2022/11/13 - 2022/11/14
14位(同エリア2723件中)
たびたびさん
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せっかくの全国旅行支援なので、いろいろ思案。12月の寒い時期は別府を計画したんですが、その前にどこか。といっても、もう新味のある場所は残ってないんですけどね。悩んだ末に消去法で11月の北海道。本当はあんまりよくないんですが、天気によってはそうでもないかもしれないし。。そこは運を天に任せてみたいな気持ちで小樽と札幌にしてみました。天気が悪くても小樽、札幌ならなんとかなりそうですからね。
悩みつつ計画した北海道の旅の前半は小樽。小樽といえば小樽運河に堺町通りとルタオとかのスイーツ、寿司屋通りとかですが、そんなのではとても今さら旅にはならないので。改めて調べ直してみると、小樽市指定歴史的建造物って実はけっこうな数なんですね。80もあるなんて知りませんでしたよ。これなら丹念に回ってみるとまた違う風景が見えてきそうです。それから、比較的最近できたんだと思いますが、小樽芸術村も気になっていましたから、その二つを軸にすれば、旅は十分成り立つかな。それなりに見込みが立ってきて、これならOKでしょう。
気になっていた小樽芸術村の方ですが、これは、似鳥美術館、旧三井銀行小樽支店、ステンドグラス美術館、西洋美術館の四つの施設からなる総合的な美術館。
似鳥美術館では一階にあるルイス・C・ティファニー ステンドグラスギャラリーがガラスの街、小樽らしくてインパクトがありますが、やっぱり「近代・現代の日本画」「近代・現代の洋画と彫刻」が圧巻ですね。こうした個人美術館では、画家のネームに目が行って良い作品ではないものがコレクションに交じることがよくありますが、ここのコレクションは、そういう緩みが全く感じられない。それぞれの画家の代表作に近いレベルの作品が揃っていて、老舗の美術館ならまだしも、こんな後発の美術館ではなかなかできることではないですね。もしかしたら、美術館ができる相当以前から集めていたコレクションなのかな。今これと同等のものを手に入れようと思っても難しいような気がする、それくらいの作品群だと思います。それから、感心したのは絵の並べ方。東山魁夷と平山郁夫の青の競演から始まって、林武の紫、梅原龍三郎と中川一政の赤へ。こうなると宮本三郎の赤も加えてほしいなと思ったり。とにかく目の覚めるような鮮やかな色彩が互いに共鳴しあって本当に素晴らしい。絵は並べ方もとっても重要ですからね。まだ業界ではそこまでの評価にはなっていないと思いますが、私的にはかなりポイント高いです。ほか、ステンドグラス美術館、西洋美術館も力作が多くて本格的。芸術的な家具を揃えた部屋ごとの展示なんかはニトリならではのものかもしれません。
ところで、小樽にはかつて石原裕次郎記念館というのがありまして、私はそこを拝見して、初めて石原裕次郎の偉大さを認識した次第。戦後、最も愛された女性が美空ひばりなら、男性は石原裕次郎。その石原裕次郎が少年期を過ごしたのが小樽だったんですね。石原裕次郎記念館がなくなってしまって、私にとってはその後の小樽はなんだか穴が開いてしまったよう。これを埋め合わせるものなんかありようがないのですが、小樽芸術村はその穴をほんのちょっと埋めてくれたような気もしました。そういう意味でも、ありがたい施設だったと思います。
ちなみに、運を天に任せた天候の方は凶と出て、初冬の北海道の厳しさをまともに味わう羽目になってしまいましたが、気持ちの方はけっこう暖か。思い切って北海道にしたのはそれはそれで無駄ではなかったと思います。
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新千歳空港に到着して、そのまま小樽築港駅へ。ここから小樽の街歩き開始です。けっこう風雨が激しい感じですが、今さら予定変更は無理ですからね。
小林多喜二住居跡は、小樽築港駅前。山側の方の片隅に小さなプレートの碑が建っていました。
プレートには「明治末期、秋田から移住した小林多喜二の一家は鉄道線路を背に小さなパン屋を営んでいた。」とありました。近くには築港の工事現場があって、タコ部屋に押し込まれて過酷な労働を強いられた土工夫もいて、後の多喜二の作品に影響を与えたのではないかということです。 -
築港広場公園は、小樽築港駅から海側に向かっての通路を降りたところ。マンションに囲まれたような感じですが、まあ公園というよりちょっとした広場ですね。それにアスファルトの部分が多いので、ゆったりした通り道といった方がいいかもしれません。
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築港広場公園から海沿いの通りを東に向かっていくと、旧北海道庁土木部小樽築港事務所見張所です。小樽市指定歴史的建造物 第39号。昭和10年に建てられた小さな木造1階建ての建物は、青いトタン屋根と中央に煙抜けの塔が付いているのが目を引くくらいかな。車の交通量が多い道路の脇にぽつんと建っています。
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おたるみなと資料館は、その向かい側。日本初の大規模商港である小樽港建設の歴史を紹介する施設。
土日は休みなので開いていませんでしたが、工事中の建物は想像していたより大きくてけっこう立派。本格的な施設であることは確認できました。 -
