2018/12/31 - 2018/12/31
57位(同エリア1591件中)
キートンさん
この旅行記スケジュールを元に
環地中海諸国の遺跡がメインテーマだった2018年春の旅で行けなかった、最も重要な遺跡の国。
そして、5大陸の中で、私にとって唯一未踏であったアフリカ大陸。
環地中海遺跡の旅完結と未踏のアフリカ大陸への第一歩となる国、エジプトの2日目。
「車で巡るピラミッドツアー」で古代エジプトの歴史に触れた後は、日没前から夜にかけて中世イスラムの雰囲気を残すムイッズ通りの観光。
ムイッズ通りは、ズウェーラ門からフトゥーフ門に向かって伸びる、ファーティマ朝時代からの目抜き通り。
ムイッズ通り沿いにはマムルーク朝時代のマドラサなどのイスラム建築が残り、夜はライトアップで幻想的な美しさになるという。
旅の舞台は古代から中世へ、2018年最後の夜にアラビアンなナイトが始まる。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- エジプト航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
「車で巡るピラミッドツアー」でカイロ市内に戻ってきたのは15:00過ぎ。
ここまで戻る途中パピルスの店に案内されたが、店員は日本語を話せなかったので、「英語あまりわからないし、興味ないんで」と早々に店を出た。
あとはここまで順調に走行し、昨日観光したシタデル近くまで戻ってきた。 -
そこからは急に道路が混み出し、ハーン・ハリーリ付近に到着したのはちょうど15:30だった。
ここで車を降り、ドライバーとはお別れ。
ベニス細川家ホテルからドライバーのチップの相場は30~50EPと聞いていたので、十分満足したら50EP渡すつもりだったが、どうでもいい土産屋とかに連れて行かれたので40EPにした。
もちろん心づけなので渡さなくても問題はないのだが、結構喜んでくれたようなので渡した甲斐はあった。 -
車を降りた場所からは、東側にアズハルモスクが見えていた。
他に見たいところがあったのでここはパス。 -
ハーン・ハリーリは、マムルーク朝時代の14世紀末に開かれたスーク(市場)である。
ただ買い物する気はないので、先を急ぐ。 -
西へ西へと進んで行くと通りが狭くなり、人を避けて歩くのに時間がかかった。
途中に大きな通りは横切らなかったはずだが、ムイッズ通りはとっくに通り過ぎていたことに気付いた。 -
ムイッズ通りに戻った時には16:00になっていた。
-
ムイッズ通りを北へと歩くと、左にスルタン・カラウーンのマドラサがある。
スルタン・カラーウーンのマドラサの入場料は100EPとやや高め。
ただ、そのチケットは他の施設との共通チケットとなっている。
開館時間は8:00~17:00なので、ピラミッドツアーから早めに戻りたかったのは余裕を持って見学したかったからである。 -
マドラサとは、一般的にイスラム教の教義を研究、教授する学院のことだという。
このマドラサは、神学校のほか病院やカラーウーンの廟がある。
入口を入った右側(北側)の部屋は、天井がドームになっていて、その下部にステンドグラスがある。 -
スルタン・カラーウーンのマドラサは、マムルーク朝の第8代スルタン、カラーウーンが1284年に建てたもの。
これは南側から見たスルタン・カラーウーンのマドラサの模型。
建物の右側がムイッズ通りである。
建物の左部分が病院跡で、当時としては非常に設備が整い、高度な手術も行われていたという。 -
アラベスク模様が彫られた壁面が実に細かい。
芸術的ともいえるイスラム建築。 -
入口を入った左側(南側)には比較的広い中庭がある。
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中庭の東側は礼拝堂になっているようで、ミフラーブとミンバルがある。
-
ミフラーブは、メッカの方向を示すくぼみ。
ギリシャやイタリアの神殿にあるような円柱でデザインされているのが面白い。 -
その右側(南側)にはステンドグラスや格子窓。
-
イチオシ
上の階には行けないのかと聞いてみると、鍵のかかった扉を開けて係員に案内してもらうことになった。
上の階に上がってテラスに出ると、ドームやミナレットが傾いてきた日に照らされていた。スルタン・カラーウーンのマドラサ 建造物
-
日が差し込む狭い廊下。
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さらに1段高いところから西方向。
おそらくかつて病院となっていた建物。 -
ここから上にも階段があるようだが、これより先には行けないと言われた。
上階に来る一般客はあまりいないようで、ちょっと特別な部分も見れたので、案内してくれた係員に10EPほどチップを渡した。 -
スルタン・カラーウーンのマドラサの見学を30分程度で済ませ、フトゥーフ門に来た。
スルタン・カラーウーンのマドラサのチケットにはフトゥーフ門の写真も印刷されているので、フトゥーフ門とも共通チケットとなっているはずだが、フトゥーフ門の入口がわからない。
近くを警備していた軍人っぽい人に聞いてみたが、やはりわからなかった。 -
日没が近づいていた。
