2019/08/12 - 2019/08/13
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RAINDANCEさん
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スペインとフランスの国境、ピレネー山脈の谷に広がる小国であるアンドラ公国、その首都であるアンドラ・ラ・ヴェリャを訪れました。13世紀以降、フランスおよびカタルーニャのウルヘル司教の共同統治の時代から、アンドラ・ラ・ベリャはアンドラ公国の中心都市でした。
★市街の老舗ホテルに泊まり、中世の名残が残る市街を散策。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- レンタカー 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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2019年の夏休み、スペイン・カタルーニャ地方を中心に、アンドラ公国そしてちょこっとフランス・オクシタニー地方を巡るレンタカーの旅です。この旅行記では、スペイン・カタルーニャ州の北部のボイ渓谷からピレネーのアンドラ公国を目指します。
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ピレネーの山岳地帯に近づくと、観光バスもつい停まってしまうような絶景が続きます。
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アンドラ公国との国境ゲート。特にこれといった手続きはありません。ほぼ通るだけ。
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アンドラ公国に入りました。
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谷に沿ってさらに上って行きます。
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アンドラ・ラ・ヴェリャの市街に入りました。
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旧市街の東、プリンセプ・ベンリョク通りに面する「ホテル・ピレネー(Hotel Pyrenees)」にまずはチェックイン。
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パーキングはホテルの裏のこの建物です。
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フロント。1940年開業の老舗といってよいホテルでしょうか。内装もそういう感じがします。
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アンティークな雰囲気漂うラウンジ。
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市街地だけに広くはないですが、サロンもあります。
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一転して客室はモダン。
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しっかりリノベーションされています。
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あれ?バスルームは普通?ま、充分なんですが。
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さて、時間はもう夕食どき、観光はせずディナーに集中、レストラン探しです。
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あらかじめピックアップしていた中から選んだのはココ、「レストラン・ヴェルサイユ(Restaurant Versailles)」、サン・エステヴェ教会の近くです。
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アペリティボのオリーブとパン。
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ワインはリオハのマルケス・デ・カセレスで。
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某口コミサイトでは、アンドラ・ラ・ヴェリャのレストラン189軒中5位(2020年5月現在)というなかなかの好評価レストラン。私たちの後にも、続々とお客さんが入ってきます。
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タルタルステーキ(Steak Tartare Royal)。
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ラスクとともに。
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ブッフ・ブルギニヨン(Boeuf Bourguignon)。
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付け合せが乗った皿に取り分けて。
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山羊のショルダーのロースト(Espatlla de Cabrit)。
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自家製プリン(Flam de la Casa)。
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クレープ・シュゼット(Crep Suzette)。
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カフェ・タヤ(Cafe Tallat)。カフェ・コルタオを頼んだら出てきたものです。コルタオと同様に、少なめの温かいミルクを足したもの。
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チュピトをサービスしてくれました。嬉しいことに、私たちの好きなオルホ(Orujo)、クレマ(クリーム)とイエルバス(ハーブ)をいただきました。しめてほぼ100ユーロ/2名でした。
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食事も美味しく、最後のオルホも効いて、良い気分で夜の通りを歩きホテルへ戻ります。
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あとは、旅の序盤の疲れを癒すのと、明日の観光に備え、ゆっくり休みます。
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翌朝…ホテルの外観。
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ホテルの朝食のビュッフェです。
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ソーセージやハム&チーズ。
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パン・コン・トマテ用のトマトとニンニク。自分で切ってパンに塗って食べます。
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さて朝食後、アンドラ・ラ・ヴェリャの観光へ。まずは中世の旧市街。
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ホテルから2分ほど歩くと「カサ・デ・ラ・バル(Casa de la Vall)」があります。
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16世紀に建てられた、かつての議事堂とのこと。
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建物の前には、アントニ・ビラドマントという彫刻家による、モリスカ(伝統的なアンドラの踊り)を踊るカップルの彫刻。19世紀の後半、新宗教改革による民主化で評議会が再編成された記念碑らしい。
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こちらが、同じ広場に面して建つ新しい議事堂。
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広場からは、アンドラ・ラ・ベリャの中心地と周囲の山々がが見渡せます。黄色い像は、バルセロナ生まれの芸術家、ジャウメ・プレンサによる樹脂彫刻で「7人の詩人」という作品。
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良く見ると、あちこちに7体?建っています。これらはアンドラ銀行のコレクションが町に寄贈されたもので、詩人は社会に豊穣をもたらしているというメッセージが込められているようです。
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新議事堂の隣に建つ「サン・エステヴェ教会(Esglesia de Sant Esteve)」、11~12世紀に建てられたロマネスク様式で、20世紀にレストアされたそうです。
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その内部。レストアされているだけに、前日に訪れた同時期建築のボイ渓谷の教会とは違って新しいです。
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入口上部にはパイプオルガンも設置されています。
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サン・エステヴェ教会を後陣から見た絵。12世紀ごろのロマネスク教会としてはデザインが凝っていますね。20世紀のレストアでは多少デザインも変えたのかな?