通りを戻ってきて。築港臨海公園は、小樽築港駅からそのまま海側に出たところ。駐車場も広いし、芝生と林に囲まれて小さな子供向けの遊具も見えました。海に面した開けた雰囲気がウリだと思いますが、この日は天気が悪くてこれではどうにもなりません。
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そして、その先はウイングベイ小樽。小樽築港駅と直結した商業施設です。
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ショッピングモールは今やどこも大きいのは当たり前なんですが、こちらは海に沿ってひょろひょろっと伸びて行く構造が特徴で、ひとつひとつのテナントもそれに合わせて大きいような気がします。嵐みたいな天気の中、ここに逃げ込んで一息つきました。
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ウイングベイ小樽の海側には、小樽港マリーナ。ウイングベイ小樽の中からも見えるのですが、ウイングベイ小樽を出て、こうしてデッキの上から眺めることもできます。多くのヨットが係留されていて壮観ですが、ここは北の海。荒れた海では限界もあるでしょうし、楽しめる期間も少ないのかもしれませんね。
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ウイングベイ小樽からさらに進んで、新南樽市場へ。市場の建物としては小さくはないのですが、ウイングベイ小樽から訪ねるとちょっと粗末な建物に思えてしまいます。
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鮮魚のお店が多くてそれなりに活気がありますが、南小樽駅からでも歩いてくるのはちょっと遠い。車で来た観光客が寄る場所なのかなと思います。
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新南樽市場からふ頭の方へ進むと小樽港。ここからは、新日本海フェリーが舞鶴、新潟を結びます。
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大型フェリーが横付けできる広大なふ頭やフェリーターミナルの巨大な建物はけっこう圧巻。古くは北前船で北海道と本州の物流を担ってきた小樽の歴史を思うとこれくらいは当然かもしれませんが、それにしても迫力十分。一見の価値ありのターミナルです。
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小樽港から堺町通りに向かう途中。これはかつない臨海公園。ただ、この辺りは基本なにもないし観光客には縁遠い場所でしょう。それでも小樽港を臨むロケーションにはそれらしい見晴台が整備されていて、ここにこうした公園を作りたくなった気持ちは伝わります。
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イチオシ
堺町通りの堺町交差点。通称、メルヘン交差点に到着しました。
ここに建つ常夜灯は、明治4年、海関所が小樽市信香町に建てた灯台を移築したもの。交差点のシンボルとまではいきませんが、石造りの堅牢で素朴な印象の灯台は交差点周辺の賑わいを醸し出す役割は担っていて、特に夕暮れ以降、こうして灯がともった姿はそれなりに雰囲気があると思います。 -
周辺には雰囲気のある歴史的建造物がいくつも建っていて。この建物は、大正15年、富山県に本店のある戸出物産の小樽支店として建てられたもので、その後、スーベニールオタルカンという観光施設となっていたもの。スーベニールオタルカンは終わってしまったようですが、看板はそのまま残っているし、メルヘンチックな雰囲気の外観も廃れてはいない。引き続き堺町交差点の名物建物としての存在感は保っているように思います。
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メルヘン交差点から少し西側の旧上勢友吉商店は、小樽市指定歴史的建造物第23号。大正10年に建てられた石造3階建の建物です。
ただ、石造といっても木骨石造ではなくて本石造であることが貴重なのだとか。そして、寄棟の瓦葺き屋根に設けられた屋根窓がデザインとしてのアクセント。単調になりそうな石造に工夫を凝らしています。 -
さて、ここから、三本木急坂の方へ。堺町交差点から小樽オルゴール堂本館の脇を上っていく坂。この通りは南小樽駅の方に向かうので堺町交差点までの賑わいがもう少し続いていてもいいと思うのですが、確かに急な坂なのでここからはばったり。寂しい通りになってしまいます。
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三本木急坂を上り始めてすぐの左手の方。猪股邸は、小樽市指定歴史的建造物第26号。門前に紫の説明版が建っています。
明治39に建てられた木造2階建の住宅。純和風造りの外観が穏やかな印象ですが、特に入り口の中国風の石門がいい感じ。建築主の中国旅行のスケッチから作られたということですが、センス抜群。屋敷の格調を高めているように思います。 -
