカラっと乾いていました。

窓も大きくて、こんな大通りに面しているのに騒音もなかったです。

宿泊してみれば素晴らしいのですが、予約でのあれこれがマイナス過ぎました。（こちらの能力の問題で、ホテルのせいではないかもしれないけれど…）

明日は台北で恒例の食事会があり、この日は台湾入りしたメンバーからのメッセージがいくつも入ってきました。香港から来る人と先に台湾南部を旅している人から、台風の影響で雨風が大変だとの情報。ホテルでニュースを見たら、なるほど台湾の南東海上を台風が進行中。道理で風が心地よかったはずだ。
明日の天気予報を確認すると、台北も台南も雨なのに新竹一帯は曇り。南部での大雨は心配ですが、明日も観光できそうで一安心です。