ダブル台風と一緒に、長浜・福井・能登で車中泊（13/17）能登島・・島に泊まりたくて

2018/08/25 - 2018/08/26

　能登島に向かう。
　今夜の宿泊地は能登島だ。
　ここに寄るべき特別な理由はないが、島に泊まるなんてちょっと楽しそうだと決めたのだった。
　能登島への途中には軍艦島がある。
　一応それも見ておこう。

エリア 能登島(石川)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車

　禄剛崎灯台を出発して山道を走っていると、突然『空中展望台スカイバード』の案内板があった。
　矢印は山の中を指している。
　その支持に従うと、海辺の断崖の上に奇麗な建物があった。
　周囲の自然とはミスマッチ。

空中展望台 スカイバード 名所・史跡

　派手な電飾で飾られた建物入口では、高額な入場チケットを売っていて、たじろぐ私たち。
　一体ここは何？
　観光パネルを見ると、巨大な洞窟。
　その奥にまばゆく輝く海がある。
　どこかで見たような景色だな・・
　紀伊半島にもこんなものがあったはず。
　しかし入場料を取るとは、ここは個人の海岸なのか？
　崖下をのぞくと、黒い屋根が見える。

　武家屋敷のようであり、娯楽施設のようでもあるかのような、小さな町が作られていて、宅配便のトラックが動いていた。
　まっ、高い金を出してまで見学する価値はないだろう・・と退散し、

　見附島までやって来た。
　防風林の隙間に軍艦のような島が見える。
　いつだったか・・団体旅行で来た気がするが、こんな場所だったかな？
　もしかしたら、遠くから眺めただけだったのかも・・

見附島 自然・景勝地

　あいにくと潮が満ちてきている時で、島の近くまで歩ける桟橋（？）は、半分海の中。
　誰か勇気を出して渡る人はいないものか？
　期待して待っていたが、そんな人は現れない。

　「見付島もいいけれど、荒々しい岸壁への方が、感動的だよね・・」
　なんて言いながら見付茶屋で、海苔のたっぷり乗った「見付そば」をすすっただけで、
　（これは出汁が効いていて美味かったと、女房は後から褒めていたが・・）

　『えんむすびーちの鐘』は、私たちシニア夫婦には似合わないので、ひもは引っ張らず、
　ドローンで島の向こう側を空撮しようと思ったけれど、周囲に観光客がいるのでやめて、

　そのまま、九十九湾にやって来た。
　九十九と書いて、くつもと読むなんて、かっこいいなあ・・
　どこかの小説に出ていたんではなかろうか・・？
　と頭をひねったが思い出せず、

　八坂神社を訪ねると、民家が密集する狭い土地に建っていた。
　信じられないほどにみすぼらしい神社だった。
　ここで行われる“あばれ祭り”は有名で、無形民俗文化財にも指定されているのに、
　それが、この神社なの？

　しかしよくよく考えてみれば、日本の神は自然そのもので、社殿などは華美・荘厳で巨大なものでなくても良く、
　これぞ神社の手本だと称賛して、神妙に手を合わせ、　
　

　素敵な海岸沿いを、能登島に向かってまっしぐら。
　時々しぶきが飛んできて、
　車が錆びてしまうではないかと心配する。
　実は能登島の存在を知ったのは最近のことで、
　能登の地形もほとんど分からずにやって来たが、地理というものは自分で走って初めて身に付くことだらけ。

　そんな能登島に、わくわくしながらツインブリッジを渡ると、
　（橋の長さは620mもあるそうな）

ツインブリッジのと 名所・史跡

　山道となってしまった。
　海岸線を走り、島の様子を見たかったのに、道路の選択を間違ったようだ。
　カーナビは最短距離の道路を選んでしまいがちで、
　もう少し利口にならないものか・・
　（自分のカーナビが安物なのか？）

　つまらない山道をくねくねと走り、やっと海の見える場所に出て来ると、

　見えたのは『ひょっこり温泉』
　（この島は、ひょっこりひょうたん島？）
　温泉は能登島マリンパーク海族公園の中にあって、

ひょっこり温泉 島の湯 温泉

　隣には立派な公園管理棟も建っている。
　海水浴の観光客が利用する施設のようで、海で遊び終わった家族が三々五々にひょっこり温泉に移動している。

　広々としたロビーと、その奥には売店、カラオケルーム、レストランもあり、

　畳敷きの休憩所もあって、子供連れの家族でにぎわっていた。
　（今日は土曜日だった）　

　入場料は500円と、観光施設だからとぼったくることはなく、プールのような浴槽が二つもあって、

　楽しそうな子供の声が響き渡って、老いも若きもご機嫌、ご機嫌。

　バブルの薬湯、サウナ、寝湯に、

　露天風呂と、客を飽きさせない作りも嬉しい。
　すっかり気分を良くして、今夜の宿泊場所に移動する。

　能登島には水族館やガラス美術館、古墳などの見どころがあるが、
　この時間は営業終了となっていた。

　真暗にならないうちに「道の駅 のとじま」に到着するが、
　だだっ広い駐車場には、車の姿はないも同然で、
　遠慮することなく好き勝手ができのは良いが、これはこれで心細いものだ。
　（暗くなったら怖いなあ・・）

道の駅 のとじま 道の駅

　途中のコンビニで仕入れた丼ぶり弁当と野菜サラダで、車中泊らしい夕食を済ませると、蚊や虫を避ける場所を探す。
　蚊は樹木や草むらに潜んでいるんだから、それらから離れた駐車場のど真ん中が良かろう。

　と、その時、
　雷鳴がとどろいたかと思うと、突然の大雨。
　「食べた後で、良かったね・・」
　「ラッキー、ラッキー」
　と室内に閉じこもり、

　狭いながらものんびり休憩。
　雨のため気温も下がって、まずまずの車内環境。
　こんな状況も子供心に返って面白い。

　雨がしだいに小降りとなると、車中泊の仲間が1台やって来た。
　（少し、安心）

　自作の蚊帳を窓に張り付けて、今宵は虫対策に力をそそぐ。
　昨夜のように虫に刺されてはかなわない。

　夜遊び型の女房はなかなか寝つけないようだが、私は横になればすぐ眠ってしまう。

　朝になると雨はすっかり上がっていて、車の数も増えていた。

　毎度同じみのアルポットで、お湯を沸かして朝食準備。

　道の駅は丘の斜面に作られていて、丘の上にはガラス美術館が建っている。
　宇宙基地のような建物に引き寄せられるが、当然ながらまだ開館前。
　

石川県能登島ガラス美術館 美術館・博物館

　ドローンを飛ばして周囲の様子を観察すると、海はすぐ近くだった。
　これは北の方向で、

東には七尾北湾が広がり、

　南東の空は朝日でピンク色に染まり、

　下を見れば、道の駅とガラス美術館。
　そうか、こんな場所に泊まっていたのか・・
　島に来ても島らしいことはできず、能登半島一周もあと少しで、七尾城址を残すのみ。
　心残りはあるが、七尾の街に向けて出発だ。