さらに進んで、坂を過ぎて下っていくと。今度は旧小堀商店。小樽市指定歴史的建造物第72号。昭和7年に建てられた木骨鉄網コンクリート造2階建の建物です。通りに面して間口が広くて、コンクリート壁の二階にはガラス窓が6つ整然と並んで重厚な印象。いかにも火事や震災に強い建物です。
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イチオシ
坂を下りきった辺り。旧作左部商店蔵は、小樽市指定歴史的建造物第43号。
通りから少し入った場所なので見つけにくいかもしれません。
明治初期に建てられた土蔵造2階建の蔵。小樽ではその後、土蔵造から木骨石造に変わっていったということで、その意味で貴重なもの。古い建物ですがあまり古びた感じはなくて、白い漆喰にあしらわれた植物の文様とかとてもおしゃれな意匠です。 -
その少し先の旧岡崎倉庫は、小樽市指定歴史的建造物第64号。
1号棟から3号棟まであって、1号棟は明治38年、2・3号棟は明治39年に建てられた木骨石造1階一部2階建の建物。石造りの堅牢な建物である一方、一階部分は連続したガラス窓から内部の光が明るく漏れていて独特の雰囲気。 -
内部はこんな感じですが、
この奥は田中酒造亀甲蔵という酒造場になっています。 -
もう日も暮れたし、では、今夜の宿に急ぎましょう。
今夜の宿はLittle Barrel。最大の特徴は外観からおしゃれな洋館風で、内部もその印象通りのレトロ調。一見して謂れのある建物を活用したものと思いましたが、尋ねるともとは病院だったよう。そうすると部屋は病室だったのかなあ。 -
値段相応の二段ベッドの部屋ですが、内装とかセンスが良くて泊まるだけでも気分が高揚するような気がします。
なお、この日は暴風雨でびしょぬれになっていましたが、暖房がかなりしっかりしていて、とても助かりました。 -
翌朝、再び、小樽市内散策の開始です。
勝納川は、小樽市街の南東部を流れる二級河川。けっこう急な流れで小樽運河に注ぎます。川の両側には遊歩道が続いていますが、この流れだと少しでも水かさが増えると危ない感じ。のんびり散策を楽しむといった感じではないように思います。 -
勝納川のほとりには南樽市場。事前の情報では開くのが遅いということだったのですが、
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朝8時前に伺うと開いているお店もありました。
ただ、昔ながらの市場なので、けっこう雑然とした雰囲気。あんまり観光客を意識している感じはないですね。新南樽市場ができたこともあるのかもしれませんが、より地元志向の強い市場になっているのかもしれません。 -
ここから少し移動して。。
龍徳寺は、創建が安政4年(1857年)。小樽潮陵高等学校にほど近い曹洞宗のお寺です。
今の本堂は再建されたもののようですが、創設当時の旧態がほぼ現存しているのが大きな特徴。末広がりの堂々とした意匠は正面に建つとより迫力を感じます。また、境内にあるイチョウの木も市指定の保存樹木であり、これも見どころのひとつです。 -
龍徳寺から潮陵高等学校の方へ。坂道をずっと上っていった先の方なんですが、
和光荘は、旧北の誉酒造の2代目社長、野口喜一郎の自邸。大正11年に建てられ、その後、ホテルとして営業。昭和天皇夫妻の北海道巡幸に際しての宿泊所ともなったという由緒ある建物です。
現在は、いわゆる廃墟のようなことになっていますが、アールデコの幾何学的な装飾を基調とする洋館部分に -
落ち着いた和風の奥屋などは十分にかつての隆盛の名残りをとどめていました。
日本庭園の方もちょうど紅葉の盛り。無人の邸宅で美しく色づいていました。 -
ここからは市役所の方に向けて歩きますよ~
住吉神社は、明治元年、北前船の航海安全と小樽の総鎮守として創建された神社。境内には小樽経済界の重鎮や豪商が奉納した鳥居、灯篭、石階段が多く存在します。 -
参道から本殿までは北海道ならではの雄大なスケール感。
本殿から振り返ると一直線の参道の先にそのまま小樽の海が見えて、ロケーションにもこだわったことがうかがえます。 -
さらに進んで、天上寺は、明治に入ってから創建された浄土宗の寺。入口の山門の壮大さが最初のインパクトですが、
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やはり最大の見どころは長野の善光寺を模して造られたというこの本堂かな。
明治23年に入船十字街に建立され、その後当地に移転されました。こちらも境内は雨にぬれた紅葉が美しかったです。 -
イチオシ
どんどん進んで。
坂牛邸は、小樽市指定歴史的建造物第74号。
昭和2年に建てられた木造2階建の洋館です。トタン葺きのような屋根がちょっとチープな感じがしなくもないですが、全体としては淡いブルーの基調に角ばった二階部分と一階の八角形の応接間部分がそれなりの気品を醸し出しています。設計はフランク・ロイド・ライトに師事した田上義也。そう思うとそんな感じもありますね。 -
ほどなくして、小樽公園。明治33年開設の歴史ある公園です。それなりの高台にあって、
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展望所のような場所からは小樽の市街からその先の海までを見下ろしていい感じ。ただ、市街から直接歩いてもここまで歩くにはちょっと遠くてしんどい感じ。駐車場は広いので車でなら何ということはないでしょう。
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ここからは下りになって。
