2019/08/11 - 2019/08/12
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RAINDANCEさん
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スペイン東部、カタルーニャ州リェイダ県ラ・セウ・ドゥルジェイ郡の町であるラ・セウ・ドゥルジェイ(カスティーリャ語ではセオ・デ・ウルヘル)を訪れました。この町は、かつての旧ウルヘル県の県都で、カトリック教会のウルヘル司教座が置かれ、その司教がお隣のアンドラ公国の共同統治者をフランス大統領と共に務めているというちょっと複雑な事情を持つ町です。
★14世紀の修道院跡に建てられたパラドールに宿泊し、旧市街の散策と郷土料理を堪能。
★旧市街だけでなく、カヌーの聖地としてのオリンピック公園や、郊外の歴史遺産も見学。
[いただいた郷土料理]
◎エスクデージャ
◎エスケイシャーダ
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- レンタカー 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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2019年の夏休み、スペイン・カタルーニャ地方を中心に、アンドラ公国そしてちょこっとフランス・オクシタニー地方を巡るレンタカーの旅です。この旅行記では、カタルーニャ州の真ん中のカルドナから、北部のラ・セウ・ドゥルジェイを目指します。
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大地が広がったかと思うと岩盤の岩山が突き出す、北部スペイン以外では見慣れた風景。
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ラ・セウ・ドゥルジェイの町に近づいてきました。カルドナからは約90km、バルセロナからは約180km、ピレネー山脈のアンドラ公国に近い町です。
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カスティーリャ語読みでは”セオ・デ・ウルヘル”になりますが、カタルーニャ語では”ラ・セウ・ドゥルジェイ(La Seu d'Urgell)”。
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そしてまず、この日に宿泊する「パラドール・ラ・セウ・ドゥルジェイ」に到着です。14世紀に教会と修道院があった場所に新築されたパラドールです。
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専用駐車場はパラドールの向かい。自動扉付きで関係者以外は入れないため安心。
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モダンなカフェラウンジ。
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古い歴史建造物を改修したものではなく新築なので、客室もモダンで新しいです。
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写真が飾ってあったり。
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バスルーム。
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客室からの眺望。
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サント・ドミンゴ教会と修道院があった場所に新築されたパラドールですが、回廊のついた中庭は復元されているそうです。
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さて、まずは恒例の、パラドール友の会特典のウェルカムドリンクで一息。
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そしてさっそく、ラ・セウ・ドゥルジェイの旧市街の散策へ。パラドールの近くに建つ「教区神学校」。
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「サン・ドゥメネク教会」、15世紀のゴシック様式とのこと。
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デルゾムス広場に建つ「大聖堂(Catedral de santa Maria de Urgel)」、12世紀のロマネスク様式とのこと。
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詳しくは分かりませんが、ウルヘル司教はフランスの大統領と共にアンドラ公国の元首を務めているので、それなりに権威があるのでしょう。
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この日は残念ながら、教会も隣接する博物館も含め開いておらず。
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同じ広場に面する町役場(Ayuntamiento)、中世の病院が15世紀に役場に転用されたそうです。
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このアーケードの中には…
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…中世の、小麦を量る道具。
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2つありました。
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13世紀の「アンドラ門」。
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「Carrer Major」、マジョール通り…直訳すれば”大通り”ですが、この建物がアーケード通りの代表として紹介されています。
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「Cal Serrano」、14世紀のゴシック様式の家。
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「イマクラダ教会」、元は18世紀の教会で2003年にリノベートされた模様。
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マジョール通りから一本入り、カノンジェス通りへ。
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所々に見えるこんな石造りが、歴史を感じさせてくれます。
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「Cal Roger」、14世紀中頃の司教の館とのこと。
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帆立貝のマークがあるので、巡礼者のホステル(アルベルゲ)と思ってしまいがちですが、このホタテはハグデバック司教の紋章なのだとか。
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「Ca l'Armenter」、14世紀の司教の家とのこと。ウルヘル・ピレネーのゴシック市民建築として後世に影響を与えたのだとか。
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カノンジェス通りで一番映えるポイントはこの辺りでしょうか。
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古くから畜産で経済を支えていたこの地方の中で、この通りは食肉ビジネスの中心地だったそうです。
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カルドナからの塩の仕入れから肉の保存や廃棄物処理まで、食肉で財を成した商人が多くいたらしい。
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ウルヘル教区の行政の中心とされる「司教館」、14世紀後半の宮殿が19世紀に地元の建築家により大規模改修されたそうです。
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「サン・アグスティ教会」、16~18世紀のゴシック様式。19世紀の教会没収で病院となり、1990年から火薬庫を経て現在は図書館となっている模様。スゴい経緯ですね。
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旧市街で最後に紹介するのはこの「ソルデヴィラの水車」。18世紀に小麦を挽くために造られたものだそうです。
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これが恐らく小麦を挽いていた石臼ですね?
