2023/09/04 - 2023/09/05
76位(同エリア486件中)
エフサさん
この旅行記のスケジュール
2023/09/04
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電車での移動
🚃 13:08 塩尻 → 13:32 奈良井
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電車での移動
🚃 15:35 奈良井 → 15:57 木曽福島
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木曾路はすべて山の中である。あるところは岨(そば)づたいに行く崖がけの道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。
これは島崎藤村の小説「夜明け前」の冒頭の一節。
以前からこの街道筋を歩いてみたいと 思っていた。
青春18きっぷ、4日目PM~5日目。
奈良井宿と福島宿へは電車で、
その後の南木曽(なぎそ)駅から 妻籠宿を抜けて馬籠宿へ至る街道筋は徒歩で 巡ってみることにした。
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13:32 塩尻 から 奈良井 に到着。
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駅舎
宿場町に合わせたワントーンコーデ。奈良井駅 駅
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奈良井宿
まるで江戸時代にタイムスリップしたかの様な家並。
でも、あの軽トラがなぁ‥奈良井宿 名所・史跡
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ここは日本一長い宿場町。滞在時間も2時間ある。ゆっくりと参りましょう。
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「ご隠居~ そろそろ一休みしていきましょうよ 五平餅が旨めぇらしいですよ~」
と、八兵衛のぼやきが聞こえて来そう。 -
「助さん格さん 八兵衛もこう言っている事だし ここらで一息入れましょうか」
ここ「たなかや」で、五平餅を頂くとしましょう。
やがて店の奥から くるみ味噌の香ばしい香りがただよってくる。たなかや グルメ・レストラン
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五平餅 桜茶つき
ではでは‥
う~ん、香ばしいとは正に五平餅のためにある言葉。くるみ味噌の甘じょっぱい素朴さが何とも味わい深い。 -
おお、宮さまもお召し上がりになられた由緒ある五平餅とな。名だたる著名人の色紙もいっぱいだ。
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「たなかや」と同じ並びにある「てずから」で おやき も頂きましょう。
さてどれにしようか‥‥てずから グルメ・レストラン
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なす を選択。
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これがビンゴ! すっごく旨い!
もはや これは なす じゃない! じゃあ何なんだと言われると 返す言葉もないのだが、とにかく旨い! -
さらに奥へと進んで‥
あそこが宿場の外れかな? ここらで踵を返すとしよう。 -
脇の路地から川向こうへ
裏木戸の中に さりげない なまこ壁。粋だねぇ -
木曽の大橋を渡って駅へと戻る。
木曽の大橋 名所・史跡
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15:35 奈良井発 中津川 行きに乗車。
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15:57 木曽福島に到着
どこかの旅館とみまごう駅舎のエントランス。木曽福島駅 駅
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16:08 歩いて かねまるパン へ
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牛乳パンみっっけ、この時間でまだあった!
松本の小松パンで買えなかったので尚さら嬉しい。コーヒー牛乳パンもあるんだね。両方買えば良かったと後で悔やむ。 -
八沢川の橋を渡って旧中山道の鍵の手(クランク)を曲がり「上ノ段」へと上る。
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鍵の手の一角にある井戸。江戸中期に作られたものらしい。
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上ノ段の街並みが見えて来た。
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上ノ段用水
坂の上にも川の上流から水が引かれている。 -
用水の脇道
細い路地を奥へと進む。 -
突き当たりにある大通寺の鐘楼。
建立、安永7年(1778年)。意外と古い。 -
街道筋に戻ると、小学生が熊よけの鈴を鳴らしながら下校して来た。
木曾路はすべて山の中である。熊だって出るさ。福島宿 上の段の町並み 名所・史跡
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反対側の坂を下って
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大手橋を渡る。
戦前の鋼材不足の時代にコンクリートで造られたアーチ橋。未だ衰えず。 -
木曽川
漬物石に丁度良さそうな石が ごろごろ。 -
宿に到着。
ここまで来る間に コンビニは一軒もなかった。自由旅クラブ 木曽三河家 宿・ホテル
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一風呂浴びてスッキリ
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牛乳パン
晩飯はこれでいいかな。街へ出るのも面倒くさいし -
ふわっふわ
カステラよりもシフォンケーキよりも柔らかい。果たしてこれはパンなのか? -
明けて 青春18きっぷ、5日目。
朝 6:00 木曽福島駅 -
当駅始発の 6:22 発 中津川行きで 南木曽 へ。
