2022/05/20 - 2022/05/20
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kojikojiさん
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この旅行記スケジュールを元に
今回のツアーのメインイベントの室堂の観光です。ここでの自由時間は1時間50分しかなく、その中でお昼も食べなければなりません。HISで用意してくれたオプションの食事を注文しておいたのは正解で、予約無しでは食事が出来なかったかもしれません。お腹がいっぱいになったところでそのままホテルの階段を上がって屋上に出ます。ここから室堂高原に出ることが出来ます。今回の旅では防寒対策についていろいろ考えましたが、靴についても悩みました。最初はビブラムソールのハイカットのブーツを履いて行こうと思いましたが、初日のトロッコ電車では必要ありませんし、2日目も「雪の大谷」では必要ありません。そこでメレルのシューズにも装着できるゴム製のアイゼンを持ってくることにしました。これは以前にLOFTのセールで500円だったので2つ購入したものでしたがとても役に立ちました。妻は念のためにストックを持ってきましたが、「みくりが池」までも行けなかったので必要なかったかもしれません。室堂に立って360度のパノラマを眺めていると子供の頃の家族旅行のことが思い出されます。その時は現在は無くなっている「房治荘」に泊まって、今は他チリ禁止になっている「地獄谷」の中も歩きました。その時の紅葉の美しさは忘れることが出来ないほどです。30代の頃にヨーロッパアルプスにあこがれてトレッキングをしたり、スキーを楽しんだ原点はここにあったのかもしれないと思いました。「雪の大谷」も見なければならないので、あまりゆっくりはできませんでした。今年のスタート時は18メートルあった積雪は14メートルになっていましたがすごい迫力でした。天気も良くて最高のツアーになりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- エイチ・アイ・エス
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お昼ご飯のあとは3階の屋上から室堂高原に出てみます。テラスに出た瞬間に目の前に立山連峰の山々が広がります。ここから先は雪の中を歩くのでゴム製のアイゼンを靴に被せました。
ホテル立山 宿・ホテル
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10年位前にLOFTのセールで500円で買い求めてから使うことのなかったものが初めて役に立ちました。妻は転倒防止のためにストックまで持ってきていました。
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正面に見えるのが立山のメインとなる山塊です。
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雪の上に出て少し歩くと「立山玉殿の湧水給水場」がありました。そこから見上げた雄山です。立山連峰の主峰で山岳信仰のシンボルです。標高は3,003メートルと剱岳とほぼ同じくらいの高さです。
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その左に続くのが大汝山でこちらの標高は3,015メートルと雄山より少し高いのが不思議です。肉眼では低く見えます。
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一番左側が富士ノ折立で、標高は2,999メートルです。3つのピークはほとんど同じ標高なのだと分かります。
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左に続く山塊は右から標高2,880メートルの別山と2,777メートルの剱御前と、一番左に剱岳が見えます。
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52年前の秋にここへ家族で紅葉を見に来たのだと思うと懐かしい気持ちになります。
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別山の方へ少し歩いてみます。この方向に「みくりが池」があるはずです。
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先を歩いている人がいるのでもう少し先まで行きたいところですが、後に続いている人の姿がありません。雪の上を歩いて数分で遭難したのでしょうか。
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右側に奥大日岳2,611メートルと左側に大日岳2,501メートルがきれいに見えます。ここまで来るバスの中で一番よく見えた山々です。
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室堂を囲む山々を眺めて、その名前を考えるとこの場所が立体曼陀羅の中なのだと感じます。
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地図の「みくりが池」や「えんま台」や「地獄谷」の文字を読んでいると、子供の頃にここで弟たちと遊んでいた頃の情景が浮かんできます。宿泊した「房治荘」がどこにあったのかは思い出せません。
立山玉殿湧水 自然・景勝地
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52年前の旅では父が誂えたピッケルを「房治荘」に忘れてしまい、「一の越山荘」から戻るわけにもいかずに東京に帰ってから連絡しました。連絡すると「山小屋を閉めるまで町に降りないので、12月になったら持ち帰って郵送します。」ということになりました。
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昭和45年の1970年の12月2日 に「房治荘」から撤収中の従業員の方と複数の大学などのスキー部員らが吹雪のため集団遭難に遭われます。一時は23人が行方不明となりますが、後に16人が無事下山され同志社大学の学生7人が死亡されました。そのニュースを知って父は「あのピッケルはもう戻らないだろう。」と言っていました。ところがしばらくするとピッケルは郵送されてきて驚いたことを覚えています。
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遭難者を発見しました。もうここまで歩いてくる気も無いみたいです。
