2019/08/12 - 2019/08/12
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RAINDANCEさん
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スペイン東部、カタルーニャ州リェイダ県の郡であるバリャ・デ・ボイ(カタルーニャ語:バル・デ・ボイ=Vall de Boi、そのまま日本語に訳すと「ボイ渓谷」)を訪れました。12世紀頃に建てられたロマネスク様式の教会群が、世界遺産に登録されています。
★ボイ渓谷に沿って点在する集落を巡り、世界遺産の9つの教会を見学。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- レンタカー 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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2019年の夏休み、スペイン・カタルーニャ地方を中心に、アンドラ公国そしてちょこっとフランス・オクシタニー地方を巡るレンタカーの旅です。この旅行記では、カタルーニャ州の北部の町セオ・デ・ウルヘルから、北西へ約140kmのボイ渓谷を目指します。
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ピレネー山脈の麓に沿って北上して行くと…
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こういった奇岩があちらこちらに出現し…
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さながらジオパーク観光ドライブの様相です。これも楽しい。
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こういったロールベールはもう定番、ヨーロッパでは北海道の様な景色はどこでも普通に出会えますね。
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路肩の看板”La Vall de Boi”(カタルーニャ語でボイ渓谷)」で、ボイ渓谷郡に入ったことを認識します。
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この渓谷は、9つの初期ロマネスク様式の教会群が、ユネスコの世界遺産に登録されています。まずはその一つ、タウル(Taull、カタルーニャ語ではタウイ)という集落にある教会へ。
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イチオシ
こちらが「サン・クリメン教会(Iglesia de Sant Climent)」、12世紀に献堂された、ボイ渓谷で最大かつ最も保存状態の良い教会とのことです。
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小さな身廊・後陣に高い鐘楼が特徴的なロマネスク教会。建築技術がまだまだ発達していない時代ですのでシンプル、ですが美しい。
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中に入れるのは10~19時(7・8月は20時まで)です。但し、14~16時は昼休みでクローズなのでご注意。
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入ってみましょう。3つの身廊を持つバシリカ式教会。
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後陣に描かれている「全能者キリストの絵」、ロマネスク美術の傑作のひとつとして知られています。…が、これはプロジェクションによる再現で、本物は国立カタルーニャ美術館に収蔵されているそうです。
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プロジェクションが無いとこういう状態。
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身廊の柱と、一部剥がれ落ちながらも残っている壁の絵。
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カラフルな祭壇。
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プロジェクション・マッピングが始まりました。マッピングの時間はおおむね、11:15から昼休みを除き1時間おきに開催されます。
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マッピング動画により少しずつ色が積み重ねられ、”全能者キリストの絵”を形作っていきます。
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こんな田舎の村で、このような趣向が凝らされているとは予想外でした。ま、普通に本物が見れる方が良いのでしょうが、本物は文化的価値からバルセロナに行ってしまったということであれば、こういった方法もありですね。
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その他にも、建築当時を偲ばせるマジで古そうなものが残されています。
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これはマリア像?…モンセラの黒いマリア様もそうでしたが、カタルーニャで見るマリア像は頭が大きめです。
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次に、鐘楼に登ってみましょう。こんな狭い梯子をつたって登るのでちょっと一苦労。
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鐘です。
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塔の上からはタウル集落が見渡せます。
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そのタウル集落を歩いてみましょう。
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小さな集落なので、あっという間に村の中心広場です。傾いた広場に鎮座するのが「サンタ・マリア教会(Iglesia de Santa Maria)」、サン・クリメン教会と同様に、12世紀の建造とのこと。
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サン・クリメン教会が献堂された翌日にこの教会が献堂されたそうです。建設ラッシュですね。
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開館時間は10~19時(7・8月は20時まで)。
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内部の雰囲気はサン・クリメン教会と似ています。
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この付近は…ヒュッテ風というのでしょうか…ヨーロッパの山岳地帯で見られる風の建物が多いです。今や、山岳リゾートでもあるらしいので。
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そのうちのひとつ、この建物に入っている「バル・レストラン・セドナ(Bar Restaurant Sedona)」にて少し休憩です。
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テラスは満杯なので、ソファのあるラウンジで軽く飲み物を。
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一休みした後に車で移動し向かったのは、ボイ(Boi)集落。
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ここに佇むのが「サン・ジュアン教会(Iglesia de Sant Joan)」。
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建造は11世紀とされており、もちろんロマネスク様式の教会です。