小樽市公会堂は、小樽市指定歴史的建造物第12号。
和風の建築様式で、御殿、本館、付属建物からなり、明治44年、皇太子の本道行啓における宿泊所として建てられたもの。雰囲気的には豪華な公民館といった感じかな。現役の建物のようで、この日は中で研修会のようなものをやっていました。見どころとして、一階に能舞台があるのですが、今は公開していないということでした。 -
もう少し下ると、小樽市役所。庁舎の見どころは、古い市庁舎の玄関ホールを飾って来たという大きなステンドグラス。新館側から本館に入ってすぐの場所です。
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少し天気が悪かったせいか、期待していたほどのインパクトはなくて。むしろ、何か地味な印象を受けました。もしかしたら、もともとこれが建物のウリということでもなかったのかなもしれません。
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ここからは、小樽市街。やっと平地に戻ってきました。
旧小樽組合基督教会は、小樽市指定歴史的建造物第29号。
大正15建築の木造2階建の建物ですが、尖頭アーチや装飾アーチ帯などのゴシック風デザインがレトロ感とおしゃれな印象のミックスになっていてじっと見ていても見飽きないですね。内部には入れたのかな。そこはよく分かりませんでした。 -
旧花園町会館は、小樽市指定歴史的建造物第46号。
昭和2年に建てられた木造2階建の建物。正面に設けられた三階まで通しの三角屋根のファサードがちょっと珍奇な印象かな。しかし、何か爪痕を残そうとした設計ではあると思います。 -
旧小樽無尽(株)本店は、小樽市指定歴史的建造物第69号。
昭和10年築、鉄筋コンクリート造3階建の建物。その後、北洋相互銀行から、北洋銀行の小樽支店。今は市民の集う公共施設のよう。
幾何学的デザインのモダニズム建築は当時なら少しはアピールしていたのかもしれませんが、今だとその辺りの一般ビルと同じレベルかな。気持ちを持って眺めないと歴史的建造物には見えません。 -
永倉新八と山田音羽対面の地といのも。
国道5号線沿い。地下道に下りていく口の裏側にかなり痛みかけた木の駒札が建っていました。
大正2年5月22日、元新選組隊士である永倉新八が自称近藤勇の娘という山田音羽(芸名:綱枝太夫)に対面したというもの。
綱枝太夫は、東京睦派の女義太夫である竹本朝駒一座の一員。旭川巡業の後に訪ねたのではないかということです。しかし、これが駒札を建てるほどのことなのかどうかは微妙だと思います。 -
高架下通りは、函館本線の高架下。花園銀座商店街につながる通りです。午前中だったので開いている店はなかったのですが、日が暮れてからだと飲み屋さん街になるような感じ。高架に沿って程よい幅の通りなので、雰囲気はそれなりにあるのかなと思います。
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ここから真東に向かうと堺町通りに至るはずなんですが、何か山の方に上がっていく感じですね~
鳥居は水天宮のもの。とりあえず、それを目指します。 -
鳥居を過ぎて、上り坂の途中。小樽聖公会は、小樽市指定歴史的建造物第28号。
明治40年築、木造1階建。
切妻屋根に鐘撞堂をのせたことで教会であることが分かる意匠。正面から見ると屋根が重なって独特のリズム感もありますね。また、星形模様のバラ窓とかちょこちょこ特徴があるかなくらいです。 -
坂道を一段上がったところの筋に建つ旧寿原邸は、小樽市指定歴史的建造物第27号。
小樽を代表する実業家、寿原家の邸宅で、建物は大正元年築、木造2階建。ただ、主屋のほかに二つの接客棟が連なっていて、窮屈な感じではないですが、石塀の囲まれた敷地は建物が建ち並んでいて、それが豪邸といった雰囲気を醸し出しているような気がします。そして、石造りの門柱がカラフルでおしゃれな意匠。それも少し目に留まりました。 -
もう一段上がった場所が水天宮。ここは、標高55mの高台です。こうして西側から上がっていくとさほど高い場所とは思いませんでしたが、反対の東側の方に下りていく外人坂を見下ろしたら、けっこうすさまじい眺め。東側からこれを上がってくるのはかなり大変だと思います。
その分、境内からは小樽港や小樽の街並みが眼下に見えてちょっと痛快ですけどね。 -
境内の端っこに石川啄木の歌碑。比較的新しそうな歌碑ですが、刻まれているのは次の歌。
かなしきは
小樽の町よ
歌ふこと
なき人人の
声の荒さよ
小樽を馬鹿にしているのかとも思いましたが、調べると小樽の人のバイタリティを讃える意味があるというのを知ってちょっと安堵しました。なお、啄木は、札幌から小樽、その後釧路へと移っていきます。 -
水天宮からもう一度寿原家の脇を過ぎて堺町通りの方に下っていきます。
その途中。旧板谷邸は、小樽市指定歴史的建造物第71号。
海運業などで財をなした板谷宮吉の邸宅。坂道の途中に、邸宅の雰囲気のある門があって、もしかしたらそれだけなのかなと思ったのですが、奥に入っていくと、大正15年~昭和2年に建てられた木造1階の母屋とその横に建つ石造2階建の蔵が並んで建っていました。高級旅館の離れのような雰囲気。無造作に保存してあって不思議な感じです。 -
さて、ようやく堺町通りに出ましたね。