18きっぷを1日分温存するために乗車券を買う。 -
7:01 南木曽(なぎそ)着
駅舎向こうの旧中山道を南へと向かう。南木曽駅 駅
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まずは妻籠宿を目指す。
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当時のままの石畳をえっちらおっちら。馬籠峠まで ほとんどずぅ~っと登り坂だ。
こんな細い道で大名行列には出会いたくないな。 -
7:45 上久保の一里塚
一里塚って築山だったんだね。ずっとマイルストーンの様な石標だと思い込んでいた。 -
8:00 蛇石
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8:06 しろやま茶屋跡
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8:20 妻籠宿の入口で鯉岩を振り返る。
妻籠宿に入ると一旦 緩やかな下りとなる。結構登って来たのでありがたい。 -
高札場
法度や掟書などを木の板札に書き、人目のひくように高く掲げておく場所。昔の人は目が良かったらしい。 -
宿場の中心へ坂を下る。
南木曽駅から歩く事1時間半、まずまずのペース。 -
インバウンドさん達が上ってきた。
オハヨゴザイマ~ス -
外人さんは陽気でい~ねぇ。思わず鼻歌が出る。
合羽~からげて~ 三度笠~ ♪ 三波春夫でございます。 -
お目当てのおやき屋さんの「わちのや」がまだ開いてなかった。朝飯がまだなので、そろそろエネルギー補給が必要だ。
先の 鍵の手 を曲がる。 -
い~ねい~ねぇこの さびれた感じ。冬なんかもい~なぁ。枯れ草に木枯らし、転がるホウキグサ。あっしにはかかわりのないことでござんす。
縞の合羽に三度笠、振り分け荷物ぶら下げて‥
どちら様もよござんすか?よござんすね? 入りやす!
さあ、半か丁か! 勝負! ピンゾロの丁!
払えない奴ぁ、ス巻きにして木曽川に放り込むぞぉ!
妄想が止まらない。 -
坂はここで終わりの様だ。現実に還る。
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石段を登って‥
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暖簾が出てる店を発見!
妻籠宿 名所・史跡
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澤田屋のお菓子で おめざ にしよう。
澤田屋 妻籠店 グルメ・レストラン
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向かいの縁側で
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栗きんとん(栗金飩)
この辺りの栗きんとんは、栗餡の茶巾絞りなんだね。さつまいもをクチナシの実で煮て裏越しした餡で 栗の甘露煮を和える 正月のあれは栗金団と書き、読みは同じでも異なる物らしい。 -
「つまごの秋」
干柿の中に栗きんとんが入っている。めちゃ旨! -
同じ並びのカフェで クロックムッシュ & アメリカンコーヒー。
エネルギー補給完了。好日珈琲 グルメ・レストラン
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9:50 宿場を抜けて木曽川を渡る。
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また上り坂だ。
傾斜がほぼ一定なので、同じペースで歩けるのがありがたい。
♪ 人生 楽ありゃ 苦~もあるさ~ ♫ -
10:07 大妻籠
間宿と言って、宿場町と認定されていない旅籠が並ぶ集落。宿泊客の姿もちらほら。大妻籠 名所・史跡
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大妻籠を抜けて‥
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石畳を登る。 えっちらおっちら‥
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10:44 男滝 に到着
マイナスイオン で しばし一服。
宮本武蔵とお通さんも、ここで休まれたとか‥男滝 女滝 自然・景勝地
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少し登って女滝
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椹(さわら)大樹
推定樹齢 約300年。下の脇から立ち上がっている太い枝は神居木(かもいぎ)と言い、山の神が腰かけて休む場所と信じられ、切り落とすと祟りがあると言い伝えられて来た。
と、案内板に書いてあった。 -
さらに登る
いかにも忍びが通るケモノ道。忍者カムイの 飯綱落とし が響いてきそうだ。 -
11:40 立場(たてば)茶屋に到着。
宿場の中間にある休息所。以前は7軒ほどあったが、今はこの一軒を残すのみ。中では無料で冷水とお茶が頂ける。
よっこらしょと一息。
カップルのインバウンドさんが、慣れない手つきでお茶を入れて休んでいた。立場茶屋 名所・史跡
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また、ひたすら登る。
普請の行きとどいた道ゆえ、油断した公儀隠密が忍者集団に襲われそうな場所でもある。心して進もう。 -
12:00 ようやく 峠の茶屋 に到着。
「ご隠居~ おいらはもう一歩も歩けませんよ」
八兵衛のぼやきが聴こえてくる。
ここで一服馬籠峠 自然・景勝地
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飲む点滴で生き返る。
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五平餅でエネルギー補給。
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馬籠峠を越えると 美濃の国が開ける。
つかの間の癒やし -
13:05 馬籠宿の高札場が見えて来た。「夜明け前」にも登場する高札場だ。
あとは緩やかな下り坂。下りになるとそれまで加わっていた背骨や膝への G が微妙に反転する。馬籠宿高札場 名所・史跡
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あなたは上り下りどちらが良いですか?
