内灣線と新竹縣11　合興站・上員站・榮華站

2025/07/17 - 2025/07/20

以前の台湾にはいくつかスイッチバック線がある駅がありましたが、阿里山森林鉄路を除く全ての駅で、もうスイッチバック線はなくなっているそうです。
合興站は2000年代までスイッチバック線が残っていた駅なのだそうですが、今ではその敷地が公園となっています。台湾の鉄道好きの方がご自身のＨＰ鐵貓でそのことを嘆いていらっしゃいました。スイッチバック線を撤去し木板敷きにしてしまったため、往時の姿が失われてしまったのですから。確かに、公園にするなら、そういう鉄道遺構こそ残しておけばよかったのではと、私も思ったりします。

エリア 新竹(台湾)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

7月18日金曜日　旅行二日目　内灣線全駅訪問を進行中です。
15：25、合興站着。
1950年開設の駅。内灣線はその年にここまで開通したのでした。

合興駅 駅

自然が豊かなホーム。

山の中なのでホームの線路にも勾配があり、以前はスイッチバック式の側線で乗降や貨物の積み下ろしをしていたそうです。その敷地が現在では駅をテーマとした公園となっているため、観光客も結構いました。

やっぱり古い設備が展示されています。転轍機かな。

腕木式信号機。

これも信号機？

「行車控制室」だった小屋。管制室のことかな？

やはり長いホーム。以前はこの左側にスイッチバック線がありました。

台湾夢工場計画のアート。

同上。
これらが置かれている部分がスイッチバック線の一部だったと推察。本線と微妙に勾配が違う。

古い車両を利用したお店がありました。
これは40TP32210という車両。この時は営業していませんでした。

40TP32275はハンドメイドアクセサリーのお店として利用されていました。ともに1971年インド製車両。

こちらは営業していたので入ってみます。

シックにリノベーションされていました。

つり革や棚は外されています。

かつてはセメント材料の輸送が盛んだったこの駅。公園に残されている線路の痕跡は貨物の引き込み線なのでしょうか。

こちらが駅舎。現在のホームからは少し離れています。確かにこのあたりの方が本線周辺より平らな場所が広く、駅の設備を作るに都合がよさそう。

別の角度から。
こちらもお店として利用されています。

飲食店のイートインスペースとしても使われている待合室。これだけの広さが必要なほど乗降があったということですよね。

こういった駅の建物がちゃんと保存されている理由には、こんなエピソードがあるのです。
1960年、学期試験当日に寝坊した高校一年生の曾春兆は、列車に乗り遅れてしまいました。成績優秀な女子学生に恋していた春兆はなんとしても試験に間に合うべく、列車を追って走ったそうな。走りに走った2.1キロ、なんと次の九讚頭で列車に追いついたとのこと。当時の列車、そんなに遅かったの？？

後に二人は結婚し幸せに暮らしていたわけですが、石灰石の輸送が主な役割だった合興站はその生産終了にともない衰退し、2000年には無人駅となり荒廃していくままになっていたとのこと。それに心を痛めたご夫婦は駅の施設の保存の契約を交わし、今の状態になったんだそう。

だからこの駅を「合興愛情站」と呼びます。
「愛情」すぐそばにあるけれど、「幸福」までの道のりは長い。

南京錠をつけるコーナー。この習慣、どこで始まったんだろう。

15：55、區間車1825乗車。DRC1002連結でした。
次の駅へと向かいます。駅訪問もラストスパート！

16：16、上員站で下車。

上員駅 駅

1970年、旅客運送の利便性のために増設された駅です。

客家文化推しの駅ですね。

石臼も展示されてます。実際に使えるのかな？

すっごくかわいいベンチ。でも奥の木のベンチの方が座り心地はいい。

この牛さんもベンチかな？
跨って自撮りしたくなるけど、人に見られたら恥ずかしい。

これは台湾夢工場計画のアート。

ホームの途中で川と交差。水音が涼しい。

ホームの様子。

内灣側の端。

駅の外へ出ます。

駅外観。駅舎はありません。
周囲に見どころも、コンビニもない。

16：57、區間車1828乗車。

今回もDRC1002の最後尾席を確保。
車窓後方の風景を独占さ！

竹東トンネル内。隣の駅へ行くだけですが途中にトンネルもあるんです。

トンネル出た！子供かっ！

17：03、榮華站着。
2001年に増設された駅です。竹東とは1.6キロしか離れていません。通勤客の利便のための駅。ずいぶん縁起の良い駅名ですが、「富貴」とは異なり近隣の地名が由来です。

やはりホームは長い。

内灣側の端。

下を川が横切っています。

新竹側の端。

台湾夢工場計画のアート。

こんな細い通路が出入り口。

通りに出るにはさらにこんな道を通ります。バイク停めるには最適かもね。

駅舎がないのでこれが駅外観かな。北興路沿いです。

17：16、區間車1831。今回最後の内灣線です。

その先頭をよく見ると、向かって左にmiss oneの後頭部が！
これは写真を整理していて気付いたのですが、ちゃんと出会ってはいたんですね。

17：27に竹中に到着し、内灣線全駅訪問完了です。この旅での駅訪問もこれにて終了。