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出てすぐのところ。旧久保商店は、小樽市指定歴史的建造物第33号。
堺町通りに面していて、石蔵と木造母屋が並んで建つ構成。石蔵の方はアクセサリーショップだし、母屋の方は甘味処風の喫茶店。バリバリの現役ですが、明治40年に建てられたのも小間物雑貨卸を営む久保商店の店舗として。ずいぶん長く活躍しているものです。 -
そして、そのすぐそばのかま栄物産館。堺町通りから近いというロケーションもあるのかもしれませんが、それにしてもいつでも大盛況。ぷりぷりのてんぷらを求めるお客さんでごった返しています。ロビーは広くて置いてあるテーブル椅子もゆったり。買い物が終わるのを待っている連れの方もここなら楽だと思います。
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奥では作業をしている様子を拝見。これも信頼感ですよね。
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続けて、ここからは堺町通りを小樽の中心部に向かって歩きます。
旧北海雑穀株式会社は、小樽市指定歴史的建造物第85号。明治42年以前築の木骨石造2階建の建物です。
木材の骨組みの外側に軟石を積んだ木骨石造は少し古びてはいても石造りならではの迫力なんですが、そこに鉄製の開き扉が二階に同型が二つ、一階に大小二つ加わるとさらに迫力が増しています。いい味を出している建物です。 -
小樽出世前広場は、堺町通りの中ほど。広場というよりちょっとした路地のような感じですが、
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入り口に小樽歴史館というのがあるのに気が付いて入ってみました。無人の資料館ですが、小樽の賑わいの歴史をコンパクトに紹介していてなかなかの迫力。近江商人、松前商人、加越能商人、越後商人。
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それぞれに違うルーツを持つ商魂たくましい人物たちが小樽の地で活躍し、小樽の繁栄を築いていくストーリーは確かにその通り。自分の力以外、頼るものは何もない世界。説得力があってけっこう面白いと思います。
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旧名取高三郎商店は山梨県出身の銅鉄金物商、名取高三郎が明治37年の稲穂町大火後に建てた木骨石造2階建の店舗。堺町通りにあって、小樽市指定歴史的建造物第7号。一階は大正硝子館として営業をしていますが、いい感じで古びた重厚感がとても渋いです。
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北海道中央バス第2ビルは、旧三菱銀行小樽支店。小樽市指定歴史的建造物第18号です。
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イチオシ
現在は、商業施設とバス乗り場を兼ね備えた小樽運河ターミナルとして営業していて、レトロで落ち着いた雰囲気の内部が素晴らしいと思います。
日銀通りの北のウォール街の中心部まで帰ってきましたけど、ここまで相当歩きましたよ~
日銀通りをチェックしつつ、昼飯にしたいと思います。 -
旧三菱銀行小樽支店からもう一歩坂を上るところに建つ旧第一銀行 小樽支店は、小樽市指定歴史的建造物第24号。大正13年築の鉄筋コンクリート造4階建の堂々とした建物で、日銀通りと色内大通りの交差点角地というまさに北のウォール街の中心部。余計な意匠はなくても交差点に対して緩やかなカーブで面するというのが優雅というか余裕というか。それだけで十分に存在感を放っていると思います。
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さらに上がって。旧三井物産小樽支店は、日本銀行小樽支店の日銀通りを挟んだはす向かい。小樽市指定歴史的建造物第30号です。
昭和12年築の鉄筋コンクリート造5階建。もう戦争の足音がはっきりしてきた時代だと思いますが、下部を黒御影石で貼ってツートンカラーとしたのは当時の感覚としても斬新なイメージだったのではないかと思います。 -
日銀通りを振り返るとこんな感じ。
日銀小樽支店を始めとして、三井銀行、安田銀行、第一銀行、拓銀、道銀などの銀行に、三井物産や三菱商事などの商社や日本郵船、大阪汽船、山下汽船の建物が今でも相当数残っていて、往時の繁栄ぶりを偲べます。 -
旧色内駅は、日銀通りから北側に入ったところ。旧国鉄手宮線を挟んで向かいは市立小樽美術館です。
旧国鉄手宮線やこの駅もそのまま残して、小樽市街の潤いスペースとしたものですが、この駅もあまり傷んだ感じはないし、むしろ今でも使えるような活き活きした存在感があって、ちょっと寄ってみたくなる施設です。 -
旧向井呉服屋支店倉庫は、日銀通りを上がりきったサンモールの入り口横。明治40年築の煉瓦造4階建の建物で、小樽市指定歴史的建造物第73号。縦長の建物ですが、正面二階から四階まで3つずつ9個の窓が並んで、それが独特のデザイン。レンガ造りは耐火の意味があるのでしょうが、一方で窓をこれだけ多く作って自然光の明かりも取る。相反するようなコンセプトかもしれません。
