2018/08/23 - 2018/08/23
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motogenさん
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暑苦しい一夜を何とか乗り切って、目覚めたのは5時過ぎ。
「大変だ、朝日が登ってしまう。」
朝焼けを雄島から眺めようと決めていたのに、間に合いそうにない。
雄島は東尋坊を素通りした北にある小さな島。
さっと準備して、急いで走っても30分はかかってしまう。
日の出の時刻は5時30分だ。
(画像は東尋坊タワー)
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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昨夜はよく見えなかった道の駅を見回すと、車中泊している車はかなりいる。
だが、私たちのようにドアを開け放している車はいない。
暑い夜だったのに、みんな眠れたのだろうか?
といらぬ心配をする。
エンジンをかけたままエアコンを作動させていた車もいるようだ。道の駅 みくに 道の駅
-
トイレに寄っただけで、食事もとらず、身だしなみも整えないままに、道の駅にさよならをして雄島に向かう。
-
雄島は周囲2kmほどの小さな無人島。
東尋坊のように有名ではないが、歩き回るなら雄島の方が楽しいらしい。 -
雄島に渡る橋は真っ赤な橋だった。
長い橋だ。
その長さ224m。 -
橋のたもとに無料駐車場があって、ありがたい。
東尋坊の駐車場は有料だ。 -
もう少し早ければ朝焼けが見えただろうが、この時間、太陽は昇っていて空は青く、日差しが暑い。
鳥居が近づいてきた。
この島、小さいように見えても意外と大きい。
-
振り向くと東尋坊タワーが見えた。
東尋坊で身投げした死体は、この島に漂着することが多いようで、
雄島は心霊スポットとして売り出されている。
東尋坊にはその昔行ったことがある。
しかし、何があったのかほとんど覚えていないのは、ガイドに率いられた団体旅行だったからだろうか。
今の私は、この小さな島の方に魅力がある。 -
上陸すると目の前に急な石段が立ちふさぎ、
「ここ、登るの?」
と女房は消極的だが、6時なのにもう子供を連れた家族もいる。
「こんな小さな子供だって登ったんだから、大丈夫だよ。」雄島 自然・景勝地
-
石段の奥には、旅館のようで社務所のようでもある、不気味な空家があったり、
-
潮風にさらされたお堂があって、気味が悪い。
素晴らしい景色が見えると期待していたが、樹木が茂っていて海は見えず、がっかりするが、 -
島を一周する遊歩道があるのだからと、とにかく歩き出す。
半時計回りをすると呪われて命を落とす、と脅す人がいるが、誰がそんなことを言い出したんだ?
ネット社会は無責任なフェイクばかり。
それに反抗し、実験した人がいて、「大丈夫だった」と投稿している。 -
暗い森を脱出したと思ったら、草のおい茂る場所と岩だらけの道が続き、気持は晴れない。
マムシもいるというが、これはフェイクではない。
なので、女房には黙っている。 -
やっと海の見える場所に出た。
少し元気がでる。
遠くの岩場で釣りをしている人がいる。
釣り竿を持っている人ともすれ違った。
この島は釣りマニアに人気があるようだ。
岸壁まで行きたいが、遠いなぁ・・ -
「瓜割りの水」と呼ばれる湧き水があったり、灯台が立っていたり、
-
野生の朝顔などが咲く草っ原を、歩き回る。
-
遊歩道は岸壁に沿っていて、打ち寄せる波のしぶきを楽しみながら歩けるのかと思っていたのに、実際の遊歩道は海から離れていて、感動する景色はない。
トレッキングをしているみたい。 -
磁石岩と呼ばれ、方位磁石を狂わすという岩礁地帯があったが、これら観光ポイントは海辺にあるので、歩きにくい岩場の道下り、また戻ってこなくてはならない。
大変だ。
遊歩道以外は人の手が入っていない自然保護を旨とする島で、荒々しく、人にとっての便利さや快適さはなく、そのことに価値があるのだ。 -
強い風を受け続けて、一方方向に曲がってしまった樹木の中を通り抜けると、ゴール間近で、
-
東尋坊にも見劣りしない断崖が眺めて、
「これで東尋坊にも行ったことにしよう」
とここでハイキングは終了。
「明日は、きっと筋肉痛だよ・・」
と足腰をなでる女房だが、運動したあとは気持ちが良い。
雄島に来たという実感も持て、終わってみれば良い思い出の島となる。 -
東尋坊には寄らずに、そのまま金沢の街に向かう。
金沢まではおよそ80km。
-
途中の『道の駅 こまつ木場潟』で、顔を洗ったり歯を磨いたりと、身だしなみを整え、
道の駅 こまつ木場潟 道の駅
-
ベンチで朝食の準備をしていると、
突然ものすごい音が上空から響いてきて、見ればジェット機が低空飛行。
「こまつ空港はすぐ近くなんだ!」
と何も知らない私たちには大発見。 -
金沢市街に近付くにつれて、窓から入る風が熱風となってきて、ついにエアコンのスイッチを押すこととなった。
到着した武家屋敷跡一帯は、油断すれば即熱中症という猛烈な暑さ。
台風による風で、北陸地方はこの夏一番の暑さを記録しているという。
北陸の恐ろしさを体験する。 -
有料駐車場に車を停めて、武家屋敷跡を探す。
金沢と言えば兼六園に決まっているが、田舎に住む私たちは人工の自然にはたいして興味がない。
それよりも加賀100万石の面影を残す武家屋敷跡だ。 -
グーグルマップを見ながら何とか足軽資料館を探し当てた。
暑いので観光客はほとんどいない。金沢市足軽資料館 美術館・博物館
-
足軽が住んでいたという家屋が2軒あるが、空家だ。
入場料は必要なのかな?