スルタン・カラーウーンのマドラサの共通チケットで、バシュターク宮殿やスルタン・バルクークのマドラサに入場できたようだが、この時は知らなかった。 -
代わりにと言っちゃ失礼だが、フトゥーフ門のすぐ近くにイル・ハーキム・モスクがあったので入ってみた。
中庭は大理石で敷きつめられ、なかなかきれいなモスクである。 -
イル・ハーキム・モスクは、ファーティマ朝の第6代カリフ、ハーキムが1013年に建てたもの。
カイロ最初の石造りのモスクといわれる。
カリフとはイスラム国家の宗教指導者であり最高権威者であった。
スルタンとはもともと軍事指揮官のような地位だったようだが、後に政治の実権も握ったようである。 -
ハーキムの死後は放棄され、後に十字軍の捕虜の牢獄やナポレオンの要塞として使われた。
荒れ果てた状態だったものを20世紀に入って再建されたのが現在の建物である。 -
イル・ハーキム・モスクは夕暮れに包まれてきた。
-
ムイッズ通りにも明りが灯り始めた。
店先から聞こえた「ワンダラーワンダラー」の声に、ふと足が止まった。
そこにはアラビア文字などがデザインされたリングがたくさんあった。
1USドルなら手頃だし、荷物にもならないお土産になると思い、1個購入。 -
ちょっとした広場には移動遊園地みたいな遊具が並んでいた。
これ以上小型化できそうにない観覧車やらメリーゴーランドやらバイキングやら、これら全て電動ではなく人力。
ここは昭和初期か? -
イチオシ
薄暮にランプの灯り。
-
イスラム女性の衣装といえは非常に地味なイメージなのだが、実は中身はめちゃくちゃ派手?
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道が二股に分かれるところにある建物は、アブドゥル・ラフマーン・ケトフダーの井戸付き寺小屋。
オスマン朝時代の1764年に建てられ、階下が共同井戸で上階が子供たちの初等教育の場であった。
外から見る限り、1階は普通の店舗に見えたが・・・ -
17:25頃、スルタン・カラーウーンのマドラサ付近まで戻ってきた。
日が暮れ、いよいよアラビアンなナイトが幕を開ける。 -
イチオシ
カイロの夜をここですごそうと考えたのは、ガイドブックで見たこの位置からのライトアップの写真に惹かれたからだ。
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スルタン・カラーウーンのマドラサの前は多くの人でにぎわっている。
そういえば今日は大晦日だ。 -
アラブの幻想的な夜。
アラブといえば、中東のアラビア半島付近のイメージが強いが、北アフリカの地中海沿岸も含まれる。
モロッコあたりはアラブ色は薄れるかもしれないが、エジプトは人口のほとんどがアラブ人でイスラム教徒である。
2010年にチュニジアを発端としてエジプトやリビアでも政権の打倒までに至った反政府デモによる騒乱「アラブの春」は、北アフリカが主な舞台となり中東まで影響を与えた。 -
このあたりは歴史的建築物がいくつかあるが、ムイッズ通りの少し南は商店街のようで、ここから明るい通りが見えている。
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やはりこのポイントがベストかな。
丸いバルコニーの下の装飾も凝っている。 -
イチオシ
カイロの街はあまり夜景のイメージはなかったが、ムイッズ通りの歴史的建築物のライトアップは、独特の雰囲気で楽しむことができた。
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夜のスークは、ランプのディスプレイが美しい。
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夜のムイッズ通りも楽しむことができたので、18:00前に宿へと向けて歩き始めた。
近くに地下鉄の駅もないので、宿まで2kmちょっとの道のりを歩いて帰ることにした。
幸い高架のある通りで車はほとんど上を走っているので、歩きやすい道だった。 -
とはいえ、交差点を渡る時は細心の注意が必要だった。
珍しく信号のある交差点では、信号が変わるまでの秒数が表示されていても、信号無視して渡る歩行者が絶えなかった。 -
30分ちょっとで宿の近くまで帰ってきたが、途中に夕食をする適当なレストランが見つからなかった。
昨夜夕食を食べた「サイエド・ハナフィー」の近くに、店先で何か気になるものを焼いているのを見つけた。 -
広島風お好み焼きのような薄い生地を半分にたたんで、その上に野菜やら肉やらを載せている。
載せる具は選べるようだが、チキンで注文してみた。 -
出来上がったのがこれで、25EPだった。(食する部分がほとんど見えていないが・・・)
コシャリに比べると倍の値段だが、それでも200円もしない。
これがなかなか美味く、ボリュームも見た目以上にある。
これはヒットだったな。
ベニス細川家ホテルに帰ってフロントでこれは何という食べ物か聞いてみると、クレープなんだという。
日本のクレープはフルーツやクリームを包んだスイーツのイメージだが、こちらでは完全にファーストフードだった。 -
19:00頃にベニス細川家ホテルに帰ってきた。
