2019/04/13 - 2019/04/19
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binchanさん
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ハレム見たさにトプカプ宮殿にやって来たが、観光客の多さにテンションは当初の7%ほどまで低下。ドラマを思い出して気分をアゲなくては。
後宮ドラマといえば韓国のものもよく見ていた。李朝の後宮はまず有力な貴族の娘が妃に、ほかの側室らも基本的には貴族の娘だった。そして下級貴族の娘や下働きが王のお気に入りになるという例外的な話がドラマのネタになる。
オスマン帝国の後宮は(時期によるが)宮女や側女(皇帝のお手付き)はほとんどが売られてきた奴隷だったという。有力者の娘どころかトルコ人ですらなかった。周辺国から王女などが贈られることもあったがースレイマン帝の母はその例だがーその方が例外らしい。ヒロインのヒュッレムもルテニア(現ウクライナ)で略奪されイスタンブールに売られてきたという。10代で家族を奪われ異国に売られ、そこから頭角を現すのだから名の残っている妃はみな只者でないことはたしかだ。
当時のオスマン帝国では皇帝がなくなると跡継ぎ以外の皇子は殺されたという。妃となって子を生したからには最後の勝者-世継ぎの母―にならなくてはならない。
私はあのドラマは既得権益者への反抗物語ではないかと思っている。
対立する母后は慣習を何より重視する。だから第一皇子を生んだマヒデブラン妃の肩を持つ。母后にもライバルの妃はいたはずで、彼女たちは旧宮殿で地味な余生を送っている。ライバルのマヒデブランも波風立てず長子である息子が世継ぎになれることを願っている。つまり慣習が破られると自分たちの既得権益が害される立場にいるということ。
ヒュッレムは根はやさしい人で、ライバルの皇子でも子供のころは優しくしていた。また、元恋人を自分の手で毒殺させられるまでは、政敵と言えど本気で殺そうとはしていなかった。頑なに「慣習」を振りかざす母后に対しても遠慮があった。しかし、多くの子をもうけ皇帝と正式に結婚し、制度の中で生き延びる努力をしても誰にも認められない。誰を頼ることもできない、情けをかければ付け込まれるだけだということを学び、強かに冷酷になっていく。
もしヒュッレムが認められハレムでその手腕をふるえたら、世継ぎ以外を殺害するという習慣や一夫多妻がもたらす悲劇を減らせたのでは、という期待を抱くのは私だけだろうか。
ヒュッレムは歴史上の人物なのでこの後の展開もわかっている。マヒデブランの子は処刑されヒュッレムの子が世継ぎになる。しかしヒュッレムの死後、次男(と父であるスレイマン帝)が三男を追い詰め死に至らしめることになるのだ。
スレイマン帝は、公私ともに慣習に縛られず公正であろうとする人物として描かれており、ただヒュッレムの色香に迷いわがままを聞いているようには見えない。彼女は悪女とされているが、オスマン帝国最高の皇帝スレイマンの寵妃がただの強欲女だったとは思いたくない。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
13:32
ハレムへ入場。
順路に沿って見学。まずは地下にある宦官の居住空間へ。ハレム 博物館・美術館・ギャラリー
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泉(身を清める水場)がある空間。
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両側に建物がある。
これらの建物は火災で焼失したのち17世紀以降に再建されたようだ。 -
宦官らのためのハマム。
オスマン帝国の後宮宦官は黒人だったそうだ。中部アフリカやエチオピアから子供が集められ教育されてここに配属されたとのこと。軍人もバルカン半島やアルメニアから集められた少年らによって構成されていたし、宮女や側室も諸外国から買われてきた女たちだった。ほとんどがイスラムに改宗するとはいえ、オスマン帝国の宮廷は驚くほど多文化な空間だったのだ。 -
今でも使えそうな設備。
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天井には明かりとりの窓があり昼間なら十分な明るさ。
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ところどころにこういったマネキンが配置されている。説明はなかったがお茶の用意でもしているのだろうか。
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喫煙室。
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なんて豪華な喫煙室なんだ。
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居住空間の外壁。
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壁に刻まれた文字の説明書きもあったがよく読んでこなかった。たぶんコーランの一節。
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宦官の居室。
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暖炉もあり割と居心地よさそう。
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使用人の部屋もこんな美しいタイル張りとは、さすがオスマン帝国。
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ここの感じはドラマに出てくる宮女らの大部屋に雰囲気が似ている。一階でもめているところを、2階から母后がジロっと見てたりする。(ここは宦官の部屋だが)
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宦官のモスク。
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ミフラーブ。
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妃や宮女の住むエリアへの道。
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小石が埋め込まれた道。この上を皇帝が馬に乗って通ったらしい。
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女性たちのエリアへの入口ホール。
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その先は細長い通路。
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ドラマでは、こういう通路を一人で歩いている時に脅迫されたり殺されかけたりする。
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階段がある。ハレムには少なくとも地下1層、地上2層の建物があった。結構複雑な間取りで、すべて参観できるわけでもないので全体像はわかりにくい。
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側女と妃らが住むエリア。
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外出もままならない彼女たちのためか、ハレムには風景画が多く見られた。
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いつの時代の絵なのかは不明。
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装飾もどことなく乙女チックな感じ。
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母后の間。
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天井の装飾は割とナチュラルな植物柄。あまりにも緻密な装飾は圧迫感があって住居には向かない気がする。
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この部屋が建設されたのはスレイマンの孫ムラト3世時代なので、ドラマに出てくるスレイマン母の部屋はここではない。壁の装飾もヨーロッパ的でもっと後の時代のものであることが想像できる。
だがこんな風に出窓をバックにしたソファに座っている場面がたくさんあり、居住空間の造作は変わっていないようだ。 -
母后のハマム。
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金の装飾などがあり豪華。
これもムラト3世時代のものなのでドラマには出てこない。 -
破損部分にガラスカバーがつけられ、壁の内側が見られる。石碑のようなものがあるがどういう謂れなのかは不明。オーディオガイドを借りればいろいろ分かったかもしれないが、あれ苦手なのだ。
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トイレも豪華。
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母后らの居住空間は通路も豪華。
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母后のハマムと隣り合わせて皇帝のハマムがある。
この空間が何のためのものかは不明なのだが、壁の一部に絵が残っている。 -
18世紀に改修されたというが、その時に塗り込められた絵だろうか。よく見ると天井の縁も途中で絵柄が変わっている。
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皇帝のハマムは母后のものよりさらに豪華。
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床下に暖房設備がありハマム全体が温められ、シンクのお湯をふんだんに使って入浴していたに違いない。
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考えただけで気持ちがよさそう。
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皇帝の間。
居住空間ではないので居心地より威厳優先の装飾がなされている。 -
ここもスレイマンに時代にはなかったし、近代までに何度も改修されている。
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ここに皇帝が座った?