黙って入って良いのかな?
うろうろ、おずおず・・ -
「靴を脱いで見学してください」との張り紙があった。
見学はフリーらしいが、 -
それでもと遠慮がちに見学していると、掃除のおばさんがやって来た。
黙って入って、叱られるかな・・
愛想笑いをしながら質問なんかしてみると、親切に説明してくれる優しいおばさんだった。
それに加えて知識も豊富。 -
「ここが主人夫婦が寝ていた部屋で、ここが書斎、ここで家族が食事する・・」
当時の足軽武士の生活から、屋敷のこと、はたまた金沢の風土や近年の大雪のことと話は尽きず、
おばさんのイントネーションも、どこか京に似た柔らかさがあって、すっかりおばさんの話に引き込まれて、暑さも忘れるほど。 -
下級武士であった足軽なのに、屋敷は想像以上に広い。
しかし江戸時代も中期になると、武士の生活も苦しくなって、藤沢周平の小説にも出てくるように、一家揃って内職に励んでいたそうだ。
ここがその内職の場かな。 -
びっくりしたのは屋敷の中に井戸があったこと。
普通は庭か、路地にあるはずなのに、家の中にあるなんて・・ -
一汁一菜のつつましい食事をとっていた部屋。
当時は、武士よりも町人の方が経済的に豊かだったという。
しかし貧しいながらも武士は徳を重んじ、礼節を失わず、物欲に走らず、むやみにいばりもせず、喧嘩もしなかった。
(水戸黄門や大岡越前のドラマは作り話です。)
そんな武士が支配する社会だったので、社会は平和におさまっていたそうだ。
(江戸時代ほど平和な日本はなかった。) -
江戸末期、日本にやって来た欧米人たちは、武士を含めて町人や農民までが、優しい笑顔で暮らしていることに驚嘆したという。
そのモラルの高さ、勤勉さ、好奇心の強さや識字力、芸術文化のレベルに感動し、それを本国に報告している。
「こんな天国のような島国に、西洋文化を持ち込むべきではない」と進言している文書もある。 -
ここは、そんな江戸時代を伝える足軽屋敷跡だった。
庭にはクルミや柿、梅、栗が植えられていた。
木になっているクルミの実を見て驚いた。
ゴワゴワシワシワの茶色の実ではなく、緑のつるつるしたビワのような実だった。
-
武家屋敷の跡は、大野庄用水に沿った場所に残されていて、
(金沢は米軍の空襲を受けていない) -
上級武士の屋敷も、その一部が残っていたり、
-
奥の建物は分からないが、道路に接する塀などには、昔ながらの街並みが保存されていて、
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土産物屋や派手な商業看板やイルミネーションはなく、電柱までもが消されている。
金沢の文化伝統を守ろうとする市民の熱意が伝わってくる。 -
休憩館に入ると、ボランティアのおじさんが熱心に観光客へアドバイスしていて、
たどたどしい英語ながらも、ポルトガル人たちの相手もしている。
私たちもその中に入って、久しぶりの片言英語。
海外の旅を思い出され、また海外に行ってみたくなる。
保存された街並みも素晴らしいが、一番は、やはり出会う人とのふれあい・・
それがわずかな時間でも、受け取るものは大きいもので、
今季最高気温を記録する暑い暑い金沢だったのに、さわやかな気持ちでこの街を去れたのは、掃除のおばちゃんをはじめとする出会った人々が、実に良い人たちだったから。長町武家屋敷休憩館 名所・史跡
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