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さて、昼飯は、みよ福。
地元の老舗でなかなかの評判のよう。 -
小さな古びたお店ですが、うーん、これはいい。一つ一つにメリハリがあって、素材のうまさが丁寧に引き出されている感じ。全国旅行支援のクーポン券は使えませんでしたが、そういう問題ではないですね。こういうお店こそ口コミでちゃんと有名にならなければいけないお店なんだと思います。
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午前中に予定のスポットをうまく回れたので、午後は今日一番のメイン、小樽芸術村。時間的にもこれならゆっくり拝見できそうですね。
始めに似鳥美術館から。似鳥美術館の建物は日銀通りと色内大通りの交差点角地に建つ旧北海道拓殖銀行小樽支店。平成29年、ホテルヴィブラントオタルから似鳥美術館に変わって、また新たな歴史が始まりました。ホテルの時代に中を拝見したことがありますが、建物の良さを活かしてそれはそれで悪くはなかったんですけどね~ -
似鳥美術館は、四つの施設からなる小樽芸術村のメイン施設。ルイス・C・ティファニー ステンドグラスギャラリーから息をのむような美しさ。
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ステンドグラスって、ある意味でいえば単純。
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どこをどう鑑賞すればいいのかとか
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難しいことは考えなくても
まさに見たまんまを楽しむでいいですからね。 -
最低限の画力さえあれば
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色彩の組み合わせと
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イチオシ
適度な陰影。
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そこに技術があるのかもしれませんが、
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こういう光が漏れてくるところ自体に
反応してしまうのが人間の感性でしょう。 -
イチオシ
ただ、こうしたステンドグラスは
もともとはどこかの建物を装飾する目的で作られたもののはず。このバラ窓もいったいどんな建物を飾っていたのでしょうか。それを想像するのも悪くはないですね。 -
こちらは小品。これなら、個人の住宅を飾っていてもおかしくない。
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自宅のどこかにこんなのがあったら、所有者のセンスや人間性まで光らせるような感じもしますね~
ただ、冒頭触れましたが、似鳥美術館の圧巻はやっぱり「近代・現代の日本画」「近代・現代の洋画と彫刻」。こちらは当然撮影禁止なのでお伝え出来ませんが、本当に完成度が高いコレクション。歴史がない美術館だと思っていたのに意外でした。オーソドックスだけどしっかりした目線があって、私的には高感度めちゃめちゃ高いです。 -
似鳥美術館の次はお隣りの旧三井銀行小樽支店へ。こちらは、小樽市の歴史的建造物というだけでなく、国の重要文化財にも指定されている建物。
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小樽芸術村の構成資産となったことで、今回初めて内部を拝見しました。
ハイカウンターで囲まれた窓口や -
イチオシ
高い天井などは銀行建物の典型なのですが、やはり全体としての迫力は一段階抜けている感じ。
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会議室や
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待合室かな。
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地下の預かり金庫まで含めて
しばらく眺めていても飽きない面白さがあるように思います。 -
続いてはステンドグラス美術館へ。
旧嶋谷倉庫は、ステンドグラス美術館の裏手。同じ敷地の中という感じです。
明治25年築、木骨石造1階建の倉庫はちょっと小ぶりですが、小樽市指定歴史的建造物第42号。シンプルで見た目の面白みはないですが、耐火・耐震とか災害を考えればベストの建物なのかなと思います。 -
その隣りの旧通信電設浜ビルは、小樽市指定歴史的建造物第40号。臨港線に面してた建つ昭和8年築、鉄筋コンクリート造4階建の建物です。薄い青と白のコントラストという色調に窓の縦枠は全体としてアーチを描いて4階までつながっているというモダンな意匠。ファザードの工夫が秀逸だと思います。
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で、ここがステンドグラス美術館の入り口です。