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さて、メリチェイ通りを歩いてみましょう。
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免税店が立ち並んでいます。
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買い物は目的ではないので、外観を見るだけでスルー。
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町なかでは、何か所かでこういう十字架を見かけます。これらは、16~17世紀のゴシック様式のものだそうです。
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メリチェイ通りがヴァリラ川と交わるところに建つ、カタルーニャ出身のサルヴァドール・ダリによるモニュメント「時間の気高さ」、1977年の作品。
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ヴァリラ川とパリス橋。
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ここで一旦、市街の東の外れに建つ、サンタ・コロマ教会へ。ちなみに、これが今回借りたレンタカーです。
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ここには、昔のサンタ・コロマ地区がそのまま遺されています。
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ここに佇んでいるのが、「サンタ・コロマ教会(Esglesia de Santa Coloma)」。
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創建時期は不詳ながら、8~9世紀頃の建設ではないか…とのこと。塔は12世紀の建造とのこと。
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今回の旅では、12世紀ごろのロマネスク教会を沢山見ましたが、円形の鐘楼はココだけでした。およそ900年前に形作られた、素朴な美しさ。
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教会の内部です。
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ここもプロジェクターを使って壁画が再現されていました。
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ここにも頭でっかちのマリア様。
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サンタ・コロマ地区を後にし、今度は市街の西側へ。このパーキングに車を駐めて…
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カルレマリー通り。何か、赤いのやら…
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…緑色の何かがあると思ったら、カタツムリでした。これらは、イタリアを拠点とする「クラッキング・アート・グループ」の作品。
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このアートグループは、環境問題に関心を呼ぶべく1993年に活動を開始し、再生可能なプラスチックで動物を作ることで、リサイクルの重要性・環境影響をメッセージを発信しているそうです。
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サン・ペレ・マルティル教会(Esglesia de Sant Pere Martir)、1956~1981年に建てられた比較的新しいネオ・ロマネスク様式の教会。
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教会前の一角。
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教会内部。
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7詩人のひとり、エスカルデス・エンゴルダニのアートセンター。
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「カサ・ラクルス」、1940年のモダニズム建築。花崗岩でできているそうです。
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「カルメン・ティッセン美術館」、歴史的ホテルの1階が美術館になっている模様。
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美術館の前の広場には、カタルーニャのアーティスト「サミュエル・サルセド」の作品。彼の作品は、人間の脆弱性・下品さ・あざけり等を背景に、人の動物的本能・不条理・残虐性を表しているとのことです。
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作品は何か所かに。
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「エンゴルダニの橋」、18世紀後半建造とのこと。
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ここにも十字架。
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ここで移動の前に、小腹が空いたので軽く食事をすることに。もはやヨーロッパではどこでも見かける「ドネル・ケバブ」にて。
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”早い・安い・うまい”…こういうものは、ピレネーの奥地でも広がっていく、ということでしょうか。
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さて、レンタカーに乗り込み、アンドラ・ラ・ヴェリャを後にします。途上で通り過ぎたこの建物は、「カルデア・スパ・リゾート」。1994年に完成し、とがったタワーはアンドラで一番高さがある建物らしい。
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フランス方面へ向かいます。
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そして、アンドラ公国を出る前に、最後に立ち寄ったのがココ。
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アンドラ・ラ・ヴェリャの市街から13kmほどの場所にある「サン・ホアン・デ・カセレス教会(Esglesia de Sant Joan de Caselles)」。
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11~12世紀のロマネスク様式です。ボイ渓谷でも見慣れたスタイル。ポーチは16~17世紀ごろに増築されたものとされています。
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さて、そろそろアンドラ公国を後にします。フランス大統領とスペインのウルヘル司教による共同統治という、不思議な小国アンドラ…私なりに理解を整理してみると…
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…当初アンドラ地域の領主だったウルヘル司教が統治権を与えたカボー家がフランスのフォワ家とくっつき、ウルヘルとフォワ家の領主争いがあった13世紀にその仲裁として共同統治が決まり、この封土が何らかの独立性からフランス・スペインに取り込まれることなく残ったというレアケース…ということになります。
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また、アンドラ公国には、「マドリウ・ペラフィタ・クラウ渓谷」という世界遺産の渓谷があり、トレッキングなどが盛んだそうです。今回は旧市街を主体とした観光でしたが、次回訪問の機会があれば、そういった自然を満喫してみたいと思います。
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霧に煙る峠が見えてきました。あの向こうはフランスです。これから一旦フランスに入って、とある村で一泊し、その後にまたスペイン・カタルーニャに入る予定です。
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