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イベントや儀式に使われた部屋なので多くの人を収容できる。
宮殿にはこの絢爛豪華さを期待していたのでテンションがあがる。 -
古いが今でも使えそうな時計。
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ムラト3世の居室。
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ここが寝所かな?
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ドーム天井の装飾は重厚だが落ち着いたトーン。
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残念ながら現存するハレムにスレイマンの居室はない。
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愛妾らの中庭。
2階のテラス部分にあり一方向だけだが壁がないので、ほかの中庭に比べると格段の解放感だ。奥の建物の向こうはトプカプ宮殿第4の中庭だが、高い壁でかこまれ相互に行き来ができないよう厳重に囲まれている。外界から隔絶された空間であるハレムで、この場所から見る外の風景はせめてもの慰めだったに違いない。 -
眼下には池がある(水はなかった)。
ヒュッレムの居室は池のある庭が見え、皇帝の部屋のテラスを見上げる位置だった。トプカプにハレムを最初に作ったのはスレイマン時代なので、このあたりにヒュッレムが住んでいたとしても史実と相違しない。 -
中庭からガラタ塔が見える。
部屋のテラスからガラタ塔を眺めるスレイマンがよく登場するので、皇帝の居室がこの方角に向いてあったという設定。 -
中庭に面してある青いタイルが美しい建物。
のちの時代に世継ぎの部屋として造られたらしい。 -
軒下の装飾まで美しい。
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中庭に面してある二階建ての建物は側女や妃の居住空間。
建物は改修されてしまっているが、こういった部屋にヒュッレムたちも住んでいたに違いない。 -
凝ったデザインの排水溝。
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ハレムのモスク。
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ミフラーブはあるがカリグラフィー円盤(パンダンティッフ)はない。それがマスジトとジャーミィの違い?(大きなモスクはトルコ語でジャーミィと書いてあるが、こういったプライベートなものはマスジトとなっている)
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黄金の道。
ドラマにも黄金の道は出てくる。ここまでが皇帝や妃の空間で、この先は使用人の空間。宮女がこの道を通るということは皇帝に召されたということ。だから黄金の道。 -
ハレムのキッチン。
料理長シュケルが働いていたのはここだな。 -
スンビュルたちがつまみ食いするテーブルはなかった。
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廊下にあった階段。
ここはドラマのセットに酷似。妃付きの宮女がよく二階から降りてきてたよ。
妃たちはライバルを蹴落とそうと殺人を含む陰謀に明け暮れているが、そういった危険な相談事をこういった廊下で簡単に立ち聞きされる(そんなことをなぜ廊下で話す?)。階段下で今もギュルシャーが聞き耳を立てていそうだ。秘密の手紙を簡単に盗まれたり、ドラマはツッコミどころだらけの展開だがなぜか見てしまう。 -
ハレムの出口。
宮殿は人が多くて疲れただけだったが、ハレムは人も少なめで面白かった。 -
念のため宮殿第三の中庭に戻ってハス・オダ(スルタンの居室)の行列を確認。ちっとも短くなってない。
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というわけで帰ることに。写真はミュージアムショップ。
出口付近でトルコ人の若者数名に「写真を…」と声をかけられた。観光地では写真を撮ってくれと言われることが多いので、もちろんいいですよとスマホを受け取ろうとしたら、そうじゃなくて「一緒に写真に写ってくれ」ということだった。手際よく小さな国旗を持たされあっという間に一緒に写真を撮られた。ほんの数秒のことであっけに取られていたが、若者たちがもう一枚撮るかどうか内輪で言い合っているうちに私は冷静になってきた。
これスリの手口だ!国旗で両手をふさがせて写真を撮る間に犯行に及ぶってやつどこかで聞いた。幸い何も盗られなかったが危ないところだった。
それにしても失敗したからってもう一度試みようとは、私も舐められたもんだ。「私も写真撮っていい?」って言って連中の顔を撮ってくれば良かった。今度この手に引っかかったら絶対に...って、また引っかかってどうする。
それにしてもトルコの観光地の警備員(あるいは係員)はみな軍人のような男性ばかりなのだが、そんな人たちがたくさんいる出入口付近でスリを試みるとは。
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