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名前の通り、展示されているのはステンドグラスオンリー。ただ、似鳥美術館のルイス・C・ティファニー ステンドグラスギャラリーを見てきているので、第一印象にはもうそこまでのインパクトはないですね。
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ただ、改めて拝見しますけど
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やっぱり、これらは宗教的なテーマをモチーフにしていますから
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本来であれば
そのテーマを同時に味わうことで -
より楽しめるんでしょうね。
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そういう意味だと
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素養の違いで
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楽しめる深さがかなり違ってくるかも。
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まあ、欧州の絵画の鑑賞にも
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そういうところは多分にありますから
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それはステンドグラスの世界固有の問題ではないんですけどね。
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イチオシ
美しさとそのテーマとする物語。それが一致してこその鑑賞ができれば最高ですね。
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これは、キリストの最後の晩餐。
これなら私でもわかります。この中に裏切り者がいる。キリストの言葉に驚き、戸惑う弟子たち。その一瞬を捉えたのがレオナルドダビンチの名画なんですが、このステンドグラスもそれを模したもの。まあ、その雰囲気はありますね。 -
で、これは変わった色調だし、
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ちょっとデザインっぽい絵柄。
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特徴があるステンドグラスですね。
さて、最後の西洋美術館に行きますか。 -
浅草橋を渡って
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これが西洋美術館の入る旧浪華倉庫。小樽市指定歴史的建造物第77号で、大正14年に建てられた木骨石造1階建。浅草橋のすぐ東側に建っています。
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ショップを抜けた奥が西洋美術館。
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よくあるアールヌーボーの作品群と
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その先はアールデコ。
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イチオシ
ルネ・ラリックとかの作品はアールヌーボーほど馴染みはないような気はしますが、
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第一次世界大戦以降、人類がとんでもない時代に入ったことを意識したうえでの新しい文化。
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そこにはアールヌーボーのような心の余裕はないのですが、
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刹那的とは違う何か一つの出口を見つけたようなところがあって、私的にはそこに興味を惹かれるんですね。
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こちらにもステンドグラスがそれなりにありますけど
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こちらのメインはやっぱり家具や美術品をテーマ別に部屋ごと展示するエリアでしょう。
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アールヌーボーの間
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アールデコの間
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マントルピースとモザイクテーブルの間
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マラカイトの間