ワシは下りの方が苦手。足裏の皮のよじれ具合とか、膝に掛かる負荷のベクトルとか‥
6kgのバックパックを背負っていると尚更だ。 -
下りの方が良い人は 馬籠 → 妻籠 の方が楽でいいかも
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更に下って ちょっと振り返る。
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石段を降りて、また振り返る。
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13:30 馬籠宿の外れまで来た。今回の木曽路は この蕎麦屋で〆るとしよう。
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ク~~ 沁みる~ 一気に飲み干す。
程よい達成感と、程よい疲労感。 -
天ぷらはネタを選んでから揚げてくれる。冷たい蕎麦も旨い!
南木曽 → 妻籠宿 → 馬籠峠 → 馬籠宿
|← 3.6km →|← 5.3km →|← 2.7km →|
トータル 11.6km の山路を所々休憩を挟んで 6時間半。
すれ違った ほとんどの方 が外人さんだった。 -
さて、14:50 発のバスでJR中津川駅へと向かいましょう。
木曽路の旅はこれにて終了。青春18きっぷ、最終日へと続く。
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この旅行記へのコメント (4)
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- mom Kさん 2023/09/24 19:44:52
- エッヘン
- 師匠!ワタクシ 20代で、奈良井と馬籠に、それぞれ、それも旅籠に泊まってますよ。あの中仙道を歩いていますよ。で、全然変わっていないことに、驚き。Drは、黄門様ですが、ワタクシは、皇女和宮を思い浮かべて歩きましたよ。彼女の心細さ(哀しみ?)とあの峠道。
なぜ、この地に目を付けたか。朝日新聞に妻籠の住民が、自分たちで地区の決まりを作り、「(今風の)看板を作らない。自動販売機を置かない等々。景観を守る。」を守っているという内容。お上主導のやれ伝統建築保存地区だ、インバウンドだとあさましく騒ぐ今の風潮と無縁の時代。かっこよすぎません?
しろやま茶屋跡もその次のお写真も記憶のまま。驚きです。昨今、どこも外材を使って映画村もどきになっている似非昔の姿が恥ずかしくなるこの馬籠・妻籠・奈良井の気高さ。
Dr、よくお伝えくださいました。
”なすびのおやき”は、悔しいです。野沢菜を選んでいます。
日本も捨てたもんじゃないと思えるのは、こういうところに会えたときです。
- エフサさん からの返信 2023/09/25 08:03:22
- Re: エッヘン
- mom Kさん、流石です。やはり貴女の感性のアンテナは木曽路をとらえていたんですね。しかも二十歳代の若かりし頃になんと宿泊までされて。
ワシの様な田舎もんは、そりゃあもうオラぁ東京さ行ぐだ、都会の絵の具に染まりてぇ一色でしたもんね。
おっしゃる通り、自販機とか、パラボラアンテナ、八木宇田アンテナ、電柱の類いが無いのはもちろん、玄関先の郵便受けは焼杉の木製、消火栓に至ってはペンキを塗らず鋳物の地肌をさらしたままの姿で置いてある。こりゃあもう あっぱれとしか言いようがなく、地域の人達の思いが伝わってくる様でした。
本当は載せたい写真も多くあり、もう少しエピソードを交えて、木曽路二本立てで行こうかと迷ったのですが一本にまとめてシンプルにしてみました。その方が木曽路の魅力がストレートに伝わって良いかなと思って。
茄子のおやきは何と言えば良いのでしょう? 多分目隠しテストでGACKTも間違える食材かなと。
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- @タックさん 2023/09/23 19:13:08
- 『杖』持って、
- いやいや素晴らしい[木曽路]目鱗だわ~
是非とも『杖』持って歩きたい!
(※ アカザの杖を作成中なのだ)
- エフサさん からの返信 2023/09/23 20:06:25
- Re: 『杖』持って、
- え? 杖? まさかギックリ腰じゃないですよね。
アカザの杖、全く知らなくて調べてみたら、なんと黄門様が持っているあの杖じゃあ あ~りませんか。知らなかったぁ~
レジェンドの木刀の杖も心強いけど、水戸の御老公も あの杖で こらしめてあげちゃったりしてるし
こりゃあ木曽路にぴったりだ。
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