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こんな山頂のホテルに泊まったらどんな景色が見えるのだろうかと考えてしまいます。子供の頃の登山で泊まった「燕山荘」や「槍ヶ岳山荘」「殺生ヒュッテ」「北穂高小屋」も建物さえ変わってしまったのではないでしょうか。もう50年も前のことですから。
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雄山から左側の峰々を望遠レンズで撮ってみます。
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雄山山頂には授与所(大きな建物)と峰本社神殿(櫓のように突き出した部分)が見えます。峰本社は雄山の山頂にあるため冬期の参拝は不可能なので山麓の岩峅寺に前立社壇を建てて年中の諸祭礼を行なうそうです。麓にある岩峅寺及び芦峅寺の「峅」と言う文字には「神様の降り立つ場所」の意味があるそうです。
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立山三山と呼ばれるのは浄土山と雄山と別山で、浄土山=阿弥陀如来(過去)、雄山=釈迦如来(現在)、別山=弥勒菩薩(未来)を重ね合わせて、室堂の地獄と、浄土を対比させるという山岳信仰、仏教哲学を具現化した場所でした。この大汝山の大汝も大汝命(おおなむちのみこと)という大国主命の若い頃の名前です。
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また大汝山は日本最北の3000メートル峰で、立山信仰時代の雄山から北にある大汝山を北極星として神格化して遥拝する北辰信仰の地でもあります。この真砂岳では数年前に岩の下から大日如来像が発見されたというニュースがありました。
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室堂平の地獄から極楽に居並ぶ三尊を仰ぎ見ているような気分になってきます。秋の紅葉時期の美しさも極楽のようですが、この時期の厳しい風景も美しいです。
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雄山から一の越を挟んだ右側にあるのが浄土山です。阿弥陀如来を表す山とされます。
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雄山の山塊から左にある別山から続く剱御前を望みます。
室堂平 自然・景勝地
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別山は弥勒菩薩を表す山とされます。釈迦牟尼仏の入滅後56億7千万年後の未来にこの世界に現われて悟りを開き、多くの人々を救済するとされます。それまでは兜率天で修行しているとされます。
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剱御前が続きその左側には剱岳が望めます。古くは別山と共に剱岳遥拝の場所でもあったようです。
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剱岳は古来は立山修験と呼ばれる山岳信仰の対象であり、雄山神社の祭神の一柱である天手力雄神(太刀尾天神剱岳神・本地不動明王)の神体として信仰を集めてきました。一方で立山信仰では「針山地獄」とされ、立山連峰のほかの頂きから参拝する山であって登ることが許されませんでした。
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剱岳はもともとは山そのものが不動明王として遥拝され、剱岳の麓には「大岩の不動さん」として知られる日石寺があります。本堂には岩壁を彫った巨大な不動明王像が残されています。
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弘法大師空海が草鞋千足(三千足または六千足ともいう)を費やしても登頂できなかったという伝説がありますが、明治40年の1907年に陸地測量部隊は前人未踏のはずの山頂に驚くべきものを発見します。銅錫杖頭(どうしゃくじょうとう)と鉄剣です。銅錫杖頭と鉄剣は鑑定の結果、奈良時代後期から平安時代初期のものと判明します。
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もう少し先まで行って「みくりが池」を少しでも見られたらと思いましたが、妻が歩いてきそうも無いので戻ることにします。「房治荘」はこの辺りにあったのだろうかと過去の記憶をたどりますが思い出せません。
みくりが池温泉 宿・ホテル
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「立山高原ホテル」が見えたので先ほど通ってきた天狗平の辺りだと分かります。
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せっかく雪の上を歩く用意をしてきたのに時間切れです。
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スキーを楽しんでいる方もいらっしゃいました。子供の頃は5月の連休にスキーを担いで月山に行ったり、夏休みに涸沢の雪渓をスキーを担いで登ったり、楽しい思い出があります。
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今回ようやく日の目を見たゴム製のアイゼンとストックでした。
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子供の頃に何度も見ることが出来たライチョウには出会えませんでした。
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物見遊山で来ることが出来るのは交通機関のある室堂平までで、その先には厳しい山々があるのだと感じます。国内の登山を止めて40年以上経つので遭難することはないと思います。
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続いて「雪の大谷」へ行ってみることにします。
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表に出ると除雪車が置かれてありました。立山では4月中旬の開通に向けて、厳冬期の1月下旬に県道間(藤橋~桂台)から除雪作業をスタートし、除雪機械20台編成(ブルドーザ8台、ロータリ除雪車4台、バックホウ5台、タイヤショベル1台、クローラーダンプ2台)により、約3ヵ月間に及ぶ除雪作業を行っているそうです。
