2017/10/05 - 2017/10/11
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binchanさん
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10月6日金曜日、旅行二日目。
8:52、タリンBalti jaamを列車で出発しました。東部の地方都市ユフヴィ(Jõhvi)まで行きます。
この路線はエストニアに最初に敷かれた鉄道で、この先国境を越えてロシアまで続いています。国際列車も走っています。
私の乗っていた車両は、近郊の駅までは立ち席の人もいるくらいの込み具合でした。郊外に出た頃、車掌さんが検札にやってきました。「テッレ(Terre!):こんにちは」とエストニア語で声をかけてくれます。そうそう、テッレ!ですよね、エストニアのあいさつと言えば。
切符についてお向かいに座った人にちょっと質問したのですが、その方は英語がダメでした。すると通路を挟んだところに座っていた方が、「どうしました?」と声をかけてくれ疑問にすらすらと答えてくれました。(疑問は切符のヴァリデーションは必要かということ)
その後私の指定座席に陽が差し込んでまぶしくなり、それをコートで遮っていたら、その方が「こっちに移って来たらどう?」と言ってくださいました。それでその方と相席になったわけですが、せっかく英語が通じる方なので、翻訳ソフトのエストニア語が正しいかどうか見てもらったりしていました。今日はこの後エストニア最大落差の滝を見に行くのだと言ったら、「滝が好きなんですか?」と質問されました。そもそもユフヴィという地方都市で下車するってこと自体が不思議で、興味を持っていたようです。
滝へ行くのはたまたまユフヴィから近いからで、そもそもは鉱山博物館に行くためだと答えると、「へえ、僕は昔7年鉱山で働いてたよ。今はプラントのエンジニアなんだ。これからナルヴァで仕事。」とのこと。へええ~~。ソ連時代の重機に新しいオペレーションシステムを搭載するというのが、この方の現在のお仕事とのこと。重機の写真をパソコンで見せてくれました。
途中の駅(たぶんキヴィオリ)で「そこに見えるのはオイルシェール鉱山だよ。あっちにある小山は自然のものじゃなくて、採掘で出たくず石を積み上げたものなんだ。」と教えてくれました。「ああいう人工の小山はオイルシェールを燃やしたあとの灰だと思っていたんですが違うんですか?」と聞いてみると、「発電所の近くにあるのは灰でできてる。でも鉱山のはくず石だね。」とのこと。いや~、勉強になりました!
オイルシェールとは「油母(ケロジェン)」という燃料になる物質を多く含んだ頁岩で、エストニアにたくさん埋蔵されています。そして、エストニアではこれを発電に使っています。なんと国内電力の85パーセントを賄っているそう(Estonicaというサイト参考)。オイルシェールと言うとそこからガスやオイルを抽出して使うみたいなイメージですが、エストニアではそのまんま燃やして使ってます。
エストニアの航空写真を見ていると、鉱山のある東部地方を中心に、オイルシェールの残灰を洗浄した廃水を溜めておく巨大なプールがいくつも見られます。ナニコレ!?と言いたくなる光景で、それを見たことも東部エストニアに行きたくなった理由の一つです。
もっと英語力があったら詳しいお話が聞けたのに!と言いながら、ぜんぜん努力しないんですけど…。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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10:57、ユフヴィ到着。
エストニアの駅は列車との段差がないちゃんとしたホームがあります。6年前に行ったタルトゥ駅は低いホームだったので、地方駅のホームは最近整備したのでしょう。 -
貨物の車両が停まってます。オイルシェールを積むのかなあ。
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旧駅舎がある方へと出ます。
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無人駅です。
ホームの両端に渡る場所が設けられていまが、そこに遮断機や警報機があるわけではありません。
線路を渡るところにこの看板があったので「列車に注意」とか書いてあるのかと思ったら、「先頭車両位置」でした。駅によってはホームが短いところもあるので、この表示は重要なのかも。 -
駅舎、線路側。
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駅前側。
駅舎が使用されている気配はありませんし、駅の名前なども外されています。エストニアの鉄道システムでは、切符売り場も改札も必要ないわけですから、駅舎が利用されていないのはごもっとも。歴史的建築として残しているのかな。 -
駅前に「Vaksal」というバス停が。調べてみてもここを通る路線は見つからず。
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新しそうなバス停なのでこれから路線が決まるのかな。
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駅前にひっそりとある記念碑。
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碑文を翻訳ソフトに打ち込むと「Etternal commemoration, in 1941,the victims of the June deportation began their long Siberian road」と出ます。
1940年、独立国だったエストニアにソ連が侵攻、併合してしまいます。そして翌年1941年、大量のエストニア人をシベリアに強制移住させました。強制移住は1944年のドイツによる占領まで何度もあり、また第二次世界大戦後ふたたびソ連に編入された後も、反体制的であるというという理由で多くの人がシベリアに送られ続けました。1941~44年のソ連による占領時だけで、5万人ものエストニア人がシベリアに送られたようです(ウィキペディアの記載から計算)。
ロシアへと続く鉄路。この駅からも多くのエストニア人が連行されて行きました。その最初の列車が出発した日をここに刻んでいます。 -
では、ホテルへと向かいます。駅前の道を北へ。
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一つ目の十字路で右折。
その角にあったパブ。中世からドイツ文化と深いかかわりがあるエストニア、やっぱビールですよね。 -
第一猫発見!
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大通りに出たら右へ。このあたりからユフヴィの繁華街です。
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信号が少ない地方都市、大通りの横断歩道にはこんな表示。「止まって、見て、注意して!」、ロシア語で書かれているのはこの町にロシア系住民が多いからでしょうか。
2000年の国勢調査によると、エストニア国民の26%がロシア民族。ユフヴィやナルヴァがあるイダーヴィル県(Ida-Virumaa )では、なんとロシア民族が70%以上。なるほど、こうしてロシア語オンリーの表示を見つけるのも道理。
それでも、エストニア政府はロシア系の住民にもエストニア語を話すことを求めているのに、これはロシア語だけなんて、よっぽどロシア系住民に交通事故が多いんだろうか。
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