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入口の壁画。開いている時間は10~19時(7・8月は20時まで)、14~16時は昼休みでクローズです。ちょうど昼休み時間に入ったところで、2時間近くも待てないので中を見るのは断念。
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次の集落へ向かいます。各集落は、ご覧の様な”渓谷”に沿って連なっています。
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エリル・ラ・バル(Erill La Vall)集落に到着。集落の入口に広い駐車場。
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ここには、「サン・エウラリア教会(Iglesia de Sant Eulalia)」が建っています。
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12世紀のロマネスク教会とのこと。
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ここも昼休み中。
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外観だけですが、すごく歴史を感じます。
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集落には新しめの住居も多いのですが、中にはこういうのも。
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崩壊寸前ですが、伝統的な家屋。
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続いては、バルエラ(Barruera)集落へ。大通りにアパートメントが並んでいるその傍ら(画像の右側)の原っぱに降りていくと…
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「サン・フェリウ教会(Iglesia de Sant Feliu)」が姿を現します。
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他の教会よりもどっしりとした教会です。先ほどアパートが並んでいたように、この辺りは平野が広がり川も近く、割と大きな集落だったのでしょう、教会もそれなりに思えます。
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この教会は、10~14時しか開いていない様です。
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続いてドゥロ(Durro)集落。ここにも大きなPあり。集落はあちこちに点在するので移動が結構忙しいです。
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見えてきました「ナティビタ・デ・ラ・マレ教会(Iglesia de la Nativitat de la Mare )」。
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12世紀後半に建造され、16世紀ごろに改築されたらしい。
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ここも少し大きめな教会で、エントランスも立派な造りですね。
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ここに入れるのは16~19時。開くまでには時間がありますので断念。ボイ渓谷の教会群は、開いている時間がまちまちなので、中を確実に見たいのであれば計画的に訪れる必要があります。
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町並みも見て行きましょう。
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古いながらも美しく整えられた街並み。
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何て言うか…街並みも教会もしっかり手当されて、古来より活気を持ち続けている集落に感じました。この集落はアクセス悪いですが、お勧めです。
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さて、ドゥロ集落からさらに山を登って行きます。
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車一台がやっと通れる細い道を、不安にかられながらも上がっていくと、突き当りにこのような風景が。
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標高約1,500mの山腹にぽつんと佇むのが「サン・キルク礼拝堂(Ermita de Sant Quirc)」。こちらも12世紀のもの。
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ボイ渓谷を見下ろす眺望の良い高台にあります。
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…ですので、この様にピクニックを楽しむ人達もちらほら。
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次に向かったのは、カルデ(Cardet)集落。集落の入り口に小さな駐車スペースがあります。
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ここは、これまでボイ渓谷で見てきた中でも、最も小さな集落です。
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これは泉?水道?
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集落の一番奥にひっそりと佇むのが「サンタ・マリア教会(Iglesia de Santa Maria)」、12世紀のロマネスク様式で、18世紀に改築された模様。
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ここは、週末にしか開かない教会の様です。重ね重ね、中を確実に見たいのであれば計画的に。
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最後に訪れたのはこちら、コル(Coll)集落への途上に建つ「サンタ・マリア教会(Iglesia de Santa Maria de Coll)」。
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集落の中にあるのではなく、集落まで300mほど手前の道路際にポツンと建っています。例によって、12世紀のロマネスク様式ですが、シンプルかつ堂々たる佇まい。
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この教会だけ、ガイドマップにオープン時間の記載がありませんでした。ひょっとして内部は非公開?立地、大きさといい、他の教会群とは少し異質な感じがしました。
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扉の上の紋章は、キリストを表すモノグラム。
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…以上、世界遺産に認定された9つの建造物とそれらを擁する集落を訪れてみました。この地域には、世界遺産に認定されてはいないものの、これらの他にも多くの教会等の遺産があります。
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イスラム勢力が及ばなかった山奥のこの地域では、11~14世紀頃に銀山による富を背景に、イタリアのロンバルディアから持ち込まれた建築様式で教会群が形成され、戦争等で破壊されることなく現代まで遺された…という意味で貴重なのでしょう。この後訪れるピレネーの町や村でも、似たような建造物を観ることになります。(これほど数が集中しているのはこの地域だけでしたが)
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