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前年秋の雪が積もる前までに除雪の目印となる6メートルから9メートルの丸太ポールを道路路肩に設置するとともに、平成10年からGPSを活用しているそうです。GPS機能を装着したブルドーザで道路センター位置に道筋をつけ、次にブルドーザとバックホウで作業を進め、路面近くではロータリ除雪車で雪を飛ばして一車線幅を確保します。 続いてバックホウで両側の雪壁を崩し、それをロータリ除雪車で雪壁を超えて吹き飛ばして2車線まで拡幅除雪します。
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室堂近くの「雪の大谷」地点は、地形的に吹き溜まりとなるため、沿線では最も積雪が多く、除雪作業の最大の難所だそうです。大谷での除雪はGPSシステムを活用したパイロット除雪から始めるのは一般部と同じでですが、ロータリ車では雪の壁が高すぎて吹き上げることができないため、大型ブルドーザを2台並走させ、雪面をカンナで剥ぎ取るように掘り下げるそうです。
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20メートル近い鉛直な雪の壁を作りあげるには、並走する2台の息を合わせるとともに、道路の位置を周囲の形状を見ながら補正していく必要があり、高度な作業技術が必要なのが実感できます。
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「美女平」へ折り返す立山高原バスが出発して行きます。
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ゴールデンウィークも済んで一息といったところでしょうか。ニュースなので見て考えていたより空いていたので良かったです。
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「雪の大谷」のスタート地点はこんな高さです。
雪の大谷 自然・景勝地
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しばらく下るとどんどん壁の高さが高くなっていきます。
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E~SORA(い~そら)立山パノラマバス」という屋根の一部が窓になっているバスです。追加料金が必要で1日に数本が運行しているようです。
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通常はこのタイプのバスです。
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下り坂ではいつも元気な妻です。でも同じ道を登らなければなりません。
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この辺りで10メートルくらいの雪の壁ですが、比較するものが無いので高さを表現できません。
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やはりバスが近くにあると壁の巨大さが分かりやすいです。
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秋口からこのようなポールを立てるのが分かりますが、10センチくらいの丸太が折れてしまうほどの力を感じます。そして約1メートルほどズレているのも分かります。氷河もこうやって移動していくのでしょうね。
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しかし観光客の姿が少ないです。ゴールデンウィーク明けまで歩く事の出来たパノラマロードが雪解けで閉鎖になっているのがちょっと残念です。
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同じツアーの方とお会いしたのでシャッターを押していただきました。
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観光シーズンが始まったゴールデンウィーク前は18メートルあった積雪は14メートルまで減っていました。
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2車線の片側を歩行者用に開放しているのはここまでです。
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「美女平」へ向かうバスがやってくるとなるほど14メートルの高さを感じます。
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そろそろ戻らないと集合時間が気になり始めます。
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雪の吹き溜まっているのが分かります。あの辺りが14メートルの雪の壁です。
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出発する前に郵便局にも立ち寄りました。絵葉書は宇奈月温泉で買い求め、切手は家から持ってきています。
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ここから投函すると記念スタンプを押してもらえます。なんかスイスのユングフラウヨッホの郵便局から葉書を出す感じです。
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投函した絵葉書は4日後に家に着きました。両親に52年振りに立山へ行った報告が出来ました。
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お腹はいっぱいですが、「立山そば」の文字にそそられます。オレンジ色のヤッケはHISの添乗員さんで「見失ったらオレンジのジャンバーを探してください。」とおっしゃっていましたが、同じルートをお暗示幼な時間で移動していたクラブツーリズムの添乗員さんも同じ色のジャンバーでした。
立山そば グルメ・レストラン
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午後0時50分の立山トロリーバスに乗って「大観峰」に向かいます。黒部ダムに向けてラストスパートです。
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