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旧市街の西側、「カタルーニャ広場」にやってきました。
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広場から南にのびる「ジョアン・ブルディエ通り」。
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街路樹が美しい通りです。
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ウルヘル旧市街の最後に、南東の外れにある「セグレ・オリンピックパーク」へ。
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この町では、セグレ川の渓流を活かしたカヌー競技が盛んです。
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1992年のバルセロナ・オリンピックの際には、ここがカヌーやカヤックの試合会場となりました。
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この施設は、カヌー競技のためのインフラが整備された大規模な公園です。
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通常時なら一般の人も自由に入れるようですし、見学してみるのも良いですよ。
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水辺で気持ち良いですし。
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カヌー練習の少年たちが、サッカーゲームに興じていました。さすがはサッカー王国。
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オリンピックパークを後にします。
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パラドールに戻りました。パティオと各階のライトアップが鮮やか。予想外の演出でした。
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夕食はパラドールのレストランへ。
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カタルーニャですが…ワインはリオハの赤で。カタルーニャのワインはあまり詳しくないので…
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アペリティボは、ガスパチョとオリーヴ。食は旅の醍醐味、メニューの紹介には力を入れますよ~!
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エスクデージャ"バレハダ"(Escudella ”Barrejada”)。野菜やソーセージやひよこ豆を煮込んだ、カタルーニャ地方の郷土料理。
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塩漬け鱈を使ったエスケイシャーダの黒オリーブ添え(Esqueixada de bacalao con olivas negras)。カルパッチョの様なものですが、こちらもカタルーニャの郷土料理。
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パン。
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ピレネー牛のビーフシチュー、西洋スモモの漬物和え(”Rodonet” de ternera bruneta del pirineo guisado con ciruelas maceradas en infusion de te)。
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ピレネーの野菜とキノコを使った山の幸クリームおじや(Arroz cremoso de montana con verduras y ceps del pirineo)。
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チョコレートケーキ&バニラアイスとフルーツソース(Royal de chocolates con helado de vanilla y salsa de frutos rojos)。
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胡桃のチョコブラウニー、ホワイトチョコレートソースとラズベリーのシャーベット添え(Brownie tibio de nueces, sopa de chocolate blanco y sorbete de frambuesa)。
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締めは、カフェ・コルタオ(Cafe cortado)。郷土料理を堪能できました。ごちそうさまでした!
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客室に戻って外を見てみると…周囲は自然なので夜は真っ暗です。では、おやすみなさい。
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翌朝…
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レストランのビュッフェです。
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パラドールはどこも品ぞろえが充分なのですが…
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ここも良かったです。
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卵とベーコン…
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トルティーリャやモルシージャなど…
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ユニフォームから見て、UKのナショナルチーム(やはりカヌーかな?)らしき団体も泊まっていたので、メニューも奮発していたのかな?
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さて、チェックアウト後は、ラ・セウ・ドゥルジェイの郊外の見どころへも足を運んでみます。
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旧市街から東へ約3kmの、カスティシウタ(Castellciutat)という村に近い高台にやってきました。
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ここにあるのが「カスティシウタの城(Castillo de Castellciutat)」跡です。
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元は17世紀に対フランスの防御のため築かれた砦で、その後も軍事要塞として使われていましたが、近年はホテルやレストラン等の複合施設となった後、それらも廃業して廃墟となっていました。
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こちらが17世紀の要塞の塔。場所的には、廃墟ホテルの様な様相ですので、観光については自己責任でお願いします。
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続いて向かったのは、「ソルソナの塔(Torre de Solsona)」。民家の手前に車を駐めて歩きます。
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ここも、先ほどのカスティシウタの城に対して谷を挟んで建つ、17世紀に建てられた要塞の一部とのことです。
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一見小さい塔に見えて、色んな部屋がありました。
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このような大きな保管庫も。
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塔とラ・セウ・ドゥルジェイの町。
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南側には、要塞を後方支援していた「白い塔(Torre Blanca)」も見えます。
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そして、ラ・セウ・ドゥルジェイの町全体を一望できるスポットでもあります。
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…そろそろ、ラ・セウ・ドゥルジェイを後にします。
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ラ・セウ・ドゥルジェイ…日本語の情報も少なくなかなか把握しにくいですが、9世紀以降にカトリック・ウルヘル司教区の中心として、何かただならぬ存在感を示している町でした。この後、ボイ渓谷の次に訪れる予定のアンドラ公国のとも深い関係があり、その辺はアンドラ訪問の際にも探ってみたいと思います。
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