2日ほど前にギザの近くでベトナム人観光客が乗ったバスが爆発し、4人の死亡者が出たようだが、ここではその話を聞くことはなく、後にルクソールで初めて知ることになった。
この日の部屋はシングルルームに移った。
もともと冷蔵庫があった場所から電源コードがコンセントに届かなかくて移動したので、変なところに冷蔵庫が置いてある。Venice Hosokawaya ホテル
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部屋の中に無理やり造った感のあるシャワー・トイレは昨日のツインルームと同じだが、この部屋のものは昨日に比べて明らかに狭そうだ。
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正直、寝台列車でシャワーするより難易度高いくらい狭い。
ツインルームとシングルルームの1泊の価格差は2USドル(200円程度)なので、ひとりで泊まるとしてもツインルームの方が絶対お得だと思った。 -
ツインルームもそうだったが、天井はカーペットで覆われている。
ベニス細川家ホテルは、ビルが古く5階まで階段でシャワーも湯量が不足気味という欠点はあるものの、日本人スタッフが常駐で現地ツアーもリーズナブルというメリットは大きかった。
正直快適とは言い難いが、居心地は悪くない。
特に英語やアラビア語が苦手な日本人にとって、日本人スタッフ常駐の安心感は計り知れないものだった。
今日はギザで嘘つきエジプト人にしてやられたが、サッカーラ、メンフィス・ダハシュールまで周ってピラミッド三昧のうえに、古いイスラム建築の幻想的なライトアップも見ることができて充実した1日だった。
明日は古代エジプト新王国時代の遺跡の宝庫、ルクソールに午前中のフライトで移動する。
平成最後の新年は、パッピーなニューイヤーとなるのでしょうか・・・
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この旅行記へのコメント (2)
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- るなさん 2019/01/31 19:00:05
- 日本人は最高(のカモ)
- キートンさん、こんばんは☆
古代ロマンを感じる国はたくさんあれど、やっぱりエジプトはスケールが違うよなぁ~などと思いました。ピラミッドは圧巻!!
正直遺跡系にはあんまり興味がないのですが、只今エジプトに訪問率が高い状況で興味深く拝見しました♪
イントロダクションのドバイやアブダビも懐かしかったです!!やっぱりアブダビのグランドモスクは美しいわぁ(*^-^*)
ロジャームーア時代の007をあんまり覚えていないのですが、あの建物を見たような見ないような...うる覚えですが見るに値するような建築美溢れる物ですね♪
アラブ圏はやっぱりエキゾチックだわぁ~
海外でのタクシーってホントに疲れますね。言葉がわかればまだいいですが、交渉するだけでも体力・気力がいるからけったいです。日本円にしてみればそんな高額じゃないにせよやっぱり少しでも安く利用したいですものね。
それに嘘つきノーマネー事件も発生ですか。日本人は最高の裏に隠された「カモ」調子良くされちゃうとつい...ですよね。あぁぁやっぱり海外を個人旅するってほんまに気力が要りますね。やっぱ元気な今のうちに行っとかなきゃ(爆)
ガイドとか面倒なんですが、三大ピラミッドへはお守り替わりに必要ですね。
エジプト行きが決まったらまたキートンさんのところにお邪魔することにします!
今年もよろしくお願いします♪
るな
- キートンさん からの返信 2019/01/31 21:06:48
- RE: 日本人は最高(のカモ)
- こんばんは、るなさん。
今年もよろしくお願い致します。
UAE観光は、るなさんの旅行記参考にさせていただきましたよ。
特にシェイク・ザイード・グランド・モスクに関しては。
明るいうちからモスク内を見学しようとしっかり計画してたはずが、待ち時間までは全く計算してませんでした。
結局、日が暮れてからの見学のみになってしまいましたが、ライトアップされたモスクの美しさは半端じゃなかったです。
単にお金をかけているだけじゃなくて、計算されつくした美しさですね。
それとは逆に、カイロのモスクは古くて地味だけど、それはそれで歴史の重みが感じられて趣がありました。
でも、エジプトの一人旅はムカつくことが多かったのは事実で、今まで行った国とは一味も二味も違ってました。
有名観光地で声をかけてくる商売人の多くは平気で嘘つきます。
ノーマネーとか言ってくるのは疑ってください。
特に観光客の少ない時間帯の一人観光は標的になりやすいので、ある程度観光客が多い時間に二人以上で行動するだけでもリスクは軽減されると思いますよ。
遺跡に関しては、確かにピラミッドは凄いとは思いましたが、個人的にはルクソールの遺跡の方が良かったです。(まだ旅行記アップしてませんが)
壁や天井にびっしりと鮮やかなレリーフで埋め尽くされた王家の墓などは、遺跡好きでなくても感動モノですよ。
では、また旅行記訪問させていただきます。
キートン
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