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ルイ6世スタイルの間
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磁器と組み合わせた調度品も豪華さの証となった時代もありましたが、
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その流れで、マイセンのシリーズを収めた展示室も。
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中国の磁器へのあこがれと
その後の中国の混乱期に中国の穴を埋めた日本の磁器。そして、自国生産へ。 -
イチオシ
ヨーロッパの各地で磁器の生産が開始されますが
その最高峰はやはりマイセンです。 -
陶石の質もいいし、その分、焼成温度も1500°くらいと日本よりかなり高い。
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色の発色も鮮やかです。
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少しぬめッとした質感ですが、
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チャイナボーンみたいな感じかな。
残念ながら、本来は本家の日本を凌駕してしまっているのは否めないかもしれません。
では、小樽芸術村はこれでおしまい。これくらい楽しませてもらったら、もう充分です。 -
では、もう少し街歩きをして、晩飯にします。
旧越中屋ホテルは、色内大通り沿い。昭和6年に建てられた鉄筋コンクリート造4階建の建物で、小樽市指定歴史的建造物第16号です。
越中屋ホテルは明治30年代以降の英国の旅行案内書にも載った旅館で、この建物は外国人利用客のための別館だったそう。今でもホテルとして使われていて、褐色のタイル張りのおしゃれな外観です。 -
同じ並びの旧小樽商工会議所は小樽市指定歴史的建造物第10号。昭和8年築の鉄筋コンクリート造3階建。ただ、外装は石川県産千歳石の彫刻や玄関の土佐産の大理石とかが目立っていて、鉄筋コンクリート造の建物ではなくて石造りの建物みたいな印象。それなりの高級感があると思います。
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さらに進んで。
旧塚本商店は、大正9年築、木骨鉄網コンクリート造2階建建物。近江出身の呉服太物商の店舗として建てられたもので、小樽市指定歴史的建造物第68号。
小樽では明治37年の大火の経験から防火構造の建物が普及したようで、この建物もその一つ。全体が真っ黒でいかにもといった感じですね。一階には海産物のお店が見えました。 -
旧第四十七銀行小樽支店は、昭和11年築の木造2階建銀行建築で、小樽市指定歴史的建造物第25号です。
木造といっても正面に4本のオーダーと壁面にはタイルを張り、昭和初期の典型的な銀行スタイル。規模は少し小さめですが、必要な意匠をすべて揃えた感があるデザインです。 -
そして。
旧安田銀行小樽支店は、色内通りと中央通りの交差点角。昭和5年築の鉄筋コンクリート造2階建建物は通りに面した二面にギリシャの建築様式のオーダーを備える堂々とした構え。昭和初期の典型的な銀行建築のようですが、確かに銀行にしか見えませんね。小樽市指定歴史的建造物第19号です。 -
中央通りを上っていくとそのまま小樽駅です。
これは、小樽ゆき物語&余市ゆき物語。2022年11月1日(火)~2023年2月19日(日)に行われていた冬の企画。 -
写真は、JR小樽駅構内の「ガラスアートギャラリー」。ほか、小樽運河が青の光で照らされる「青の運河」もやっているのですが、これは明日の予定ですからね。
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晩飯は小樽駅からすぐの三角市場。
その三角市場の手前、三角市場に向かって階段を上がったところに建つ石川啄木歌碑です。
小樽日報の記者として働き始めた啄木は、小樽駅の駅長を務めていた義兄の官舎に身を寄せたのですが、その官舎がこの辺りにあったのだとか。碑には「子を負ひて 雪の吹き入る停車場に われ見送りし 妻の眉かな」。小樽を離れて釧路に向かうこととなった啄木を妻が送った時の情景を歌ったものです。 -
これが三角市場。
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場内にはいくつも食堂があるのですが、
一番活気を感じた滝波食堂へ。 -
サーモンとイクラ、かにの海鮮どんぶり。
うーん。これはどうでしょう。酢飯の味が濃いし、サーモンとかもちょっと残念。北海道でこれではねという感じ。若い人には人気の食堂のようですが、私には合わないなというのが正直なところです。 -
今夜の宿は、COZY INN OTARU。北運河のさらに北。小樽駅からだとけっこう遠いのですが、明日は北運河の辺りから小樽散策をするので、問題はないでしょう。
一人でツインの部屋だったので、ゆったり快適でした。明日も天気はイマイチみたいですが、またがんばりましょう。
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